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再会編

ご褒美が欲しいのに……

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 くちょくちょに汚れているであろう、秘部を見られていることに対する羞恥。

 でもそれが、よけいわたくしの中から蜜を溢れさせる原因になっていると、わたくしは知りました。

「そうだよ、その尖った可愛い芽を転がしてごらん?」

 ベルトラン様の耳に心地よい声。

 わたくしはまるで操られているかのように、突起に指を当てました。

 わたくしの指は、ベルトラン様に操られているの。だから、こればベルトラン様に触られているのと同じ。

 クリンッと芯を転がした瞬間、ピリッと痺れが走り、わたくしの腰がビクンと跳ね上がりました。ピシャと愛液が飛び散り、はしたなさに涙が零れます。

 でも、その不思議な感覚に夢中になってしまいました。わたくしは何度も尖りを突きまわし、その度に腰をビクビク動かしていました。

「はっ……ぁ」

 こんなの、エミリア嬢の話には出てきませんでしたわ。さすがに生々しくてそこまで話せなかったのかしら。

 とにかく、膨らんできた芽を弄るたびに、わたくしの薔薇の中心から蜜が溢れ続け、シーツを汚してしまうのです。

「ミレイユ。悪い子だ」

 笑いを含んだ低い声。わたくしは快楽の彼方で、ごめんなさい、と謝る自分の声を聞きました。

 しとどに濡れた脚の間が、寂しくて仕方ありません。

 わたくし、ちょっと頭がどうにかなっていたのかしら。ついに、自分の指を差し込んでしまいました。

 クチュという音が、わびしく響きます。掻き回してみました。

 くちゅくちゅくちゅ……なんで、こんなに細いのかしら、わたくしの指は。

 わたくしの中は、ベルトラン様を覚えているのです。

 避妊魔法のおかげで痛みはなく、ただみっちりとわたくしの中を押し広げ浸入し、めちゃくちゃに擦り上げた、ベルトラン様の太いアレを。

 覚えて……いるのです。

 この細い指のなんたる虚しさ!

「ベ……ルト……ランさ……まぁ」

 わたくしはモノ欲しげに彼に目をやりました。

 ベルトラン様は食い入るようにこちらを観察していましたが、わたくしと視線が合うと、フイッと目を逸らしました。

 わざと? わたくしは必死でベルトラン様に訴えます。

「熱いの……体が……」

 乳首を片方の指で擦りながら、もう片方の手の指で膣口を掻き回しているのに、わたくしの体はますます疼いてくるだけで、収まろうとしません。

 ベルトラン様に抱きしめほしい、入れて欲しい。どうか、避妊魔法で……一度きりでいいから──。

 そんなこと淑女は言ってはいけないのでしょうが、わたくしには我慢できそうにありませんでした。

 ベルトラン様は、目を逸らしたまましばらく無言でした。

 くちゅくちゅという音だけが、寝室に響き渡ります。

 何か考え込んでいたベルトラン様が、やっとわたくしと視線を絡ませます。

 ベルトラン様は言いました。

「聞くよ。何か、言いたいことあるんだね?」

 わたくしはガクガク頷き、ついには懇願しようとしました。

 抱いて欲しいと。わたくしを、めちゃくちゃに犯して欲しいと。

 その時、ベルトラン様の目の中に、わたくしはある感情を読み取ってしまったのです。

 最初は、哀れみだと思いました。

 でも、蔑みも確かにあったように思えるのです。

 口元に浮かぶ微笑も、よく見れば嘲笑。

「淫乱なミレイユ。言ってごらん?」

 優しい優しい声。

 だけどベルトラン様は……わたくしのこと、汚らわしいと思っているのでしょう?

 突っ込みたいとは思えないのでしょう?

 わたくしは、ふるふる首を振りました。

「どうしたの? 強姦魔ミレイユちゃん?」

 まったくその通りなのですが……。

 彼はわたくしが嫌なのです。

 抱いて欲しいなんて、そんなこと頼めない。しかも、断られるのは分かっているのに。

 ベルトラン様は動きを止めたわたくしに、また囁きかけました。

「挿れて欲しいんじゃないの?」
「いり……ません」

 ベルトラン様は目を見開いてしばし固まったあと、立ち上がりました。

 じっと悶え狂うわたくしを見ています。その表情からは、彼が何を考えているのか読めませんでした。

「……そう。分かったよ。おやすみ」

 ベルトラン様は静かにそう言って、寝室を出ていってしまいました。
 
 わたくしは疼く体を抱きしめたまま、絶望の呻き声を飲み込み、打ち震えました。

 虚しくて仕方がない燃える体をくねらせ、パックリ開いた蜜壷に指を増やして入れ、どうにか己を慰めたのです。
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