18 / 56
再会編
学園の貴公子の苦悩と変化(ベルトラン視点)
しおりを挟む
ノエルちゃんが結婚してしまった。
中等科からずっと好きだった子だ。
でも振られた。
と……言うか、振られることは分かっていた。
だって、彼女は平民の天才生徒に惚れていたから。
ベタ惚れだった。
僕はどうやらモテるらしい。最初は、王家とも繋がりがある、この血筋のせいでモテるのかと思った。
でも、体格や運動能力、成績、そして万人受けする顔立ち。それに器用で、なんでもそつ無くこなすところなど、総合的に僕はイケているようだ。
あと、誰にでも優しいと言われる穏やかな性格も。
それらは、生まれながらに持っていたものだ。
身体的なものも性格も、自分で努力して手に入れたわけじゃない。だから自惚れたりはしない。
運が良かっただけ。
それに、好きな子は僕など眼中に無い。
だったらこんなモテる要素など、何の役に立つのか分からない。
僕は焦った。
あの男にノエルちゃんを取られると思い、すごく焦った。
だから、最低な手段に出た。
ノエルちゃんを強引に、自分のものにしようとした。
言い訳が許されるなら、当主は行方知らずで戦況は悪く、尊敬する兄が跡継ぎも残さず出陣しようとしていたからだ。
絶望していた。
毎晩、魔法通信で兄と大喧嘩していた。代わりに僕が行くと、何度も掛け合った。
兄には好きな娘が居るから。僕のように望みの無い相手ではなく、告白すれば上手くいきそうな子が。
それならば、今回は免除申請をしてくれと頼んだ。僕が志願するからと。
でも、僕だって後継者を残したかった。自分の魔力を──この血を次世代に受け継いでから、死にたかった。
なにもかも、焦っていた。だからノエルちゃんを……。
──ダサい、言い訳だ。
そんな僕に神は罰を下した。
後輩の女の子に、ハニートラップを仕掛けられた。
……いや、あれはハニートラップではないな、逆レイプだ。
学長が不良の更正に使うという、魔鉱石の催眠術。あれと同じようなものなのだろうか。彼女はそれを使わず、僕に催眠をかけたのだ。
僕は嫡子の兄より魔力が強い。ゆえに、魔鉱石と同等程度の魔力ではかからない。
おそらく、学長の魔鉱石による調教は僕には効かないだろう。まあ、僕は優等生だから、更正されるようなところは無いのだけど。
なのに、彼女の催眠にはかかった。見たところ、魔力など無さそうな地味な色味なのに。
その子は、僕の取り巻き令嬢の一人だった。華奢で、高等科の生徒とは思えないくらい幼くて、一番控えめな子だった。
僕と同じ研究をしている後輩らのほとんどが、僕目当てだった。
質問してくるのは構わないんだ。
きっと兄やノエルちゃんなら、得意になって面倒を見ていたと思うから。僕は意識の高いそんな二人に憧れていたからだ。
ただ正直、卒論の提出が近くなってきた頃は、ちょっと大変だった。見かねた先生が注意してくれたが、彼女たちのベタベタは止まらなかった。
でも、ピタリとあの子だけは来なくなった。講義には出るけど、取り巻きと一緒に僕に近づくことが無くなったのだ。
本気で勉強していたことは分かるから、ちょっと心配になった。
自然と、話しかけてしまっていた。
僕には歳の離れた妹がいる。彼女の見た目の幼さに重ねていたのかもしれない。
細い首、壊れそうな華奢な骨格、顔の輪郭からはみ出しそうな大きな目。中等科どころか、初等科に居てもおかしくないのではないか。
だからこそ、ショックだった。
いや、告白されたことに、ではない。
呼び出しに気づいた時は、この子も僕に憧れているんだと思った。
恋に恋する夢見る少女。
微笑ましくはあったけど、気持ちには応えられない。ロリコンじゃあるまいし。
まあ、年齢はそう変わらないのだけど、女として見られる子じゃないのは確かだ。ぶっちゃけ女児に見える。
「抱いてください」
そう言われた時、耳を疑った。
そして、ひどく悲しいような、がっかりした気分になった。
一部のませた少女たちは、そうやって誘ってきた。結婚が目的じゃない平民の子たちもだ。
同じ学年の特待生クラスに編入してきた子など、あからさまだった。彼女の場合、貴族と同等の国家研究員──役人の一種で、貴族と結婚できる資格の一つだ──になる可能性があったから、よけいギラギラ迫って来た。
僕は、皆が思っているほど潔癖ではない。
だから彼女たちに憎悪は感じなかった。結婚は大事だし、たとえ火遊び目的だって僕に対して向けられるその気持ちは、男として不快ではなかった。
女子だって性欲はあるだろうし、安全そうな僕にその相手を頼んだって不思議ではないと思ったのだ。
ただ僕は、まだノエルちゃんを諦めていなかった。女々しくも、明らかに脈の無い彼女を落とそうと、必死だった時だ。
気持ちはノエルちゃんにしか無い。それで、みなの告白を断ってきた。
幼い妹と重なる所があるあの少女の、衝撃的な「抱いて」発言は、それだけでショックだったのに──。
さらに……。
あの痩せっぽっちの幼い少女がやったことは、僕の意思を無視して僕を好きにしようとしたことだ。
僕の心など、どうでもいいかのように。
そして何よりそれが、まるでノエルちゃんを無理矢理抱こうとした僕自身のようで、僕は吐き気を催したのだ。
優等生の皮を被った僕の中から醜さを引きずりだし、僕に突き付けたことに対する憎悪だった。
僕が責任を感じて、結婚してくれると本当に思ったのなら、僕はどれだけ人がいいと思われていたのか。
でも、我に返った僕が見たのは、自分のしたことをよく分かっていない、浅はかな少女だった。
僕の怒りに触れ、怯えるだけのバカな子供。
それは、屠畜場送りにされる家畜の表情に似ていると思った。
その瞬間、こんな子供をノエルちゃんの代わりに抱いたのかという自己嫌悪と、愚かなこの少女を断罪する権利を握ったような妙な高揚感に、僕の股間は再び熱くなったのだ。
僕は、自分が変態なのかと思った。
そこから、なにもかもどうでもよくなった。
なんと言うか──。
僕は自分が下劣な人間だと自覚したのだ。高潔な自分を演じるのが嫌になったのだと思う。しょせん僕は、兄上やノエルちゃんのようにはなれない。
表面だけの男なのだと、あの愚かな少女によって教えられてしまったから。
肩の力が抜けたと言えば聞こえはいいが、なまじ何でも人より優れている僕にとって、人生が乾いた空虚なものになりはててしまったのだ。
僕は頑張らず、責任など感じず、適当に遊ぶことにした。
中等科からずっと好きだった子だ。
でも振られた。
と……言うか、振られることは分かっていた。
だって、彼女は平民の天才生徒に惚れていたから。
ベタ惚れだった。
僕はどうやらモテるらしい。最初は、王家とも繋がりがある、この血筋のせいでモテるのかと思った。
でも、体格や運動能力、成績、そして万人受けする顔立ち。それに器用で、なんでもそつ無くこなすところなど、総合的に僕はイケているようだ。
あと、誰にでも優しいと言われる穏やかな性格も。
それらは、生まれながらに持っていたものだ。
身体的なものも性格も、自分で努力して手に入れたわけじゃない。だから自惚れたりはしない。
運が良かっただけ。
それに、好きな子は僕など眼中に無い。
だったらこんなモテる要素など、何の役に立つのか分からない。
僕は焦った。
あの男にノエルちゃんを取られると思い、すごく焦った。
だから、最低な手段に出た。
ノエルちゃんを強引に、自分のものにしようとした。
言い訳が許されるなら、当主は行方知らずで戦況は悪く、尊敬する兄が跡継ぎも残さず出陣しようとしていたからだ。
絶望していた。
毎晩、魔法通信で兄と大喧嘩していた。代わりに僕が行くと、何度も掛け合った。
兄には好きな娘が居るから。僕のように望みの無い相手ではなく、告白すれば上手くいきそうな子が。
それならば、今回は免除申請をしてくれと頼んだ。僕が志願するからと。
でも、僕だって後継者を残したかった。自分の魔力を──この血を次世代に受け継いでから、死にたかった。
なにもかも、焦っていた。だからノエルちゃんを……。
──ダサい、言い訳だ。
そんな僕に神は罰を下した。
後輩の女の子に、ハニートラップを仕掛けられた。
……いや、あれはハニートラップではないな、逆レイプだ。
学長が不良の更正に使うという、魔鉱石の催眠術。あれと同じようなものなのだろうか。彼女はそれを使わず、僕に催眠をかけたのだ。
僕は嫡子の兄より魔力が強い。ゆえに、魔鉱石と同等程度の魔力ではかからない。
おそらく、学長の魔鉱石による調教は僕には効かないだろう。まあ、僕は優等生だから、更正されるようなところは無いのだけど。
なのに、彼女の催眠にはかかった。見たところ、魔力など無さそうな地味な色味なのに。
その子は、僕の取り巻き令嬢の一人だった。華奢で、高等科の生徒とは思えないくらい幼くて、一番控えめな子だった。
僕と同じ研究をしている後輩らのほとんどが、僕目当てだった。
質問してくるのは構わないんだ。
きっと兄やノエルちゃんなら、得意になって面倒を見ていたと思うから。僕は意識の高いそんな二人に憧れていたからだ。
ただ正直、卒論の提出が近くなってきた頃は、ちょっと大変だった。見かねた先生が注意してくれたが、彼女たちのベタベタは止まらなかった。
でも、ピタリとあの子だけは来なくなった。講義には出るけど、取り巻きと一緒に僕に近づくことが無くなったのだ。
本気で勉強していたことは分かるから、ちょっと心配になった。
自然と、話しかけてしまっていた。
僕には歳の離れた妹がいる。彼女の見た目の幼さに重ねていたのかもしれない。
細い首、壊れそうな華奢な骨格、顔の輪郭からはみ出しそうな大きな目。中等科どころか、初等科に居てもおかしくないのではないか。
だからこそ、ショックだった。
いや、告白されたことに、ではない。
呼び出しに気づいた時は、この子も僕に憧れているんだと思った。
恋に恋する夢見る少女。
微笑ましくはあったけど、気持ちには応えられない。ロリコンじゃあるまいし。
まあ、年齢はそう変わらないのだけど、女として見られる子じゃないのは確かだ。ぶっちゃけ女児に見える。
「抱いてください」
そう言われた時、耳を疑った。
そして、ひどく悲しいような、がっかりした気分になった。
一部のませた少女たちは、そうやって誘ってきた。結婚が目的じゃない平民の子たちもだ。
同じ学年の特待生クラスに編入してきた子など、あからさまだった。彼女の場合、貴族と同等の国家研究員──役人の一種で、貴族と結婚できる資格の一つだ──になる可能性があったから、よけいギラギラ迫って来た。
僕は、皆が思っているほど潔癖ではない。
だから彼女たちに憎悪は感じなかった。結婚は大事だし、たとえ火遊び目的だって僕に対して向けられるその気持ちは、男として不快ではなかった。
女子だって性欲はあるだろうし、安全そうな僕にその相手を頼んだって不思議ではないと思ったのだ。
ただ僕は、まだノエルちゃんを諦めていなかった。女々しくも、明らかに脈の無い彼女を落とそうと、必死だった時だ。
気持ちはノエルちゃんにしか無い。それで、みなの告白を断ってきた。
幼い妹と重なる所があるあの少女の、衝撃的な「抱いて」発言は、それだけでショックだったのに──。
さらに……。
あの痩せっぽっちの幼い少女がやったことは、僕の意思を無視して僕を好きにしようとしたことだ。
僕の心など、どうでもいいかのように。
そして何よりそれが、まるでノエルちゃんを無理矢理抱こうとした僕自身のようで、僕は吐き気を催したのだ。
優等生の皮を被った僕の中から醜さを引きずりだし、僕に突き付けたことに対する憎悪だった。
僕が責任を感じて、結婚してくれると本当に思ったのなら、僕はどれだけ人がいいと思われていたのか。
でも、我に返った僕が見たのは、自分のしたことをよく分かっていない、浅はかな少女だった。
僕の怒りに触れ、怯えるだけのバカな子供。
それは、屠畜場送りにされる家畜の表情に似ていると思った。
その瞬間、こんな子供をノエルちゃんの代わりに抱いたのかという自己嫌悪と、愚かなこの少女を断罪する権利を握ったような妙な高揚感に、僕の股間は再び熱くなったのだ。
僕は、自分が変態なのかと思った。
そこから、なにもかもどうでもよくなった。
なんと言うか──。
僕は自分が下劣な人間だと自覚したのだ。高潔な自分を演じるのが嫌になったのだと思う。しょせん僕は、兄上やノエルちゃんのようにはなれない。
表面だけの男なのだと、あの愚かな少女によって教えられてしまったから。
肩の力が抜けたと言えば聞こえはいいが、なまじ何でも人より優れている僕にとって、人生が乾いた空虚なものになりはててしまったのだ。
僕は頑張らず、責任など感じず、適当に遊ぶことにした。
2
お気に入りに追加
705
あなたにおすすめの小説
タイムリープ〜悪女の烙印を押された私はもう二度と失敗しない
結城芙由奈@12/27電子書籍配信中
恋愛
<もうあなた方の事は信じません>―私が二度目の人生を生きている事は誰にも内緒―
私の名前はアイリス・イリヤ。王太子の婚約者だった。2年越しにようやく迎えた婚約式の発表の日、何故か<私>は大観衆の中にいた。そして婚約者である王太子の側に立っていたのは彼に付きまとっていたクラスメイト。この国の国王陛下は告げた。
「アイリス・イリヤとの婚約を解消し、ここにいるタバサ・オルフェンを王太子の婚約者とする!」
その場で身に覚えの無い罪で悪女として捕らえられた私は島流しに遭い、寂しい晩年を迎えた・・・はずが、守護神の力で何故か婚約式発表の2年前に逆戻り。タイムリープの力ともう一つの力を手に入れた二度目の人生。目の前には私を騙した人達がいる。もう騙されない。同じ失敗は繰り返さないと私は心に誓った。
※カクヨム・小説家になろうにも掲載しています
【完結】この胸が痛むのは
Mimi
恋愛
「アグネス嬢なら」
彼がそう言ったので。
私は縁組をお受けすることにしました。
そのひとは、亡くなった姉の恋人だった方でした。
亡き姉クラリスと婚約間近だった第三王子アシュフォード殿下。
殿下と出会ったのは私が先でしたのに。
幼い私をきっかけに、顔を合わせた姉に殿下は恋をしたのです……
姉が亡くなって7年。
政略婚を拒否したい王弟アシュフォードが
『彼女なら結婚してもいい』と、指名したのが最愛のひとクラリスの妹アグネスだった。
亡くなった恋人と同い年になり、彼女の面影をまとうアグネスに、アシュフォードは……
*****
サイドストーリー
『この胸に抱えたものは』全13話も公開しています。
こちらの結末ネタバレを含んだ内容です。
読了後にお立ち寄りいただけましたら、幸いです
* 他サイトで公開しています。
どうぞよろしくお願い致します。
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
性悪という理由で婚約破棄された嫌われ者の令嬢~心の綺麗な者しか好かれない精霊と友達になる~
黒塔真実
恋愛
公爵令嬢カリーナは幼い頃から後妻と義妹によって悪者にされ孤独に育ってきた。15歳になり入学した王立学園でも、悪知恵の働く義妹とカリーナの婚約者でありながら義妹に洗脳されている第二王子の働きにより、学園中の嫌われ者になってしまう。しかも再会した初恋の第一王子にまで軽蔑されてしまい、さらに止めの一撃のように第二王子に「性悪」を理由に婚約破棄を宣言されて……!? 恋愛&悪が報いを受ける「ざまぁ」もの!! ※※※主人公は最終的にチート能力に目覚めます※※※アルファポリスオンリー※※※皆様の応援のおかげで第14回恋愛大賞で奨励賞を頂きました。ありがとうございます※※※
すみません、すっきりざまぁ終了したのでいったん完結します→※書籍化予定部分=【本編】を引き下げます。【番外編】追加予定→ルシアン視点追加→最新のディー視点の番外編は書籍化関連のページにて、アンケートに答えると読めます!!
美しい公爵様の、凄まじい独占欲と溺れるほどの愛
らがまふぃん
恋愛
こちらは以前投稿いたしました、 美しく残酷な公爵令息様の、一途で不器用な愛 の続編となっております。前作よりマイルドな作品に仕上がっておりますが、内面のダークさが前作よりはあるのではなかろうかと。こちらのみでも楽しめるとは思いますが、わかりづらいかもしれません。よろしかったら前作をお読みいただいた方が、より楽しんでいただけるかと思いますので、お時間の都合のつく方は、是非。時々予告なく残酷な表現が入りますので、苦手な方はお控えください。 *早速のお気に入り登録、しおり、エールをありがとうございます。とても励みになります。前作もお読みくださっている方々にも、多大なる感謝を! ※R5.7/23本編完結いたしました。たくさんの方々に支えられ、ここまで続けることが出来ました。本当にありがとうございます。ばんがいへんを数話投稿いたしますので、引き続きお付き合いくださるとありがたいです。この作品の前作が、お気に入り登録をしてくださった方が、ありがたいことに200を超えておりました。感謝を込めて、前作の方に一話、近日中にお届けいたします。よろしかったらお付き合いください。 ※R5.8/6ばんがいへん終了いたしました。長い間お付き合いくださり、また、たくさんのお気に入り登録、しおり、エールを、本当にありがとうございました。 ※R5.9/3お気に入り登録200になっていました。本当にありがとうございます(泣)。嬉しかったので、一話書いてみました。 ※R5.10/30らがまふぃん活動一周年記念として、一話お届けいたします。 ※R6.1/27美しく残酷な公爵令息様の、一途で不器用な愛(前作) と、こちらの作品の間のお話し 美しく冷酷な公爵令息様の、狂おしい熱情に彩られた愛 始めました。お時間の都合のつく方は、是非ご一読くださると嬉しいです。
*らがまふぃん活動二周年記念として、R6.11/4に一話お届けいたします。少しでも楽しんでいただけますように。
一途な皇帝は心を閉ざした令嬢を望む
浅海 景
恋愛
幼い頃からの婚約者であった王太子より婚約解消を告げられたシャーロット。傷心の最中に心無い言葉を聞き、信じていたものが全て偽りだったと思い込み、絶望のあまり心を閉ざしてしまう。そんな中、帝国から皇帝との縁談がもたらされ、侯爵令嬢としての責任を果たすべく承諾する。
「もう誰も信じない。私はただ責務を果たすだけ」
一方、皇帝はシャーロットを愛していると告げると、言葉通りに溺愛してきてシャーロットの心を揺らす。
傷つくことに怯えて心を閉ざす令嬢と一途に想い続ける青年皇帝の物語
王子殿下の慕う人
夕香里
恋愛
エレーナ・ルイスは小さい頃から兄のように慕っていた王子殿下が好きだった。
しかし、ある噂と事実を聞いたことで恋心を捨てることにしたエレーナは、断ってきていた他の人との縁談を受けることにするのだが──?
「どうして!? 殿下には好きな人がいるはずなのに!!」
好きな人がいるはずの殿下が距離を縮めてくることに戸惑う彼女と、我慢をやめた王子のお話。
※小説家になろうでも投稿してます
【完結】もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?
冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。
オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・
「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」
「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる