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逆襲のアリス(最終回)
しおりを挟むそして、私のクリトリスにやったように、乳首も舌で舐めまわし、歯で甘噛みし、吸い付いて思う様いたぶる。
気持ちよすぎて、思わず手首を噛むのを忘れた。
「やっあっ!! ……んぐ」
今度は唾液で濡れた唇が、私の口を塞いだ。うるさかったから?
ぬるりと口内をまさぐり、舌を絡め、こぼれ落ちる涎をすする。
あ、でもやっと、あそこに熱いものを押し当ててきた。
ズプッと再度挿入され、目を見開いた。今度はトロトロのそこに、簡単に入ったから。
ユベール君の形を思い出したかのように、私の膣肉が絡みつく。
楔は一気に子宮の奥に届き、目の後ろが真っ白になる。
「ん゛っ!」
またまたイってしまった。一突きで。
容赦無く、腰を動かし出すユベール君。イったばかりなのに!
殺されちゃう。死んじゃうよ。クスリなんてキメてないのに、快楽で死んじゃう。
両手でオッパイを弄びながら口内を探索し、狂ったように腰を振って穿ち続ける彼は、貴族ではなくただのケダモノだった。
「ん゛っ! ん゛っ! ぁっ……っ……んっ……」
声を出せないぶん、涙がたくさん零れる。愉悦の涙が。
ズチュズチュと穿つ音だけが、小さなダイニング兼居間に響き渡る。
息遣いが絡み合い、私たちはこんなのばっかりだな、と快楽に押しつぶされそうになりながら思った。
思いきり、みだらな声を上げたい。
ユベール君もそう思ったのか、
「大きな家に住もう。遠慮なく声を出せる、大きな家に」
とろけきった甘い声で、そう言った。
「うん」
うつろな目で見上げると、ユベール君も私を見返した。
あ、彼が私を見る目は、悪役令嬢がアレクを見る目と同じなんだ。ずっと前から。
私は、欲しいものを、とっくに手に入れていたんだ。
「愛してる」
しなる腰に揺られながら、私は笑った。
「わたしもだよバカ」
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
「もう一度、呼んでくださるかしら?」
私は耳に手を当てて、準伯爵家の執事に言った。
「……様」
「はぁあああ!? 聞こえないんだけど!?」
ギリッギリッと歯ぎしりする執事に、私は自尊心を擽られた。
「わ・か・お・く・さ・ま、でしょ?」
クスクス笑ってやる。ユベール君が呆れて私を窘めた。
「やめろってば。いつまでいびるんだよ」
執事、家政婦長、コック長、メイド仲間、通いの従僕の顔ぶれは変わってない。
「えー、メイドのアリスの時と同じ態度でいいってば~。かっこ、執事除く」
と、伝えたけど、さすがにそういう訳にはいかず、やりにくそうだ。
ここは王都郊外のヴィラ。そう、学長がホクホクしながら譲ってくれたのだ。
学園を順番に出てさっさと嫁に行った娘らも、そうそう頻繁に実家に戻ってくるわけじゃないから、と少し淋しそうに呟きながら。
でも学長には、面倒を見なきゃいけない素行の悪い生徒がたくさんいる。私みたいにね。
彼らは皆、言わば学長の子供たちだ。
それに──。
「じじー、くしゃい、じじーくたばれ」
よちよち歩きのアメリーが、私のスカートに掴まる。
籍入れて、ここに移ってくる前にもう一匹こさえていたし、学長にも子守りをしてもらわなきゃ。
計算したら、アメリーが仕込まれたのは、長屋で再会した日だった……。百発百中とか、ユベール君の種、強すぎ。
まあ、あの後バカみたいにやったから、いつかは出来たと思うけどさ。
莫大な魔鉱石を使用して、何度も辺境まで転移してくるんだもん。さすがに破産しちゃう。
なんて、この神速の研磨師の権限で、魔鉱石は格安で手に入るんだけどね!
流石に増えすぎたら困るから、これからは避妊魔法が必須だわ。
結婚式の前にできてしまった、お腹の中にいる三人目を撫でながら、ホッと息をつく。
来週、やっと結婚披露宴なのにな。
仕事が忙しくて、なかなか王都での結婚式を挙げられなかったもん。アメリーも手がかかったしさ。
ドレス……キツくなりそう。
執事がくどくど娘に説教している。
「アメリー様、じじーではなく、せめてじーじで! 準伯爵家のご令嬢ですから、美しい言葉遣いを心がけましょう」
執事は今から口うるさくなりそうだ。そんな彼のポケットから、飴玉をくすねるアメリー。さすが私の娘ね、気づかれていないわ。
鮮やかな黄緑の瞳は、彼女も魔力持ちであることを示唆している。
「そろそろフィルが帰ってくる頃ね」
編入させて、今日は初日。越してきたばかりだし、環境ががらりと変わって心配だ。
ユベール君も仕事を休んでそわそわしている。彼は綺麗な顔立ちのフィルがケツを狙われないか、今から心配なのだ。
「アリスがメイド服を着てくれたら、落ち着くんだけどな……」
「また?」
メイドプレイ好きだな、と私が呆れた時、学園の魔動力バスがヴィラの前に停る。
タタタと駆けてくる可愛い足音。扉が乱暴に開かれた。
「ただいまー、僕今日、基礎魔法習ってきたよ!」
完結
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(´;︵;`)
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。゚(゚´ω`゚)゚。
完結お疲れ様でした!
楽しませていただきました♪
わあ((o(;□;`)o))
最後までありがとうございます!
エッチが長くなっちゃった!
(´>∀<`)ゝ