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さよならあなた。またいつか。

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外に出ると
冷気が頬を撫でました。

人通りは無くなって、
とても静かな商店街を
私は1人歩きます。

シャッターの下りたお店の
横を通り過ぎる時、

前にここを通った時は
とても幸せな気分でいたことを
思い出しました。

心が浮き立つような感情で
とても、丸い笑顔をしていたと思います。
明るく輝いていた満月のように。

今夜は気を許すと涙が出そうな程心細く、
胸の辺りにぽっかりと穴が開いたようです。

それでも、あの時の楽しい気持ちを
思い出すと少しだけ
はにかんでしまいます。
それほどまでも、甘く、強く、
心に残っているからでしょう。

さよならあなた。
またいつか。

悲しくなるのは
あなたの不在よりも
私があなたを忘れてしまうことが怖いから
なのかもしれません。

駐車場の曲がり角まで
ゆっくりと歩きながら
あなたのくれた
たくさんの言葉を思い出しています。

ふと立ち止まり
俯いてしまった心で
空を見上げてみても

今夜は月が見えません。

見えるのは滲んで揺らぐ
小さな星だけでした。
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