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第2章
ミッション
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翌朝、起きてみるとダイニングテーブルの上には1枚の指令書が………。
『本日我々は、ダンジョン組と竜神の村組に分かれてミッションを開始する。
ダンジョン組は、ナディア、サフィニア、カミュ、アルフォンソ、
竜神の村組は、イオン、リュート、まう、くるる、チャリバー
尚、竜神の村組はミッション完了後にはダンジョン組と合流することとする。
以上、皆の検討を祈る。ひゃっはー!!』
あ、これ書いたの母さんだね。
「おはよう、イオン2等兵!指令書は読んだかね?」
「イエッサー!」
「違う!返事はひゃっはー!!だ。」
「ひゃっはー!!」
って、朝から何ごっこ?
「さ、朝ご飯作りましょうか。」
切り替え早っ。
母さんは朝ご飯を準備しながら、竜神の村の伝承をもう少し詳しく調べてみなさいって言ってくれた。
それは研究員であるリュートさんの為になるからって。
確かに、青と白と赤のドラゴン、そして金色の勇者のこと気になるなぁ。
「私は金色の勇者じゃなかったから、イオンはなるべくして勇者になったのかもよ~。」
なんて言ってたけど、チャリバー押し付けたの母さんだからねっ。
「こっちは、ダンジョンの隠し通路から遺跡まで行ったらサフィニアちゃんに転移の魔方陣作ってもらうから、後から来なさいね。さ、朝ご飯も出来たしみんなを起こして来なさい。」
「我輩…こんなところに入るのか?」
アルフォンソがもじもじしている。
「そうよー、だって危ないじゃない?にゃんこなんだし。」
ここは、ダンジョンの入り口。
一応、魔力を薄く伸ばして広げ、『索敵』をしてみたけど怪しい人やモノは無かった。
これからダンジョンに突入!ってところで母さんとアルフォンソが揉めている。
「いや、でも、その…我輩は…男だし。」
「いーの、いーの。にゃんこなんだし。」
そう言って母さんはアルフォンソをむんずと掴み上げ、自分の上着の胸元にすぽっと入れた。
「にゃうううー!!」
アルフォンソ、変な悲鳴を上げている。
「さて、出発!」
昨日のサフィニアさんのどこでも魔方陣を見て、もういっそのこと遺跡に直接行けばいいんじゃないかと思ったんだけど、母さんはダンジョンの中も見てみたいらしく普通に進むことにしたんだ。たぶん、モンスターを狩ってお肉や素材をゲットするためなんだと思うんだけどね。
ダンジョンの入り口は、古い石造りの神殿のようになっていた。太い柱が何本も立っていて真ん中には階段があり、その先に入り口がある。中は真っ暗だ。
中に入ると、サフィニアさんが指をパチンと鳴らした。真っ直ぐ延びていた通路に順番に灯りが点る。あ、ランプがあるのか。
ダンジョンて、洞窟みたいなワイルドな感じなのかと思ってたけど全然違ったなー。
古いけれど石畳が敷かれ、壁も天井も石を削り整えられた感じだ。壁には等間隔にランプが備え付けられている。
母さんが傭兵仲間のミスミさんから貰ったダンジョン内の地図を見ながら進む。
鼻歌交じりで進む母さん、
ご機嫌だなーって思って見てたら
しゅんっ!
といきなり抜刀し、ひゅっ!とまた鞘に戻した。ん?
母さんの足下には、何かが…あ、モンスターだ。
牛っぽい頭の人型のやつ?
「ミノさんゲットー!ひゃっはー!!」
そそくさと腰につけたバッグにしまう。
ミノさん?は、しゅっと吸い込まれた。
あ、これ、あれだよね。無限収納。
次々にモンスターを瞬殺し、バッグに仕舞いながらさっさと進む母さんの後ろ姿を見て、サフィニアさんがボソッと呟いた。
「おっかねぇ。」
あ、てへって言うの忘れてる…。
『本日我々は、ダンジョン組と竜神の村組に分かれてミッションを開始する。
ダンジョン組は、ナディア、サフィニア、カミュ、アルフォンソ、
竜神の村組は、イオン、リュート、まう、くるる、チャリバー
尚、竜神の村組はミッション完了後にはダンジョン組と合流することとする。
以上、皆の検討を祈る。ひゃっはー!!』
あ、これ書いたの母さんだね。
「おはよう、イオン2等兵!指令書は読んだかね?」
「イエッサー!」
「違う!返事はひゃっはー!!だ。」
「ひゃっはー!!」
って、朝から何ごっこ?
「さ、朝ご飯作りましょうか。」
切り替え早っ。
母さんは朝ご飯を準備しながら、竜神の村の伝承をもう少し詳しく調べてみなさいって言ってくれた。
それは研究員であるリュートさんの為になるからって。
確かに、青と白と赤のドラゴン、そして金色の勇者のこと気になるなぁ。
「私は金色の勇者じゃなかったから、イオンはなるべくして勇者になったのかもよ~。」
なんて言ってたけど、チャリバー押し付けたの母さんだからねっ。
「こっちは、ダンジョンの隠し通路から遺跡まで行ったらサフィニアちゃんに転移の魔方陣作ってもらうから、後から来なさいね。さ、朝ご飯も出来たしみんなを起こして来なさい。」
「我輩…こんなところに入るのか?」
アルフォンソがもじもじしている。
「そうよー、だって危ないじゃない?にゃんこなんだし。」
ここは、ダンジョンの入り口。
一応、魔力を薄く伸ばして広げ、『索敵』をしてみたけど怪しい人やモノは無かった。
これからダンジョンに突入!ってところで母さんとアルフォンソが揉めている。
「いや、でも、その…我輩は…男だし。」
「いーの、いーの。にゃんこなんだし。」
そう言って母さんはアルフォンソをむんずと掴み上げ、自分の上着の胸元にすぽっと入れた。
「にゃうううー!!」
アルフォンソ、変な悲鳴を上げている。
「さて、出発!」
昨日のサフィニアさんのどこでも魔方陣を見て、もういっそのこと遺跡に直接行けばいいんじゃないかと思ったんだけど、母さんはダンジョンの中も見てみたいらしく普通に進むことにしたんだ。たぶん、モンスターを狩ってお肉や素材をゲットするためなんだと思うんだけどね。
ダンジョンの入り口は、古い石造りの神殿のようになっていた。太い柱が何本も立っていて真ん中には階段があり、その先に入り口がある。中は真っ暗だ。
中に入ると、サフィニアさんが指をパチンと鳴らした。真っ直ぐ延びていた通路に順番に灯りが点る。あ、ランプがあるのか。
ダンジョンて、洞窟みたいなワイルドな感じなのかと思ってたけど全然違ったなー。
古いけれど石畳が敷かれ、壁も天井も石を削り整えられた感じだ。壁には等間隔にランプが備え付けられている。
母さんが傭兵仲間のミスミさんから貰ったダンジョン内の地図を見ながら進む。
鼻歌交じりで進む母さん、
ご機嫌だなーって思って見てたら
しゅんっ!
といきなり抜刀し、ひゅっ!とまた鞘に戻した。ん?
母さんの足下には、何かが…あ、モンスターだ。
牛っぽい頭の人型のやつ?
「ミノさんゲットー!ひゃっはー!!」
そそくさと腰につけたバッグにしまう。
ミノさん?は、しゅっと吸い込まれた。
あ、これ、あれだよね。無限収納。
次々にモンスターを瞬殺し、バッグに仕舞いながらさっさと進む母さんの後ろ姿を見て、サフィニアさんがボソッと呟いた。
「おっかねぇ。」
あ、てへって言うの忘れてる…。
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