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第5章 男の子って何でできてるの?
翼を下さい
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皆様!お忘れではございませんよね?アンジェリーナです
何か思考が停止してフリーズしていたような気がしてならないですわ
時間だけが過ぎ去って行った気がしてならないですの・・・
面倒臭い生徒会のお仕事を(無理やり)終わらしてこれから図書室に参りますの
先日、お約束した小説をフルール先輩にお貸しするお約束ですの
先輩も私にお勧めの書籍を持ってきてくださるの~
(宜しいわ~この普通っぽい青春。何せ前世が只の一般人でしたからね~)
前世は良く本やゲームなんぞ貸し借りしたな~
学生時代はなんせお金無かったからね~ 色んなジャンルの物に触れられて楽しかったな~
そうだ、我領地の図書館ももっと充実させよう!
お金の掛からない娯楽を充実させる!本は翼なんだから・・・
皆が自分の思い描く未来に飛んでいけるように微力ながら希望を与えたい
なーんて夢想しながら思わず笑みが出る
「アンジェ、本当に楽しそうだね?そんなに図書室の君に会うのが嬉しいの?」
アルフレッドは少し拗ねたように愛しい恋人を見た
「うふっ、本の趣味があそこまで合う方珍しくって。お話していると時間が経つの早いのよ。でも、何度も言うように先輩は女性ですからね。アルが心配する事なんて全然無いんだから」
アンジェリーナは不思議そうにアルフレッドの顔を覗きこむ
「女性だからとかは関係ないかな。君の心をそんなに占めている全てに嫉妬してしまうんだ。僕は全く哀れな生き物になってしまったよ」
態とジト目でアンジェリーナを見つめる それでも彼の瞳は愛しい婚約者しか写していなかった
「可笑しいですわよ~アルフレッド?貴方そんなんでしたっけ?」
「僕の本質は変わらないさ。自分の心に正直に生きようと必死なんだよ」
アンジェリーナはよく分からなかった 何故? 今更?
(貴方、私の前では本性昔から隠してなかったですよね?)
何か納得出来ないままのアンジェリーナは
一時間後には会えるはずなのに何故か悲痛な顔をした
婚約者に熱い抱擁を何度もされて図書室に辿り着く頃には疲れ果てていた
「あっ、アンジー様 お待ちしておりました」
フルールがアンジェリーナを見つけて嬉しそうに声を掛けた
「遅くなって申し訳ございません お待ちになられました?」
何時もながら美しい所作をする後輩に暫し見惚れた後、自分も慌てて挨拶を交わした
「大丈夫です、図書委員の仕事してましたから」と蔵書の目録を見せる
無類の本好きの彼女は学園の司書に習い重要な役目をしているらしい
「まあ、責任重大ですわね。学生で此処まで御出来になるなんて素敵ですわ」
屈託の無い笑顔で目を輝かせているアンジェリーナの言葉に嬉しくなる。
他の令嬢達からするとフルールはたいした変わり者らしいから・・・
「有難うございます。私、昔から本が大好きで家を継がなくても良いのであれば図書館にお勤めしたい位なんですよ。まあ、無理ですけどね・・・」
何時に無く暗い声になったフルールにアンジェリーナは
「ご実家をお継ぎになる傍らとかは無理ですの?何か訳でもお有りですの?」
と言葉に出してハッとした。人の私生活に踏み込むなんて
それに此処は静かにしなくてはいけない場所で声も響く 私って無神経だわ
とアンジェリーナは口を噤んだ。その様子に気が付いたフルールは笑って
「先日のお約束の本をお貸ししたいので談話室に行きませんか?」と誘った
図書室の隣にある談話室は防音されており御喋りとお茶を飲むのは自由だ
しかし図書室の本を読むのは禁止されている。
「アンジー様、最近読んで感動した小説ですわ」と一冊の本を差し出された
《翼があるなら》
本の内容は親を亡くした一人の少年が傷つき もがき、やがて自分の夢を掴んで生きてゆく
そんな話らしい フルールは少し遠い瞳をしながらお勧めしてくれた。
「夢は叶っておりませんが自分に置き換えて読んでしまいました」
「えーっと、それはどういう意味でございましょうか?」
「アンジー様、良くある話です。本当の両親を流行り病で亡くし天涯孤独になった私を遠縁の男爵夫妻が養女として引き取ってくださいました。その恩に報いなければならないのです」
そう、それはよくある話
彼女は#運が良かった方だ
親が亡くなり頼れる親族も無く堕ちていった子供達は五万といる。
学園に通わせて貰い両親が苦労して叩き上げた家業も養父達により正しく管理されている
とても幸運だと思う。これで文句を言おう物なら只の恩知らずの人でなしだろう
・・・・・分かっている
ただ、商人の娘の癖に前に出るのを苦手とし書物を読み漁っては空想に浸る娘を諌めず、将来は何か本に纏わる仕事に着けたらいいね・・・と暖かく見守ってくれていた両親を思い出すととても辛い。
その思いを貫き通したら養父母に対する裏切り行為にしかならない。
フルールは自然に涙声になっていた。両親が亡くなってから人前で涙したのは初めてだった。
アンジェリーナは黙ってフルールを見つめていた。
人には誰しも触れられたくない触れてはいけない事があるのを思い知った。
彼女以上に辛い思いをしてる人も沢山いるのも理解できる
(私には何も出来ない 無力な小娘だわ・・・・)
ただ、ただフルールの細い肩を抱き締めていた
何か思考が停止してフリーズしていたような気がしてならないですわ
時間だけが過ぎ去って行った気がしてならないですの・・・
面倒臭い生徒会のお仕事を(無理やり)終わらしてこれから図書室に参りますの
先日、お約束した小説をフルール先輩にお貸しするお約束ですの
先輩も私にお勧めの書籍を持ってきてくださるの~
(宜しいわ~この普通っぽい青春。何せ前世が只の一般人でしたからね~)
前世は良く本やゲームなんぞ貸し借りしたな~
学生時代はなんせお金無かったからね~ 色んなジャンルの物に触れられて楽しかったな~
そうだ、我領地の図書館ももっと充実させよう!
お金の掛からない娯楽を充実させる!本は翼なんだから・・・
皆が自分の思い描く未来に飛んでいけるように微力ながら希望を与えたい
なーんて夢想しながら思わず笑みが出る
「アンジェ、本当に楽しそうだね?そんなに図書室の君に会うのが嬉しいの?」
アルフレッドは少し拗ねたように愛しい恋人を見た
「うふっ、本の趣味があそこまで合う方珍しくって。お話していると時間が経つの早いのよ。でも、何度も言うように先輩は女性ですからね。アルが心配する事なんて全然無いんだから」
アンジェリーナは不思議そうにアルフレッドの顔を覗きこむ
「女性だからとかは関係ないかな。君の心をそんなに占めている全てに嫉妬してしまうんだ。僕は全く哀れな生き物になってしまったよ」
態とジト目でアンジェリーナを見つめる それでも彼の瞳は愛しい婚約者しか写していなかった
「可笑しいですわよ~アルフレッド?貴方そんなんでしたっけ?」
「僕の本質は変わらないさ。自分の心に正直に生きようと必死なんだよ」
アンジェリーナはよく分からなかった 何故? 今更?
(貴方、私の前では本性昔から隠してなかったですよね?)
何か納得出来ないままのアンジェリーナは
一時間後には会えるはずなのに何故か悲痛な顔をした
婚約者に熱い抱擁を何度もされて図書室に辿り着く頃には疲れ果てていた
「あっ、アンジー様 お待ちしておりました」
フルールがアンジェリーナを見つけて嬉しそうに声を掛けた
「遅くなって申し訳ございません お待ちになられました?」
何時もながら美しい所作をする後輩に暫し見惚れた後、自分も慌てて挨拶を交わした
「大丈夫です、図書委員の仕事してましたから」と蔵書の目録を見せる
無類の本好きの彼女は学園の司書に習い重要な役目をしているらしい
「まあ、責任重大ですわね。学生で此処まで御出来になるなんて素敵ですわ」
屈託の無い笑顔で目を輝かせているアンジェリーナの言葉に嬉しくなる。
他の令嬢達からするとフルールはたいした変わり者らしいから・・・
「有難うございます。私、昔から本が大好きで家を継がなくても良いのであれば図書館にお勤めしたい位なんですよ。まあ、無理ですけどね・・・」
何時に無く暗い声になったフルールにアンジェリーナは
「ご実家をお継ぎになる傍らとかは無理ですの?何か訳でもお有りですの?」
と言葉に出してハッとした。人の私生活に踏み込むなんて
それに此処は静かにしなくてはいけない場所で声も響く 私って無神経だわ
とアンジェリーナは口を噤んだ。その様子に気が付いたフルールは笑って
「先日のお約束の本をお貸ししたいので談話室に行きませんか?」と誘った
図書室の隣にある談話室は防音されており御喋りとお茶を飲むのは自由だ
しかし図書室の本を読むのは禁止されている。
「アンジー様、最近読んで感動した小説ですわ」と一冊の本を差し出された
《翼があるなら》
本の内容は親を亡くした一人の少年が傷つき もがき、やがて自分の夢を掴んで生きてゆく
そんな話らしい フルールは少し遠い瞳をしながらお勧めしてくれた。
「夢は叶っておりませんが自分に置き換えて読んでしまいました」
「えーっと、それはどういう意味でございましょうか?」
「アンジー様、良くある話です。本当の両親を流行り病で亡くし天涯孤独になった私を遠縁の男爵夫妻が養女として引き取ってくださいました。その恩に報いなければならないのです」
そう、それはよくある話
彼女は#運が良かった方だ
親が亡くなり頼れる親族も無く堕ちていった子供達は五万といる。
学園に通わせて貰い両親が苦労して叩き上げた家業も養父達により正しく管理されている
とても幸運だと思う。これで文句を言おう物なら只の恩知らずの人でなしだろう
・・・・・分かっている
ただ、商人の娘の癖に前に出るのを苦手とし書物を読み漁っては空想に浸る娘を諌めず、将来は何か本に纏わる仕事に着けたらいいね・・・と暖かく見守ってくれていた両親を思い出すととても辛い。
その思いを貫き通したら養父母に対する裏切り行為にしかならない。
フルールは自然に涙声になっていた。両親が亡くなってから人前で涙したのは初めてだった。
アンジェリーナは黙ってフルールを見つめていた。
人には誰しも触れられたくない触れてはいけない事があるのを思い知った。
彼女以上に辛い思いをしてる人も沢山いるのも理解できる
(私には何も出来ない 無力な小娘だわ・・・・)
ただ、ただフルールの細い肩を抱き締めていた
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