未来の悪役令嬢

えりんこ

文字の大きさ
上 下
62 / 70
第4章 子供以上大人未満で彷徨う私達

第二王子は攻略済み?

しおりを挟む
本当に気分が宜しいですわ~~ アンジェリーナです

今なら、腰に手を当てて高笑いも出来ますわ~
口元には淑女の装備品、鉄の扇ですかしらね?テンション上がり捲くりですの
だってサミュエル様とマリエッタの二人並んでる姿と言ったら
それはもうお似合いでしたのよ?
小さい頃から見守っていたかいがございましたわ。
自分でも何でこんなに気持ちが高ぶっているんだか分らない。
只、マリエッタが可愛くて仕方が無いそんなアンジェリーナだった。

陛下や王妃様もとても嬉しそう 皆に祝福されている婚約はとても幸せですわ。
この世界は好きなだけでは縁を紡ぐ事が出来ない。
貴族なんて物は政略結婚あり気なのだから

「アンジェ、何考えてるの?」何時の間にか傍に来たアルフレットが声を掛ける
「マリーが幸せになりますようにって思っていましたわ。」
「僕達以上に?」と手を絡めてくる。(爽やかな振りして触り方が厭らしいですわ)
「私達と同じ位にですわ」と微笑み返した。その時只一人会場にいらっしゃらなかったシャルリーヌ王女がやって来た

「遅くなってすまない。サミュエル、それからマリエッタ 婚約おめでとう」
王女はたった今、駆けつけたのだろう近衛師団の制服を着たままだった

(おっ、おう!リアル オス○ル様だ!!髪の毛金髪じゃないけど 
凛々しい所は良く似ている。眼福ですわ~格好宜しいわ~ べ○薔薇じゃなければうーん宝○?)


肝心な事は思い出せないのにくだらない前世の知識ばかりが溢れてくる

「なんですかシャルリーヌ!遅れてきたりはおろかドレスにも着替えないなんて!そなたはサミュエルとマリエッタの婚約を祝う気があるのですか?」 王妃が堪らずに声に出した

「勿論ですとも!可愛い弟と妹のようなマリーの婚約は私としても嬉しいですよ?
只、行き成り召集を掛けられても私にも予定、約束がございます。ご存知の通り、私はこの春から近衛師団に入団いたしました。本来なら寮に入り他の女性騎士達と一緒に鍛錬しなければならないんですよ?其れなのに王女と言う身分が有るがゆえ逆差別的な蚊帳の外に置かれがちだ。私は団のお飾りになるつもりなど無い!
その分、他の人間よりも何倍も努力しなければならない
王女のお遊びという偏見をなくしたいのです。取り合えず、いきなりじゃ困るんです!」

シャルリーヌは良く通る大きな声で息もつかず話し出した。
彼女なりに色々思うことが有るのだろう。
別に身内のささやかな婚約の晩餐会を壊したいわけではない
どちらの約束も大事なのだ 只、サミュエルの婚約の為の晩餐会はいきなり決まったので予定がダブル・ブッキングされたのだ。入団したばかりの彼女にとって団の予定をキャンセルする事は有り得ないのだった。

王妃様が青筋立てそうになっていますわ。お母様と宰相夫人、ベアトリーチェ様が宥めておりますわね
陛下達は嵐が過ぎるのをまっていらっしゃるのね。
今日に関しては正しそうですわね。
私も王妃様のところに行った方が宜しいのかしら?でも勝手な真似は出来ないし
此のままだとマリーが気の毒だわどうしたら宜しいのかしら? 

アンジェリーナがオロオロしているとアルフレッドが手を握り返し(大丈夫だから)
と微笑んでくれる それだけでアンジェリーナの気持ちは落ち着いてきた
その時 サミュエルがシャルリーヌや王妃に向かってゆっくりと話し出した

「ああ、姉上、今日はお忙しい中駆けつけてくださって有難うございます。
私の我儘で皆にも集まっていただきありがたく思います。
まさか昨日の今日で来て貰えるとは思いもよりませんでした。
父上や母上にもご足労お掛けしました。ましてやシャルリーヌ姉上は入団まもない大事な時だ それなのに私とマリーの為に駆けつけてくださいましたお気持ちとても嬉しいです。姉上がドレスに着替えるよりも私達の所に一刻も早く辿り着いてくれたその証が制服なんでしょう」と姉の手を取り掌に口付けをした

「ああ、サミュエルすまなかった。確かに私は重大なマナー違反だ。
お前が言う通り一秒も惜しくて着替えもせず来てしまった。
お前達の顔を見て祝ってあげたくてな。
陛下、並びに王妃様申し訳ございませんでした。
それに宰相夫妻、エトワール夫妻にも不愉快な思いをさせて申し訳無い。」
とシャルリーヌが頭を下げた

「母上もう良いじゃないでしょうか?」と傍観していたエティエンヌが助け舟を出す
「シャルリーヌはマナー違反ですがこれも可愛い弟を祝ってやりたくて急いで駆けつけたらしいですし 行き成りの予定変更じゃ可哀想ですよ?あちらこちらに迷惑をかけまいとするシャルの責任感の強さもたいした物です。
今日は折角のお祝いですから」と皆のお兄ちゃんは頑張っていた

「そうじゃな 急に予定を入れたこちらも悪かった マリエッタにも悪い事したわね」
急に話しを振られ驚いたマリエッタだったが 落ち着きながら微笑んで
「いいえ 王妃様 私はシャルリーヌ様が駆けつけてくださった事が嬉しいです」 

サミュエル殿下とエティエンヌ殿下のお陰で場の雰囲気が変わった 少しギスギした空気が戻った
(本当にサミュエル様 成長なさったのね~立派になって小母ちゃん嬉しいわ~ 殿下はやれば出来る子だって信じていたわ これなら安心してマリーを託せますわ あっ、嬉し涙が~)

気分は親戚の小母ちゃんモードのアンジェリーナだった。
(これはもう第二王子は攻略終了ですわよね?婚約破棄騒動なんて起きませんよね?)
もしこれが乙女ゲームだとしても終わったのよね? そうなんでしょ?
宰相の息子だって私が攻略済みでしてよ!って あれ?私攻略なんかしましたっけ?
アルフレッドあっちからグイグイ来た様な気がいたしますわ
何か私の方が攻略された気が今更ながらしますわ これってまさかギャルゲー?
アンジェリーナは顔にはおくびも出さず焦り捲くっていた 

(ギャルゲーって何でしたっけー??)ルイーズがお花畑の電波だった事が悔やまれてならない
同じ時代の転生者だったらもっと情報交換出来たでしょうに


しおりを挟む
感想 34

あなたにおすすめの小説

拝啓、婚約者さま

松本雀
恋愛
――静かな藤棚の令嬢ウィステリア。 婚約破棄を告げられた令嬢は、静かに「そう」と答えるだけだった。その冷静な一言が、後に彼の心を深く抉ることになるとも知らずに。

〖完結〗幼馴染みの王女様の方が大切な婚約者は要らない。愛してる? もう興味ありません。

藍川みいな
恋愛
婚約者のカイン様は、婚約者の私よりも幼馴染みのクリスティ王女殿下ばかりを優先する。 何度も約束を破られ、彼と過ごせる時間は全くなかった。約束を破る理由はいつだって、「クリスティが……」だ。 同じ学園に通っているのに、私はまるで他人のよう。毎日毎日、二人の仲のいい姿を見せられ、苦しんでいることさえ彼は気付かない。 もうやめる。 カイン様との婚約は解消する。 でもなぜか、別れを告げたのに彼が付きまとってくる。 愛してる? 私はもう、あなたに興味はありません! 設定ゆるゆるの、架空の世界のお話です。 沢山の感想ありがとうございます。返信出来ず、申し訳ありません。

別に要りませんけど?

ユウキ
恋愛
「お前を愛することは無い!」 そう言ったのは、今日結婚して私の夫となったネイサンだ。夫婦の寝室、これから初夜をという時に投げつけられた言葉に、私は素直に返事をした。 「……別に要りませんけど?」 ※Rに触れる様な部分は有りませんが、情事を指す言葉が出ますので念のため。 ※なろうでも掲載中

私のドレスを奪った異母妹に、もう大事なものは奪わせない

文野多咲
恋愛
優月(ゆづき)が自宅屋敷に帰ると、異母妹が優月のウェディングドレスを試着していた。その日縫い上がったばかりで、優月もまだ袖を通していなかった。 使用人たちが「まるで、異母妹のためにあつらえたドレスのよう」と褒め称えており、優月の婚約者まで「異母妹の方が似合う」と褒めている。 優月が異母妹に「どうして勝手に着たの?」と訊けば「ちょっと着てみただけよ」と言う。 婚約者は「異母妹なんだから、ちょっとくらいいじゃないか」と言う。 「ちょっとじゃないわ。私はドレスを盗られたも同じよ!」と言えば、父の後妻は「悪気があったわけじゃないのに、心が狭い」と優月の頬をぶった。 優月は父親に婚約解消を願い出た。婚約者は父親が決めた相手で、優月にはもう彼を信頼できない。 父親に事情を説明すると、「大げさだなあ」と取り合わず、「優月は異母妹に嫉妬しているだけだ、婚約者には異母妹を褒めないように言っておく」と言われる。 嫉妬じゃないのに、どうしてわかってくれないの? 優月は父親をも信頼できなくなる。 婚約者は優月を手に入れるために、優月を襲おうとした。絶体絶命の優月の前に現れたのは、叔父だった。

【完結】美しい人。

❄️冬は つとめて
恋愛
「あなたが、ウイリアム兄様の婚約者? 」 「わたくし、カミーユと言いますの。ねえ、あなたがウイリアム兄様の婚約者で、間違いないかしら。」 「ねえ、返事は。」 「はい。私、ウイリアム様と婚約しています ナンシー。ナンシー・ヘルシンキ伯爵令嬢です。」 彼女の前に現れたのは、とても美しい人でした。

性悪という理由で婚約破棄された嫌われ者の令嬢~心の綺麗な者しか好かれない精霊と友達になる~

黒塔真実
恋愛
公爵令嬢カリーナは幼い頃から後妻と義妹によって悪者にされ孤独に育ってきた。15歳になり入学した王立学園でも、悪知恵の働く義妹とカリーナの婚約者でありながら義妹に洗脳されている第二王子の働きにより、学園中の嫌われ者になってしまう。しかも再会した初恋の第一王子にまで軽蔑されてしまい、さらに止めの一撃のように第二王子に「性悪」を理由に婚約破棄を宣言されて……!? 恋愛&悪が報いを受ける「ざまぁ」もの!! ※※※主人公は最終的にチート能力に目覚めます※※※アルファポリスオンリー※※※皆様の応援のおかげで第14回恋愛大賞で奨励賞を頂きました。ありがとうございます※※※ すみません、すっきりざまぁ終了したのでいったん完結します→※書籍化予定部分=【本編】を引き下げます。【番外編】追加予定→ルシアン視点追加→最新のディー視点の番外編は書籍化関連のページにて、アンケートに答えると読めます!!

婚約破棄とか言って早々に私の荷物をまとめて実家に送りつけているけど、その中にあなたが明日国王に謁見する時に必要な書類も混じっているのですが

マリー
恋愛
寝食を忘れるほど研究にのめり込む婚約者に惹かれてかいがいしく食事の準備や仕事の手伝いをしていたのに、ある日帰ったら「母親みたいに世話を焼いてくるお前にはうんざりだ!荷物をまとめておいてやったから明日の朝一番で出て行け!」ですって? まあ、癇癪を起こすのはいいですけれど(よくはない)あなたがまとめてうちの実家に郵送したっていうその荷物の中、送っちゃいけないもの入ってましたよ? ※またも小説の練習で書いてみました。よろしくお願いします。 ※すみません、婚約破棄タグを使っていましたが、書いてるうちに内容にそぐわないことに気づいたのでちょっと変えました。果たして婚約破棄するのかしないのか?を楽しんでいただく話になりそうです。正当派の婚約破棄ものにはならないと思います。期待して読んでくださった方申し訳ございません。

はずれのわたしで、ごめんなさい。

ふまさ
恋愛
 姉のベティは、学園でも有名になるほど綺麗で聡明な当たりのマイヤー伯爵令嬢。妹のアリシアは、ガリで陰気なはずれのマイヤー伯爵令嬢。そう学園のみなが陰であだ名していることは、アリシアも承知していた。傷付きはするが、もう慣れた。いちいち泣いてもいられない。  婚約者のマイクも、アリシアのことを幽霊のようだの暗いだのと陰口をたたいている。マイクは伯爵家の令息だが、家は没落の危機だと聞く。嫁の貰い手がないと家の名に傷がつくという理由で、アリシアの父親は持参金を多めに出すという条件でマイクとの婚約を成立させた。いわば政略結婚だ。  こんなわたしと結婚なんて、気の毒に。と、逆にマイクに同情するアリシア。  そんな諦めにも似たアリシアの日常を壊し、救ってくれたのは──。

処理中です...