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第二部:伯爵と魔獣の森
ホムンクルス対策
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姫様のお召し馬車を訪れると、護衛の騎士が一斉に槍を捧げて敬意を示してくれた。だから大袈裟にしないでとあれほど・・・
とは言っても、この程度は仕方ないか。
あまりぶつくさ言うのも、かえって礼儀知らずだよな?
そして、まだ騎士たちの列を通り抜けさえもしないうちに馬車の扉が開き、中へと招かれた。
姫様からエマーニュと呼ばれていた侍女の人が、昇降口のステップをタタッと降りてきて開いた扉を支えてくれる。
「ありがとうございます」
「とととんでもごらいませんクライス様」
ちょっと噛んだな。
これほどの襲撃を受けた後なんだから、テンションが高いのは無理も無い。
広い馬車の中に身を乗り入れると、立ったままで俺を待っていたらしい姫様が跪こうと腰を落としかけたところで、ハッとした表情をして固まり、不自然な姿勢になった。
二人の両脇にはジットレイン筆頭魔道士とヴァーニル隊長が控えていたが、真ん中の主が不自然な体勢で固まってしまったので、どうしていいか分からずにいる感じだ。
今回は、侍女のエマーニュさんも同席するらしく馬車の中に戻ってきた。
「夜分にすみません、そんなに時間のかかる話ではありませんが、忘れないうちに済ませておきたいと思ったので」
「滅相もございません、クライス様。それと此度の襲撃に関することであれば、わたくしにとって身近であるこの三人にも聞いておいて貰った方が良いだろうと思いました。お言葉に甘えて同席させて頂ければ幸いにございます」
「もちろんです。ヴァーニル隊長とジットレイン殿も、俺に対しての敬語はナシでおねがいしますね。もちろんエマーニュさんもです」
「はっ!」
「仰せのままに」
「か、かしこまりました...」
それは敬語では無いのかな? とか思いつつも無粋な突っ込みはやめておく。
「では、お掛け下さいクライス様」
五人で、というかポジション的には四対一でという感じだが、用意されていた肘掛け椅子に座る。
あれ?
これ、前回は姫様自身が座っていた方の椅子じゃないか?
座る向きになにか違和感があると思ったら、姫様一同が馬車の進行方向に背中を向けた、いわゆる『下座』側に並んで、俺が一人で上座に座らされている。
これも変にコメントしたら礼儀知らずか。
ともかく、五人で座っていてもさほど窮屈ではないのだから、驚くほど広がる馬車だな。
普通に小さな部屋だ。
これなら今回みたいに天幕を張る余裕がなくても、姫様が快適に過ごせるだろう。
肘掛け椅子の上でそんな事を思い浮かべていると、さっそく姫様が気になって仕方が無い、と言う様子で話しかけてきた。
「もしお伺いしても差し支えなければ...先ほど、グリフォンと戦われている最中に少女を抱きかかえておられたようですが、あの方は?」
「俺の妹ですよ」
「えっ、妹様?」
「血の繋がりは無いので、心の中で兄妹ってだけです。まあ本当を言っちゃうと、大精霊ですけどね」
「だ、大精霊様ですとっ!」
ヴァーニル隊長が珍しく慌てた声を上げ、他の皆さんもさっと顔色を変えた。
「俺に勇者となる力を渡してくれた二人の大精霊がいるんですけど、その片方です」
「そ、それはなんとも ...今夜はもう色々と想像を超える出来事の連続でして...きちんと理解できているか自信がありませんが、とにかくあの少女のお姿は大精霊様だったのですね...」
「ただ、本人は敬われたり、崇められたりするのが大嫌いなので、面と向かって様付けなんかでは呼ばない方がいいですよ」
「なるほど。では普通に...と申し上げると変ですが、あくまでクライス様の妹君として接するべきだと?」
「それがいいと思います。パルミュナと名前で呼んであげて下さい」
「ではお目にかかれたときには、大精霊様ではなくパルミュナ様とお呼びしましょう」
「彼女も俺と同じで『様』づけもいらないです。実際に聞くと笑っちゃかもしれませんけど、彼女も俺のことを『お兄ちゃん』って呼んでる感じですので」
「はあ...『お兄ちゃん』でございますか?」
「最初は名前で呼ばれてたんですけど、ここんとこずっとそうですね。おかげでこっちもすっかり彼女のことを妹のように思っています」
「それはまた随分と人族に親しいと申しますか、慈愛に満ちた大精霊さまですね...」
「会えば分かります。さっきのグリフォン討伐でかなり力を使ったので今は休んでますが、いずれ機会があればご紹介しますよ」
「ありがとうございます。空から舞い降りてきた時には抱きかかえていらっしゃったのに、そのあと忽然と姿が消えたので、幻惑魔法かなにかだったのかとも思っていました」
「むしろ、あのグリフォン討伐はほとんど彼女の力を借りた感じです。俺一人だったらヤバかったと思いますね」
「まさか!」
「本当ですよ。まだ勇者になりたてホヤホヤのヘタレですから」
「ご謙遜を...ところでその...大精霊の妹君は、どちらでお休みに? 必要でしたら馬車を一つ空けさせますが?」
うーん、どうするか・・・
ダンガたちにだって教えてるし、対エルスカインという目線で今後の活動を考えると、姫様とは共闘することになりそうな気がする。
そうなると、この四人相手に隠してても意味は無いよな。
「ここです」
そう言って、腰の革袋を軽く叩いた。
「はい?」
「いまパルミュナはここに入って寝ています。冗談では無く、彼女は大精霊ですから、現世と精霊の世界を行き来できるんですよ。この革袋は、ちょっとだけ精霊界に足を突っ込んでる収納魔法みたいなものです」
「こちらからお伺いしておきながら申し訳ありません。わたくし、すでに理解力と申しますか、思考力がいっぱいいっぱいという感じでございます」
「まあ、それに関しては追々...じゃあ本題の方に入りましょう」
「はい」
「実は、村人たちがスパインボアを飼育していた柵の地下に転移魔法陣が隠されていました。グリフォンはそこから出てきたわけですが、この転移門は双方向でした」
「双方向というのは、こちらからも入れると?」
「そうです」
ヴァーニル隊長が目を見開いた。
「では、エルスカイン一味をそこから追うことも?」
「いえ、すでに転移門は奴らの手で完全に破壊されています。周到な奴らですから、絶対に跡を追跡されないようにでしょう。」
「うーむ」
「問題は、なんのために双方向にしてあったかということです。姫様は理由がおわかりだと思いますが?」
「...わたくし。いえ...わたくしの『身体』ですね?」
「そうだと思います。エルスカインは姫様を殺した後にその身体を手に入れてホムンクルスを作り上げ、それを本物に仕立て上げてリンスワルド領を乗っ取るつもりでしょう」
「うーむ、姫様のお体を...なんと不敬な...しかしクライス様、仮に、あの街道での襲撃にクライス様方が駆けつけて下されなかったら、それこそ我ら騎士団ともども皆殺しにされていたでしょう。どうやって、その姫様のニセモノと入れ替えるつもりだったのでしょうなあ」
「ホムンクルスを制作するのに、どの程度の時間がかかるか知らないのですが、後からひょっこり、という演出は出来たのでは無いですか?」
「姫様一人が偶然生き延びられたという話にするわけですか?」
「そこは、たまたま通りかかった旅の剣士にでも助けられて、その場から逃げ出した。安全のためにしばらく匿われて身を潜めていたが、大丈夫そうなので、その剣士に送られて城に戻ってきた、という話でもあれば、ヴァーニル隊長はどう思われますか? 仮に怪しいと思っても、姫様を拒否できないでしょう?」
「おお、そ、それは確かにそうですなあ...」
「わたくしも、ホムンクルスの身体そのものは、元になった人物と寸分違わないと聞いています。目の前にわたくしにしか見えない人物がいたら、皆、そう扱ってしまうかと」
「ですね。仮に合い言葉とか秘密の情報とかを決めてあったとしても、襲われた衝撃で記憶喪失になっているとでも言われたら、確かめようがありませんよ」
「なるほど...うぬぬ」
姫様の安全を預かる護衛隊長としては複雑な心境だろうな。
最も大切に扱わなければならない対象が、もっとも危険な存在にすり替わっている可能性が出てくるのだから。
「こういたしましょう...シンシア、わたくしに無期限の宣誓魔法を」
「えっ!?」
「姫様、一体何をなさるおつもりで?」
姫様の思わぬ発言にジットレイン魔道士とヴァーニル隊長が慌てる。
「仮にエルスカインが、ホムンクルスに私の記憶を移し替えるような未知の技を持っていたとしても、私の魂そのものも移していない限り、体を模造しただけのホムンクルスに宣誓魔法が力を発揮することはありません」
「それはそうですが、つまり?」
「わたくしは、宣誓魔法の元でクライス様に生涯の恭順をお誓いしましょう。もし、ある日わたくしがクライス様のご意向に逆らう言動を始めたとしたら、それはニセモノです。間違いようがありません」
「しかし...」
「仮に生身の私を捕らえて洗脳したり、魂をホムンクルスに移し替えたとしても、意志に関係なくクライス様のご意向に逆らえない手駒など、エルスカインにとっても無価値なはずです」
いやいやいや姫様、さすがにそれは俺の心理負担が大きいです。
盗賊に悪さをさせないためって言うのとはワケが違う。
「姫様、さすがにそれは大袈裟では?」
「そうは思いません」
「しかし、私も所詮は人です。私がある日狂ったりしたらどうされるおつもりですか」
「なんであれ勇者様の進まれる道を、どこまでもご一緒いたします」
おおぅ、これは、どうすればいいんだ?
助けてパルミュナ!
とは言っても、この程度は仕方ないか。
あまりぶつくさ言うのも、かえって礼儀知らずだよな?
そして、まだ騎士たちの列を通り抜けさえもしないうちに馬車の扉が開き、中へと招かれた。
姫様からエマーニュと呼ばれていた侍女の人が、昇降口のステップをタタッと降りてきて開いた扉を支えてくれる。
「ありがとうございます」
「とととんでもごらいませんクライス様」
ちょっと噛んだな。
これほどの襲撃を受けた後なんだから、テンションが高いのは無理も無い。
広い馬車の中に身を乗り入れると、立ったままで俺を待っていたらしい姫様が跪こうと腰を落としかけたところで、ハッとした表情をして固まり、不自然な姿勢になった。
二人の両脇にはジットレイン筆頭魔道士とヴァーニル隊長が控えていたが、真ん中の主が不自然な体勢で固まってしまったので、どうしていいか分からずにいる感じだ。
今回は、侍女のエマーニュさんも同席するらしく馬車の中に戻ってきた。
「夜分にすみません、そんなに時間のかかる話ではありませんが、忘れないうちに済ませておきたいと思ったので」
「滅相もございません、クライス様。それと此度の襲撃に関することであれば、わたくしにとって身近であるこの三人にも聞いておいて貰った方が良いだろうと思いました。お言葉に甘えて同席させて頂ければ幸いにございます」
「もちろんです。ヴァーニル隊長とジットレイン殿も、俺に対しての敬語はナシでおねがいしますね。もちろんエマーニュさんもです」
「はっ!」
「仰せのままに」
「か、かしこまりました...」
それは敬語では無いのかな? とか思いつつも無粋な突っ込みはやめておく。
「では、お掛け下さいクライス様」
五人で、というかポジション的には四対一でという感じだが、用意されていた肘掛け椅子に座る。
あれ?
これ、前回は姫様自身が座っていた方の椅子じゃないか?
座る向きになにか違和感があると思ったら、姫様一同が馬車の進行方向に背中を向けた、いわゆる『下座』側に並んで、俺が一人で上座に座らされている。
これも変にコメントしたら礼儀知らずか。
ともかく、五人で座っていてもさほど窮屈ではないのだから、驚くほど広がる馬車だな。
普通に小さな部屋だ。
これなら今回みたいに天幕を張る余裕がなくても、姫様が快適に過ごせるだろう。
肘掛け椅子の上でそんな事を思い浮かべていると、さっそく姫様が気になって仕方が無い、と言う様子で話しかけてきた。
「もしお伺いしても差し支えなければ...先ほど、グリフォンと戦われている最中に少女を抱きかかえておられたようですが、あの方は?」
「俺の妹ですよ」
「えっ、妹様?」
「血の繋がりは無いので、心の中で兄妹ってだけです。まあ本当を言っちゃうと、大精霊ですけどね」
「だ、大精霊様ですとっ!」
ヴァーニル隊長が珍しく慌てた声を上げ、他の皆さんもさっと顔色を変えた。
「俺に勇者となる力を渡してくれた二人の大精霊がいるんですけど、その片方です」
「そ、それはなんとも ...今夜はもう色々と想像を超える出来事の連続でして...きちんと理解できているか自信がありませんが、とにかくあの少女のお姿は大精霊様だったのですね...」
「ただ、本人は敬われたり、崇められたりするのが大嫌いなので、面と向かって様付けなんかでは呼ばない方がいいですよ」
「なるほど。では普通に...と申し上げると変ですが、あくまでクライス様の妹君として接するべきだと?」
「それがいいと思います。パルミュナと名前で呼んであげて下さい」
「ではお目にかかれたときには、大精霊様ではなくパルミュナ様とお呼びしましょう」
「彼女も俺と同じで『様』づけもいらないです。実際に聞くと笑っちゃかもしれませんけど、彼女も俺のことを『お兄ちゃん』って呼んでる感じですので」
「はあ...『お兄ちゃん』でございますか?」
「最初は名前で呼ばれてたんですけど、ここんとこずっとそうですね。おかげでこっちもすっかり彼女のことを妹のように思っています」
「それはまた随分と人族に親しいと申しますか、慈愛に満ちた大精霊さまですね...」
「会えば分かります。さっきのグリフォン討伐でかなり力を使ったので今は休んでますが、いずれ機会があればご紹介しますよ」
「ありがとうございます。空から舞い降りてきた時には抱きかかえていらっしゃったのに、そのあと忽然と姿が消えたので、幻惑魔法かなにかだったのかとも思っていました」
「むしろ、あのグリフォン討伐はほとんど彼女の力を借りた感じです。俺一人だったらヤバかったと思いますね」
「まさか!」
「本当ですよ。まだ勇者になりたてホヤホヤのヘタレですから」
「ご謙遜を...ところでその...大精霊の妹君は、どちらでお休みに? 必要でしたら馬車を一つ空けさせますが?」
うーん、どうするか・・・
ダンガたちにだって教えてるし、対エルスカインという目線で今後の活動を考えると、姫様とは共闘することになりそうな気がする。
そうなると、この四人相手に隠してても意味は無いよな。
「ここです」
そう言って、腰の革袋を軽く叩いた。
「はい?」
「いまパルミュナはここに入って寝ています。冗談では無く、彼女は大精霊ですから、現世と精霊の世界を行き来できるんですよ。この革袋は、ちょっとだけ精霊界に足を突っ込んでる収納魔法みたいなものです」
「こちらからお伺いしておきながら申し訳ありません。わたくし、すでに理解力と申しますか、思考力がいっぱいいっぱいという感じでございます」
「まあ、それに関しては追々...じゃあ本題の方に入りましょう」
「はい」
「実は、村人たちがスパインボアを飼育していた柵の地下に転移魔法陣が隠されていました。グリフォンはそこから出てきたわけですが、この転移門は双方向でした」
「双方向というのは、こちらからも入れると?」
「そうです」
ヴァーニル隊長が目を見開いた。
「では、エルスカイン一味をそこから追うことも?」
「いえ、すでに転移門は奴らの手で完全に破壊されています。周到な奴らですから、絶対に跡を追跡されないようにでしょう。」
「うーむ」
「問題は、なんのために双方向にしてあったかということです。姫様は理由がおわかりだと思いますが?」
「...わたくし。いえ...わたくしの『身体』ですね?」
「そうだと思います。エルスカインは姫様を殺した後にその身体を手に入れてホムンクルスを作り上げ、それを本物に仕立て上げてリンスワルド領を乗っ取るつもりでしょう」
「うーむ、姫様のお体を...なんと不敬な...しかしクライス様、仮に、あの街道での襲撃にクライス様方が駆けつけて下されなかったら、それこそ我ら騎士団ともども皆殺しにされていたでしょう。どうやって、その姫様のニセモノと入れ替えるつもりだったのでしょうなあ」
「ホムンクルスを制作するのに、どの程度の時間がかかるか知らないのですが、後からひょっこり、という演出は出来たのでは無いですか?」
「姫様一人が偶然生き延びられたという話にするわけですか?」
「そこは、たまたま通りかかった旅の剣士にでも助けられて、その場から逃げ出した。安全のためにしばらく匿われて身を潜めていたが、大丈夫そうなので、その剣士に送られて城に戻ってきた、という話でもあれば、ヴァーニル隊長はどう思われますか? 仮に怪しいと思っても、姫様を拒否できないでしょう?」
「おお、そ、それは確かにそうですなあ...」
「わたくしも、ホムンクルスの身体そのものは、元になった人物と寸分違わないと聞いています。目の前にわたくしにしか見えない人物がいたら、皆、そう扱ってしまうかと」
「ですね。仮に合い言葉とか秘密の情報とかを決めてあったとしても、襲われた衝撃で記憶喪失になっているとでも言われたら、確かめようがありませんよ」
「なるほど...うぬぬ」
姫様の安全を預かる護衛隊長としては複雑な心境だろうな。
最も大切に扱わなければならない対象が、もっとも危険な存在にすり替わっている可能性が出てくるのだから。
「こういたしましょう...シンシア、わたくしに無期限の宣誓魔法を」
「えっ!?」
「姫様、一体何をなさるおつもりで?」
姫様の思わぬ発言にジットレイン魔道士とヴァーニル隊長が慌てる。
「仮にエルスカインが、ホムンクルスに私の記憶を移し替えるような未知の技を持っていたとしても、私の魂そのものも移していない限り、体を模造しただけのホムンクルスに宣誓魔法が力を発揮することはありません」
「それはそうですが、つまり?」
「わたくしは、宣誓魔法の元でクライス様に生涯の恭順をお誓いしましょう。もし、ある日わたくしがクライス様のご意向に逆らう言動を始めたとしたら、それはニセモノです。間違いようがありません」
「しかし...」
「仮に生身の私を捕らえて洗脳したり、魂をホムンクルスに移し替えたとしても、意志に関係なくクライス様のご意向に逆らえない手駒など、エルスカインにとっても無価値なはずです」
いやいやいや姫様、さすがにそれは俺の心理負担が大きいです。
盗賊に悪さをさせないためって言うのとはワケが違う。
「姫様、さすがにそれは大袈裟では?」
「そうは思いません」
「しかし、私も所詮は人です。私がある日狂ったりしたらどうされるおつもりですか」
「なんであれ勇者様の進まれる道を、どこまでもご一緒いたします」
おおぅ、これは、どうすればいいんだ?
助けてパルミュナ!
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