44 / 46
第44話 誕生日プレゼント
しおりを挟む
その後、ヒストリカとエリクは、いつもより豪華な誕生日ディナーを堪能した。
シェフが腕によりをかけて作った夕食は、今までの食事の中でヒストリカが好物だと言ったものばかりのラインナップだった。
いつもの無表情に戻ったヒストリカだったが、食事の感想として「どれも美味しかった」と評していたあたり、満足していたようだった。
そして、あとはケーキが運ばれてくるのを待つばかりという時。
「今のうちに、渡した方がいいんじゃないんですか?」
ソフィがこそっと、エリクに言った。
「ちょっ……ソフィ!」
ぎょっとした様子のエリクが、慌てた様子で声を上げる。
「それは、もっとこう……タイミングというものがあるだろう?」
「タイミングって……放っておいたらエリク様、そのまま切り出せず終わる未来が見えるのですが」
「うっ……それは否定出来ない、かもしれない……」
「なんのお話ですか?」
首を傾げるヒストリカに、エリクはぐしゃぐしゃっと頭を掻く。
「本当は、もう少し後に渡そうと思ってたんだけど……」
エリクが合図をすると、使用人が大きめの紙袋を持ってやってきた。
その中からエリクは、手のひらサイズの箱を取り出す。
綺麗にラッピングされたそれを、エリクは緊張した面持ちでヒストリカに差し出した。
「これは……?」
「いつも、お世話になっているお礼の品、かな」
ヒストリカが目を丸める。
「そんな、いいですのに。むしろ、お気を遣わしてしまい……申し訳ございません」
「謝るような事じゃないよ。これだけ良くして貰ってて、むしろ何も贈らないのは僕の気が済まない」
「……エリク様が、そう仰るのでしたら……」
迷った様子のヒストリカだったが、エリクの泰然とした態度におずおずとプレゼントを受け取った。
「開けてみても?」
「もちろん」
ラッピングを丁寧に外して、ヒストリカは中の物を手に取る。
ピンクゴールドの宝石がついた、イヤリング。
ヒストリカの透き通るような白い肌や、美しい銀髪の繊細な魅力を打ち消してしまわないよう、小ぶりなデザインかつ色味も控えめなイヤリングだった。
「綺麗、ですね……」
主張し過ぎないデザインを気に入ったのか、ヒストリカが前向きな感想を口にする。
「ギラギラしたものは好みじゃないって聞いたから、選んでみた。そんな、大した物じゃなくて申し訳ないけど……」
「いいえ」
微かに緊張を纏った表情のエリクに。
「ありがとうございます」
ほんのりと、ヒストリカは口を緩めて頭を下げた。
「大切に、使わせていただきます」
お気に召した様子のヒストリカに、ほっと安堵の息をついてからエリクが言う。
「それと、もう一つあるんだ」
「もう一つ?」
がさがさと紙袋を漁って、エリクは『もう一つ』をヒストリカに差し出した。
今度は、両手で抱えるくらいのサイズで、ラッピングはされていないそのままだった。
「……ねこ?」
受け取ってから、ヒストリカは呟く。
可愛らしくデフォルメされた、白くてふわふわしているぬいぐるみ。
このシルエットには、見覚えがあった。
「こっちは誕生日プレゼント、かな。子供っぽいかなって思って迷ったんだけど……前に散歩の時、猫と楽しそうに戯れていたから……好きなのかな、って思って」
そうだ。
『くも』だ。
エリクと初めて散歩に行った時に遭遇した、ヒストリカが『くも』と名付けた迷い猫そっくりだった。
思考が行き着いた途端、ヒストリカの感情が大きく揺れた。
イヤリングにしろ、この猫のぬいぐるみにしろ、どっちもそうだ。
エリクが、自分の事をちゃんと見てくれた。
自分が何を好きなのかを、ちゃんと考えてくれた。
その上で、プレゼントを選んでくれた。
しかも、二つも。
そう思うと、胸がきゅうっと音を立てた。
心臓がどきどきと変な鼓動を刻み始める。
顔もみるみるうちに温度を上昇させた。
「ヒストリカ?」
ヒストリカに到来した異変に気づいて、エリクが声を掛ける。
「どうしたんだい、なんだか顔が赤いような……」
「な、なんでもありませんっ」
ほんのり声を荒げてから、ヒストリカはふいっと顔を逸らした。
胸にぎゅうっと抱きしめたぬいぐるみに、顔をぽふんと伏せる。
そんなヒストリカの一連の挙動を見て、ソフィが「おやおや、これは……」と、何やら意味深げな笑顔を浮かべている。
ふたりのやりとりを見守る使用人たちも、どこか微笑ましげな表情をしていた。
「なんでもない、ようには見えないのだけど」
「なんでもないものは、なんでもないんですっ……」
ほんのりと声を荒げてヒストリカが言う。
いつものヒストリカらしくない、理屈ゼロの返答であった。
少し落ち着いてから。
「……その、とても可愛くて、嬉しいです……ありがとう、ございました」
こそっとぬいぐるみから顔を伺わせて、呟くようにヒストリカが言う。
あどけなくて愛らしいその仕草に、エリクの心臓が大きく跳ねてしまって。
「う、うん……喜んでもらえたのなら、何よりだよ……」
エリクの方も、その言葉を最後に頭を掻いて押し黙ってしまう。
(うう……なんなの、一体……)
思いながら、ヒストリカはぬいぐるみを一層強く抱きしめる。
誕生日会が始まったあたりから、自分の情緒が安定していない。
こんなの、エスパニア帝国の医学書にも記載されていない症状だ。
貴族学校首席の頭脳を持ってしてもわからない事態が、ヒストリカに起こっていた。
(しっかりしなさい……こんなの、私らしくない……)
そう思って何度も深呼吸をするも、元の調子に戻らない。
普段は自分の心に固く蓋を閉めている分、一度溢れ出してしまった感情の制御が出来ず、ヒストリカは大いに戸惑うのであった。
そんなこんなしているうちに、ケーキが運ばれてきて自然と食べる流れになる。
ヒストリカの好みを知っているであろう、ソフィ考案の甘さ控えめなクリームケーキのはずなのに。
何故だか今まで食べてきたケーキの中で、一番甘く感じてしまうのであった。
こうして、ヒストリカの二十歳の誕生日は幕を閉じた。
紆余曲折あったものの、なんにせよ今日この日がヒストリカにとって一生忘れられない日になった事は、間違いのない事実であった。
シェフが腕によりをかけて作った夕食は、今までの食事の中でヒストリカが好物だと言ったものばかりのラインナップだった。
いつもの無表情に戻ったヒストリカだったが、食事の感想として「どれも美味しかった」と評していたあたり、満足していたようだった。
そして、あとはケーキが運ばれてくるのを待つばかりという時。
「今のうちに、渡した方がいいんじゃないんですか?」
ソフィがこそっと、エリクに言った。
「ちょっ……ソフィ!」
ぎょっとした様子のエリクが、慌てた様子で声を上げる。
「それは、もっとこう……タイミングというものがあるだろう?」
「タイミングって……放っておいたらエリク様、そのまま切り出せず終わる未来が見えるのですが」
「うっ……それは否定出来ない、かもしれない……」
「なんのお話ですか?」
首を傾げるヒストリカに、エリクはぐしゃぐしゃっと頭を掻く。
「本当は、もう少し後に渡そうと思ってたんだけど……」
エリクが合図をすると、使用人が大きめの紙袋を持ってやってきた。
その中からエリクは、手のひらサイズの箱を取り出す。
綺麗にラッピングされたそれを、エリクは緊張した面持ちでヒストリカに差し出した。
「これは……?」
「いつも、お世話になっているお礼の品、かな」
ヒストリカが目を丸める。
「そんな、いいですのに。むしろ、お気を遣わしてしまい……申し訳ございません」
「謝るような事じゃないよ。これだけ良くして貰ってて、むしろ何も贈らないのは僕の気が済まない」
「……エリク様が、そう仰るのでしたら……」
迷った様子のヒストリカだったが、エリクの泰然とした態度におずおずとプレゼントを受け取った。
「開けてみても?」
「もちろん」
ラッピングを丁寧に外して、ヒストリカは中の物を手に取る。
ピンクゴールドの宝石がついた、イヤリング。
ヒストリカの透き通るような白い肌や、美しい銀髪の繊細な魅力を打ち消してしまわないよう、小ぶりなデザインかつ色味も控えめなイヤリングだった。
「綺麗、ですね……」
主張し過ぎないデザインを気に入ったのか、ヒストリカが前向きな感想を口にする。
「ギラギラしたものは好みじゃないって聞いたから、選んでみた。そんな、大した物じゃなくて申し訳ないけど……」
「いいえ」
微かに緊張を纏った表情のエリクに。
「ありがとうございます」
ほんのりと、ヒストリカは口を緩めて頭を下げた。
「大切に、使わせていただきます」
お気に召した様子のヒストリカに、ほっと安堵の息をついてからエリクが言う。
「それと、もう一つあるんだ」
「もう一つ?」
がさがさと紙袋を漁って、エリクは『もう一つ』をヒストリカに差し出した。
今度は、両手で抱えるくらいのサイズで、ラッピングはされていないそのままだった。
「……ねこ?」
受け取ってから、ヒストリカは呟く。
可愛らしくデフォルメされた、白くてふわふわしているぬいぐるみ。
このシルエットには、見覚えがあった。
「こっちは誕生日プレゼント、かな。子供っぽいかなって思って迷ったんだけど……前に散歩の時、猫と楽しそうに戯れていたから……好きなのかな、って思って」
そうだ。
『くも』だ。
エリクと初めて散歩に行った時に遭遇した、ヒストリカが『くも』と名付けた迷い猫そっくりだった。
思考が行き着いた途端、ヒストリカの感情が大きく揺れた。
イヤリングにしろ、この猫のぬいぐるみにしろ、どっちもそうだ。
エリクが、自分の事をちゃんと見てくれた。
自分が何を好きなのかを、ちゃんと考えてくれた。
その上で、プレゼントを選んでくれた。
しかも、二つも。
そう思うと、胸がきゅうっと音を立てた。
心臓がどきどきと変な鼓動を刻み始める。
顔もみるみるうちに温度を上昇させた。
「ヒストリカ?」
ヒストリカに到来した異変に気づいて、エリクが声を掛ける。
「どうしたんだい、なんだか顔が赤いような……」
「な、なんでもありませんっ」
ほんのり声を荒げてから、ヒストリカはふいっと顔を逸らした。
胸にぎゅうっと抱きしめたぬいぐるみに、顔をぽふんと伏せる。
そんなヒストリカの一連の挙動を見て、ソフィが「おやおや、これは……」と、何やら意味深げな笑顔を浮かべている。
ふたりのやりとりを見守る使用人たちも、どこか微笑ましげな表情をしていた。
「なんでもない、ようには見えないのだけど」
「なんでもないものは、なんでもないんですっ……」
ほんのりと声を荒げてヒストリカが言う。
いつものヒストリカらしくない、理屈ゼロの返答であった。
少し落ち着いてから。
「……その、とても可愛くて、嬉しいです……ありがとう、ございました」
こそっとぬいぐるみから顔を伺わせて、呟くようにヒストリカが言う。
あどけなくて愛らしいその仕草に、エリクの心臓が大きく跳ねてしまって。
「う、うん……喜んでもらえたのなら、何よりだよ……」
エリクの方も、その言葉を最後に頭を掻いて押し黙ってしまう。
(うう……なんなの、一体……)
思いながら、ヒストリカはぬいぐるみを一層強く抱きしめる。
誕生日会が始まったあたりから、自分の情緒が安定していない。
こんなの、エスパニア帝国の医学書にも記載されていない症状だ。
貴族学校首席の頭脳を持ってしてもわからない事態が、ヒストリカに起こっていた。
(しっかりしなさい……こんなの、私らしくない……)
そう思って何度も深呼吸をするも、元の調子に戻らない。
普段は自分の心に固く蓋を閉めている分、一度溢れ出してしまった感情の制御が出来ず、ヒストリカは大いに戸惑うのであった。
そんなこんなしているうちに、ケーキが運ばれてきて自然と食べる流れになる。
ヒストリカの好みを知っているであろう、ソフィ考案の甘さ控えめなクリームケーキのはずなのに。
何故だか今まで食べてきたケーキの中で、一番甘く感じてしまうのであった。
こうして、ヒストリカの二十歳の誕生日は幕を閉じた。
紆余曲折あったものの、なんにせよ今日この日がヒストリカにとって一生忘れられない日になった事は、間違いのない事実であった。
0
お気に入りに追加
1,614
あなたにおすすめの小説
【完結】烏公爵の後妻〜旦那様は亡き前妻を想い、一生喪に服すらしい〜
七瀬菜々
恋愛
------ウィンターソン公爵の元に嫁ぎなさい。
ある日突然、兄がそう言った。
魔力がなく魔術師にもなれなければ、女というだけで父と同じ医者にもなれないシャロンは『自分にできることは家のためになる結婚をすること』と、日々婚活を頑張っていた。
しかし、表情を作ることが苦手な彼女の婚活はそううまくいくはずも無く…。
そろそろ諦めて修道院にで入ろうかと思っていた矢先、突然にウィンターソン公爵との縁談が持ち上がる。
ウィンターソン公爵といえば、亡き妻エミリアのことが忘れられず、5年間ずっと喪に服したままで有名な男だ。
前妻を今でも愛している公爵は、シャロンに対して予め『自分に愛されないことを受け入れろ』という誓約書を書かせるほどに徹底していた。
これはそんなウィンターソン公爵の後妻シャロンの愛されないはずの結婚の物語である。
※基本的にちょっと残念な夫婦のお話です
お父様お母様、お久しぶりです。あの時わたしを捨ててくださりありがとうございます
柚木ゆず
恋愛
ヤニックお父様、ジネットお母様。お久しぶりです。
わたしはアヴァザール伯爵家の長女エマとして生まれ、6歳のころ貴方がたによって隣国に捨てられてしまいましたよね?
当時のわたしにとってお二人は大事な家族で、だからとても辛かった。寂しくて悲しくて、捨てられたわたしは絶望のどん底に落ちていました。
でも。
今は、捨てられてよかったと思っています。
だって、その出来事によってわたしは――。大切な人達と出会い、大好きな人と出逢うことができたのですから。
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
婚約破棄されたショックですっ転び記憶喪失になったので、第二の人生を歩みたいと思います
ととせ
恋愛
「本日この時をもってアリシア・レンホルムとの婚約を解消する」
公爵令嬢アリシアは反論する気力もなくその場を立ち去ろうとするが…見事にすっ転び、記憶喪失になってしまう。
本当に思い出せないのよね。貴方たち、誰ですか? 元婚約者の王子? 私、婚約してたんですか?
義理の妹に取られた? 別にいいです。知ったこっちゃないので。
不遇な立場も過去も忘れてしまったので、心機一転新しい人生を歩みます!
この作品は小説家になろうでも掲載しています
(完結)王家の血筋の令嬢は路上で孤児のように倒れる
青空一夏
恋愛
父親が亡くなってから実の母と妹に虐げられてきた主人公。冬の雪が舞い落ちる日に、仕事を探してこいと言われて当てもなく歩き回るうちに路上に倒れてしまう。そこから、はじめる意外な展開。
ハッピーエンド。ショートショートなので、あまり入り組んでいない設定です。ご都合主義。
Hotランキング21位(10/28 60,362pt 12:18時点)
1度だけだ。これ以上、閨をともにするつもりは無いと旦那さまに告げられました。
尾道小町
恋愛
登場人物紹介
ヴィヴィアン・ジュード伯爵令嬢
17歳、長女で爵位はシェーンより低が、ジュード伯爵家には莫大な資産があった。
ドン・ジュード伯爵令息15歳姉であるヴィヴィアンが大好きだ。
シェーン・ロングベルク公爵 25歳
結婚しろと回りは五月蝿いので大富豪、伯爵令嬢と結婚した。
ユリシリーズ・グレープ補佐官23歳
優秀でシェーンに、こき使われている。
コクロイ・ルビーブル伯爵令息18歳
ヴィヴィアンの幼馴染み。
アンジェイ・ドルバン伯爵令息18歳
シェーンの元婚約者。
ルーク・ダルシュール侯爵25歳
嫁の父親が行方不明でシェーン公爵に相談する。
ミランダ・ダルシュール侯爵夫人20歳、父親が行方不明。
ダン・ドリンク侯爵37歳行方不明。
この国のデビット王太子殿下23歳、婚約者ジュリアン・スチール公爵令嬢が居るのにヴィヴィアンの従妹に興味があるようだ。
ジュリアン・スチール公爵令嬢18歳デビット王太子殿下の婚約者。
ヴィヴィアンの従兄弟ヨシアン・スプラット伯爵令息19歳
私と旦那様は婚約前1度お会いしただけで、結婚式は私と旦那様と出席者は無しで式は10分程で終わり今は2人の寝室?のベッドに座っております、旦那様が仰いました。
一度だけだ其れ以上閨を共にするつもりは無いと旦那様に宣言されました。
正直まだ愛情とか、ありませんが旦那様である、この方の言い分は最低ですよね?
婚約者のいる側近と婚約させられた私は悪の聖女と呼ばれています。
鈴木べにこ
恋愛
幼い頃から一緒に育ってきた婚約者の王子ギルフォードから婚約破棄を言い渡された聖女マリーベル。
突然の出来事に困惑するマリーベルをよそに、王子は自身の代わりに側近である宰相の息子ロイドとマリーベルを王命で強制的に婚約させたと言い出したのであった。
ロイドに愛する婚約者がいるの事を知っていたマリーベルはギルフォードに王命を取り下げるように訴えるが聞いてもらえず・・・。
カクヨム、小説家になろうでも連載中。
※最初の数話はイジメ表現のようなキツイ描写が出てくるので注意。
初投稿です。
勢いで書いてるので誤字脱字や変な表現が多いし、余裕で気付かないの時があるのでお気軽に教えてくださるとありがたいです٩( 'ω' )و
気分転換もかねて、他の作品と同時連載をしています。
【書庫の幽霊王妃は、貴方を愛することができない。】
という作品も同時に書いているので、この作品が気に入りましたら是非読んでみてください。
私のことが大嫌いらしい婚約者に婚約破棄を告げてみた結果。
夢風 月
恋愛
カルディア王国公爵家令嬢シャルロットには7歳の時から婚約者がいたが、何故かその相手である第二王子から酷く嫌われていた。
顔を合わせれば睨まれ、嫌味を言われ、周囲の貴族達からは哀れみの目を向けられる日々。
我慢の限界を迎えたシャルロットは、両親と国王を脅……説得して、自分たちの婚約を解消させた。
そしてパーティーにて、いつものように冷たい態度をとる婚約者にこう言い放つ。
「私と殿下の婚約は解消されました。今までありがとうございました!」
そうして笑顔でパーティー会場を後にしたシャルロットだったが……次の日から何故か婚約を解消したはずのキースが家に押しかけてくるようになった。
「なんで今更元婚約者の私に会いに来るんですか!?」
「……好きだからだ」
「……はい?」
いろんな意味でたくましい公爵令嬢と、不器用すぎる王子との恋物語──。
※タグをよくご確認ください※
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる