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引きこもりエンジニア、パトリック
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「おおお、驚かすなよ、ムーンさん」
一気に明るくなった室内で、ひょろりとした若い男が、怯えた声を紡ぐ。
彼こそが、パトリック。ヘリオス・ラムダきっての天才にして、超重症の引きこもりオタクでもある。
「紹介するよ、カルマ。ウチの主席開発者、パトリックだ」
おどおどした態度で立ち上がり、白衣についた埃を払っている彼を、ムーンが手で示す。立ち尽くす生きたエノキのような男を、カルマは凝視した。
基本的に、機関に雇われている開発者は、個人単位で動くことが前提とされている。通常のエージェントたちと同じく、彼らにもまたランク付けがあり、それによって業務内容が決められていた。中でもパトリックは、その明晰な頭脳と確かな技術でもって、数々の便利なアイテムやガジェットを開発し、提供してくれている特級のエンジニアだった。今や彼が製作する物品なしでは、組織は立ち行かなくなるだろうと目されているほどだ。
しかしながら実際の彼は、およそその仕事ぶりに見合わない、貧相な外見をしていた。筋肉も脂肪もないガリガリに痩せた体と、アトピーの跡が残った、蝋のように白い肌。ストレスのせいか、慢性的な不眠で目の下には濃いクマが出来ている。瞳と同色のメッシュを入れた髪は、きのこの傘のようなマッシュカットにされ、寝癖で乱れていた。だが、顔立ち自体は決して醜くなく、長い睫毛に彩られた紫の瞳は、切れ長で凛とした美を湛えている。キャラクター物のTシャツと、汚れた白衣を脱げば、注目されること間違いなしだった。尤も、それは彼の職業からしたら、不適切なことかも知れないが。
「カルマです。よろしく、おねがいします」
カルマは一歩前に出て、彼に向かって行儀良くお辞儀をした。そのおかげで、こちらを見下ろすパトリックの顔に、嫌悪の表情が現れたのは目撃せずに済む。
「随分な態度じゃないか、パトリック」
すかさずムーンが口を挟み、無言を貫く彼を咎めた。
「客人の前で無礼を働くとは。ご両親が知ったら、さぞお嘆きになるだろう」
「やめてくれよ、子供じゃあるまいし」
当てつけじみた言葉を、パトリックは軽蔑の心でもって振り払った。しかし、ムーンもそう簡単には引き下がらない。
「実際、子供だろう?君はまだ15だ」
衝撃的な発言に、カルマは驚いて息を飲んだ。15歳といえば、まだ学校に通っている年頃だ。制服を着て、教科書の入った鞄を持って、自転車を乗り回しているとばかり思っていた。こんな風に、落ち着いていて大人びた子供も存在するのか。彼女は嬉しい驚きに満ちた目で、彼を眺める。
「中身は立派な大人だ!」
痛いところを突かれたパトリックは、声を荒げて反発した。ところが、未熟者の彼に、ムーンを言い負かすことが出来るはずはない。
「へぇ。その割に、さっきの脅かしは子供っぽかったね」
「ぐ……あ、あれは、新作の試験で……それに、あんたムカつくから、ちょっとぐらいビビらせてやろうかと……」
楽しむような口調で揶揄われたパトリックは、口の端を歪めて悔しそうに眉を寄せた。新作、というのは首にかけている、暗視ゴーグルのことだろう。魔法による透視技術も組み込んでいて、一定程度までの物体なら、透かして向こう側を見ることも出来る代物であった。これならば、ムーンのようなエージェントの裏をかくことも可能だと踏んだ。ついでに、普段のいけすかない微笑みを崩し、驚いた顔を記録してやろうとも思っていた。年齢的に下だからという理由で、侮られる苦痛は既に散々身に染みていたからだ。無論、ムーンの飄々とした性格は普遍のものであり、誰に対しても変わらないのだが、引きこもりの彼には分からない事実だった。
「やっぱり子供じゃないか」
嫌いな相手を陥れたいだなんて、幼稚極まりない思考回路だ。ムーンに失笑され、パトリックの頬にカァッと血が昇る。だが、ここでまた言い返して反撃を食らうほど、彼は愚かではなかった。
「わ、分かったからそんな目で見るなよ……!殺す気かよ」
彼は無理矢理視線を引き剥がし、あらぬ方向へと目を遣った。知らぬ内に力のこもった拳が、ぷるぷると震えている。
「?……あぁそうか、眼鏡か」
彼の言葉を理解しかねて、首を傾げるムーンだったが、すぐに原因に思い当たった。小心者のパトリックは、この肉食動物に似た鋭く赤い目が苦手なようだ。けれども残念ながら、視覚の代わりとなる眼鏡は、家ごと吹き飛んでしまって手元にないのである。
「分かった。新しいのを用意するよ……こっちだ」
事情を打ち明けると、パトリックはくるりと踵を返し、手振りでついてこいと命じた。彼も職業人として、制作物を求められたら素直に提供するくらいの、マナーは守っているらしい。ムーンはカルマの背をつついて、彼に続き鉄製の階段を上っていく。
「わたしは、そっちのほうが、すきよ。ころしやみたい」
道中、前を行くカルマが、急に振り向いてムーンに耳打ちした。幼女の口から殺し屋なんて単語が出たことに、彼は驚きつつかろうじて笑みを保つ。
「光栄だよ」
実際、仕事内容は殺し屋に近いのだから、彼女の発言は的を射ていた。
「さ、どうぞ。散らかってるけど、好きにして」
二人の会話が聞こえなかったパトリックは、二階の事務所の扉を開け、彼らを中に通す。
そこは、柱も余計な遮蔽物もない、広々とした空間だった。主な光源は、四方の壁にぐるりと張り巡らされたコードで補われている。青みがかった人工的なネオンが、室内を照らしていた。床には様々な柄のラグが重なって敷き詰められ、素足で歩けるようになっている。壁際の巨大な作業机には、工具や木材、その他用途不明の道具や図面が乱雑に置かれていた。隣にはもう一台机があって、そちらにはパソコンやスピーカーが満載されている。ムーンの配信機器とよく似た配置なのは、グレードアップに当たり彼に協力をお願いしたからだ。彼の機材はムーンのそれよりも一層特別なチューンアップを施され、適当なハッカーの使うものより格段に高い性能を誇っていた。
「……どこでねているの?」
しかし、見渡す限りベッドもキッチンもない部屋は、カルマにとって異様でしかないものだった。我慢出来ずに尋ねると、パトリックはさも当然のように答える。
「その辺の床」
「ごはんは?」
「デリバリー。直接会うのはキモいから、置き配にしてる」
「えぇっと……」
彼女は人生で初めて覚える感情に、適切な表現を見つけられず、ただじとっとした半眼を彼に送った。
「何だよ!飲み物くらいあるっつうの!」
眼差しに込められたものを読み取ったパトリックは、憤慨して声を大きくする。抗議の叫びを上げながら、彼は近くの棚からマグカップを取り出し、コーヒーメーカーを起動した。ボタンを押すと、最新型のそれは数秒で抽出を終え、カップに濃茶色の飲み物が注がれる。
「ほらな」
パトリックは何故か得意げに、カルマにそれを差し出した。クマのイラストがプリントされた、可愛らしいデザインだ。中にはほかほかと湯気を立てるココアが、たっぷりと入っている。しかも、マシュマロまで浮いていた。
「わぁ……!」
大好物の登場にカルマは目を輝かせ、周りのことなんかそっちのけで夢中になる。ムーンがさりげなく用意した巨大なクッションに腰かけて、ちびちびとココアを楽しみ始めた。紛れもなく子供の振る舞いをする彼女を一瞥し、パトリックは呆れとも苛立ちともつかない呻きを漏らす。
「ったく……何で俺が、ガキの世話なんか」
だがそこで、ムーンからすかさず飛んでくる、物問いたげな視線を感知した。
「君も子ど」
「あぁもううるっさい!」
一気に明るくなった室内で、ひょろりとした若い男が、怯えた声を紡ぐ。
彼こそが、パトリック。ヘリオス・ラムダきっての天才にして、超重症の引きこもりオタクでもある。
「紹介するよ、カルマ。ウチの主席開発者、パトリックだ」
おどおどした態度で立ち上がり、白衣についた埃を払っている彼を、ムーンが手で示す。立ち尽くす生きたエノキのような男を、カルマは凝視した。
基本的に、機関に雇われている開発者は、個人単位で動くことが前提とされている。通常のエージェントたちと同じく、彼らにもまたランク付けがあり、それによって業務内容が決められていた。中でもパトリックは、その明晰な頭脳と確かな技術でもって、数々の便利なアイテムやガジェットを開発し、提供してくれている特級のエンジニアだった。今や彼が製作する物品なしでは、組織は立ち行かなくなるだろうと目されているほどだ。
しかしながら実際の彼は、およそその仕事ぶりに見合わない、貧相な外見をしていた。筋肉も脂肪もないガリガリに痩せた体と、アトピーの跡が残った、蝋のように白い肌。ストレスのせいか、慢性的な不眠で目の下には濃いクマが出来ている。瞳と同色のメッシュを入れた髪は、きのこの傘のようなマッシュカットにされ、寝癖で乱れていた。だが、顔立ち自体は決して醜くなく、長い睫毛に彩られた紫の瞳は、切れ長で凛とした美を湛えている。キャラクター物のTシャツと、汚れた白衣を脱げば、注目されること間違いなしだった。尤も、それは彼の職業からしたら、不適切なことかも知れないが。
「カルマです。よろしく、おねがいします」
カルマは一歩前に出て、彼に向かって行儀良くお辞儀をした。そのおかげで、こちらを見下ろすパトリックの顔に、嫌悪の表情が現れたのは目撃せずに済む。
「随分な態度じゃないか、パトリック」
すかさずムーンが口を挟み、無言を貫く彼を咎めた。
「客人の前で無礼を働くとは。ご両親が知ったら、さぞお嘆きになるだろう」
「やめてくれよ、子供じゃあるまいし」
当てつけじみた言葉を、パトリックは軽蔑の心でもって振り払った。しかし、ムーンもそう簡単には引き下がらない。
「実際、子供だろう?君はまだ15だ」
衝撃的な発言に、カルマは驚いて息を飲んだ。15歳といえば、まだ学校に通っている年頃だ。制服を着て、教科書の入った鞄を持って、自転車を乗り回しているとばかり思っていた。こんな風に、落ち着いていて大人びた子供も存在するのか。彼女は嬉しい驚きに満ちた目で、彼を眺める。
「中身は立派な大人だ!」
痛いところを突かれたパトリックは、声を荒げて反発した。ところが、未熟者の彼に、ムーンを言い負かすことが出来るはずはない。
「へぇ。その割に、さっきの脅かしは子供っぽかったね」
「ぐ……あ、あれは、新作の試験で……それに、あんたムカつくから、ちょっとぐらいビビらせてやろうかと……」
楽しむような口調で揶揄われたパトリックは、口の端を歪めて悔しそうに眉を寄せた。新作、というのは首にかけている、暗視ゴーグルのことだろう。魔法による透視技術も組み込んでいて、一定程度までの物体なら、透かして向こう側を見ることも出来る代物であった。これならば、ムーンのようなエージェントの裏をかくことも可能だと踏んだ。ついでに、普段のいけすかない微笑みを崩し、驚いた顔を記録してやろうとも思っていた。年齢的に下だからという理由で、侮られる苦痛は既に散々身に染みていたからだ。無論、ムーンの飄々とした性格は普遍のものであり、誰に対しても変わらないのだが、引きこもりの彼には分からない事実だった。
「やっぱり子供じゃないか」
嫌いな相手を陥れたいだなんて、幼稚極まりない思考回路だ。ムーンに失笑され、パトリックの頬にカァッと血が昇る。だが、ここでまた言い返して反撃を食らうほど、彼は愚かではなかった。
「わ、分かったからそんな目で見るなよ……!殺す気かよ」
彼は無理矢理視線を引き剥がし、あらぬ方向へと目を遣った。知らぬ内に力のこもった拳が、ぷるぷると震えている。
「?……あぁそうか、眼鏡か」
彼の言葉を理解しかねて、首を傾げるムーンだったが、すぐに原因に思い当たった。小心者のパトリックは、この肉食動物に似た鋭く赤い目が苦手なようだ。けれども残念ながら、視覚の代わりとなる眼鏡は、家ごと吹き飛んでしまって手元にないのである。
「分かった。新しいのを用意するよ……こっちだ」
事情を打ち明けると、パトリックはくるりと踵を返し、手振りでついてこいと命じた。彼も職業人として、制作物を求められたら素直に提供するくらいの、マナーは守っているらしい。ムーンはカルマの背をつついて、彼に続き鉄製の階段を上っていく。
「わたしは、そっちのほうが、すきよ。ころしやみたい」
道中、前を行くカルマが、急に振り向いてムーンに耳打ちした。幼女の口から殺し屋なんて単語が出たことに、彼は驚きつつかろうじて笑みを保つ。
「光栄だよ」
実際、仕事内容は殺し屋に近いのだから、彼女の発言は的を射ていた。
「さ、どうぞ。散らかってるけど、好きにして」
二人の会話が聞こえなかったパトリックは、二階の事務所の扉を開け、彼らを中に通す。
そこは、柱も余計な遮蔽物もない、広々とした空間だった。主な光源は、四方の壁にぐるりと張り巡らされたコードで補われている。青みがかった人工的なネオンが、室内を照らしていた。床には様々な柄のラグが重なって敷き詰められ、素足で歩けるようになっている。壁際の巨大な作業机には、工具や木材、その他用途不明の道具や図面が乱雑に置かれていた。隣にはもう一台机があって、そちらにはパソコンやスピーカーが満載されている。ムーンの配信機器とよく似た配置なのは、グレードアップに当たり彼に協力をお願いしたからだ。彼の機材はムーンのそれよりも一層特別なチューンアップを施され、適当なハッカーの使うものより格段に高い性能を誇っていた。
「……どこでねているの?」
しかし、見渡す限りベッドもキッチンもない部屋は、カルマにとって異様でしかないものだった。我慢出来ずに尋ねると、パトリックはさも当然のように答える。
「その辺の床」
「ごはんは?」
「デリバリー。直接会うのはキモいから、置き配にしてる」
「えぇっと……」
彼女は人生で初めて覚える感情に、適切な表現を見つけられず、ただじとっとした半眼を彼に送った。
「何だよ!飲み物くらいあるっつうの!」
眼差しに込められたものを読み取ったパトリックは、憤慨して声を大きくする。抗議の叫びを上げながら、彼は近くの棚からマグカップを取り出し、コーヒーメーカーを起動した。ボタンを押すと、最新型のそれは数秒で抽出を終え、カップに濃茶色の飲み物が注がれる。
「ほらな」
パトリックは何故か得意げに、カルマにそれを差し出した。クマのイラストがプリントされた、可愛らしいデザインだ。中にはほかほかと湯気を立てるココアが、たっぷりと入っている。しかも、マシュマロまで浮いていた。
「わぁ……!」
大好物の登場にカルマは目を輝かせ、周りのことなんかそっちのけで夢中になる。ムーンがさりげなく用意した巨大なクッションに腰かけて、ちびちびとココアを楽しみ始めた。紛れもなく子供の振る舞いをする彼女を一瞥し、パトリックは呆れとも苛立ちともつかない呻きを漏らす。
「ったく……何で俺が、ガキの世話なんか」
だがそこで、ムーンからすかさず飛んでくる、物問いたげな視線を感知した。
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