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ざまあなジュリエット ※ジュリエット

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ジュリエットはアルバラード邸についた。

そこには執事のトーマスがいた。

「トーマス、ただいま」

「これはこれはお久し振りですお嬢様。ヴェルナルド家で何かありました?」

「その通りよ、トーマス」

「では、御主人様をお呼びいたしましょうか?」

「お願いしますわ」


離婚して実家に戻る。

ヨハンは嫌な顔何一つ見せないだろう。

そう思った。


小一時間してトーマスが戻ってきた。

「お嬢様。ヨハン様をお呼びいたしました。奥様も一緒です」

「お母様も一緒なら尚嬉しいわ。ありがとう、トーマス」


ジュリエットは応接間へと向かった。


あんな奴、離婚して良かったんだわ。

私は私で悔いのない人生を送りたいわ。

また結婚のチャンスはある♬


トントン


「はい」

「失礼致しますわ」


ジュリエットは応接間の中に入った。

「どうした、ジュリエット。突然戻ってきて。ハンスと何かあったのか!?」

「それについてお話したいと思いまして」

「ハンスが何かしたか?」

「ハンス様が……」

ジュリエットはことの流れを話した。


「何!? 詐欺だと!?」

「酔った勢いで酒場でペロっとカミングアウトしてしまったみたいです」

「あのハンスがそんな事するようには思えないがな」

ヨハンは頬杖をついている。

ヨハンは続けた。

「まさかのまさかとは思うがお前が他の誰かを好きになってしまってそう言っているのではないか?」

「そんなことありませんわ」

ピシャリと言った。

実際、違うからだ。


「嘘偽りはございません。だから、ハンス様は明日馬車でドルガーデンに送られる事になりましたわ」

「ド……ドルガーデン!? あそこは魔物によって滅ぼされた町だぞ?」

「そうですよ」

「嘘か本当かわからなくなってきたぞ」

ヨハンは怪訝な目でこちらを見てくる。

完全に警戒している。


「横で話を聞いていれば」

ベージュ色の長い髪を後ろでおだんごにし、赤い瞳に鷲鼻の女性。

その人物こそ、ジュリエットの実の母のマリサだった。


「マリサ!!」

「お父様。私はジュリエットを信じますわ」

「しかし……」

「ジュリエットが浮気なんかするわけがありませんわ」

ハイトーンボイスが部屋中に響き渡るり


ヨハンは葉巻を取り出し、火をつけた。

「ジュリエットはチャーリーと婚約破棄した前科があるからな」

「あれはハンス様がジュリエットを選んで下さったからですわ」

マリサの声は次第に怒りっぽくなっている。


嫌な予感がする。


「お前とも話が通じないようだな、マリサ」

「いいえ、あなたがいけないのですわ」

「もういい。マリサよ。お前とジュリエット、家を出て行ってもらう。我が家もそうしよう。明日ドルガーデンに向けて出発だ」

何という瞬間湯沸かし器。

ジュリエットはヨハンが嫌いになった。
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