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外伝 マルタ目線

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刺すような夏の日差し。

ジリジリと汗がこぼれ出す。


毎日石運びだ。

少しでも気を抜こうものなら、監視員からムチで叩かれる。


マルタは道を踏み外して転んでしまった。


そこに立っていたのは無慈悲な顔をした監視員だった。



ピシャリ、ピシャリ!

2発。


「しっかり歩け!」


しかも重労働。








マルタは奴隷にされていた。

収容所は王太子と離れ離れ。

いや、王太子は王太子の身分を剥奪され、ジョルジョと言われている。


まさか革命が起きるとは想定外だった。


なぜアントニーナからジョルジョを奪ったのだろう?


そんな馬鹿なことをしなければ、今頃アントニーナが奴隷になっていたろうに。


昔はアントニーナは守ってやりたい存在だった。


親友だった。


しかし、恋愛ともなると話は違う。

私はジョルジョにビビビと来たのだ。

ジョルジョこそが本物の運命の相手だと思っていた。



そう。


アントニーナとジョルジョが婚約した事は知っていた。

しかし、私はその前からジョルジョが好きだった。


そう。


学生時代の頃から、ずっと。


だけどまさかアントニーナにとられるとは思わなったのだ。


そして私はアントニーナに敵意を抱いた。

いくら幼馴染で親友だと言っても絶対にゆるさない!




牢獄ではろくすっぽ食べさせてもらえない。

衛生管理も悪い。


働けない者は容赦なく殺害された。


ジョルジョ、元気だろうか?




「そこ!」

またしてもムチが飛んできた。


足が痛い。


歩けない。


それでも歩かなければ処刑されてしまう。
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