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第九話
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晩餐会会場についたリディアはライーサの隣に座った。
晩餐会はライーサの実家の男爵家主催で行われた。
晩餐会にはユカタン王国の王侯貴族が集まり、粛々と行われている。
「リディア。緊張しなくて大丈夫よ。皆優しいから」
ライーサが気遣ってくれる。
「真ん中に座っているのが国王陛下、その左隣に座っているのが王妃。そして、右側に座っているのが王太子殿下よ」
リディアは王太子に一目惚れしてしまった。
カナリアイエローの髪にブルーの瞳。
肩より長いロン毛。
「本日はお忙しい中、参加いただき、ありがとうございます。本日の晩餐会をお楽しみ下さい」
リディアは晩餐会には慣れている。
ハワード王国でも様々な王侯貴族が主催する晩餐会が行われる。
ゴンザレス家もまた晩餐会を催していた。
「ご紹介致します。本日は特別に参加をさせて頂いた方がいらっしゃいます。かの診療所で有名な聖女リディアさんです」
リディアはユカタン王国の診療所に於いてもまた、一発で治療してしまう、と有名だった。
その事は王侯貴族も知っていた。
「ご紹介に預かりましたリディアです。ライーサ様の家にてお世話になっております」
リディアは自己紹介をした。
そして、食事が始まった。
「遠慮しないで食べて良いんだからね」
とライーサ。
「はい」
と言ってリディアは魚を手に取った。
リディアは肉より魚が好きだった。
領地内は漁業で栄えていた。
「では、バイオリンの演奏を……ってあれ? アレクがいない」
どうやらバイオリンの奏者がいないみたいだ。
「ここに我がバルト家に代々伝わるバイオリンがあります。このバイオリンは貴重なもので、有名な職人が作ったバイオリンなのです。そのバイオリンの音色が聴けないとは……」
と司会者。
「アレクはどうした?」
国王が言う。
「それがどこかへ行ってしまったようで……」と言って司会者は言った。
「誰かバイオリンを弾ける者はいないか? この貴重なバイオリンの音色わや是非とも聴いて欲しいのだ」
リディアは転生前、バイオリン奏者になるのが夢だった。
バイオリンをもう一度弾きたい。
「はい、私が弾けます」
リディアは手を挙げた。
「おお」
という歓声が上がった。
「では、今日のゲスト、リディアさんに是非とも演奏してもらいましょう」
すると、拍手喝采。
リディアはモーツアルトの有名な曲、アイネ・クライネ・ハトムジークを演奏した。
高校時代によく弾いていた曲だ。
演奏し終わると、万雷の拍手が鳴った。
晩餐会はライーサの実家の男爵家主催で行われた。
晩餐会にはユカタン王国の王侯貴族が集まり、粛々と行われている。
「リディア。緊張しなくて大丈夫よ。皆優しいから」
ライーサが気遣ってくれる。
「真ん中に座っているのが国王陛下、その左隣に座っているのが王妃。そして、右側に座っているのが王太子殿下よ」
リディアは王太子に一目惚れしてしまった。
カナリアイエローの髪にブルーの瞳。
肩より長いロン毛。
「本日はお忙しい中、参加いただき、ありがとうございます。本日の晩餐会をお楽しみ下さい」
リディアは晩餐会には慣れている。
ハワード王国でも様々な王侯貴族が主催する晩餐会が行われる。
ゴンザレス家もまた晩餐会を催していた。
「ご紹介致します。本日は特別に参加をさせて頂いた方がいらっしゃいます。かの診療所で有名な聖女リディアさんです」
リディアはユカタン王国の診療所に於いてもまた、一発で治療してしまう、と有名だった。
その事は王侯貴族も知っていた。
「ご紹介に預かりましたリディアです。ライーサ様の家にてお世話になっております」
リディアは自己紹介をした。
そして、食事が始まった。
「遠慮しないで食べて良いんだからね」
とライーサ。
「はい」
と言ってリディアは魚を手に取った。
リディアは肉より魚が好きだった。
領地内は漁業で栄えていた。
「では、バイオリンの演奏を……ってあれ? アレクがいない」
どうやらバイオリンの奏者がいないみたいだ。
「ここに我がバルト家に代々伝わるバイオリンがあります。このバイオリンは貴重なもので、有名な職人が作ったバイオリンなのです。そのバイオリンの音色が聴けないとは……」
と司会者。
「アレクはどうした?」
国王が言う。
「それがどこかへ行ってしまったようで……」と言って司会者は言った。
「誰かバイオリンを弾ける者はいないか? この貴重なバイオリンの音色わや是非とも聴いて欲しいのだ」
リディアは転生前、バイオリン奏者になるのが夢だった。
バイオリンをもう一度弾きたい。
「はい、私が弾けます」
リディアは手を挙げた。
「おお」
という歓声が上がった。
「では、今日のゲスト、リディアさんに是非とも演奏してもらいましょう」
すると、拍手喝采。
リディアはモーツアルトの有名な曲、アイネ・クライネ・ハトムジークを演奏した。
高校時代によく弾いていた曲だ。
演奏し終わると、万雷の拍手が鳴った。
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