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学園
テスト
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「来週からテストだって」
「クレハを見送ってから日が経つのが早すぎる」
リリアたちは一ヶ月前にクレハをトッマーニ帝国に送り出した。
「グレンは簡単だって言ってたけど?」
「王太子様が?」
「それは・・・うん、嘘よ」
「えっ?グレンは嘘なんてついたことないけどな・・・」
「リリアは王太子様がどれくらい優秀な方か理解してる?」
「え、知ってるわよ。会議ではみんなをまとめてるし、私の意見も尊重してくれる。この国が良くなってるのもガレンのおかげよね?」
「・・・リリア会議って何?いや、待って、やっぱいい」
「何なのよ」
「気にしたらしょうがないわ、リリアだもの」
「そうね」「そうだった」
「ちょっとひどい気がするんですけど。それでテストって難しいの?」
「そうね、王国で一番難しいと聞くわ」
「そんなに!?」
「・・・ガレンに嘘つかれた?」
「いや、リリアなら簡単なんじゃないか?」
「主席だったものね。歴代最高得点で」
「まじ!?初耳なんですけど」
「ナリュレは興味がないだけでしょ!本当にマリルしか頭にないんだから」
「おい!俺は別にマリルなんて」
「そうなのね、分かってたわ。みんな今日は失礼するわ」
「えっ、ちょい待て・・・」
ナリュレはマリルの後を追うように出ていった。
「素直になればいいのにね」
「まあ、あれは治らない気がするよ」
「ふふ、そうだ!これからうちでテスト勉強しない?」
「それはいい考えだわ。ついでにリリアに勉強教えてもらおうかしら」
「私は教えられないよ」
「謙遜は良くないわ」
「そうだね、じゃあリリアの家にお邪魔しようかな」
「うん!連絡を」
「承知しました」
リリアは護衛に声をかけた。
「ここだよ」
「流石公爵家だね」
「ふふ、綺麗でしょ?入って、どうぞ」
「お邪魔します」
リリアたちは家に入り、リリアの部屋で勉強を始めた。
「私ね、姉からテストの過去問借りてきたの」
「試しにやってみてない?」
「それはいい考えだね」
「順位つける?」
「じゃあ、始め!」
リリアはワクワクしながら問題を見た。
・・・え、嘘だよね。こんな子供騙しみたいな問題。リリアは簡単なその問題に時間の半分も使わずに解き終わった。
「ガレンの言ったこと嘘じゃないじゃん」
「ん?リリアもう終わったの?」
「え、だってめっちゃ簡単じゃない?本当にこれが試験問題?」
「・・・うん、分かってたわ」
「そこは、ね、リリアだから」
「え?」
「気にしないで、ほら私たちも終わったわ」
「じゃあ答え合わせて・・・」
「やった!私が一番!」
「満点とか・・・」
「どうしたの?」
「リリアの規格外に驚いただけだよ」
「リリアは女神様よ。こんなの当たり前だわ」
「えっと、いつからステラは・・・」
「あっ、何でもないわ。独り言よ」
「ソウデスカ」
「まあ、3人とも良い点数だから問題なさそうね」
「そうね、簡単な問題だから平均が高そうだけど」
「リリア、そろそろ黙ろうか」
「え、ちょっとひどい」
「あ、ごめんつい」
「・・・」リリアは12歳までベットで過ごす日々だったので知識は賢者の域にまでかかっていたが、兄や王子たちも優秀だったので、規格外ぶりを自覚できないでいた。
「リリアテストはどうだった?」
「お兄様!簡単でしたわ。あれで本当に試験になるのかしら」
「それはね、俺も初めは思ってたよ。でもね、まあ、明日の結果発表で分かるよ」
「?」リリアは兄の苦笑いに疑問しか浮かばなかった。
「リリアおめでとう」
「ありがとうステラ、えっと、何かあったかな?」
「テスト!」
「あぁ、そうでした。私がどうかしたの?」
「1位よ。満点で」
「みんな似たようなものでしょう?」
「はぁ~」
リリアはステラのため息の理由が知りたくて貼り出された結果を見に行った。
えっと、嘘だよね。みんな6割くらしかとれてない。偶々?いや、でもお兄様は・・・
「リリア?」
「何?」
「また何考えていたの?」
「えっと、みんなが6割しか取れてないのって・・・」
「当たり前よ。むしろ例年より難しい問題で6割取れてる私たちは凄いのよ」
「このことだったのね」
「少しは自覚できた?」
「う、うん。多分」
「まあ、いいわ。それよりリュマの結果見た?」
「え、そんなに凄いの?」
「ある意味ね、Sクラスで下から10番に入るなんて。聖女だからってこれはダメね」
「あれ?王様たちはそんなに優遇してなかったよ」
「学園側の忖度ね」
「国立の学園なのに・・・」
「リリア1位だって?おめでとう」
「ありがとうガレン。あなたのいった通り簡単だったわ」
「だろ?」
「ふふ、そうだ、聖女様のことなんだけど、」
リリアはガレンにリュマの結果について話した。ガレンは少し考えてから
「分かった、それは任しといて」
と言って出ていった。
「なんなのよ!なんでなの!あいつが一番で私が下から10番目なんて!今に見てなさい!」
「クレハを見送ってから日が経つのが早すぎる」
リリアたちは一ヶ月前にクレハをトッマーニ帝国に送り出した。
「グレンは簡単だって言ってたけど?」
「王太子様が?」
「それは・・・うん、嘘よ」
「えっ?グレンは嘘なんてついたことないけどな・・・」
「リリアは王太子様がどれくらい優秀な方か理解してる?」
「え、知ってるわよ。会議ではみんなをまとめてるし、私の意見も尊重してくれる。この国が良くなってるのもガレンのおかげよね?」
「・・・リリア会議って何?いや、待って、やっぱいい」
「何なのよ」
「気にしたらしょうがないわ、リリアだもの」
「そうね」「そうだった」
「ちょっとひどい気がするんですけど。それでテストって難しいの?」
「そうね、王国で一番難しいと聞くわ」
「そんなに!?」
「・・・ガレンに嘘つかれた?」
「いや、リリアなら簡単なんじゃないか?」
「主席だったものね。歴代最高得点で」
「まじ!?初耳なんですけど」
「ナリュレは興味がないだけでしょ!本当にマリルしか頭にないんだから」
「おい!俺は別にマリルなんて」
「そうなのね、分かってたわ。みんな今日は失礼するわ」
「えっ、ちょい待て・・・」
ナリュレはマリルの後を追うように出ていった。
「素直になればいいのにね」
「まあ、あれは治らない気がするよ」
「ふふ、そうだ!これからうちでテスト勉強しない?」
「それはいい考えだわ。ついでにリリアに勉強教えてもらおうかしら」
「私は教えられないよ」
「謙遜は良くないわ」
「そうだね、じゃあリリアの家にお邪魔しようかな」
「うん!連絡を」
「承知しました」
リリアは護衛に声をかけた。
「ここだよ」
「流石公爵家だね」
「ふふ、綺麗でしょ?入って、どうぞ」
「お邪魔します」
リリアたちは家に入り、リリアの部屋で勉強を始めた。
「私ね、姉からテストの過去問借りてきたの」
「試しにやってみてない?」
「それはいい考えだね」
「順位つける?」
「じゃあ、始め!」
リリアはワクワクしながら問題を見た。
・・・え、嘘だよね。こんな子供騙しみたいな問題。リリアは簡単なその問題に時間の半分も使わずに解き終わった。
「ガレンの言ったこと嘘じゃないじゃん」
「ん?リリアもう終わったの?」
「え、だってめっちゃ簡単じゃない?本当にこれが試験問題?」
「・・・うん、分かってたわ」
「そこは、ね、リリアだから」
「え?」
「気にしないで、ほら私たちも終わったわ」
「じゃあ答え合わせて・・・」
「やった!私が一番!」
「満点とか・・・」
「どうしたの?」
「リリアの規格外に驚いただけだよ」
「リリアは女神様よ。こんなの当たり前だわ」
「えっと、いつからステラは・・・」
「あっ、何でもないわ。独り言よ」
「ソウデスカ」
「まあ、3人とも良い点数だから問題なさそうね」
「そうね、簡単な問題だから平均が高そうだけど」
「リリア、そろそろ黙ろうか」
「え、ちょっとひどい」
「あ、ごめんつい」
「・・・」リリアは12歳までベットで過ごす日々だったので知識は賢者の域にまでかかっていたが、兄や王子たちも優秀だったので、規格外ぶりを自覚できないでいた。
「リリアテストはどうだった?」
「お兄様!簡単でしたわ。あれで本当に試験になるのかしら」
「それはね、俺も初めは思ってたよ。でもね、まあ、明日の結果発表で分かるよ」
「?」リリアは兄の苦笑いに疑問しか浮かばなかった。
「リリアおめでとう」
「ありがとうステラ、えっと、何かあったかな?」
「テスト!」
「あぁ、そうでした。私がどうかしたの?」
「1位よ。満点で」
「みんな似たようなものでしょう?」
「はぁ~」
リリアはステラのため息の理由が知りたくて貼り出された結果を見に行った。
えっと、嘘だよね。みんな6割くらしかとれてない。偶々?いや、でもお兄様は・・・
「リリア?」
「何?」
「また何考えていたの?」
「えっと、みんなが6割しか取れてないのって・・・」
「当たり前よ。むしろ例年より難しい問題で6割取れてる私たちは凄いのよ」
「このことだったのね」
「少しは自覚できた?」
「う、うん。多分」
「まあ、いいわ。それよりリュマの結果見た?」
「え、そんなに凄いの?」
「ある意味ね、Sクラスで下から10番に入るなんて。聖女だからってこれはダメね」
「あれ?王様たちはそんなに優遇してなかったよ」
「学園側の忖度ね」
「国立の学園なのに・・・」
「リリア1位だって?おめでとう」
「ありがとうガレン。あなたのいった通り簡単だったわ」
「だろ?」
「ふふ、そうだ、聖女様のことなんだけど、」
リリアはガレンにリュマの結果について話した。ガレンは少し考えてから
「分かった、それは任しといて」
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「なんなのよ!なんでなの!あいつが一番で私が下から10番目なんて!今に見てなさい!」
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