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事実2
話し合い
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皇太子様に催促されるように母様は口を開き、ゆっくりと思い出すように話し始めた。
「ほら、私たちって前世の記憶を持っているじゃない?私の前世はこの世界ではない、そう裏側。魔法ではなくて科学が発展した世界だったの。それで、最初は皇族の義務をって思ってたんだけれど、気付いてしまったのよ。この世界があまりにも小説に類似していることに。馬鹿げてるって言われればそれまでなんだけど…」力なく笑う母様に私はかける言葉も見つかりません。だって私も似たようなものなんです。
「…教えてくれてありがとう。でも、私たちにはちゃんと話してほしかったな」父様は母様を壊れ物を扱うように優しく抱きしめ、隠し様のない気持ちを伝える。
「でも、父様も人のこと言えないんじゃ…」思わず声に出してしまいました。本当のことですし、まぁ、いいですよね。…もう、そんな目で見ないでください。
前世のことは皇族同士で共有することはないそうで、私だって母様と同じ選択をするんじゃないかな、なんて思ってしまいました。私の記憶にある限りこの世界に類似した小説は読んだことがありませんが、科学が発展した世界というのは同じです。後で母様に詳しく聞いてみるのもいいかもしれませんね。
話してくれるのかは分かりませんが。
「ふぅ…それで?お前の気持ちはよく分かったが、皇族の義務を放棄したことは許されることではない…分かるね?」
「それは、まぁ、分かっていたつもりよ」
「…分かっていた、か」冷たく低い声にお母様は震えが止まらないようでした。それからは皇族の義務について皇太子様からそれはとても丁寧に家族揃って聞かされましたよ、はい。圧が凄くて逃げ出せなかった…(泣)。
「……、とこれくらいで今は許そう。我が国ではないしね。さて、とりあえず一緒に帰ることになるのは分かっているな?」
「まあ、見つかったら帰るだろうなとは思ってたけれど「けれど?(圧)」喜んで帰らせて頂きます!リックとソフィーをお母様とお父様に紹介したいわ」ふぅ、とため息をついた皇太子様は父様の方を向きました。
「ハリスフォード殿、レイアは1度国に連れて帰ります。どうやら、こちらの国にも問題があるようだ。解決を先延ばしにするわけにはいかないでしょう。レイアは母上と父上に貴方を紹介もしたいらしい。今回は無理でしょうが、機会ができれば是非我が国にきて欲しい」
「分かりました。お恥ずかしい話ですが、解決次第向かわさせて頂きます」父様の真剣な顔は初めてみる気がします。なんか王子様ですね、まぁ間違ではいないのですが。そんなふうに思っていると、皇太子様は私に目線を合わせて優しく意見を聞いて下さいました。
難しい選択です。帝国に行けばもう一度あの時のように大変なことになるでしょう。かといって、この国にいても父様で渦中は必須。帝国には1度行ってみたかったですし、お祖父様やお祖母様にも会ってみたいです。
「私は皇太子様と帝国に参ります」父様とは暫くの別れです、そんな寂しそうな顔をしないで下さい。もとはと言えばあなたたちのせいなんですから!そうして私と母様は数日後皇太子様と帝国への帰路につきました。
「ほら、私たちって前世の記憶を持っているじゃない?私の前世はこの世界ではない、そう裏側。魔法ではなくて科学が発展した世界だったの。それで、最初は皇族の義務をって思ってたんだけれど、気付いてしまったのよ。この世界があまりにも小説に類似していることに。馬鹿げてるって言われればそれまでなんだけど…」力なく笑う母様に私はかける言葉も見つかりません。だって私も似たようなものなんです。
「…教えてくれてありがとう。でも、私たちにはちゃんと話してほしかったな」父様は母様を壊れ物を扱うように優しく抱きしめ、隠し様のない気持ちを伝える。
「でも、父様も人のこと言えないんじゃ…」思わず声に出してしまいました。本当のことですし、まぁ、いいですよね。…もう、そんな目で見ないでください。
前世のことは皇族同士で共有することはないそうで、私だって母様と同じ選択をするんじゃないかな、なんて思ってしまいました。私の記憶にある限りこの世界に類似した小説は読んだことがありませんが、科学が発展した世界というのは同じです。後で母様に詳しく聞いてみるのもいいかもしれませんね。
話してくれるのかは分かりませんが。
「ふぅ…それで?お前の気持ちはよく分かったが、皇族の義務を放棄したことは許されることではない…分かるね?」
「それは、まぁ、分かっていたつもりよ」
「…分かっていた、か」冷たく低い声にお母様は震えが止まらないようでした。それからは皇族の義務について皇太子様からそれはとても丁寧に家族揃って聞かされましたよ、はい。圧が凄くて逃げ出せなかった…(泣)。
「……、とこれくらいで今は許そう。我が国ではないしね。さて、とりあえず一緒に帰ることになるのは分かっているな?」
「まあ、見つかったら帰るだろうなとは思ってたけれど「けれど?(圧)」喜んで帰らせて頂きます!リックとソフィーをお母様とお父様に紹介したいわ」ふぅ、とため息をついた皇太子様は父様の方を向きました。
「ハリスフォード殿、レイアは1度国に連れて帰ります。どうやら、こちらの国にも問題があるようだ。解決を先延ばしにするわけにはいかないでしょう。レイアは母上と父上に貴方を紹介もしたいらしい。今回は無理でしょうが、機会ができれば是非我が国にきて欲しい」
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