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学園
パーティー
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「どうなのでしょう?」完璧よ!と盛り上がる周囲を他所にソフィーは冷静だった。
いや、あの、隣国を招いての歓迎会みたいなのをするって聞いてたんですよ…、これじゃあ私が主役…。ルリの方が着飾らないといけないでしょ!半分睨みながら言うとルリは決まり悪そうに「まぁ、私は…」と目を逸らす。
諦めの悪い私はルリを巻き込むべく手を伸ばすが、あと少しのところで新たなメイドの手によって妨害されてしまう。
あっ、ちょっ……自分でやらせて~。メイドたちに引きずられるようにして連れて行かれたソフィーはそこから更に磨かれ、パーティーの開始1時間前には誰よりも仕上がった令嬢になっていた。
これサプライズか何かですか…あの、もういいですかね、帰らせてください。
神様、私は普通に過ごしたいんですよ、もう十分幸せなんです。…てか、何を求めたらこうなる!?
「さぁ、行きましょう」待って…全力で行きたくない。絶対目立つじゃん、それじゃなくても急に現れた公爵令嬢で注目されてるのに…。誰か助けてくれ……ないよね。はい、分かってました。行きますよ!行けばいいんでしょ!あぁ、もうどうにでもなれです。
憂鬱な気分のソフィーはルリとパーティー会場へと向かう。
入場の順番が違うので、別れ際ルリから笑顔よ笑顔と言われたが、私の笑顔など誰が見たいのだろうか。
「アルシウス公爵家の皆様がご入場なさいます」
扉が開くと皆の視線は必然的に私に集まった。笑顔、笑顔…顔が引き釣らないように意識して、公爵家に相応しく入場する。隣国からの来賓があるので、いつも以上に貴族を意識して定位置へと足を進めた。
ふぅ、これであとは笑顔を忘れないようにして…聞き流しておけば大丈夫ですね。ふむ、私が主役ですか?あぁ…皆の視線が恐ろしいです…。そんなに睨まなくても場違いなことは私が一番理解してますから。
「ルワーナ帝国、皇太子様のご入場です」ザワザワ…。隣国から来賓がいらっしゃるとは聞いていましたが、皇太子様だとは知りませんでした。皆様、驚いておられますね…。??母様はどうしたのでしょうか、先程とは打って変わり落ち着きがありません。「えっ、まずいわ…」何がまずいのでしょうか?
「母様?」私の声にハッとなった母様は深呼吸をしてから何でもないわと笑顔でおっしゃられましたが、全然何でもなくないですよね!?だって見てください、皇太子様がこちらを凝視なさっています。隣国はエルフの国でしたか?ははは……。まさか、ね。だって父様が第一王子で駆け落ちする形で結婚したって言ってましたし…。
「レイア!?」母様の名前を呼び、凄い速度で近付いてくる皇太子様をできるだけ視界に入れることなく、父様と顔を見合わせます。間違いであって欲しかった…母様!終わったら説明を要求します!私にも知る権利ありますよね?
神様、だから私に何を求めてるんですか!?これ以上の身分は幸せから離脱しますよ。確かに、平民だと馬鹿にされていた母様がもうその立場ではなくなるのは嬉しいです。ですが!何事にも限度が必要なんです。
……取り敢えず早く終わって欲しいです。
いや、あの、隣国を招いての歓迎会みたいなのをするって聞いてたんですよ…、これじゃあ私が主役…。ルリの方が着飾らないといけないでしょ!半分睨みながら言うとルリは決まり悪そうに「まぁ、私は…」と目を逸らす。
諦めの悪い私はルリを巻き込むべく手を伸ばすが、あと少しのところで新たなメイドの手によって妨害されてしまう。
あっ、ちょっ……自分でやらせて~。メイドたちに引きずられるようにして連れて行かれたソフィーはそこから更に磨かれ、パーティーの開始1時間前には誰よりも仕上がった令嬢になっていた。
これサプライズか何かですか…あの、もういいですかね、帰らせてください。
神様、私は普通に過ごしたいんですよ、もう十分幸せなんです。…てか、何を求めたらこうなる!?
「さぁ、行きましょう」待って…全力で行きたくない。絶対目立つじゃん、それじゃなくても急に現れた公爵令嬢で注目されてるのに…。誰か助けてくれ……ないよね。はい、分かってました。行きますよ!行けばいいんでしょ!あぁ、もうどうにでもなれです。
憂鬱な気分のソフィーはルリとパーティー会場へと向かう。
入場の順番が違うので、別れ際ルリから笑顔よ笑顔と言われたが、私の笑顔など誰が見たいのだろうか。
「アルシウス公爵家の皆様がご入場なさいます」
扉が開くと皆の視線は必然的に私に集まった。笑顔、笑顔…顔が引き釣らないように意識して、公爵家に相応しく入場する。隣国からの来賓があるので、いつも以上に貴族を意識して定位置へと足を進めた。
ふぅ、これであとは笑顔を忘れないようにして…聞き流しておけば大丈夫ですね。ふむ、私が主役ですか?あぁ…皆の視線が恐ろしいです…。そんなに睨まなくても場違いなことは私が一番理解してますから。
「ルワーナ帝国、皇太子様のご入場です」ザワザワ…。隣国から来賓がいらっしゃるとは聞いていましたが、皇太子様だとは知りませんでした。皆様、驚いておられますね…。??母様はどうしたのでしょうか、先程とは打って変わり落ち着きがありません。「えっ、まずいわ…」何がまずいのでしょうか?
「母様?」私の声にハッとなった母様は深呼吸をしてから何でもないわと笑顔でおっしゃられましたが、全然何でもなくないですよね!?だって見てください、皇太子様がこちらを凝視なさっています。隣国はエルフの国でしたか?ははは……。まさか、ね。だって父様が第一王子で駆け落ちする形で結婚したって言ってましたし…。
「レイア!?」母様の名前を呼び、凄い速度で近付いてくる皇太子様をできるだけ視界に入れることなく、父様と顔を見合わせます。間違いであって欲しかった…母様!終わったら説明を要求します!私にも知る権利ありますよね?
神様、だから私に何を求めてるんですか!?これ以上の身分は幸せから離脱しますよ。確かに、平民だと馬鹿にされていた母様がもうその立場ではなくなるのは嬉しいです。ですが!何事にも限度が必要なんです。
……取り敢えず早く終わって欲しいです。
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