説明を要求します!

水姫

文字の大きさ
上 下
1 / 19
幼少期

記憶

しおりを挟む
突然ですが、私には前世の記憶があります。
思い出したのはつい先日転んで頭を打ったときです。
前世ではごく普通の女子高生でした。そして今世では小さな商家に一人娘として生まれました。小さすぎて平民より少し恵まれてるかな~程度です。神様~。

ここで気になるのは死因ですが……なんと神獣のせいらしいです。詳しくは教えてくれなかった。ぐすん、私の死因なのに!

それは置いといて、神様はお詫びとして特典をつけてくれたらしいです。今のところ不明ですが……。

「ソフィー?」

「はい!母様、なんのご用ですか?」

「ここにいたのね、帳簿を手伝って欲しいの。人手が足りなくって」

「分かりました」私を探していたのは輝く銀髪にアメジストのような美しい瞳、そしてそれらのパーツに負けない美貌を持つ自慢の母様です。以前遠目で貴族の方々を見たことがありますが、正直母様は王族と言われても誰も疑わないです。それくらい貴族の方々が劣って見えました。本当です。まあ、王族の方々を見たことはないのですが。

「ソフィアお手伝いか?偉いな」私を褒めてくれたのは美しい金髪にラピスラズリにような瞳を持つ父様です。父様も素晴らしい美貌の持ち主です。もちろん自慢です。

そして、この二人から生まれた私は兎に角凄いです。
この世のものとは思えません。
嘘です、人間には違いありません。
いえ、でも本当に凄いのです!
髪は母様似、瞳は父様似で、素晴らしい美貌です。
まだ10歳ですが将来が大変です。
ひょっとしたら神様の特典の一つかもしれません。
絶対そうです。そうに決まってます。
ありがとうございます!神様。

当然私たちは目立つので家族で出掛ける時は魔法で変装をします。 そう魔法です!なんと、転生先には魔法がありました。私も使いたいですが、成長の問題で12歳からしか駄目だそうです。ショック。

「母様に頼まれました。父様は忙しいですか?」

「あ、まあな。この時期だからな」

そう、今の時期は王様の誕生際で忙がしいのです。

「よくもまあ、こんな大掛かりにやるよ」

「??父様?」

「ん?どうした?あぁ、(聞こえていたか)何でもないよ」

「そうですか」

「それが終わったら父様のお手伝いもしてくれるかい?」

「もちろんです。もう少しで終わるので待っててくださいね」私は急いで今の仕事を終わらせます。父様は誕生際に連れていってくれようとしているのです。ふふ、社会勉強ですよね?分かってます。

「終わりました!父様?」

「もうか?よし、じゃあいこう」

「はい!母様、父様のお手伝いをしてきます」

「まぁ、ふふ、あまり遅くならないようにね」

「バレてます父様」

「ん?はっはっは、母様だからな。あぁ、欲しいものはあるか?」

「んー、今のところはありません」

「そうか、じゃあ行ってくる」

「行ってきま~す」

「はい、行ってらっしゃい」
微笑まれました。母様の笑顔は世界一尊いです。

それにしても誕生際に行くのは生まれて初めてです。少しワクワクします。王族の方に会えたりして。


しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

側妃、で御座いますか?承知いたしました、ただし条件があります。

とうや
恋愛
「私はシャーロットを妻にしようと思う。君は側妃になってくれ」 成婚の儀を迎える半年前。王太子セオドアは、15年も婚約者だったエマにそう言った。微笑んだままのエマ・シーグローブ公爵令嬢と、驚きの余り硬直する近衛騎士ケイレブ・シェパード。幼馴染だった3人の関係は、シャーロットという少女によって崩れた。 「側妃、で御座いますか?承知いたしました、ただし条件があります」 ********************************************        ATTENTION ******************************************** *世界軸は『側近候補を外されて覚醒したら〜』あたりの、なんちゃってヨーロッパ風。魔法はあるけれど魔王もいないし神様も遠い存在。そんなご都合主義で設定うすうすの世界です。 *いつものような残酷な表現はありませんが、倫理観に難ありで軽い胸糞です。タグを良くご覧ください。 *R-15は保険です。

私が愛する王子様は、幼馴染を側妃に迎えるそうです

こことっと
恋愛
それは奇跡のような告白でした。 まさか王子様が、社交会から逃げ出した私を探しだし妃に選んでくれたのです。 幸せな結婚生活を迎え3年、私は幸せなのに不安から逃れられずにいました。 「子供が欲しいの」 「ごめんね。 もう少しだけ待って。 今は仕事が凄く楽しいんだ」 それから間もなく……彼は、彼の幼馴染を側妃に迎えると告げたのです。

貧乏男爵家の末っ子が眠り姫になるまでとその後

空月
恋愛
貧乏男爵家の末っ子・アルティアの婚約者は、何故か公爵家嫡男で非の打ち所のない男・キースである。 魔術学院の二年生に進学して少し経った頃、「君と俺とでは釣り合わないと思わないか」と言われる。 そのときは曖昧な笑みで流したアルティアだったが、その数日後、倒れて眠ったままの状態になってしまう。 すると、キースの態度が豹変して……?

私はお母様の奴隷じゃありません。「出てけ」とおっしゃるなら、望み通り出ていきます【完結】

小平ニコ
ファンタジー
主人公レベッカは、幼いころから母親に冷たく当たられ、家庭内の雑務を全て押し付けられてきた。 他の姉妹たちとは明らかに違う、奴隷のような扱いを受けても、いつか母親が自分を愛してくれると信じ、出来得る限りの努力を続けてきたレベッカだったが、16歳の誕生日に突然、公爵の館に奉公に行けと命じられる。 それは『家を出て行け』と言われているのと同じであり、レベッカはショックを受ける。しかし、奉公先の人々は皆優しく、主であるハーヴィン公爵はとても美しい人で、レベッカは彼にとても気に入られる。 友達もでき、忙しいながらも幸せな毎日を送るレベッカ。そんなある日のこと、妹のキャリーがいきなり公爵の館を訪れた。……キャリーは、レベッカに支払われた給料を回収しに来たのだ。 レベッカは、金銭に対する執着などなかったが、あまりにも身勝手で悪辣なキャリーに怒り、彼女を追い返す。それをきっかけに、公爵家の人々も巻き込む形で、レベッカと実家の姉妹たちは争うことになる。 そして、姉妹たちがそれぞれ悪行の報いを受けた後。 レベッカはとうとう、母親と直接対峙するのだった……

父が再婚しました

Ruhuna
ファンタジー
母が亡くなって1ヶ月後に 父が再婚しました

うちの娘が悪役令嬢って、どういうことですか?

プラネットプラント
ファンタジー
全寮制の高等教育機関で行われている卒業式で、ある令嬢が糾弾されていた。そこに令嬢の父親が割り込んできて・・・。乙女ゲームの強制力に抗う令嬢の父親(前世、彼女いない歴=年齢のフリーター)と従者(身内には優しい鬼畜)と異母兄(当て馬/噛ませ犬な攻略対象)。2016.09.08 07:00に完結します。 小説家になろうでも公開している短編集です。

虐げられた令嬢、ペネロペの場合

キムラましゅろう
ファンタジー
ペネロペは世に言う虐げられた令嬢だ。 幼い頃に母を亡くし、突然やってきた継母とその後生まれた異母妹にこき使われる毎日。 父は無関心。洋服は使用人と同じくお仕着せしか持っていない。 まぁ元々婚約者はいないから異母妹に横取りされる事はないけれど。 可哀想なペネロペ。でもきっといつか、彼女にもここから救い出してくれる運命の王子様が……なんて現れるわけないし、現れなくてもいいとペネロペは思っていた。何故なら彼女はちっとも困っていなかったから。 1話完結のショートショートです。 虐げられた令嬢達も裏でちゃっかり仕返しをしていて欲しい…… という願望から生まれたお話です。 ゆるゆる設定なのでゆるゆるとお読みいただければ幸いです。 R15は念のため。

運命の番?棄てたのは貴方です

ひよこ1号
恋愛
竜人族の侯爵令嬢エデュラには愛する番が居た。二人は幼い頃に出会い、婚約していたが、番である第一王子エリンギルは、新たに番と名乗り出たリリアーデと婚約する。邪魔になったエデュラとの婚約を解消し、番を引き裂いた大罪人として追放するが……。一方で幼い頃に出会った侯爵令嬢を忘れられない帝国の皇子は、男爵令息と身分を偽り竜人国へと留学していた。 番との運命の出会いと別離の物語。番でない人々の貫く愛。 ※自己設定満載ですので気を付けてください。 ※性描写はないですが、一線を越える個所もあります ※多少の残酷表現あります。 以上2点からセルフレイティング

処理中です...