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第14章 聖戦
第481話 飲んだくれたちがとうとう仕事をする気になったようですR
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暗殺者3人組が、日々酒を呑んでは適度に魔物の狩りをしながら軍資金を稼いでいると、実状を知らないドウェイン枢機卿は更なる手を打ってくる。
それは黒の騎士団に所属する暗殺者の派遣の追加という、相も変わらずな一手であった。
そしてその行動によって派遣されたのが剣を扱う残虐な暗殺者【剣殺】、更に追加で多種多様な魔導具を作成しては持ち歩き使用する【戯箱】だ。
派遣された暗殺者たちは、揃いも揃って街中で以前に派遣された暗殺者たちと出くわして、その後は宿屋で酒盛りをする日々を送る始末となっている。
「酒も良いがそろそろ動かないと大変じゃぞい。団長が来るやもしれんからの」
戯箱のふとこぼした言葉に対して、この場にいる残りの4人は揃って声を挙げた。
「「「「それはまずいっ!」」」」
「儂たちはお互いの顔は面割れしておるが、団長だけは誰にも見られたことはない。つまり街中ですれ違っても儂たちはわからずのままじゃが、団長からはバレバレじゃろう」
「粛清か……?」
「団長も酒好きなら何とかなりそうだが、かなりの大博打だな」
「団長相手に博打を打つくらいなら、さっさと対象を殺しちまおうぜ。5人で向かえば失敗はねぇ。失敗する方が難しいぜ」
「ふむ……久々に拳が鳴るわ」
こうして団長という忍び寄る陰の恐怖から、ようやく任務へと重い腰を上げる5人であった。
◆ ◇ ◆ ◇ ◆
その日の夜、ようやくケビンの元へ暗殺者集団がこぞって現れる。元は1人だったはずなのに、気づけばあれよあれよとケビンの作る酒の虜となってしまい、今やその数は増えて5人である。
そして今更手柄の独り占めは許されず(怒られるならみんな一緒の精神で)5人揃って帝城へとやってきたのだ。それから5人は道中のトラップ回避や人気のない最短ルートを狙って、ケビンの寝室へと足を踏み入れる。
「簡単すぎねぇか?」
「見回りの者が誰もいなかったな」
「そもそも人気なんてあったか?」
「最短ルートを通ったのだ。人気も何もなかろう」
「そうじゃ、最短ルー……待て、何故最短ルートだと儂らは思っておる? 城内の見取り図など持っておらぬだろ?」
「「「「……」」」」
戯箱が気づいた点を指摘すると、それまで当たり前のように『最短ルート』だと思っていた面々は沈黙する。
「トラップだってそうじゃ。なにを理由にトラップのない道を選んだ? いったいどういうことじゃ?」
「と、とりあえずここまで来たんだ。疑問はこいつを殺してから、宿屋でゆっくりと話し合っても遅くはねぇだろ」
毒蜂がそう締めくくると、5人は任務を達成させるためにそれぞれの獲物を構える。
「よし、1、2の3で一斉に攻撃だ。……1、2の3っ!」
毒蜂が音頭を取る係をしたら、5人はそのまま一斉にベッドで眠るケビンへと己の武器を使って攻撃した。
「任務完了だ。あとはいつも通りギルド経由で報告をするだけだな」
任務に就く暗部の誰しもが持っているドウェイン枢機卿の名が入った書状を使い、ギルドが持つ魔導通信機にて報告をするだけになると、ようやく5人は肩の力を抜いて大きく息をつく。
「そうか……どうやって連絡のやり取りをしているのかと疑問だったけど……ギルド経由でやっていたのか……これは盲点だった」
「「「「「――ッ!」」」」」
いきなりここにいる5人以外の1人で納得している声が聞こえてきて、5人は驚きで声が出なかった。そして、声のした方へ視線を向けると壁際で立っているケビンの姿があった。
「やぁ、初めましてかな? 最初の1人目が帝都入りしてから3ヶ月が過ぎたけど、暗殺に来るの遅すぎない? こっちは待ちくたびれてしまって、お前たちの酒盛りを見るのにも飽きてしまったよ」
「なっ!?」
「あ、一応お礼を言っておく。3ヶ月もの間、当店の商品を飽きることなくお買い求めいただきまして、まことにありがとうございます」
「ふあっ!?」
「お前たちが汗水流して手に入れた金で買った酒は、俺が作ってた物だ。そしてお前たちが買いに行った店は俺の店。1人目のお前がナンパした店員の旦那は俺だ。この帝都で俺の嫁にちょっかいを出すなんて命知らずだな?」
「覚悟っ!」
ケビンがペラペラと喋っている間に拳骨が素早く動くと、ご自慢の拳をケビンへとお見舞する。
「がっ!?」
だが、砕かれたのはケビンの骨ではなく、殴りかかった拳骨の拳であった。
「無駄なことを」
戯箱が長年の経験からこの場から一時撤退をした方がいいだろうと判断して、ケビンの隙を窺いつつドアの方へバレないようにチラチラと視線を向けていると、ケビンから先手を打たれるのだった。
「そこのドアからはもう出られないぞ。お前たちを結界に閉じ込めたから、逃げるためには俺を殺すしかない」
「自害じゃ!」
戯箱の叫びを聞いた4人は、捕まったとき用のために口の中に仕込んでいた毒を噛み潰す。そしてそれは叫んだ戯箱も同じで、口の中に仕込んである毒を噛み潰した。
「ざ……ざまぁみろ……」
剣殺が情報を聞き出せなくなったケビンに対して、嘲笑うかのように捨て台詞を吐くと、そのまま吐血して倒れ込んだ。そして他の4人も同様に倒れ込むと、寝室は沈黙に包まれる。
「「「「「……」」」」」
「……」
「「「「「……?」」」」」
「……」
「「「「「……??」」」」」
「なぁ、まだ死んだフリするのか?」
「「「「「!!!?」」」」」
いくら自害を図ろうともそれを見越して結界に自動回復を付与しているケビンにとっては、5人が行った自害はとんだ茶番劇なのである。
「俺の結界は特殊でな、死ねない魔法が施されている。つまりいくら自害しても勝手に回復するって寸法さ」
「「「「「なっ!?」」」」」
「ざまぁ」
ケビンはようやく『ざまぁ』ができたことによって、大変満足のいく結果になったことを喜んでいた。
奇しくも暗殺者が帝都にやって来て早3ヶ月。その間は来る日も来る日も暗殺者が暗殺に来る時を待ち焦がれていたというのに、蓋を開けてみれば相手は酒浸りになる始末。
ケビンとしては『ざまぁ』を何がなんでも達成しないと、腹の虫が治まらなかったのである。
「さて、暗殺に失敗し自害すら満足に許されないお前らは、このあとどうなるんだろうな?」
「くっ……いくら拷問を受けようとも情報は喋らん!」
「なに、そんな訓練を受けているのか!?」
拳骨がケビンをキッと睨んで決意を口にすると、ケビンは大根役者さながらに驚いて見せたが、それに気づかない剣殺が気を良くしたのか大口を叩く。
「くくっ……お前らが頑張って拷問したところで、俺たちは誰1人として口を割らねぇ。ざまぁみろ」
「くそっ……これだと普通の拷問じゃ無理か……」
「俺たちは訓練されたプロだ。お前がどんな拷問を思いついたところで、そんなものはもう経験済みだってことさ」
わざと悔しがるケビンを他所に毒蜂がそう言い放つと、それに続いて糸師も口を開いた。
「残念だったな皇帝。俺たち5人を簡単に捕まえたのは褒めてやるが、俺たちは口を割らねぇし、お前は情報を手に入れられねぇ。俺たちは殺されるのを待てば任務完了ってことだ」
「これがプロなのか……」
「そうじゃ、儂らはプロ。素人なら口を割ることもあろうが、儂らが口を割ることはない」
戯箱がそう告げたところで、ケビンは大笑いして言葉を返す。
「ならば見せてもらおうか? お前ら黒の騎士団の暗殺者のプロ根性とやらを」
『キター! ケビン大佐素敵ぃぃぃぃっ! この状況でも忘れないネタ根性! そこにシビれる、憧れるぅぅぅぅっ!』
「なっ!? 俺たちの所属を知っているだと!?」
ケビンはそれから隷属の首輪を床に這いつくばっている5人へと嵌めると、あからさまに落胆した5人の表情が見えた。
「まさかこんな玩具でプロ根性を試されるとはな。馬鹿も休み休み言えってんだ」
反抗精神バリバリの剣殺がそう告げると、ケビンはニヤリと口元を歪める。
「それはな、ただの首輪じゃない。自動回復、精神崩壊不可、自殺不可、能力封印、特定エリアからの脱出不可が付与されている特別製だ」
「だから何だってんだ。俺たちが拷問ごときで精神が壊れるとでも思ってんのか? 拷問を苦に自殺するとでも思ってんのか? プロを舐めてんじゃねぇ!」
さっきから剣殺が噛みついてきているので、ちょうどいいと思ったケビンは剣殺を最初の根性試しに使うことにした。
そしてケビンがスキルを使うと、剣殺は見る見るうちに女性へと変貌する。
「中々いい感じに仕上がったな」
「「「「――ッ!」」」」
その剣殺の変わり果てた姿に他の4人が言葉を失っていると、ケビンはそれに構わず作業を進めていく。
「お前たちの持ち物はもう使わないからいらないよな?」
「なにをしやがっ――ッ!」
いきがる剣殺が声を挙げた時に、いつもと違う自分の声質が口から出てしまい驚きを隠せないでいると、ケビンは魔物の好みを聞き始めた。
「お前……ゴブリンとオークはどっちが好みだ?」
「「「「「――ッ!」」」」」
ケビンの質問によってこれから何が起こるのか理解した5人は、今までにない拷問の内容に戦慄する。それも当然のこと。今までは男性として生きてきたので、女性の受ける拷問など体験したことがないのだ。
「言わないってことは俺が決めていいってことだな。さて、こいつが口を割らないか観戦しながら待つとするか」
ケビンはそう言い放ちモニターを出現させたら、そこにはゴブリンたちの姿が映し出されていた。そして剣殺はそこへ転移されてしまう。
「グギャ?」
「ギャギャッ!」
「く、来るな……」
「ギャギャギャーギャー!」
「来るなぁぁぁぁっ!」
そしてモニター越しにゴブリンたちから襲われる剣殺は、服をビリビリに破かれるとゴブリンたちから蹂躙されていき、それを見ているケビンは他の4人の暗殺者の前で呑気に感想をこぼすのだった。
「いやぁ、いつ見てもゴブリンたちは容赦ないね。腹を空かせた魔物の前にご馳走を置いた時のような食いつきだ」
「あ……悪魔……」
「おいおい、悪魔呼ばわりは酷くないか? どんな拷問でも耐えるって言ったのはお前たちだぞ。プロ根性を見せてくれるんだろ?」
「こ、こんなの拷問じゃねぇ。悪魔の所業だ」
「そうかあ? 女性暗殺者とか捕まったら、だいたい手篭めにされるだろ?」
「それは人から襲われるだけだろ! お前がやってるのは魔物に襲わせている行為だ! 全然違う!」
「まぁ、お前たちと議論するつもりはないしどうでもいいけど。最初の裏切り者は誰かな? 仲間を裏切って情報を吐くのはいったい誰だろ?」
それからケビンは全員を女性へ変貌させては、次々とゴブリンやオークの巣へ解き放っていくと全員に対して魔導具越しに喋りかける。
「聞こえるか? 今、その首輪を通して声を届かせてるけど、情報を喋りたくなったらいつでも喋ってくれ。もちろんお仲間にはわからないから安心していいぞ」
その言葉を最後にケビンは喋りかけるのをやめてモニターで様子を見ていたら、早くも全員が耐えきれずに情報を吐き出していたので、所々でケビンが質問を投げかけていき満足すると、締めの言葉を全員に対して贈るのだった。
「いやぁ、色々なことを喋ってくれてありがとう。お前たち5人とも全員が喋ったから、プロ根性は誰も持っていなかったようだ。では、心ゆくまで魔物たちと幸せに暮らしてくれ」
「なっ、話が違うじゃねぇか!? 喋ったら助けてくれるんじゃねぇのか!?」
比較的くみしやすいゴブリンから逃げ回っている男がそう答えると、その声をモニターで見ている他の者たちにも届かせて、ケビンは最後の『ざまぁ』をするのである。
「誰も助けるなんて言ってないだろ? 喋りたくなったらいつでも喋ってくれって言っただけだ。ざまぁ!」
モニター越しに聞こえてくる絶望の声とともに、ケビンは殺しに来た刺客の始末を終えるのであった。
◆ ◇ ◆ ◇ ◆
そしてその後のこと、深夜過ぎに来るであろうと思っていたケビンだったが、思いのほか暗殺者たちが早い時間帯に来たので時間を持て余してしまう。
「うーん……なんかテンション上がったから寝るって気分でもないし……」
そこでケビンが思いついたのが、セレスティア組のフィアンマとはまだ寝ていないということだった。だが、もしかしたらもう寝ているかもしれないと思い、しばらく悩んでいたケビンだったが最終的には行くことにした。
「よし、ものは試しで行ってみよう」
それからトコトコと歩いてフィアンマの寝室を訪れると、ケビンは夫であるため必要もないのだが、一応の礼儀としてドアをノックする。
しかし、待てども返事がなかったので帰ろうかと思っていたケビンだったが、部屋の中からはフィアンマらしき声が聞こえてきたので、不審に思いケビンはドアをそっと開けてみた。
すると、フィアンマは確かに起きていたのだが、ケビンの入室にも気づかずにベッドの上で何やらやっていた。対するケビンはと言うと入室した時点で部屋の中の様相に驚いて言葉を失っていたのだった。
その言葉を失う原因とも言えるのがフィアンマの趣味によるものだ。壁紙はいつの間にかピンクに変わっており、本来のケビンが施していた白の面影が一切見当たらない。そして棚の上には可愛いぬいぐるみが所狭しと並んでいる。
(可愛い物好きとは聞いていたけど……アリス並だな……)
武力一辺倒で男勝りな性格と口調によって、ある意味男らしいとも言えるフィアンマのギャップにケビンはただただ言葉を失うしかない。
「はーい、ニャンちゃんは今日もカワイイでちゅね~ピヨちゃんも負けてないよ~私はワンちゃんもカワイイと思うから嫉妬しちゃダメでちゅよ~」
「――ッ!」
フィアンマがベッド上でぬいぐるみたちに喋りかけているのを聞いてしまったケビンは、雷に撃たれたかのような衝撃を受けてしまう。
(お、女の子口調な上に赤ちゃん言葉だとっ!? 男口調はどこへ行った!?)
「今日もフワフワで毛並みが綺麗でちゅね~」
ぬいぐるみへそう語り掛けるフィアンマは、フワフワしてそうなディフォルメぬいぐるみをこれでもかと言うほどモフモフしている。
(こ、これは見てはいけないものを見てしまった……パンドラボックスに封印されていたのはこれだったのか!?)
それからしばらくの間、フィアンマがぬいぐるみたちと戯れているのを見てしまったケビンは、そろそろ退出しないとヤバいだろうと思っていたのも束の間、唐突にフィアンマがベッド上から動き出した。
「よーし、次はあっちのぬいぐるみで遊ぼう」
(ヤ、ヤバいっ!)
そしてぬいぐるみを入れ替えるためにベッド上から移動しようとして振り返ったフィアンマと、それを入室してから観察していたケビンの視線が交差する。
「「……」」
沈黙がこの場の空気を支配している中、フィアンマはいきなりのことで何が何だか理解が追いついていないようであり、呆けたままケビンの姿をその瞳に映していた。
対するケビンはどうしたもんかと悩んだ結果、ひとまず無難に挨拶をすることにする。
「やあ」
すると、ケビンの発した言葉によって、停止していたフィアンマの時間が動き出した。
「…………へ……陛下……?」
「こんばんは」
無事に?言葉を交わしたことによって次第とフィアンマの理解が追いついていき、頭の中では今まで自分が取っていた行動と、それを人に見られたという思考がぐちゃぐちゃになって回っていく。
むしろ同性ならまだしも、1番見られたくなかったケビンに見られたことを頭の中で理解してしまうと、フィアンマは言語になっていない言葉で絶叫してしまうのだった。
「くぁw背drftgyふじこ??!?」
ケビンはその叫びに対して咄嗟に結界を張り巡らせると、フィアンマの秘密がこれ以上他の者に対して広まらないよう、押し留めることに成功する。
「あ、会いに来たよ?」
混乱を極めているフィアンマに対して、苦肉の策でケビンが言葉にしたのは至って普通のここへ来た理由であった。
「カ、カワイイ部屋だよね、ぬいぐるみもいっぱいだし……」
「~~ッ!」
そして更に続けるケビンの言葉でフィアンマは今自分がどこにいるのか、そしてその場所に同じく誰がいるのかを再認識してしまうと、驚くべき速さで顔を真っ赤に染めては手に持つぬいぐるみを背中へと隠した。
「ぬいぐるみ好きなのは前に聞いていたし、いいと思うよ?」
「…………ぬ……」
「ぬ? ぬいぐるみのぬ?」
ボソッと呟いたフィアンマの言葉の一部を、僅かに聞き取れたケビンが連想して問いかけると、涙目のフィアンマが声を大にしてケビンが聞き返した内容を叫んだ。
「陛下を殺して私も死ぬっ!!」
そう言って飛びかかってきたフィアンマを、ケビンは難なく抱きとめるのだった。それもそのはず、フィアンマがいくらケビンに不意打ちで飛びかかったとしても、基本的なステータス差で難なくカバーできてしまう能力差があるからだ。
「お、落ち着け、フィアンマ」
「ヤダ~陛下を殺して私も死ぬの~もうお嫁にいけないよ~」
「いや、フィアンマはもう俺の嫁だろ!?」
ケビンの言葉にフィアンマが少し考えると、譲れない部分だけを口にする。
「……じゃあ陛下を殺して私も死ぬだけにする~」
「と、とにかく殺人と自殺から離れろ。それって無理心中だぞ!」
「ヤダヤダ~それがダメなら陛下の頭を叩いて記憶を奪うー」
「それは脳に深刻なダメージが入るからやめろ!」
「どうして全部拒否するのーどれか1個認めてよ~!」
「認めたら俺の負けだろ!」
「1回くらい負けてよー」
「その1回が命取りなんだ!」
それからもケビンはフィアンマを抱きしめたまま腕の中で涙目になって訴えるフィアンマと、あーでもないこーでもないと舌戦を繰り広げていた。
やがてフィアンマが諦めると泣き始めてしまう。
「グズッ……酷いよ陛下……女の子の部屋に勝手に入るなんて……」
「ちゃんとドアをノックしたんだぞ? それで応答がなかったから帰ろうとしたら、フィアンマの声が聞こえてな? それで不審に思って入ったら……まぁ、なんだ……可愛いフィアンマを見ちゃった……」
「…………やっぱり陛下を殺して私も死ぬーっ!」
「ああっ、もうっ!」
ケビンは再び腕の中で暴れだしたフィアンマの顔を強引に上へ向かせると、そのまま口づけをしてフィアンマを黙らせる。
「――ッ!」
そして腕の中でポカポカと胸を叩いて抗議しているフィアンマがやがて脱力すると、ケビンはそれから少ししてから唇を離した。
「落ち着いたか、フィアンマ?」
「……陛下、ズルいよ……陛下にキスされて落ち着けるはずないじゃん。ドキドキしっ放しだよ……」
「落ち着いたみたいだな。で、それが本来のフィアンマなのか?」
その後ブツブツと文句を言いながらフィアンマが語ったのは、セレスティア皇国では女性騎士の立場が低く肩身が狭いこともあり、男たちから侮られないためにも強気な姿勢で外見を装い、更には人一倍努力を重ねて実力をつけてきたとのことだった。
「どうせ私には女の子みたいなのは似合わないとでも思ってるんでしょ」
「いや、可愛い」
「なっ!?」
「なぁ、フィアンマ……抱かせてくれ。フィアンマが可愛すぎてちょっと我慢できそうにない」
「……どれだけ節操なしなのよ」
「ダメか?」
「……ちゃんと女の子の私を可愛がってくれる?」
「それはエッチの最中か? それとも日常的にか?」
「エッチのときだけよ! 女の子の部分を日常的に見せるわけないでしょ!」
「俺は日常的でもいいんだけどな。みんなの前で女の子なフィアンマを、これでもかってくらい可愛がるぞ」
「い、嫌よ! 私の作り上げたイメージが崩れるじゃない」
「もったいないなぁ……」
「そ、それに……2人だけの……陛下と私だけの特別な秘密にしたいのよ……それじゃあダメなの?」
「可愛すぎるぞ、フィアンマ。そういう理由なら俺も秘密を絶対に守る……が、ソフィだけは無理だ。フィアンマも知っての通りソフィは神だから、一切の秘密が隠し通せない。神は人の常識の遥か上を行く存在だし、基本的に全てを把握されていると思っておいた方がいいぞ」
「……全て……明日からどういう顔して会えばいいのよ……恥ずかしすぎて顔が見れないよ」
「ソフィなら顔が合った瞬間にニッコリと笑うくらいだ。笑顔を返せばそれでよし!」
「うぅぅ……ハードルが高い……ソフィ様は私の秘密を喋るのかな?」
「喋るわけないだろ。喋ってたら既にみんなから質問攻めにあってるだろ? ソフィはフィアンマの秘密を知っていても喋ることはない。ただし怒らせたら別だぞ? お仕置きでバラすかもしれない」
「うん、怒らせないように気をつける」
「だから秘密は俺とフィアンマと神であるソフィの3人だけだ。2人だけの秘密ってわけにもいかないが、そこは我慢してくれ」
「いいよ。神様なんだから仕方がないよ」
「じゃあ話も纏まったことだし、今からフィアンマを抱く」
「そのストレートなエッチ願望はいっそ清々しいよ……」
ケビンは呆れているフィアンマをベッド脇まで連れていき服を脱がせたら、自分も服を脱いでフィアンマとベッドの上へ移動し押し倒す。
「私の……小さいよね……ごめんね、女らしくない体つきで……筋肉もついてるし……」
「前にも言っただろ? おっぱいに貴賎はない。俺はどんなおっぱいでも愛せる自信がある! 筋肉なんて気にするな。ムキムキマッチョになったわけでもあるまいし、適度に引き締まってて健康的じゃないか」
「何だか陛下の言葉を聞くと悩んでる自分が馬鹿らしくなるよ……特におっぱいに対する情熱とかハンパないし……」
ムードもへったくれもない状態で語り合う裸の2人……しかし、ケビンはたとえムードがなくても欲望には忠実であり、『ムードなんてあとから追いついてくる』という自己理論によって、ことを先へと進めていく。
「ん……」
フィアンマにいきなりキスしたケビンは、そのままフィアンマの気にしている胸を揉んでは、指で挟んだピンク色の乳首をクニクニと刺激する。
「んはぁ……あんっ、いきなりすぎっ……」
それに対してケビンのキスから逃れたフィアンマが抗議の声を挙げるが、ケビンはフィアンマが逃げてしまったのでお仕置きとして口を乳首へ持っていき、ちゅぱちゅぱと吸い始めた。
「んっ……はぁ……陛下……吸っちゃダメぇ……はぁん……」
そして柔らかかった乳首はいつしかぷくりと自己主張をしたので、ケビンは片方を指の腹でピンピンと弾いて、もう片方は口の中でコロコロと転がして堪能していた。
すると口では抗議をしていたものの、いつしかフィアンマは胸にむしゃぶりついているケビンの頭を抱え込み、もっと吸って欲しいと言わんばかりに胸を押しつけていることに気づかず快楽に身を任せている。
「んあっ、あんっ、んっ……陛下、陛下……」
その後ケビンはフィアンマの包囲網から何とか抜け出すと、閉じた割れ目への攻めを開始するため移動したら、既にテラテラとした液体が漏れ出していた。
「既に濡れてるな……淫乱の素質があったり?」
「ち、違うよ。陛下がおっぱいばっかりチュウチュウ吸うからよ」
「離してくれなかったのはフィアンマだろ。もっと吸って欲しくて堪らなかったんだろ?」
「~~ッ!」
「今度はこっちを吸うからな?」
ケビンがそう言葉にするとフィアンマの割れ目へ口を宛てがい、手で大陰唇を広げると本当にジュルジュルと愛液を吸い始める。
「んはぁっ! ダ、ダメっ、陛下! それ、刺激が強い……ああっ、舌でぺろぺろしないでぇ……穴に入れちゃダメぇ……」
そしてジュルジュルと掃除機かの如く吸い込んでいるケビンが少し上へ移動すると、陰核の皮を剥いて剥き出しになった部分を驚きの吸引力で吸い始めた。
「んひぃぃぃぃっ! 陛下そこダメぇぇぇぇ! イッちゃう、すぐイッちゃう! あっあっ、ダメ、無理っ! んんっ、んあっ、あんっ……ダメっ、ダメぇ……ああっ、イクっ、イクぅぅぅぅ――!」
ケビンの吸引力によって陰核を攻められたフィアンマは、体を反らして盛大に絶頂してしまう。
「……うぅぅ、陛下のバカぁ……ダメって言ったのにぃ……ぐすっ……酷いよぉ……」
「ごめんな、気持ちよさそうにしているフィアンマを見てたら止まらなくなった」
涙ぐんでいるフィアンマの頭を撫でながらケビンがキスをしてなだめていると、次第に余韻から落ち着きを取り戻したフィアンマがケビンへ続きを促したら、ケビンはそれに応えるべく愚息を宛てがいフィアンマの中へと侵入していく。
「くっ……締めつけが凄い……」
「っ……い"っ……んぐぅ……」
さすが騎士職と言ったところか、入口の時点できゅうきゅうと締めつけているフィアンマの膣に対して、ケビンは埒が明かないと思い至ったら力を入れて腰を打ちつけると、一気に処女膜を破っていき最奥まで突っ込んだ。
「いったぁぁぁぁい!」
そして当然そのようなことをされてしまったフィアンマは一気に激痛に襲われて、またもや涙ぐんでしまったのだった。
「陛下……私のこと嫌いなの? さっきから酷いよ……」
「フィアンマの締めつけが凄くて思い切り突っ込んだんだよ」
「また私のせいにする~」
「悪かったって。こっからは間違いなく優しくする」
「本当に?」
「ああ、本当だ」
それからケビンは言葉通りに優しくストロークを始めると、フィアンマへキスをしながら快感を与えていく。
「ん……くちゅ、にちゅ、ぬちゅ……陛下、陛下……」
「可愛いよ、フィアンマ」
「あんっ、言わないで……ドキドキが止まらないの……」
やがてフィアンマが絶頂しそうになり、ケビンがそれを締めつけが強くなる膣内で感じとったら、ラストスパートをかけてストロークを強めていき、フィアンマの絶頂に合わせてケビンも射精感を高めていく。
「あっあっ、イク……イクよ、陛下……んっ、んはっ、はぁんっ……くる、くる……あんっ、あんっ、ああっ……イク、イクイク……んあっ、ああぁぁぁぁ――!」
「うっ!」
フィアンマが絶頂したら急激に膣内が締まり、ケビンも呻くほどの強い締めつけ感を受けてしまうと、その流れに身を任せていたケビンは、フィアンマの子宮口目掛けてドピュドピュっとかけていくのであった。
「はぁはぁ……やんっ……まだかけるの? こんなに出されたら孕んじゃうよ?」
「孕ませたいんだよ」
「もうっ……すぐに孕んだらエッチできなくなるじゃない」
「はは、エッチにハマったのか?」
「ち、違うよ! 陛下のことを思って言ったの。エッチな陛下は何かとエッチをしたがるでしょ?」
「それは否定しないが、別にフィアンマ以外とでもやれるからな」
「――ッ!」
「どうした? 俺のためならフィアンマはしなくてもいいんだろ?」
「…………いじわる」
「フィアンマは本当に可愛いな。2人きりの時はフィーちゃんって呼ぼうかな?」
「ダ、ダメっ! そんな呼び方されたら離れられなくなる!」
「別に離れなくてもいいだろ? ずっと一緒に暮らすんだ」
「陛下はお仕事とかあるし……私も騎士のお仕事があるから……」
「じゃあ、時間制限ありのラブラブで我慢するか。もし離れたくなくなったら、俺といれば誰も文句は言わないさ」
「うぅぅ……離れられる自信がないよぉ……」
「愛してるよ、フィーちゃん」
「ッ! わ、私も愛してるよ、ケ、ケビンちゃん……えっ、きゃっ!」
恥ずかしそうにモジモジしながらケビンの名前を呼んだフィアンマを見てしまい、ケビンはすぐさま腰を動かし始めて2回戦に突入する。
「無理っ! 可愛すぎる! 朝までずっと抱き続けるからな、可愛くなったフィーちゃんのせいだぞ!」
「んあっ、あんっ、はぁんっ……ケビンちゃん待って……やんっ、はあっ、んんっ……ケビンちゃんダメっ……またイッちゃう……あっあっ、いやんっ、イク……イクイク……イックぅぅぅぅ――! はぁはぁ……止まってぇ、まだイッてるのぉ……ケビンちゃん、野獣すぎるよぉ……」
「無理っ、止まれない! もう抜かずにやり続けることにする。全部可愛いフィーちゃんのせいだ!」
「そんなに可愛いって言わないでぇ……キュンキュンしちゃうよぉ……」
こうして2人はひょんなことからバカップルぶりを発揮してしまい、ケビンはひたすらフィアンマの体を求め続け、対するフィアンマはそれを一身に受け止めて、ケビンの気が済むまで抱かれ続けるのであった。
それは黒の騎士団に所属する暗殺者の派遣の追加という、相も変わらずな一手であった。
そしてその行動によって派遣されたのが剣を扱う残虐な暗殺者【剣殺】、更に追加で多種多様な魔導具を作成しては持ち歩き使用する【戯箱】だ。
派遣された暗殺者たちは、揃いも揃って街中で以前に派遣された暗殺者たちと出くわして、その後は宿屋で酒盛りをする日々を送る始末となっている。
「酒も良いがそろそろ動かないと大変じゃぞい。団長が来るやもしれんからの」
戯箱のふとこぼした言葉に対して、この場にいる残りの4人は揃って声を挙げた。
「「「「それはまずいっ!」」」」
「儂たちはお互いの顔は面割れしておるが、団長だけは誰にも見られたことはない。つまり街中ですれ違っても儂たちはわからずのままじゃが、団長からはバレバレじゃろう」
「粛清か……?」
「団長も酒好きなら何とかなりそうだが、かなりの大博打だな」
「団長相手に博打を打つくらいなら、さっさと対象を殺しちまおうぜ。5人で向かえば失敗はねぇ。失敗する方が難しいぜ」
「ふむ……久々に拳が鳴るわ」
こうして団長という忍び寄る陰の恐怖から、ようやく任務へと重い腰を上げる5人であった。
◆ ◇ ◆ ◇ ◆
その日の夜、ようやくケビンの元へ暗殺者集団がこぞって現れる。元は1人だったはずなのに、気づけばあれよあれよとケビンの作る酒の虜となってしまい、今やその数は増えて5人である。
そして今更手柄の独り占めは許されず(怒られるならみんな一緒の精神で)5人揃って帝城へとやってきたのだ。それから5人は道中のトラップ回避や人気のない最短ルートを狙って、ケビンの寝室へと足を踏み入れる。
「簡単すぎねぇか?」
「見回りの者が誰もいなかったな」
「そもそも人気なんてあったか?」
「最短ルートを通ったのだ。人気も何もなかろう」
「そうじゃ、最短ルー……待て、何故最短ルートだと儂らは思っておる? 城内の見取り図など持っておらぬだろ?」
「「「「……」」」」
戯箱が気づいた点を指摘すると、それまで当たり前のように『最短ルート』だと思っていた面々は沈黙する。
「トラップだってそうじゃ。なにを理由にトラップのない道を選んだ? いったいどういうことじゃ?」
「と、とりあえずここまで来たんだ。疑問はこいつを殺してから、宿屋でゆっくりと話し合っても遅くはねぇだろ」
毒蜂がそう締めくくると、5人は任務を達成させるためにそれぞれの獲物を構える。
「よし、1、2の3で一斉に攻撃だ。……1、2の3っ!」
毒蜂が音頭を取る係をしたら、5人はそのまま一斉にベッドで眠るケビンへと己の武器を使って攻撃した。
「任務完了だ。あとはいつも通りギルド経由で報告をするだけだな」
任務に就く暗部の誰しもが持っているドウェイン枢機卿の名が入った書状を使い、ギルドが持つ魔導通信機にて報告をするだけになると、ようやく5人は肩の力を抜いて大きく息をつく。
「そうか……どうやって連絡のやり取りをしているのかと疑問だったけど……ギルド経由でやっていたのか……これは盲点だった」
「「「「「――ッ!」」」」」
いきなりここにいる5人以外の1人で納得している声が聞こえてきて、5人は驚きで声が出なかった。そして、声のした方へ視線を向けると壁際で立っているケビンの姿があった。
「やぁ、初めましてかな? 最初の1人目が帝都入りしてから3ヶ月が過ぎたけど、暗殺に来るの遅すぎない? こっちは待ちくたびれてしまって、お前たちの酒盛りを見るのにも飽きてしまったよ」
「なっ!?」
「あ、一応お礼を言っておく。3ヶ月もの間、当店の商品を飽きることなくお買い求めいただきまして、まことにありがとうございます」
「ふあっ!?」
「お前たちが汗水流して手に入れた金で買った酒は、俺が作ってた物だ。そしてお前たちが買いに行った店は俺の店。1人目のお前がナンパした店員の旦那は俺だ。この帝都で俺の嫁にちょっかいを出すなんて命知らずだな?」
「覚悟っ!」
ケビンがペラペラと喋っている間に拳骨が素早く動くと、ご自慢の拳をケビンへとお見舞する。
「がっ!?」
だが、砕かれたのはケビンの骨ではなく、殴りかかった拳骨の拳であった。
「無駄なことを」
戯箱が長年の経験からこの場から一時撤退をした方がいいだろうと判断して、ケビンの隙を窺いつつドアの方へバレないようにチラチラと視線を向けていると、ケビンから先手を打たれるのだった。
「そこのドアからはもう出られないぞ。お前たちを結界に閉じ込めたから、逃げるためには俺を殺すしかない」
「自害じゃ!」
戯箱の叫びを聞いた4人は、捕まったとき用のために口の中に仕込んでいた毒を噛み潰す。そしてそれは叫んだ戯箱も同じで、口の中に仕込んである毒を噛み潰した。
「ざ……ざまぁみろ……」
剣殺が情報を聞き出せなくなったケビンに対して、嘲笑うかのように捨て台詞を吐くと、そのまま吐血して倒れ込んだ。そして他の4人も同様に倒れ込むと、寝室は沈黙に包まれる。
「「「「「……」」」」」
「……」
「「「「「……?」」」」」
「……」
「「「「「……??」」」」」
「なぁ、まだ死んだフリするのか?」
「「「「「!!!?」」」」」
いくら自害を図ろうともそれを見越して結界に自動回復を付与しているケビンにとっては、5人が行った自害はとんだ茶番劇なのである。
「俺の結界は特殊でな、死ねない魔法が施されている。つまりいくら自害しても勝手に回復するって寸法さ」
「「「「「なっ!?」」」」」
「ざまぁ」
ケビンはようやく『ざまぁ』ができたことによって、大変満足のいく結果になったことを喜んでいた。
奇しくも暗殺者が帝都にやって来て早3ヶ月。その間は来る日も来る日も暗殺者が暗殺に来る時を待ち焦がれていたというのに、蓋を開けてみれば相手は酒浸りになる始末。
ケビンとしては『ざまぁ』を何がなんでも達成しないと、腹の虫が治まらなかったのである。
「さて、暗殺に失敗し自害すら満足に許されないお前らは、このあとどうなるんだろうな?」
「くっ……いくら拷問を受けようとも情報は喋らん!」
「なに、そんな訓練を受けているのか!?」
拳骨がケビンをキッと睨んで決意を口にすると、ケビンは大根役者さながらに驚いて見せたが、それに気づかない剣殺が気を良くしたのか大口を叩く。
「くくっ……お前らが頑張って拷問したところで、俺たちは誰1人として口を割らねぇ。ざまぁみろ」
「くそっ……これだと普通の拷問じゃ無理か……」
「俺たちは訓練されたプロだ。お前がどんな拷問を思いついたところで、そんなものはもう経験済みだってことさ」
わざと悔しがるケビンを他所に毒蜂がそう言い放つと、それに続いて糸師も口を開いた。
「残念だったな皇帝。俺たち5人を簡単に捕まえたのは褒めてやるが、俺たちは口を割らねぇし、お前は情報を手に入れられねぇ。俺たちは殺されるのを待てば任務完了ってことだ」
「これがプロなのか……」
「そうじゃ、儂らはプロ。素人なら口を割ることもあろうが、儂らが口を割ることはない」
戯箱がそう告げたところで、ケビンは大笑いして言葉を返す。
「ならば見せてもらおうか? お前ら黒の騎士団の暗殺者のプロ根性とやらを」
『キター! ケビン大佐素敵ぃぃぃぃっ! この状況でも忘れないネタ根性! そこにシビれる、憧れるぅぅぅぅっ!』
「なっ!? 俺たちの所属を知っているだと!?」
ケビンはそれから隷属の首輪を床に這いつくばっている5人へと嵌めると、あからさまに落胆した5人の表情が見えた。
「まさかこんな玩具でプロ根性を試されるとはな。馬鹿も休み休み言えってんだ」
反抗精神バリバリの剣殺がそう告げると、ケビンはニヤリと口元を歪める。
「それはな、ただの首輪じゃない。自動回復、精神崩壊不可、自殺不可、能力封印、特定エリアからの脱出不可が付与されている特別製だ」
「だから何だってんだ。俺たちが拷問ごときで精神が壊れるとでも思ってんのか? 拷問を苦に自殺するとでも思ってんのか? プロを舐めてんじゃねぇ!」
さっきから剣殺が噛みついてきているので、ちょうどいいと思ったケビンは剣殺を最初の根性試しに使うことにした。
そしてケビンがスキルを使うと、剣殺は見る見るうちに女性へと変貌する。
「中々いい感じに仕上がったな」
「「「「――ッ!」」」」
その剣殺の変わり果てた姿に他の4人が言葉を失っていると、ケビンはそれに構わず作業を進めていく。
「お前たちの持ち物はもう使わないからいらないよな?」
「なにをしやがっ――ッ!」
いきがる剣殺が声を挙げた時に、いつもと違う自分の声質が口から出てしまい驚きを隠せないでいると、ケビンは魔物の好みを聞き始めた。
「お前……ゴブリンとオークはどっちが好みだ?」
「「「「「――ッ!」」」」」
ケビンの質問によってこれから何が起こるのか理解した5人は、今までにない拷問の内容に戦慄する。それも当然のこと。今までは男性として生きてきたので、女性の受ける拷問など体験したことがないのだ。
「言わないってことは俺が決めていいってことだな。さて、こいつが口を割らないか観戦しながら待つとするか」
ケビンはそう言い放ちモニターを出現させたら、そこにはゴブリンたちの姿が映し出されていた。そして剣殺はそこへ転移されてしまう。
「グギャ?」
「ギャギャッ!」
「く、来るな……」
「ギャギャギャーギャー!」
「来るなぁぁぁぁっ!」
そしてモニター越しにゴブリンたちから襲われる剣殺は、服をビリビリに破かれるとゴブリンたちから蹂躙されていき、それを見ているケビンは他の4人の暗殺者の前で呑気に感想をこぼすのだった。
「いやぁ、いつ見てもゴブリンたちは容赦ないね。腹を空かせた魔物の前にご馳走を置いた時のような食いつきだ」
「あ……悪魔……」
「おいおい、悪魔呼ばわりは酷くないか? どんな拷問でも耐えるって言ったのはお前たちだぞ。プロ根性を見せてくれるんだろ?」
「こ、こんなの拷問じゃねぇ。悪魔の所業だ」
「そうかあ? 女性暗殺者とか捕まったら、だいたい手篭めにされるだろ?」
「それは人から襲われるだけだろ! お前がやってるのは魔物に襲わせている行為だ! 全然違う!」
「まぁ、お前たちと議論するつもりはないしどうでもいいけど。最初の裏切り者は誰かな? 仲間を裏切って情報を吐くのはいったい誰だろ?」
それからケビンは全員を女性へ変貌させては、次々とゴブリンやオークの巣へ解き放っていくと全員に対して魔導具越しに喋りかける。
「聞こえるか? 今、その首輪を通して声を届かせてるけど、情報を喋りたくなったらいつでも喋ってくれ。もちろんお仲間にはわからないから安心していいぞ」
その言葉を最後にケビンは喋りかけるのをやめてモニターで様子を見ていたら、早くも全員が耐えきれずに情報を吐き出していたので、所々でケビンが質問を投げかけていき満足すると、締めの言葉を全員に対して贈るのだった。
「いやぁ、色々なことを喋ってくれてありがとう。お前たち5人とも全員が喋ったから、プロ根性は誰も持っていなかったようだ。では、心ゆくまで魔物たちと幸せに暮らしてくれ」
「なっ、話が違うじゃねぇか!? 喋ったら助けてくれるんじゃねぇのか!?」
比較的くみしやすいゴブリンから逃げ回っている男がそう答えると、その声をモニターで見ている他の者たちにも届かせて、ケビンは最後の『ざまぁ』をするのである。
「誰も助けるなんて言ってないだろ? 喋りたくなったらいつでも喋ってくれって言っただけだ。ざまぁ!」
モニター越しに聞こえてくる絶望の声とともに、ケビンは殺しに来た刺客の始末を終えるのであった。
◆ ◇ ◆ ◇ ◆
そしてその後のこと、深夜過ぎに来るであろうと思っていたケビンだったが、思いのほか暗殺者たちが早い時間帯に来たので時間を持て余してしまう。
「うーん……なんかテンション上がったから寝るって気分でもないし……」
そこでケビンが思いついたのが、セレスティア組のフィアンマとはまだ寝ていないということだった。だが、もしかしたらもう寝ているかもしれないと思い、しばらく悩んでいたケビンだったが最終的には行くことにした。
「よし、ものは試しで行ってみよう」
それからトコトコと歩いてフィアンマの寝室を訪れると、ケビンは夫であるため必要もないのだが、一応の礼儀としてドアをノックする。
しかし、待てども返事がなかったので帰ろうかと思っていたケビンだったが、部屋の中からはフィアンマらしき声が聞こえてきたので、不審に思いケビンはドアをそっと開けてみた。
すると、フィアンマは確かに起きていたのだが、ケビンの入室にも気づかずにベッドの上で何やらやっていた。対するケビンはと言うと入室した時点で部屋の中の様相に驚いて言葉を失っていたのだった。
その言葉を失う原因とも言えるのがフィアンマの趣味によるものだ。壁紙はいつの間にかピンクに変わっており、本来のケビンが施していた白の面影が一切見当たらない。そして棚の上には可愛いぬいぐるみが所狭しと並んでいる。
(可愛い物好きとは聞いていたけど……アリス並だな……)
武力一辺倒で男勝りな性格と口調によって、ある意味男らしいとも言えるフィアンマのギャップにケビンはただただ言葉を失うしかない。
「はーい、ニャンちゃんは今日もカワイイでちゅね~ピヨちゃんも負けてないよ~私はワンちゃんもカワイイと思うから嫉妬しちゃダメでちゅよ~」
「――ッ!」
フィアンマがベッド上でぬいぐるみたちに喋りかけているのを聞いてしまったケビンは、雷に撃たれたかのような衝撃を受けてしまう。
(お、女の子口調な上に赤ちゃん言葉だとっ!? 男口調はどこへ行った!?)
「今日もフワフワで毛並みが綺麗でちゅね~」
ぬいぐるみへそう語り掛けるフィアンマは、フワフワしてそうなディフォルメぬいぐるみをこれでもかと言うほどモフモフしている。
(こ、これは見てはいけないものを見てしまった……パンドラボックスに封印されていたのはこれだったのか!?)
それからしばらくの間、フィアンマがぬいぐるみたちと戯れているのを見てしまったケビンは、そろそろ退出しないとヤバいだろうと思っていたのも束の間、唐突にフィアンマがベッド上から動き出した。
「よーし、次はあっちのぬいぐるみで遊ぼう」
(ヤ、ヤバいっ!)
そしてぬいぐるみを入れ替えるためにベッド上から移動しようとして振り返ったフィアンマと、それを入室してから観察していたケビンの視線が交差する。
「「……」」
沈黙がこの場の空気を支配している中、フィアンマはいきなりのことで何が何だか理解が追いついていないようであり、呆けたままケビンの姿をその瞳に映していた。
対するケビンはどうしたもんかと悩んだ結果、ひとまず無難に挨拶をすることにする。
「やあ」
すると、ケビンの発した言葉によって、停止していたフィアンマの時間が動き出した。
「…………へ……陛下……?」
「こんばんは」
無事に?言葉を交わしたことによって次第とフィアンマの理解が追いついていき、頭の中では今まで自分が取っていた行動と、それを人に見られたという思考がぐちゃぐちゃになって回っていく。
むしろ同性ならまだしも、1番見られたくなかったケビンに見られたことを頭の中で理解してしまうと、フィアンマは言語になっていない言葉で絶叫してしまうのだった。
「くぁw背drftgyふじこ??!?」
ケビンはその叫びに対して咄嗟に結界を張り巡らせると、フィアンマの秘密がこれ以上他の者に対して広まらないよう、押し留めることに成功する。
「あ、会いに来たよ?」
混乱を極めているフィアンマに対して、苦肉の策でケビンが言葉にしたのは至って普通のここへ来た理由であった。
「カ、カワイイ部屋だよね、ぬいぐるみもいっぱいだし……」
「~~ッ!」
そして更に続けるケビンの言葉でフィアンマは今自分がどこにいるのか、そしてその場所に同じく誰がいるのかを再認識してしまうと、驚くべき速さで顔を真っ赤に染めては手に持つぬいぐるみを背中へと隠した。
「ぬいぐるみ好きなのは前に聞いていたし、いいと思うよ?」
「…………ぬ……」
「ぬ? ぬいぐるみのぬ?」
ボソッと呟いたフィアンマの言葉の一部を、僅かに聞き取れたケビンが連想して問いかけると、涙目のフィアンマが声を大にしてケビンが聞き返した内容を叫んだ。
「陛下を殺して私も死ぬっ!!」
そう言って飛びかかってきたフィアンマを、ケビンは難なく抱きとめるのだった。それもそのはず、フィアンマがいくらケビンに不意打ちで飛びかかったとしても、基本的なステータス差で難なくカバーできてしまう能力差があるからだ。
「お、落ち着け、フィアンマ」
「ヤダ~陛下を殺して私も死ぬの~もうお嫁にいけないよ~」
「いや、フィアンマはもう俺の嫁だろ!?」
ケビンの言葉にフィアンマが少し考えると、譲れない部分だけを口にする。
「……じゃあ陛下を殺して私も死ぬだけにする~」
「と、とにかく殺人と自殺から離れろ。それって無理心中だぞ!」
「ヤダヤダ~それがダメなら陛下の頭を叩いて記憶を奪うー」
「それは脳に深刻なダメージが入るからやめろ!」
「どうして全部拒否するのーどれか1個認めてよ~!」
「認めたら俺の負けだろ!」
「1回くらい負けてよー」
「その1回が命取りなんだ!」
それからもケビンはフィアンマを抱きしめたまま腕の中で涙目になって訴えるフィアンマと、あーでもないこーでもないと舌戦を繰り広げていた。
やがてフィアンマが諦めると泣き始めてしまう。
「グズッ……酷いよ陛下……女の子の部屋に勝手に入るなんて……」
「ちゃんとドアをノックしたんだぞ? それで応答がなかったから帰ろうとしたら、フィアンマの声が聞こえてな? それで不審に思って入ったら……まぁ、なんだ……可愛いフィアンマを見ちゃった……」
「…………やっぱり陛下を殺して私も死ぬーっ!」
「ああっ、もうっ!」
ケビンは再び腕の中で暴れだしたフィアンマの顔を強引に上へ向かせると、そのまま口づけをしてフィアンマを黙らせる。
「――ッ!」
そして腕の中でポカポカと胸を叩いて抗議しているフィアンマがやがて脱力すると、ケビンはそれから少ししてから唇を離した。
「落ち着いたか、フィアンマ?」
「……陛下、ズルいよ……陛下にキスされて落ち着けるはずないじゃん。ドキドキしっ放しだよ……」
「落ち着いたみたいだな。で、それが本来のフィアンマなのか?」
その後ブツブツと文句を言いながらフィアンマが語ったのは、セレスティア皇国では女性騎士の立場が低く肩身が狭いこともあり、男たちから侮られないためにも強気な姿勢で外見を装い、更には人一倍努力を重ねて実力をつけてきたとのことだった。
「どうせ私には女の子みたいなのは似合わないとでも思ってるんでしょ」
「いや、可愛い」
「なっ!?」
「なぁ、フィアンマ……抱かせてくれ。フィアンマが可愛すぎてちょっと我慢できそうにない」
「……どれだけ節操なしなのよ」
「ダメか?」
「……ちゃんと女の子の私を可愛がってくれる?」
「それはエッチの最中か? それとも日常的にか?」
「エッチのときだけよ! 女の子の部分を日常的に見せるわけないでしょ!」
「俺は日常的でもいいんだけどな。みんなの前で女の子なフィアンマを、これでもかってくらい可愛がるぞ」
「い、嫌よ! 私の作り上げたイメージが崩れるじゃない」
「もったいないなぁ……」
「そ、それに……2人だけの……陛下と私だけの特別な秘密にしたいのよ……それじゃあダメなの?」
「可愛すぎるぞ、フィアンマ。そういう理由なら俺も秘密を絶対に守る……が、ソフィだけは無理だ。フィアンマも知っての通りソフィは神だから、一切の秘密が隠し通せない。神は人の常識の遥か上を行く存在だし、基本的に全てを把握されていると思っておいた方がいいぞ」
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ムードもへったくれもない状態で語り合う裸の2人……しかし、ケビンはたとえムードがなくても欲望には忠実であり、『ムードなんてあとから追いついてくる』という自己理論によって、ことを先へと進めていく。
「ん……」
フィアンマにいきなりキスしたケビンは、そのままフィアンマの気にしている胸を揉んでは、指で挟んだピンク色の乳首をクニクニと刺激する。
「んはぁ……あんっ、いきなりすぎっ……」
それに対してケビンのキスから逃れたフィアンマが抗議の声を挙げるが、ケビンはフィアンマが逃げてしまったのでお仕置きとして口を乳首へ持っていき、ちゅぱちゅぱと吸い始めた。
「んっ……はぁ……陛下……吸っちゃダメぇ……はぁん……」
そして柔らかかった乳首はいつしかぷくりと自己主張をしたので、ケビンは片方を指の腹でピンピンと弾いて、もう片方は口の中でコロコロと転がして堪能していた。
すると口では抗議をしていたものの、いつしかフィアンマは胸にむしゃぶりついているケビンの頭を抱え込み、もっと吸って欲しいと言わんばかりに胸を押しつけていることに気づかず快楽に身を任せている。
「んあっ、あんっ、んっ……陛下、陛下……」
その後ケビンはフィアンマの包囲網から何とか抜け出すと、閉じた割れ目への攻めを開始するため移動したら、既にテラテラとした液体が漏れ出していた。
「既に濡れてるな……淫乱の素質があったり?」
「ち、違うよ。陛下がおっぱいばっかりチュウチュウ吸うからよ」
「離してくれなかったのはフィアンマだろ。もっと吸って欲しくて堪らなかったんだろ?」
「~~ッ!」
「今度はこっちを吸うからな?」
ケビンがそう言葉にするとフィアンマの割れ目へ口を宛てがい、手で大陰唇を広げると本当にジュルジュルと愛液を吸い始める。
「んはぁっ! ダ、ダメっ、陛下! それ、刺激が強い……ああっ、舌でぺろぺろしないでぇ……穴に入れちゃダメぇ……」
そしてジュルジュルと掃除機かの如く吸い込んでいるケビンが少し上へ移動すると、陰核の皮を剥いて剥き出しになった部分を驚きの吸引力で吸い始めた。
「んひぃぃぃぃっ! 陛下そこダメぇぇぇぇ! イッちゃう、すぐイッちゃう! あっあっ、ダメ、無理っ! んんっ、んあっ、あんっ……ダメっ、ダメぇ……ああっ、イクっ、イクぅぅぅぅ――!」
ケビンの吸引力によって陰核を攻められたフィアンマは、体を反らして盛大に絶頂してしまう。
「……うぅぅ、陛下のバカぁ……ダメって言ったのにぃ……ぐすっ……酷いよぉ……」
「ごめんな、気持ちよさそうにしているフィアンマを見てたら止まらなくなった」
涙ぐんでいるフィアンマの頭を撫でながらケビンがキスをしてなだめていると、次第に余韻から落ち着きを取り戻したフィアンマがケビンへ続きを促したら、ケビンはそれに応えるべく愚息を宛てがいフィアンマの中へと侵入していく。
「くっ……締めつけが凄い……」
「っ……い"っ……んぐぅ……」
さすが騎士職と言ったところか、入口の時点できゅうきゅうと締めつけているフィアンマの膣に対して、ケビンは埒が明かないと思い至ったら力を入れて腰を打ちつけると、一気に処女膜を破っていき最奥まで突っ込んだ。
「いったぁぁぁぁい!」
そして当然そのようなことをされてしまったフィアンマは一気に激痛に襲われて、またもや涙ぐんでしまったのだった。
「陛下……私のこと嫌いなの? さっきから酷いよ……」
「フィアンマの締めつけが凄くて思い切り突っ込んだんだよ」
「また私のせいにする~」
「悪かったって。こっからは間違いなく優しくする」
「本当に?」
「ああ、本当だ」
それからケビンは言葉通りに優しくストロークを始めると、フィアンマへキスをしながら快感を与えていく。
「ん……くちゅ、にちゅ、ぬちゅ……陛下、陛下……」
「可愛いよ、フィアンマ」
「あんっ、言わないで……ドキドキが止まらないの……」
やがてフィアンマが絶頂しそうになり、ケビンがそれを締めつけが強くなる膣内で感じとったら、ラストスパートをかけてストロークを強めていき、フィアンマの絶頂に合わせてケビンも射精感を高めていく。
「あっあっ、イク……イクよ、陛下……んっ、んはっ、はぁんっ……くる、くる……あんっ、あんっ、ああっ……イク、イクイク……んあっ、ああぁぁぁぁ――!」
「うっ!」
フィアンマが絶頂したら急激に膣内が締まり、ケビンも呻くほどの強い締めつけ感を受けてしまうと、その流れに身を任せていたケビンは、フィアンマの子宮口目掛けてドピュドピュっとかけていくのであった。
「はぁはぁ……やんっ……まだかけるの? こんなに出されたら孕んじゃうよ?」
「孕ませたいんだよ」
「もうっ……すぐに孕んだらエッチできなくなるじゃない」
「はは、エッチにハマったのか?」
「ち、違うよ! 陛下のことを思って言ったの。エッチな陛下は何かとエッチをしたがるでしょ?」
「それは否定しないが、別にフィアンマ以外とでもやれるからな」
「――ッ!」
「どうした? 俺のためならフィアンマはしなくてもいいんだろ?」
「…………いじわる」
「フィアンマは本当に可愛いな。2人きりの時はフィーちゃんって呼ぼうかな?」
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「じゃあ、時間制限ありのラブラブで我慢するか。もし離れたくなくなったら、俺といれば誰も文句は言わないさ」
「うぅぅ……離れられる自信がないよぉ……」
「愛してるよ、フィーちゃん」
「ッ! わ、私も愛してるよ、ケ、ケビンちゃん……えっ、きゃっ!」
恥ずかしそうにモジモジしながらケビンの名前を呼んだフィアンマを見てしまい、ケビンはすぐさま腰を動かし始めて2回戦に突入する。
「無理っ! 可愛すぎる! 朝までずっと抱き続けるからな、可愛くなったフィーちゃんのせいだぞ!」
「んあっ、あんっ、はぁんっ……ケビンちゃん待って……やんっ、はあっ、んんっ……ケビンちゃんダメっ……またイッちゃう……あっあっ、いやんっ、イク……イクイク……イックぅぅぅぅ――! はぁはぁ……止まってぇ、まだイッてるのぉ……ケビンちゃん、野獣すぎるよぉ……」
「無理っ、止まれない! もう抜かずにやり続けることにする。全部可愛いフィーちゃんのせいだ!」
「そんなに可愛いって言わないでぇ……キュンキュンしちゃうよぉ……」
こうして2人はひょんなことからバカップルぶりを発揮してしまい、ケビンはひたすらフィアンマの体を求め続け、対するフィアンマはそれを一身に受け止めて、ケビンの気が済むまで抱かれ続けるのであった。
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