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第12章 イグドラ亜人集合国

第347話 ケビンのお悩み相談室始動

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 ひと通り話し終えたケビンたちは時間もいいところだったので、お昼ご飯にしようとケビンが発言したのだが、クズミが宿屋を引き払って是非屋敷に泊まって欲しいとの申し出をしたらケビンは快くそれを受けるが、代わりに屋敷の改造許可を貰うのであった。

「私のものはケビン様のものですから好きになされてください」

「ちゃんと家主の許可は得ないとな」

 それからケビンは敷地を外観から一掃する。元々洋風建築だったものが和風建築になり洋風庭園だったものを日本庭園に変えて、武家屋敷のような風貌に生まれ変わらせた。

「こっちの方がクズミには落ち着く風景だろ? ちょっと敷地的にこじんまりとしてアレンジしてしまったが」

「ああっ、懐かしいです……ケビン様、ありがとうございます」

「平安時代の建物をそのまま再現したら嫌な記憶が蘇るしな。少し進んだ時代の屋敷にしてみた」

 そのままケビンたちが中へ入ると靴を脱ぐ玄関があり、和室と洋室にわかれてそれぞれ楽しめるようになっていた。

「基本的に和室の数の方が多いけどいいよな? 独断と偏見でやっぱり着物には和室が似合うし、クズミの部屋は俺の好みで和室にしてある」

 家の中を案内するケビンに連れられて各部屋を見たり、炊事場を案内されたりしながら探索をしていると、浴室は木製で作られて驚きの広さになっておりクズミがケビンへ声をかける。

「全然違うものになってますし、広いですね」

「木製風呂の方がいい匂いがして落ち着くし、みんなで入れるようにした」

「み……みんなですか?」

 ケビンから聞かされるエレフセリア家のお風呂ルールに、クズミは顔を赤らめて俯いてしまうのである。

「ちなみに旅の間は寝る時もみんな一緒だな」

 その後に案内されたケビンの寝室は大きな1室となっており、真ん中にドンとその存在感を主張するように大きなベッドがあるのだった。

「おお、これなら気兼ねなくみんな一緒に寝れるではないか。宿屋のベッドはちと狭かったからの」

「やっぱり寝るなら広々とベッドを使いたいからな」

 ひと通り屋内を見回ったあとケビンたちは和室へと行って、新鮮な畳の匂いを満喫するのである。

「ケビン様、この度は家の改築をありがとうございます」

「別に畏まらなくていいよ。やりたくてやったことだし。あと、侵入者対策で結界を張っていて清潔と状態維持の付与魔法をかけてあるから、埃はたまらないし常に新品で朽ちることはないよ。庭園も今の状態のままだから手入れをする必要はないし」

「そのようなことまで!?」

 ケビンの相変わらずなチートぶりに慣れている者は何の反応も示さないが、初めてであるクズミは驚きを隠せなかった。ルルだけは慣れていても目を輝かせていたが。

「そういえば家の中なのにクズミは着物に着替えないのか?」

「主殿よ、着物なら私がおるではないか」

「クララとは違った良さがあるんだよ。着物を着て耳としっぽを出してもらったら非の打ち所のないエロさだ」

「主殿の趣味は特殊よのぅ」

 そのような会話をケビンとクララが交わしていたら、クズミが着替えていない理由を語るのだった。

「実はケビン様へ相談したいことがありまして、ちゃんとした服装でお願いしようかと。しかし、今となっては相談をしていいものなのかどうなのか判断できかねます」

「気にせずすればいいのに」

「以前のままでしたら簡単にできたかもしれませんが、今となっては妻にしていただいたこともあり、ケビン様のことだからお引き受けになると思いまして、押しつけてしまう形になるのではと」

「あぁぁ……そういうことか。でも、以前の関係のままでも引き受けていたと思うけど? コンシェルジュを引き抜くからそのお礼として」

 クズミが逡巡する表情を見せると、意を決してケビンを見つめて相談内容を話し始めた。

 その内容とは、イグドラの各種族が抱え込む悩みを解決するのに助言が欲しいとのことで、それを聞いたケビンは面食らってしまう。

「助言って……俺、この国のことほとんど知らないんだけど……」

「そうよな。クズミよ、主殿に聞くのは間違いではないか? そもそも何でそなたが奔走しておる? そやつら自身で解決すべき事項であろう」

「私が商いをしているので各種族長とも面識がありまして、その時に手広く商いをしている知恵を貸して欲しいと頼まれたのです」

「へぇーイグドラの長たちが人間姿のクズミを頼るとか、余程切羽詰まってんだな」

「あっ、長たちには狐人族の姿を見せていますから、私のことは獣人族だと思ってます。日頃はスキルの偽装で人族の格好をして、人族領でも商いをしていると伝えていますので人族だとは思っていないんですよ」

「クズミはスキルの偽装を持っているのか?」

「持っていませんよ。魔法の偽装だと魔力の流れを見られたらバレてしまいますから、バレることのないスキルということにしたんです。姿自体はスキルや魔法を使わなくても変化させられますので」

 それからケビンは、クズミから各種族が悩んでいる内容を掻い摘んで説明してもらうと、無理難題ばかりではないかと感想をこぼす。

 そしてケビンが無理だと感じたその内容とは、以下の通りである。

 ・エルフが右往左往している『世界樹が枯れかけている、世界の終わりだ』

 ・ダークエルフが悩んでいる『子供が圧倒的に少ない、このままでは絶滅だ』

 ・ドワーフが困っている『素材を取りに行けない、鍛冶ができなくて失業だ』

 ・獣人族が思案している『奴隷となって酷い目に合っている者たちの救出、奴隷解放戦争だ』

「各種族の特性が出ているというかなんというか、よくそんな話を解決しようとしたね」

「好きでそうしようとしたわけではないのです。何となく世間話からそういう流れになりまして……」

「とりあえず1番簡単そうなやつから取り掛かってみるか」

「えっ!? 解決できそうなのですか!?」

「ドワーフの言う素材を取りに行けないって、行けるようにすればいいだけだろ? 他の悩みに比べれば簡単すぎる」

 こうしてケビンはクズミの悩みを解決するべく、本意ではないがイグドラに住む種族の悩み解決へ動き出すのであった。


◆ ◇ ◆ ◇ ◆


 翌日、早速ドワーフの長と会うべくケビンはクズミに連れられて、ダヴェニ地区へとやってきた。

 ドワーフの地区と言うだけあって街並みはオシャレと言うよりも無骨な感じがしていて、彼方此方から炉の煙が上がっている。

「なんだ、まだ鍛冶できてるじゃん」

「依頼されている分の納期がありますから。新規の依頼を請け負っている所はごく僅かです」

 そのまま街中を進んでいくと、離れに簡素な住宅が1軒だけポツンと現れる。

「代表者って聞いていたから、もっと豪華な屋敷に住んでいるかと思った」

「彼らは鍛冶が第1ですから無駄に広い屋敷を持つよりも、鍛冶をするための機能性を重視しているのです」

 クズミはそのまま家に向かうとドアノッカーを鳴らしたが、しばらく経てども反応はない。

「作業場にいるかもしれませんね」

「作業場?」

 なんの躊躇いもなくクズミがドアを開けると、勝手知ったるやで中へと入っていき、ケビンはその後へ続いた。

 そして1枚のドアの前までやって来るとおもむろにそのドアを開く。

 ――カーン、カーン……

 今まで静かだった家の中にけたたましく金属音が響きわたり、その音でケビンは顔を顰めてしまう。

「驚かれましたか? 鍛冶屋の家の作業場区画は防音設計なのです。鍛冶をする音がうるさいと他の地区から苦情があったみたいで。1軒だけならまだしもこの地区のほとんどの家から聞こえますからね。苦情にもなるということです」

「確かにこの音が彼方此方から聞こえてきたらうるさいな。それで来る途中は炉の煙が見えていても鍛冶をしている音が聞こえなかったのか」

 クズミがドアを開けてすぐの場所に吊るされている鐘を鳴らすと、鍛冶の金属音にも負けないくらいの音が鳴り響いた。

 しばらくして金属音がなくなると、奥からずんぐりむっくりしたドワーフが現れる。

「クズミか……こんな時間になんだ? それに後ろの奴は人族か? 客は取らんぞ。お前ならその理由はわかってるだろ」

「いえ、お客様のご紹介ではありません。族長会議で聞いたドワーフ族の悩みを解決してくれるかもしれない方をお連れしました」

「そんな何処にでもいそうなひよっ子がか?」

「いくらあなたでも私の夫に対するその物言いは許しませんよ」

「……は? 夫……?」

「はい、先日娶っていただきましたので」

 クズミはそう言うと見せびらかすかのように、左手にはめてある指輪を主張するのだった。

「あのお嬢ちゃんが結婚か……」

 感慨深げにこぼす族長の言葉は明らかにクズミを年下に見ているのだが、それはひとえにクズミが同じ姿で生き続けるわけにもいかず、本年齢を明かしていないからだ。

 クズミ自身も年上のババアと言われるよりもお嬢ちゃん呼ばわりの方がよっぽどよく、軽く見られていようが構わずに若く見られているお嬢ちゃん呼びを甘んじて受け入れているのだ。

 それから一同は簡素なリビングに向かうと軽く世間話から入っていき、本題へ移行する前に族長がケビンへ視線を向ける。

「お前は強いのか?」

 その言葉にケビンはXランクのギルドカードを提示するが、驚くことに返ってきたのは予想だにしない言葉であった。

「何だそれは?」

「え? ギルドカードですけど」

「そんな色のもんは見たことないし知らん。本当にギルドカードなら強ければゴールドかプラチナだろ」

 ケビンはクズミへ助けを求めるかのように視線を向けたが、当のクズミは頭を抱えていた。

「ドワーフ族ってこう言ってはなんですが、鍛冶さえできればいいという考えの方が多くいまして……」

 その言葉で全てを察したケビンはギルドカードを回収すると、何かいい方法がないかと考えを巡らせていたらあることを思い出した。

「そういえば何か困ったらこれをドワーフに見せろって言われていた物がありまして」

 そう言ってケビンはドワンから預かっていた手紙をテーブルに置いた。

 訝しげに視線を向けて手紙を取った族長が封筒の裏面を見ると、そのまま固まってしまう。

「きょ……きょれは……」

 むさいずんぐりむっくりなおっさんが噛むという珍事を見たケビンは、『これに需要はないな』と1人で結論づけているところにクズミがコソコソと話しかけてくる。

「ケビン様、あれはいったい誰からの手紙なんですか? アリシテア国王陛下とか?」

「お世話になってる鍛冶屋のドワーフだよ。ここへ来る前に仲間の武器を新調した時に貰ったんだ」

「ドワーフ?」

「ああ、うちの仲間は全員そこで装備品を作ってもらってる。昔からの知り合いだね」

「ケビン様だけならまだしも他の方々までとなると、相当気に入られているということですね。ドワーフは気難しい方が多いですから」

 クズミと話していたケビンは今回連れてきているプリシラやライラの装備をまだ依頼していなかったことに気づいて、近々ドワンの店に行こうと決めるのであった。

 ケビンとクズミがコソコソと話し込んでいる中で、再起動を果たした族長がケビンへ唐突に質問を投げかける。

「お、おい、これを何処で手に入れた!? いや、むしろ何故お前が持っている!」

「ええっと、昔からの知り合いですから」

「な、何だと!?」

「かれこれ10年近くの付き合いになります。いやぁ、そう思うと年が過ぎるのは早いものですね」

「な、何を作ってもらった? 見せてみろ。……いや、手ぶらだな……今から走って取りに帰れ! そしてここへ持ってこい! ほら、早く行け!」

 次々とまくし立ててくる族長にケビンはタジタジとなってしまうが、手ぶらなのは【無限収納】にしまっているからであり、わざわざ家へ取りに帰る必要もなく【無限収納】から刀を2本取り出すとテーブルへ置いた。

「これがドワンさんに作ってもらった俺の武器です」

「【アイテムボックス】持ちだと……いや、それよりも武器だ」

 族長は興奮しながら刀をひと振り鞘から抜くと、まるで今まで見たこともない芸術品に出会えたかの如く、生唾を飲み込みながらじっくりと見渡していく。

「荒々しい造形ですね」

「カッコイイだろ? もうひと振りは逆に大人しい感じに仕上がっていて俺のお気に入りの刀たちだ」

 族長が刀に夢中になっている間は手持ち無沙汰となり、ケビンとクズミは関係のない会話をずっとしながら、他人の家でありながらも2人だけの空間を作り上げていく。

「おい」

「ケビン様、今日のお夕飯はどうしましょう」

「クズミが作ってくれるの?」

「私の手料理を食べて欲しいですから」

「嬉しいな。うちは奴隷やメイドたちが張り切るから妻の手料理って中々味わえないんだよね」

「……おい……」

「そのあとは私も……(ポッ)」

「美味しくいただいちゃおうかな?」

「もうっ、ケビン様ったら」

「……おいっ!」

「「はい?」」

「他人ん家でなに盛ってやがるんだ!」

「あ、刀は返してもらいますね」

「族長、早くケビン様へ説明してください」

 ラブラブ全開モードからすんなり切り替えたケビンは刀を回収して、クズミは本題の先を促すのである。

「んぐっ……腑に落ちねぇ……」

 納得のいかない族長を他所に、ケビンは渡した手紙の内容を聞き出す。

「で、ドワンさんの手紙には何が書いてあったんですか?」

「お前が困っていたら全力でフォローしろと」

「困ってるのは俺じゃなくてドワーフ族ですけどね」

「だが、これでお前の身の保証はなり立った」

「手紙ひとつで信用するなんてドワンさんって凄い人なんですか?」

「ドワンは長年務めていた前族長でドワーフ界隈じゃ知らない奴はおらん。知らないのはむしろ鍛冶職人としては恥だ。そして天才と言われていた自慢の弟でもある」

「弟っ!?」

「俺はドワンの兄で名はゴワンだ。鍛冶能力は弟の足元にも及ばないがな」

「ああ、それは何となくわかります」

「お前……初対面なのにズバズバ言うな……」

「ドワンさんって人を見たら、その人がどんな戦闘をしているのかある程度はわかるそうですよ。対してゴワンさんは俺を見ても戦える人ではないと判断したでしょ? 『ひよっ子』って言ってたし」

「ぐっ……根に持っているのか?」

「いえ、基本的に俺は他人の評価なんてどうでもいいと思ってますから、歯牙にもかけない程度ですね」

「変わったヤツだな。ドワンが気に入るわけか……」

 それからも本題にはいかずドワンが何故族長を辞めたのか気になったケビンが聞き出すと、このままここに居たら腕が鈍ると言って新しい発見を見つけるために外へと飛び出したとのことだった。

 それを聞いたケビンは『全くもってドワンさんらしい』と感想を抱くのであった。

 そして脱線した話が元に修正されて本題に入ると、早い話がドワーフ族の採掘場である山に問題が起きているとのことだった。

「それで、その問題とは何ですか?」

「火山が噴火して近寄ろうにも近寄れないんだ」

「そのうち治まるのでは?」

「最初は皆そう思った。だが、4ヶ月前から一向に治まらん。その時の様子から何かしらドラゴンの怒りを買ってしまったんだとまで言いだすやつまで現れる始末だ」

「……は? ドラゴン……?」

 ゴワンが語ったのは4ヶ月ほど前に、巨大なドラゴンが上空を飛んでいき大きな咆哮とともに火山の噴火が起こったというものだった。

 それ以降は山に別のドラゴンたちが住みつき始めて、手を出そうにも出せない相手であるために採掘作業が止まってしまったので、素材が手に入らないまま消費ばかりが続いてしまい現在に至るということだ。

「ギルドに依頼は出しましたか? ここへ来てからドラゴン討伐の依頼は見てないのですが」

「普通に考えてもみろ。ドラゴン1匹でもSランククエストだぞ? それに詳細な数は危険すぎて確認できてもいないが、遠目から見て何匹もいるであろうドラゴン討伐を誰が請け負うってんだ。そんなクエスト出したら頭がおかしい奴だと思われるだろ」

「え……そうなの?」

 ケビンは不思議そうにクズミに視線を向けると、ケビンのズレた常識を正すべく一般常識を教えるのである。

「ケビン様、誰も複数のドラゴン相手に戦いを挑むというのは端から考えていないのです。今現在3Sランクまで解放されていますが、そのランクは実質ドラゴンを単独で1匹倒すということを1日のうちに最低でも2回繰り返すのが、今のところ条件となっております」

「じゃあ2Sは?」

「そのランクはドラゴンを単独で1匹倒すということを複数回経験した者です。ちなみにパーティーランクの場合ですと2Sランクは2桁以上、3Sランクは1日のうちに5匹以上の討伐が最低条件となります」

「パーティーランクの3Sって無理じゃないか? そんなに都合よく1匹単位でいないだろ」

「はい。そもそも3Sランクは【瞬光のサラ】様用に準備されたランクですから、単独・パーティー問わず3Sは基本的に誰も成し遂げられないランクなのです。それが蓋を開けてみれば3SランクではなくXランクになってしまって、急遽昇格基準を見直して当時のサラ様みたいに1日のうちに2匹以上倒せば近しい強さではないのかという判断に行きついたみたいです。パーティーは人数を集められる分、少し判定が厳しくなっているようですね」

「よくそんなことを知ってるな」

「商売は情報を如何に集めて精査するかがキモですよ。新鮮で真実味があればあるほどその情報に価値がつき、儲け話へと繋がるのです。ちなみにケビン様【ウロボロス】のパーティーランクは、ケビン様がメンバーに加わっていたらXランクで外れていたらSランクのままです。クランランクはSランクのままですね」

「俺の知らないことまで知ってる……」

「ケビン様が冒険者情報に頓着しないから知らないのですよ」

「現状、3Sはいないってことか?」

「いません。2Sまでですね」

 クズミからの情報を得たケビンは少し考え込むと、打開策として有り得そうなことをゴワンに対して聞き出すのである。

「それなら……別の方法として国が兵を動かすことはないのですか? 冒険者と兵の合同作戦みたいな」

「誰が死ぬしかないとわかってる死地へ兵をやる? 悪戯に兵を消費するだけだ。そんなもん議会で通るわけないだろ」

 クズミやゴワンから色々と教わったケビンは少し考え込むと、ゴワンへある提案をする。

「……ゴワンさんはギルドへ依頼を出してくれますか? 【ウロボロス】への指名依頼として」

「その【ウロボロス】とは何だ? お前のパーティーか?」

「そうですよ。ついでだからメンバーのランク上げに、ドラゴンを使おうかと思いましてね」

 ケビンの言い出したことにゴワンは度肝を抜かれてしまう。未だかつてドラゴンをランク上げに利用するなどという話は聞いたこともないからだ。

 その後、ゴワンが冒険者ギルドへ赴いて言われた通りにウロボロスへ指名依頼を発注すると、ケビンは翌日に依頼を受けて討伐に出かけることをゴワンへ伝えたら、クズミと一緒に屋敷へと帰るのであった。
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