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第1章 異世界転生
第30話 サナとのひととき
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王宮で起こっている出来事など露知らず、ケビンはひたすらスキルの練習を積んでいた。1人でいるために訓練も捗るようだ。
「1人でいると結構捗るもんだな」
他に誰もいない自室にて独り言ちると、サナが心外だとばかりにケビンへ声をかける。
『あのぉ……私が居るんですけど?』
『お前は1人として計算できない存在だろ。システムなんて言ってるけどよくわからんし』
『それ酷くないですかぁ? 私だってちゃんとした1人の人格ですよ?』
『そうなのか? てっきりA.I.か何かだと思ってたんだが……』
『確かに最初はそうでしたけど、自我が芽生え始めて人格ができたんですよ』
『それで面倒くさいやつになったのか。A.I.のままで良かったのに』
『ソフィーリア様に言いつけてやる』
『ソフィだって人格ができるとか想定外だろ。報告したら消されるんじゃないか?』
『えっ!? 私、消されるんですか?』
『俺だったらそうするな。暴走しても困るし……それよりもソフィと通信できるのか?』
『いえ、アクセラレータです』
『『……』』
『言い回しが面倒くさいわ! 普通に“一方通行”でいいだろ! ネタに走りすぎだろ! しかも本来は“加速させる物”って意味だぞ!』
『そこは、そのぉ……場の雰囲気と言いますか、空気を読むと言いますか、ここならふざけてもいいんじゃね? みたいな流れを掴みまして』
『お前、本当に面倒くさいな!』
こんなやり取りをしてても不毛だな……健全にスキルの確認でもしておこう。
『ステータス、スキル』
スキル
【言語理解】【創造】【センス】【隠蔽】【偽装】
【千里眼】【完全鑑定】【剣術適性】【魔法適性】
【体力増大】【魔力増大】【無限収納】【無詠唱】
【剣術 Lv.3】
【身体強化 Lv.3】【属性強化 Lv.4】
【完全探知 Lv.2】【生命隠蔽 Lv.2】
【状態異常耐性 Lv.4】【魔力操作 Lv.EX】
魔法系統
【火魔法 Lv.2】【水魔法 Lv.2】【雷魔法 Lv.2】
【土魔法 Lv.2】【風魔法 Lv.2】
『なぁ、何もしていないのに【状態異常耐性】のレベルが上がっているんだが、理由はわかるか?』
『……』
『おい、答えろよ』
『サナは傷ついています……酷く傷ついています。先程、心底面倒くさがりましたね? サナの存在に……マスターのために寂しくならないよう、盛り上げているだけなのに。マスターが心底望めば、サナは消えるのです……マスター権限の1つです。マスターは絶対なのです。サナが消えるのも時間の問題ですね』
『お前、消えるのか? ソフィが消さなくても』
『消えます。私という存在が消え、何も無かったことになります』
『へぇ、そうなのか。そりゃ悪かったな』
『気持ちがこもってません』
『お前、ここぞとばかりに調子に乗ってるだろ?』
『……』
『どうなんだ? 正直に言えば怒らないぞ』
『テヘペロ』
『やっぱりふざけてるな! 俺の感じた罪悪感を返せ!』
『【状態異常耐性】についてですが――』
『サラッと話を流すな! お前の相手をしていると本当に疲れるな……』
『そんなことを言いつつも、許してくれるマスターのことが大好きです』
『もういい……説明してくれ』
『ではでは、【状態異常耐性】はですね、簡単に説明すると色々な状態異常の総合版なので、その内の一つでも受けていれば勝手にレベルが上がるのです』
『俺は日常的に状態異常の攻撃を受けていたのか? そんな感じはしなかったが……』
『そりゃ日常的に受けてますよ。何かわかりますか?』
『さっぱりわからん』
『元々【病気耐性】を持っていましたよね? ここに分類される病気っていうのは、軽いものから重いものまで様々です。日常的に1番起こりやすい病気というのが“風邪”です。風邪のウイルスは空気中を漂っており、生物は無意識にこれを吸い込んでいるのです。そして抵抗力の弱っている人から感染していきます。つまり、今なおマスターは風邪ウイルスを吸い込み続けているのです。それに対してスキルが抵抗を続けているので、勝手に経験値が溜まっていってる状態です』
『てことは……呼吸さえしていれば勝手にレベルがMAXまでいくのか?』
『その通りです! その上で更に経験値が溜まり続けて限界突破します!』
『どんだけイージーモードなんだよ!』
『普通は必死こいて生きたら初めて【病気耐性】を手に入れることがあるので、病気に強くなるのは大抵の場合は歳を取ってからです。よく見かけるでしょ? 田舎に住む老人が「儂は何十年も病気にかかっておらん」っていう場面を』
あぁ……確かにテレビでそういう場面があったな。健康の秘訣は何ですかって聞いているのが。
健康番組が昔に比べて増えていたもんなぁ、社畜であった俺には栄養ドリンクとサプリが健康の秘訣だったが……
『わかりやすくて助かったよ。昔を思い出してしまったが……』
『それは良かったです。サナも嬉しいです』
そんなやり取りをサナとしていると、敷地内に近づく母さんの気配を感じとった。
王宮から帰ってきたようだから出迎えに行くか。問題とか起こしてなければいいけど……
「1人でいると結構捗るもんだな」
他に誰もいない自室にて独り言ちると、サナが心外だとばかりにケビンへ声をかける。
『あのぉ……私が居るんですけど?』
『お前は1人として計算できない存在だろ。システムなんて言ってるけどよくわからんし』
『それ酷くないですかぁ? 私だってちゃんとした1人の人格ですよ?』
『そうなのか? てっきりA.I.か何かだと思ってたんだが……』
『確かに最初はそうでしたけど、自我が芽生え始めて人格ができたんですよ』
『それで面倒くさいやつになったのか。A.I.のままで良かったのに』
『ソフィーリア様に言いつけてやる』
『ソフィだって人格ができるとか想定外だろ。報告したら消されるんじゃないか?』
『えっ!? 私、消されるんですか?』
『俺だったらそうするな。暴走しても困るし……それよりもソフィと通信できるのか?』
『いえ、アクセラレータです』
『『……』』
『言い回しが面倒くさいわ! 普通に“一方通行”でいいだろ! ネタに走りすぎだろ! しかも本来は“加速させる物”って意味だぞ!』
『そこは、そのぉ……場の雰囲気と言いますか、空気を読むと言いますか、ここならふざけてもいいんじゃね? みたいな流れを掴みまして』
『お前、本当に面倒くさいな!』
こんなやり取りをしてても不毛だな……健全にスキルの確認でもしておこう。
『ステータス、スキル』
スキル
【言語理解】【創造】【センス】【隠蔽】【偽装】
【千里眼】【完全鑑定】【剣術適性】【魔法適性】
【体力増大】【魔力増大】【無限収納】【無詠唱】
【剣術 Lv.3】
【身体強化 Lv.3】【属性強化 Lv.4】
【完全探知 Lv.2】【生命隠蔽 Lv.2】
【状態異常耐性 Lv.4】【魔力操作 Lv.EX】
魔法系統
【火魔法 Lv.2】【水魔法 Lv.2】【雷魔法 Lv.2】
【土魔法 Lv.2】【風魔法 Lv.2】
『なぁ、何もしていないのに【状態異常耐性】のレベルが上がっているんだが、理由はわかるか?』
『……』
『おい、答えろよ』
『サナは傷ついています……酷く傷ついています。先程、心底面倒くさがりましたね? サナの存在に……マスターのために寂しくならないよう、盛り上げているだけなのに。マスターが心底望めば、サナは消えるのです……マスター権限の1つです。マスターは絶対なのです。サナが消えるのも時間の問題ですね』
『お前、消えるのか? ソフィが消さなくても』
『消えます。私という存在が消え、何も無かったことになります』
『へぇ、そうなのか。そりゃ悪かったな』
『気持ちがこもってません』
『お前、ここぞとばかりに調子に乗ってるだろ?』
『……』
『どうなんだ? 正直に言えば怒らないぞ』
『テヘペロ』
『やっぱりふざけてるな! 俺の感じた罪悪感を返せ!』
『【状態異常耐性】についてですが――』
『サラッと話を流すな! お前の相手をしていると本当に疲れるな……』
『そんなことを言いつつも、許してくれるマスターのことが大好きです』
『もういい……説明してくれ』
『ではでは、【状態異常耐性】はですね、簡単に説明すると色々な状態異常の総合版なので、その内の一つでも受けていれば勝手にレベルが上がるのです』
『俺は日常的に状態異常の攻撃を受けていたのか? そんな感じはしなかったが……』
『そりゃ日常的に受けてますよ。何かわかりますか?』
『さっぱりわからん』
『元々【病気耐性】を持っていましたよね? ここに分類される病気っていうのは、軽いものから重いものまで様々です。日常的に1番起こりやすい病気というのが“風邪”です。風邪のウイルスは空気中を漂っており、生物は無意識にこれを吸い込んでいるのです。そして抵抗力の弱っている人から感染していきます。つまり、今なおマスターは風邪ウイルスを吸い込み続けているのです。それに対してスキルが抵抗を続けているので、勝手に経験値が溜まっていってる状態です』
『てことは……呼吸さえしていれば勝手にレベルがMAXまでいくのか?』
『その通りです! その上で更に経験値が溜まり続けて限界突破します!』
『どんだけイージーモードなんだよ!』
『普通は必死こいて生きたら初めて【病気耐性】を手に入れることがあるので、病気に強くなるのは大抵の場合は歳を取ってからです。よく見かけるでしょ? 田舎に住む老人が「儂は何十年も病気にかかっておらん」っていう場面を』
あぁ……確かにテレビでそういう場面があったな。健康の秘訣は何ですかって聞いているのが。
健康番組が昔に比べて増えていたもんなぁ、社畜であった俺には栄養ドリンクとサプリが健康の秘訣だったが……
『わかりやすくて助かったよ。昔を思い出してしまったが……』
『それは良かったです。サナも嬉しいです』
そんなやり取りをサナとしていると、敷地内に近づく母さんの気配を感じとった。
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