チョコバナナミント論争

朔晦

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ホワイトデー

河原

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 ホワイトデーの雰囲気じゃない緊迫感の二人。
「ついに決戦だ!」
「受けて立ちます!」
 わー炎が見えるようだーと、見慣れた光景にクラスメイトの目も生暖かい。
「バトル漫画か?」
「あの二人お互いキャラ崩壊しとるな」
「イケメンとクールビューティが台無しー」

***

 河原で決闘風だが見届け人として呼ばれた双方の友人達はポカポカ陽気の中、ピクニック気分だ。
「今日こそ決着を付けましょう」
「望むところだ!」
 安定のバトル台詞やな。
「チョコにはミント、コレは譲れません」
「チョコにはバナナ一択だろう?」
「チョコミントアイスは最強でしょう?」
「アレは歯磨き粉の味しかしねえ!」
 それな!と男子観客はうなずく。
「じゃあミントガムはどうなるんです?」
「チョコレートとガム一緒に食べると溶けるぞ!」
 おお変化球~。
「バナナチップスとバナナ牛乳はカロリー鬼高いですよ!」
 お?打ち返したぞ!
「甘味が高カロリーは当然だ! ……って言うか、お前そもそも俺に告りに来たんだよね!?」
 そやな~、みんな忘れてた。
「先輩は何しに来たんです!?」
「俺はホワイトデーだからハッカ飴をお返しに持って来た」
「私だって散々バナナ地味だとかダサいとか映えないとか言っちゃったお詫びにバナナケーキを作りました」
「地味だダサいだとまで聞いた覚えはないが?」
「あ。」
「おまえ本当に俺のこと好きなの!?」

***

 うららかな早春の風にぱりぱりと軽い音が響く。
「お似合いやな」
「喧嘩っプル~」
「似た者同士!」
「「「っすねー」」」
 観衆はポテトチップスを食べていたが、飲み物はバラバラだった。
「ポテチには牛乳じゃないっすか?」
「コーラが王道やろ」
「お茶でいいじゃん~」
「オレンジジュースだよ!」
「「「マジっすかー?」」」
 三人娘が解せんという異議の元再挑戦する。
「ポテチはうすしおが一番人気らしいっすよ?」
「そこはコンソメやろ」
「俺はのりしお~」
「バター醤油でしょ!」
「「「ええー?」」」
 解せん異議あり再び。

 叫び疲れて休憩しに来た二人に同じ質問をする。
「ポテチはうすしおと牛乳だよねー?」
「「サワークリームと、メロンソーダでしょ」」

「「あ。」」おんなじ。
「「「「「「お前らもう付き合え」」」」」」

【了】
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