魔女な令嬢は抗えない禁断愛にため息をつく

藤谷藍

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三国会議

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カラート魔導王国が誇る宮廷魔導士の正装ローブは、刺繍や装飾に凝っているので見た目が美しい。よろいの強度を持つ魔道具でもあり、ドレスに比べれば華やかさには欠けるけどイザベルは魔導学園に通う頃から憧れていた。
そんな思い入れがある群青色のローブを久々に纏ったのに、気が一向に晴れないイザベルは隣に立つドレス姿のファリラに気づかれないよう心で重いため息をついた。
イグナスが姿を消して、かれこれ一ヶ月近くになる。
いつ帰るともわからない人を持つ。たったそれだけで、あれから一日一日がとてつもなく長い…………。おまけに、ここ数日はバタバタと立て込んでいたから、慌ただしくこの日を迎えた。
表情が動かないその横顔からは何も読み取れないが。もともと肌白いのもあって、血が通っているようにまるで見えないその冷たい顔を上司ファリラがチラと見た。心配そうに目を曇らせる。

「ねえ、少し痩せたんじゃない? そんな風に見えないけど……もしかして、緊張してる?」

身体はローブに隠れているのに。腰回りが緩いのも、ナーバスになっているのも、ファリラにはどうやらバレてしまっている。

「……いつもと変わりませんわ。ボルガ室長は、いかがです?」
「イジィよりは、繊細なつもりよ」
「なるほど。緊張しきってますね、珍しいですわ」

二人が立ち並ぶのは、王城の敷地内にある迎賓館の玄関口だ。
王と謁見を終えたシルタニア使節団を迎えるにあたり、警備に混じって苦笑を交わす顔はどちらも疲れ気味だった。

「いきなり皇女がお出ましになるなんて、さすがの私でも手に余るわぁ」
「カリッサ皇女殿下はルカシェンコ第一皇子より資料が少ないですけど。その場その場で対応すれば、きっとうまくいきますわ」

前情報では、シルタニアから三国会談に参加するのは野心あふれる第一皇子派の貴族だった。対応もてなしは容易でないとされていたけれど、やって来たのは蓋を開ければなんと第一皇女カリッサ殿下その人だ。
国境を守る辺境伯からもたらされたこの一大速報に、カラート王宮は混乱した。
次期皇帝の座を巡って、第一皇子と並んで名が挙がる皇女がどういう手を使ったのか。反対勢力ライバルを押し退けてわざわざカラートに自らやってきた。こんな急な変更一つを取ってもシルタニアはよほど揺れているのだろう。
そして皇女が来訪するならばと、宰相から側近であるボルガ伯爵にその息女の登城が命じられたーーつまりファリラと補佐役のイザベルにやっかいな仕事が回ってきたのだ。ただの連絡係サポートだったはずなのに、いきなり皇女一行の世話係接待という大役を命じられたのだから、これで緊張しないなんて無理な話だ。

「あ、いよいよーーお出ましよ」

隣からそっと囁かれた言葉に、イザベルは背筋を伸ばした。
四頭立ての馬車から降りてくるキラキラ光るプラチナの髪。帝国の象徴である紫のドレスを纏った姿はまばゆいばかりで、ため息が出るほど可憐な皇女だ。
ーー何て……お美しい姫かしら。
見惚れたイザベルの視線は、自然とにっこり笑う皇女の手を取る側近へと移った。

ーーーーっ嘘っ……‼︎

一瞬、呼吸が止まった。見間違いかと慌てて目を凝らすが、やはりどうみても”彼”にしか見えない!
鮮やかなターコイズ青緑の髪。落ち着いたマリンブルーの瞳。王女に付き添う凛々しい姿にイザベルはふらり。目まいどころか身体中の血が引いて視界が回りだす。
ーーイグナス⁉︎ なぜっ、彼がここにーーーーっ……?

「イジィ? 顔色が悪いわ……大丈夫?」
「……何でもありません。とても……とても美しい方ですわね」

いきなりぶん殴られたような動揺でふらつきかけた身体を片足で踏ん張り、横で支えてくれた腕に浅い息で返事をする。

「本当ねぇ、評判以上だわぁ、それにまあ、あの側近の方を見てちょうだい! お二人で並ぶと周りまで輝いて見えるわよ。これはちょっと、噂になるかもね~」

とっさに話を逸らしたら、興奮気味なファリラも、出迎えた人々も、優艶ゆうえんな賓客に見惚れている。呼吸困難なイザベルはそっと息を整えた。

「……ええ、そうですわね」
「さあ、行きましょう。いつも通りにね」

頬を染めて足を踏み出した上司に続いて、あらゆる感情を押し殺した無の表情を取り繕ったイザベルも姿勢を正した。胸の内は卒倒寸前でも、国の名誉がかかっている。無様な姿は晒せない。
上司の後を一歩下がってついていくと、麗しい皇女の側近ーーイグナスはファリラに穏やかな視線を向けた後、チラリとこちらを見た。だがすぐ視線を戻す。気にもかけないその様子にイザベルは少なからずショックを受けた。
ーー動揺してはダメ。大勢の人が注目しているわ。
ファリラが皇女と側近のイグナスへ笑顔で挨拶の口上を述べる間も、口を結んでその様子を見守る。一行はそのまま館内へ移動したが、イザベルは近くにいる麗しい姿を痛く意識してしまい、途中過程をよく覚えていない。
気がつくと皇女とその侍女たちを部屋へ送り届けた後だった。すると、それまで一瞬たりとも目を合わせず、まったく無関心だったイグナスがファリラと談話しつつ突然こちらを向いた。
ーーぁ、私……呼吸できてる? 胸がキリキリするわ…………
全力で平常心を装いつつ、頷いた上司を見てイザベルはイグナスと向き合った。
事情を知らないファリラは優雅な仕草で、二人の顔合わせにとりかかる。

「ビストルジュ様。彼女はミス・メローズです。私が不在時には、彼女が用件を承りますわ」

イグナスは初めてイザベルの瞳をまっすぐに見た。だが、そのマリンブルーの瞳からは何も読み取れない。

「ーー初めまして。カリッサ殿下の側近を務めています、イグナス・ビストルジュと申します。以後、お見知りおきください」
「……はじめまして。イザベル・メローズと申します。こちらこそ、どうぞよろしくお願いいたします」

イザベルも丁寧な宮廷式の挨拶を返した。が、その表情に変化はなく、抑揚のない無機質な声だ。
そんな二人が知り合い、それも特別な関係だったと伺わせる雰囲気など微塵もない。
簡潔に挨拶を済ませたイザベルだが、その人形のような態度に慣れている上司はテキパキと話を進める。

「それではビストルジュ様。館内を一通りご案内いたします」

気合の入った上司の声を合図に、イザベルはその場で控えめに一歩下がった。
補佐とはいえ、高貴な方々と直接やり取りなどしない。接待もてなしはすべてファリラに一任されている。
談笑しながら歩き出す二人に向かって見送りの礼をとると、イザベルは反対方向へ向かった。
スケジュールの段取りなど、今のうちにやらなくてはいけないことが山ほどある。まずは、皇女付き侍女たちへの訪問をと、足早にその場を去った。

***

「……でね、警備は私も詳しくないでしょう? だから、任を預かっているラグナ副団長を紹介したの……って、イジィったら聞いてる?」
「聞いていますわ。同時に仕事をしているだけです。それでラグナ卿がどうなさったのですか」

ようやく書類から顔を上げたイザベルに、陽気な上司は思い出したように笑った。

「それがね、あのお堅い方がビストルジュ様が近づいただけで真っ赤になっちゃって! 見せたかったわあ、イジィにも」
「それは……ぜひとも、見たかったですわ」

淡々と賛同したが、実はイザベルも顔合わせで見かけた筋肉隆々の偉丈夫な騎士が、頬を染める姿など想像できなかった。
ーー麗しい容姿だとはわかっていたけど、お堅い人柄で有名な第二騎士団の副団長を惑わせるなんて……まさに魔性の美貌だわ。
イグナスをナマで見てヨロけたのは、どうやらイザベルだけではなかったらしい。

「それにね、今日の打ち合わせで確信したわ。ビストルジュ様って、ものすごく頭の切れる方だわぁ」

いつになくテンションの高い上司に、イザベルの鼓動がドクンと跳ねた。胃が重い。胸も息苦しくなってきた。

「もしかして……あのお話を受ける気になったのですか?」
「ビストルジュ様を見てると、ありかなって思えてきたわ。イジィだって、私がシルタニアに嫁ぐ利点は否めないでしょう?」

ーーああ、やっぱり。嫌な予感とは、どうしてこんなに当たってしまうのだろう?
イザベルは考えるふりをして下を向き唇を噛んだ。

「王女殿下がアルバンへ嫁ぐのですから……均衡を保つ策として、シルタニアへ誰かをとおっしゃる宰相のお考えは悪くないと思いますわ。ですが、もう少し情勢が整うまで待っても良いのでは?」
「そうなのよねえ。仮想敵国扱いしている貴族連中も、多いものね」

我が王家も元を辿れば、シルタニア貴族だ。けれど、大昔に褒賞として授かった領地カラートは広大だが思いっきり僻地で。おまけに皇帝に刃向かったとされる囚人が流されるいわくつきの土地であったため、思うところがあったらしい。
それでも、これは暴君と呼ばれた何代も前の皇帝の話。カラートが目覚ましい発展を遂げた今は、帝国の支配も緩慢化して劇的に時代が変わった。カラート王は国同士でやりあうのは得策ではないと考えており、穏健派が来訪したこの機に方向性を変えたいのだ。
王家で唯一未婚者であるアドリアナ王女は売約済みであり、その他の適齢期を迎える王侯貴族も当然のように婚約者がいる。高爵位の貴族で、しかも他国が迂闊に手を出せない背景バックを持つ独身令嬢の人選となると、選択肢は多くなかった。イザベルが今回裏役に徹するのも、そんな思惑を聞かされていたからだ。
だけどまさかシルタニアから、イグナスがやって来るなんて思いもしなかった。それも皇女の側近として遣わされたとなれば……貴族年鑑には公爵家の次男としか載っていなかったが、彼はよほど高い地位役職に就いているとみえる。

「まあね……まだ会っていない方もいるし、今夜の夜会でビストルジュ様以外も観察してみるわ」
「観察……よろしいのですか? そんな言い方をして」
「割り切らなきゃできないわよ、政略結婚なんて。イジィだって美人なんだから、着飾って笑えばいくらだって言い寄ってくる人はいるわよ」
「……そうでしょうか? でも遠慮しますわ。今夜も都合がつかないということで……」

イザベルは言葉を濁した。
今宵はアルバンとシルタニアを歓迎する盛大な夜会が催される。主だった貴族は皆出席するが、領地が年中収穫期であるメローズ子爵は欠席だ。
それに、夜会に参加するには相応の身支度がいる。
シーズン前から注文が殺到する流行りのドレスや宝飾品、靴なども用意がないし。付き添いもいない子爵令嬢が一人欠席しても何ら支障ない。
イザベルのサボりますを匂わせた言葉に、上司は苦笑いだ。

「しょうがないわねえ。そんなんじゃ、いつまで経っても恋人なんてできやしないわよ。それに言いたい人たちに言わせておきなさい。半分以上、やっかみなんだから」
「心強いですわ。でも……今気になる方が現れたら、アルバン行きも難しくなってしまいますわ」

ありがたいことに、ファリラは話のわかる上司だ。部下であるイザベルの職務社交怠慢にも目を瞑ってくれる。
赤い魔女だと遠巻きにされるイザベルだが、魔導士としては一流だからこそ、王女殿下の侍女の話が舞い込んだ。隣国への赴任だから婚約者がいないのも都合良かった。
そんな雑談を混ぜつつ、打ち合わせを一通り済ませるとうきうきと帰り支度をする上司をイザベルは静かに見送る。だけど一人きりになると、重いため息を吐き出した。
今日は……今まで生きてきた中で、一番辛い日ベスト3に入るかもしれない。
イグナスに去られてから、無駄だとわかっていても帰ってこない彼を待たない日はなかった。
ところが、奇跡的に再会できたのに、喜ぶどころか一日中感情を押し殺して黙々と職務を続けたのだ。想いや恋しさは少しも薄れていないからこそ、上司のファリラへ眩しく笑いかける彼を見るのは想像以上にキツかった。
彼の立場なら前と同じように接するなんて出来るわけがない。ましてや呪いが解けた今は、大蛇だった汚点なんて思い出したくもないだろう。
理解わかっている。でも、初めて会う他人を装うにしてもせめて普通に接してほしかった。
目もまともに合わせない。交わしたのは社交で必要な最低限の挨拶だけ。
……もう……終わったことだわ。
二人で過ごした時間を全否定されて、彼は雲の上の人だと現実を突きつけられ、泣きたい気持ちでいっぱいで、このままだとここで泣き崩れそうだ。だけど、あいにく仕事はまだ終わっていない。
ーー今夜は、侍女の宿舎王宮に泊まろう。
今日一日で手足どころか身体中が重くって、我が邸まで歩いて帰れる気がしない…………
メローズ邸へ使い伝言を出し、重い足取りで迎賓館に向かったイザベルは、今日最後の仕事ーー馬車に乗り込むカリッサ皇女一行を離れた場所から見送った。
舞踏会に相応しい豪華なドレスを纏った皇女と初めて見るイグナスの正装姿。言葉で言い表せないほど雄麗なその立ち姿に胸が痛い。
きっと、今夜から令嬢たちの注目の的だわ……と煌びやかな世界へ思いを馳せながら、皇女をエスコートする姿をこっそり盗み見る。彼はこちらを絶対に見ないし、これくらいは許されるだろう。
ーー警備の騎士に怪訝な顔をされる前に、立ち去らないと……
華麗な姿を心に焼き付けたイザベルは、いつまでも動かない足に「行きましょう」と心で号令をかけ、そのまま王宮の宿舎を訪れた。もう一歩も動けない。それくらい疲れ切っている。
会談期間中だけイザベルに割り当てられた部屋は、警備と部屋数の都合で王宮侍女と相部屋だ。部屋をノックすると、身支度を整えた女性が挨拶もそこそこに、メイドと忙しなく部屋を出ていった。これから夜会に向かうらしい。
見知らぬ部屋で過ごす夜は落ち着かないけど、一人で泣くよりずっといい。
着替えを済ませベッドに入ると、イザベルはゆっくり目蓋を閉じる。

ーー会えない隣国にいると思っていたから、近くで姿を見れただけでも…………

少しは気が紛れるかと思ったけど、一日中、押さえつけた本音がどんどん湧き上がって胸が苦しい。
泣くものかと目をぎゅうと瞑ったが、あんなに無視され傷ついても、好きという気持ちは簡単に消せない。
大きく息を吸い込むと、ほのかに漂う心安らぐ花の香りが身体に沁みてくる。そして夜は静かに更けていった。

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