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エピローグ
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その頃、光陽の、’どんな質問が仕込まれているか’、を嫌という程味わって、苦笑いをしている、白龍の姿と、金髪の美女の姿が、’雛ちゃん’と共にあった。
『ブッ、また、水じゃい。』
『ドラゴン・アイ、お前さん、これで3度目の外れ、運が悪いの。』
『そうよね、ドラゴンちゃんてば、続けて外ればっかりね。』
『今度の、質問は、お、出て来た、何々、初恋の人の名前を述べよ、だと。ほら、さっさと白状しろ。』
『朱雀の、もう勘弁出来ぬか。さっきからワシばっかり、気恥ずかしいったらないわ。』
と、白龍が艶やかな、金朱のドレスを纏った、ドレスと同じ髪の色をした、世にも妖艶な美女に泣きを入れる。
すると、金髪の美女が、明るく笑って、白龍を庇った。
『しょうがないわねえ、じゃあ私の初恋を教えてあげる。私の初恋は兄さんだったのよ。それはそれは男前で、カッコ良かったんだから。』
『フレイヤ、道理て、光陽に懐いておるの、あやつの強さは先祖返りだと聞いたぞ。』
『ふふふ、内緒よ。』
『まさか、お前さん、咲夜が香りを今年になって抑えきれないと言っていたが、わざと?』
『だって、懐かしい波動が感じられたんですもの、気づいて欲しかったのよ。いい男の波動は絶対キャッチするのよ私。』
『そうだな、今度は本命だ、と報告があって、我も驚いた。』
『でしょう、私のイケメンレーダーは健在よ。』
『それにしても、いつの時代も、男は種族を越えて、不器用なものが多いものよの。』
『そうよね、ほんと光陽ったら、あんなに咲夜ちゃんにメロメロなのに、肝心な一言を言い忘れてるんだから。』
『まあまあ、ワシとしては、あいつの戸惑いもわからんではない。なんせ、あいつにとっては、初恋だからの。』
『ええっ!、はぁ?あんな、どんな女でも落とせそうな姿してて、今まで恋愛経験ゼロなの?咲夜ちゃんが初恋なの?信じられない!』
『まあ、あいつはモテ過ぎたのと、あいつの父親の素行に問題があって、その他諸々のせいで、女性にあまり、関心が無かった、というか、戦っている方が楽しいという生活だったからの。あまりに素気無いもんだから、ついたあだ名が、’氷の貴公子’じゃ。』
『でも、咲夜ちゃんには初めて会った時から、優しかったわよ。』
『そうなんじゃ、だからワシも、不思議じゃったの。まあ咲夜はワシの同胞の娘、可愛いのは当たり前じゃが。あいつが惚れるのも無理はない。』
この自慢そうにヒゲを触る白龍の言葉に、咲夜ちゃんは絶対お母さん似よね、と女同士で目配せが交わされ、こうして、’雛ちゃん’の酒宴は、欠席した主人達に代わって呼び出された、2人?を酒の肴に、いよいよ盛り上がって、盃を交わす姿が続くのだった。
『ブッ、また、水じゃい。』
『ドラゴン・アイ、お前さん、これで3度目の外れ、運が悪いの。』
『そうよね、ドラゴンちゃんてば、続けて外ればっかりね。』
『今度の、質問は、お、出て来た、何々、初恋の人の名前を述べよ、だと。ほら、さっさと白状しろ。』
『朱雀の、もう勘弁出来ぬか。さっきからワシばっかり、気恥ずかしいったらないわ。』
と、白龍が艶やかな、金朱のドレスを纏った、ドレスと同じ髪の色をした、世にも妖艶な美女に泣きを入れる。
すると、金髪の美女が、明るく笑って、白龍を庇った。
『しょうがないわねえ、じゃあ私の初恋を教えてあげる。私の初恋は兄さんだったのよ。それはそれは男前で、カッコ良かったんだから。』
『フレイヤ、道理て、光陽に懐いておるの、あやつの強さは先祖返りだと聞いたぞ。』
『ふふふ、内緒よ。』
『まさか、お前さん、咲夜が香りを今年になって抑えきれないと言っていたが、わざと?』
『だって、懐かしい波動が感じられたんですもの、気づいて欲しかったのよ。いい男の波動は絶対キャッチするのよ私。』
『そうだな、今度は本命だ、と報告があって、我も驚いた。』
『でしょう、私のイケメンレーダーは健在よ。』
『それにしても、いつの時代も、男は種族を越えて、不器用なものが多いものよの。』
『そうよね、ほんと光陽ったら、あんなに咲夜ちゃんにメロメロなのに、肝心な一言を言い忘れてるんだから。』
『まあまあ、ワシとしては、あいつの戸惑いもわからんではない。なんせ、あいつにとっては、初恋だからの。』
『ええっ!、はぁ?あんな、どんな女でも落とせそうな姿してて、今まで恋愛経験ゼロなの?咲夜ちゃんが初恋なの?信じられない!』
『まあ、あいつはモテ過ぎたのと、あいつの父親の素行に問題があって、その他諸々のせいで、女性にあまり、関心が無かった、というか、戦っている方が楽しいという生活だったからの。あまりに素気無いもんだから、ついたあだ名が、’氷の貴公子’じゃ。』
『でも、咲夜ちゃんには初めて会った時から、優しかったわよ。』
『そうなんじゃ、だからワシも、不思議じゃったの。まあ咲夜はワシの同胞の娘、可愛いのは当たり前じゃが。あいつが惚れるのも無理はない。』
この自慢そうにヒゲを触る白龍の言葉に、咲夜ちゃんは絶対お母さん似よね、と女同士で目配せが交わされ、こうして、’雛ちゃん’の酒宴は、欠席した主人達に代わって呼び出された、2人?を酒の肴に、いよいよ盛り上がって、盃を交わす姿が続くのだった。
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こんにちは、
めっちゃよかったです。
2人の思いのすれ違いが
面白くドキドキ、ワクワク(^^)
楽しく一気読みしてしまいました。
感想ありがとうございます。
楽しんでいただけてとても嬉しいです。作者もファンタジー恋愛は描いていてもロマンがあって楽しいジャンルなので、読者様に面白かった、と言っていただけると励みになります。
設定などが多すぎてついつい長くなりがちなのですが、最後まで読んで頂きありがとうございました。
ヴァンパイアや人狼などのファンタジー恋愛物が好きでこの作品にたどり着きました。
藤谷さんの作品はどれも素敵で、全部読んでいます!
ところで、咲夜と光陽のその後や、クリスの物語などを出される予定はありますか?
世界観がとても好きだったので、よければお願いします🙇♀️
感想ありがとうございます。
この作品は初めて描いたファンタジー物なので、気に入っていただけてとても嬉しいです。
この作品のようなパラレルワールド、ちょっとロマンがありますよね。
作者の中でこの物語はハッピーエンドで終わっているので、今のところその後を出す予定はないのです、すいません。ですが遅筆な作者のこと、他の作品に詰まったら気晴らしにこの世界をまた書くかもしれません。
作品全部読んでいただいているなんて感激です。作者の思いつくまま色んな設定で書いてるので、統一感があまりない私の作品たちですが、楽しんで頂けて、とっても嬉しいです。
これからも楽しんでいただける作品を出せるよう頑張ります。