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れんと拜島さんの披露宴

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れんと拜島さんと灰谷さんよりも先について入る。

皆さんが、風磨さんを見て喜んでいる。

店内は、飾りつけがさらにすすんでいた。

本当の結婚式会場にさえ見えるほどだった。

向島に支える方々が、並んでいるだけで雰囲気も違う。

灰谷さんが、現れて扉が開かれた。

「おめでとう」みんなが拍手をした。

れんと拜島さんが、泣きながら真ん中の席に歩いていく。

座った頃に、ママさん達もやってきた。

「それでは、ウェディングケーキの入刀です。」

そう言ってやってきたのは、大きなイチゴのケーキだった。

ケーキの入刀が終わった。

夜遅いから、おつまみ程度の食べ物が運ばれてきた。


的井「大成功だね」

俺と的井さんと萩原さんと亜香里は、同じテーブルにいた。

洋「やっぱり、皆さんすごい」

萩原「店長と的井が、協力したんだろ?俺達は、それを助けただけにすぎないよ。」

そう言って笑ってる。

的井「これから、この日を思い出して頑張れる。そんな日にしたかった。」と的井さんが笑った。

亜香里「私写真撮ってくるね。」

立ち上がった亜香里に萩原さんがついていった。

的井「羽田さんと結婚したくなった?」

洋「はい。結婚式はしてみたくなったよ。」

的井「それは、よかった。」

洋「考えたら、拜島さんってずっとすごいです。」

そう話した時に風磨さんが、近づいてきた。

「それが、怖いんだよ。わかる?」

洋「えっ、そうなんですか?」

俺は、わからない顔をした。

萩原さんが、亜香里と灰谷さんを残して先に戻ってきた。

風磨さんのカメラを柏木さんが持ってかわりに写真を撮っている。

萩原「じじぃも座れよ。柏木に任せとけ」

「ああ。」

萩原「このじじぃは、風磨寿三郎、向島の専属カメラマンだった。」

「どうも。昼間の子だね」

萩原「こっちは、拜島の相手の友達、芦野洋だ。」

洋「よろしくお願いします。」

そう言ってお辞儀をした。

「柏木は、私の右腕だったんだけどね。別の才能が見つかって社長に引き抜かれてしまったよ。」

そう言って柏木さんを見て笑ってる。

「さっきの話だけどね、拜島がすごいのは相手を幸せにする事ができると思うからか?」

洋「そうですね。少なくとも今の拜島さんは、れんの願いを叶えていってる。」

「やっぱり、記憶がもどるとそこなんだな。萩原」

萩原「そうだな。じじぃ」

「拜島の愛は、重いんだよ。坊っちゃんに自分の全てを捧げた。今はどうだ?彼にかわってしまっている。全てを捧げられる程、重い愛はないんだよ。」

萩原「そうだな。今は、拜島の命を握ってるのは宮守君だ。あの時は、坊っちゃんだった。」

「捧げられた方は、窮屈なんだよ。重くて逃げ出したくて、それが坊っちゃんだった。」

萩原「そうだな。坊っちゃんには荷が重かっただろうな」

「自分の話す言葉一つで、拜島の人生を狂わせる事ができる。他人に命を捧げるなんて簡単に言えないよ。人間なんて所詮は自分が一番可愛い。でも、拜島にはそれができる。それが、相手を苦しめるってわかっていないかったんだよ。あの頃の拜島は…。」

萩原「また、俺達は、あいつに依存する相手を見つけさせただけなのか?」

「それは、どうだろうね。やり直しているわけだから、今度は皆で支えるんだろう?」

萩原「ああ、そのつもりだよ。次は、一人で考えさせない。」

「それが、一番だよ。拜島に一人で答えを出させないようにする事が一番大切な事だ。」

萩原「そうだな。」

「でも、よかったよ。生きてる間に、あんなに幸せそうな拜島が見れて。一生ないと覚悟してたから」


萩原「あいつ、笑わなくなってたからな。命捧げて」

「そうだね。だから、少なくとも彼の愛は拜島にとっては心地いいんだろう」そう言って、風磨さんは柏木さんの元に行った。


萩原「店長、しっかり支えような」

洋「もちろんです。」

この日は、本当に最高だった。

れんや拜島さんに、これから先どんな事があってもこの日を忘れないで欲しい。

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