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泣かないで [拝島]

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私は、ぼんやりと夢を見てた。 

とても、汚くて醜い私の夢

夢の中で、私の人生をかけて支えていた人を見た気がした。

れんが、起こしてくれなかったらどうなっていたかわからなかった。

目覚めて、れんに触れる事が怖くなった。

心は、れんに触れたいのに…

もっと奥底で、汚いと言う自分がいる。

れんを汚すなと言ってくる。

疲れた、パジャマを着替えて横になる。

洋と拓人と的井と灰谷さんと話したのがすごく楽しかった。

みんなの気持ちを聞けて、よかった。

思い出したら、心が落ち着いた。

よかった。

安心した。

れんの事、傷つけたくない。

おやすみ、れん。

しばらく眠ってたみたいだ。

ベッドの下に、れんが寝てた。

風邪引いちゃうよ。

私は、れんを抱えてベッドに寝かせた。

可愛い、頬の傷消えないね。

[何で、そんな酷いことができるの?]

何だろうか?

これは、私と関係がある傷なのかな?

れんの肩の傷…。

必死で記憶を探していた時に、私が、噛んだ…気がする。

まだ、消えないね。

肩の傷を触った。

[拝島さん、愛してる]私は、れんの言葉が好きだ。

れんの笑顔が、好きだ。

夢で私は、れんを傷つけていたよ。

実際に傷つけていたのかな?

記憶が、見つけられない。

見つけたくない。

このままで、いたい。

私は、れんの髪を撫でる。

そっと手を繋いだ。

れん、これ以上触れられなくなっている。

ごめんね、れん。

もう、抱き締めてあげられないかもしれない。

気づくと寝ていた。

れん「うーん。えっ?何でここ」

れんの声に目を開けた。

拝島「床で寝てたから」

れん「あー。ごめんね。朝御飯しようか?」

拝島「うん。」

れん「じゃあ、後でリビングにきてね。」

拝島「うん。」

私は、ゆっくりと起き上がった。

洗面所に行って顔を洗う。

老けたなー。やっぱり、訓練のストレスとかあったのかな?

軽く口をゆすいで。

リビングに行く。

れん「ごめん。まだ、買い物行けてないから。パンでいい?」

拝島「うん。」

れんが、ロールパンをくれた。

れん「牛乳?」

拝島「カフェオレ、甘いの」

れん「はい。インスタントしかないけど」

拝島「何か、違うの?いただきます。」私は、ロールパン食べながら聞いた。

れん「香りかな?違うの」

拝島「今日は、どこ行くの?」

れん「拜島さんは、お店に行くの」

拝島「あのさ、もうちょっとしたら拜島さんやめて。何か、寂しいから」

れん「わかった。もう少ししたら呼べるようにするから」れんが笑ってくれた。

嬉しい。

それだけで、朝から嬉しい。

れん「寝すぎたから、早く行かなきゃ。」

時間は、8時過ぎになってた。カフェオレ飲み干した。

服を着替えてきた。

れん「行くよ。」

拝島「うん。」

私は、れんの腕にしがみついた。

れんは、鍵を閉めて家を出た。

れん「電車だからね。」

拝島「うん。」

電車に乗ると、[朝から気持ち悪]
[最悪][まじ、キモい]って声がする。

気にしない、気にしない。

駅の改札抜けて、道を歩いてる時も、「キモ」「何あれ?」って言われた。

私は、れんの腕をしっかり掴むのに、「あっ、灰谷さんがいるから。仕事頑張って」そう言って私の腕をするする離して言ってしまった。

拓人のせいだ。絶対、言ってやる。

私は、店に入った。拓人に話をするけど、取り合ってくれない。

何だよ。嫌な思いしたのに…。

不思議な事に、洋が作ったこのへんてこな焼きそばは私の痛みを和らげてくれる。

硬いけど、焦げてるけど、心は満たされる。

変な食べ物。

的井の焼きそばも食べた。

本当に美味しかった。

れんが来て、焼きそばって聞くから、これ食べてたって私のお皿を渡したら、れんが食べた。

べちゃべちゃ、硬いしって泣いた。

この焼きそばは、不思議な焼きそばだ。

私は、しばらく焼きそばを見つめていた。


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