13 / 59
彼女の話1ー2
夢みたい
しおりを挟む
高級な缶詰を開封して、書いてあるやり方通りにコーンスープを作った。
それを、お洒落なスープ皿に注いだ。
「サラダは?」
「まだ、作ってない」
「じゃあ、昨日の残りのアスパラでいいよね」
アスパラなんて高級な食べ物は、ほとんど食べれなかった。だいたいは、カレーに使う野菜とキャベツかもやしだ。
「うん」
「タッパーから、皿にうつして持って行っておくよ」
「うん」
千秋さんは、手際よくうつしかえて持っていく。何で、こんなに幸せなの。
お城に住んでるわけじゃないけれど、夢みたいな生活を私はしている。
今までなら、こんな生活をする事はなかった。
まともに食事をとれる、そこに罪悪感も嫌悪感もないなんて!そんな日がやってくるなんて思わなかった。
「食べようか?」
「うん」
私は、スープを持ってきた!向かい合って座る。千秋さんは、意外と綺麗な顔をしている。美男美女、それがしっくりくるような二人だ!だから、子供出来なかったのだろうか?
『いただきます』
私と千秋さんは、そう言って食べ始める。
「葵、旅行に行かないか?」
「いつ?」
「うーん!大型の連休かな?どう?母さんも誘いたかったりする」
「いいよ!行こう」
私は、キラキラと千秋さんを見つめる。
「珍しく乗り気だね!何か嬉しいな!三日前は、落ち込んでいたから」
「そうだね!でも、今はもう大丈夫」
旅行なんて行った事がない!お母さんと行けるって事は、千秋さんのお母さんと私は仲がいいって事よね。
「葵が嬉しいなら、俺も嬉しいよ!二人で生きていく道になってごめんな」
「何で?何で、千秋が謝るの!私は、いいのよ!二人で生きていったって」
千秋さんは、驚いた顔を向ける。そして、泣いた。
「そんな事言ってくれて嬉しいよ!俺、母さんと葵が仲よくしてくれてて嬉しかったんだ。他所は、そうじゃない人もいるから…」
葵さんは、可哀想な人!
こんなに素敵な旦那さんがいるのに、何で赤ちゃん何か望んじゃったの?
「そうね!わかるわ」
わかる!私も、あいつの親に罵られていたからわかる。息子を働かせる事もしない。そんな人間!!
「オムライス、美味しいよ!めちゃくちゃ、うまい」
「千秋、幸せ?」
「うん、幸せだよ!凄く」
千秋さんは、ニコニコ笑いながらご飯を食べている。素敵な笑顔!胸がドキドキする。私は、束の間でもこの幸せの中にいたい。
「ご馳走さまでした」
「下げるから、置いてて」
「一緒にお皿洗うよ」
「本当に?」
「うん」
そう言って、千秋さんは食器を下げていく。私もちょうど食べ終わった。
それを、お洒落なスープ皿に注いだ。
「サラダは?」
「まだ、作ってない」
「じゃあ、昨日の残りのアスパラでいいよね」
アスパラなんて高級な食べ物は、ほとんど食べれなかった。だいたいは、カレーに使う野菜とキャベツかもやしだ。
「うん」
「タッパーから、皿にうつして持って行っておくよ」
「うん」
千秋さんは、手際よくうつしかえて持っていく。何で、こんなに幸せなの。
お城に住んでるわけじゃないけれど、夢みたいな生活を私はしている。
今までなら、こんな生活をする事はなかった。
まともに食事をとれる、そこに罪悪感も嫌悪感もないなんて!そんな日がやってくるなんて思わなかった。
「食べようか?」
「うん」
私は、スープを持ってきた!向かい合って座る。千秋さんは、意外と綺麗な顔をしている。美男美女、それがしっくりくるような二人だ!だから、子供出来なかったのだろうか?
『いただきます』
私と千秋さんは、そう言って食べ始める。
「葵、旅行に行かないか?」
「いつ?」
「うーん!大型の連休かな?どう?母さんも誘いたかったりする」
「いいよ!行こう」
私は、キラキラと千秋さんを見つめる。
「珍しく乗り気だね!何か嬉しいな!三日前は、落ち込んでいたから」
「そうだね!でも、今はもう大丈夫」
旅行なんて行った事がない!お母さんと行けるって事は、千秋さんのお母さんと私は仲がいいって事よね。
「葵が嬉しいなら、俺も嬉しいよ!二人で生きていく道になってごめんな」
「何で?何で、千秋が謝るの!私は、いいのよ!二人で生きていったって」
千秋さんは、驚いた顔を向ける。そして、泣いた。
「そんな事言ってくれて嬉しいよ!俺、母さんと葵が仲よくしてくれてて嬉しかったんだ。他所は、そうじゃない人もいるから…」
葵さんは、可哀想な人!
こんなに素敵な旦那さんがいるのに、何で赤ちゃん何か望んじゃったの?
「そうね!わかるわ」
わかる!私も、あいつの親に罵られていたからわかる。息子を働かせる事もしない。そんな人間!!
「オムライス、美味しいよ!めちゃくちゃ、うまい」
「千秋、幸せ?」
「うん、幸せだよ!凄く」
千秋さんは、ニコニコ笑いながらご飯を食べている。素敵な笑顔!胸がドキドキする。私は、束の間でもこの幸せの中にいたい。
「ご馳走さまでした」
「下げるから、置いてて」
「一緒にお皿洗うよ」
「本当に?」
「うん」
そう言って、千秋さんは食器を下げていく。私もちょうど食べ終わった。
0
お気に入りに追加
2
あなたにおすすめの小説
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
会うたびに、貴方が嫌いになる
黒猫子猫(猫子猫)
恋愛
長身の王女レオーネは、侯爵家令息のアリエスに会うたびに惹かれた。だが、守り役に徹している彼が応えてくれたことはない。彼女が聖獣の力を持つために発情期を迎えた時も、身体を差し出して鎮めてくれこそしたが、その後も変わらず塩対応だ。悩むレオーネは、彼が自分とは正反対の可愛らしい令嬢と親しくしているのを目撃してしまう。優しく笑いかけ、「小さい方が良い」と褒めているのも聞いた。失恋という現実を受け入れるしかなかったレオーネは、二人の妨げになるまいと決意した。
アリエスは嫌そうに自分を遠ざけ始めたレオーネに、動揺を隠せなくなった。彼女が演技などではなく、本気でそう思っていると分かったからだ。
魔法のせいだからって許せるわけがない
ユウユウ
ファンタジー
私は魅了魔法にかけられ、婚約者を裏切って、婚約破棄を宣言してしまった。同じように魔法にかけられても婚約者を強く愛していた者は魔法に抵抗したらしい。
すべてが明るみになり、魅了がとけた私は婚約者に謝罪してやり直そうと懇願したが、彼女はけして私を許さなかった。
父が再婚してから酷い目に遭いましたが、最終的に皆罪人にして差し上げました
四季
恋愛
母親が亡くなり、父親に新しい妻が来てからというもの、私はいじめられ続けた。
だが、ただいじめられただけで終わる私ではない……!
王が気づいたのはあれから十年後
基本二度寝
恋愛
王太子は妃の肩を抱き、反対の手には息子の手を握る。
妃はまだ小さい娘を抱えて、夫に寄り添っていた。
仲睦まじいその王族家族の姿は、国民にも評判がよかった。
側室を取ることもなく、子に恵まれた王家。
王太子は妃を優しく見つめ、妃も王太子を愛しく見つめ返す。
王太子は今日、父から王の座を譲り受けた。
新たな国王の誕生だった。
淫らな蜜に狂わされ
歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。
全体的に性的表現・性行為あり。
他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。
全3話完結済みです。
私も処刑されたことですし、どうか皆さま地獄へ落ちてくださいね。
火野村志紀
恋愛
あなた方が訪れるその時をお待ちしております。
王宮医官長のエステルは、流行り病の特効薬を第四王子に服用させた。すると王子は高熱で苦しみ出し、エステルを含めた王宮医官たちは罪人として投獄されてしまう。
そしてエステルの婚約者であり大臣の息子のブノワは、エステルを口汚く罵り婚約破棄をすると、王女ナデージュとの婚約を果たす。ブノワにとって、優秀すぎるエステルは以前から邪魔な存在だったのだ。
エステルは貴族や平民からも悪女、魔女と罵られながら処刑された。
それがこの国の終わりの始まりだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる