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結末なら知っている

亮の話③

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俺は、葉月が教えてくれた彼の話が頭から離れなくて…。

再び、プロポーズをしていた。

そして、結婚式を迎えていた。

「葉月の友達が来るんだろ?」

「そうだよ」

「緊張するわ」

「大丈夫だよ」

結婚式が、無事に終わった。

「おめでとう」

葉月の友人夫婦が待っていた。

「ありがとうございます」

同じ境遇の人間は、友達になれないと思っていた。

四人で、焼き鳥屋さんに来ていた!

「でも、葉月!めちゃくちゃ、綺麗だったよ」

「ありがとう」

「写真現像するからね」

「うん」

焼き鳥を食べながら、飲む。

何て、心を掻き乱される事がない空間なのだろうか…。

俺達は、これがきっかけで家族ぐるみで仲良くなったんだ。

今日は、譲の誕生日に呼ばれていた。

「プレゼント、これでよかったかな?」

「いいよ!二人で、選んだんだから」

「本当に?」

「本当に」

葉月と一緒に、プレゼントを選んだ。

「お邪魔します」

「どうぞ!」

「これ、ワインです」

「ありがとう」

「譲、もうすぐしたら帰ってくるからね!」

「OK」

俺達は、クラッカーを持って暗闇でスタンバイしていた。

「ただいまー。里依紗いないの?」

ガチャ…

「お誕生日おめでとう」

パンッ、パンッ、パンッ

「何だよ!みんな」

譲は、泣いていた。

「さあ、ご飯食べるから着替えてきて」

「はい」

里依紗ちゃんの手料理が並べられた。

「譲、誕生日おめでとう」

「乾杯」

俺は、譲と里依紗ちゃんと仲良くなってから、凄く穏やかになった。

街を歩いても、全ての人が景色の一部に変わった。

「これね、譲が好きなの」

大皿に入った、ラザニアを里依紗ちゃんは指差していた。

それを取り分ける。

「うまっ!」

「本当、里依紗。料理美味しい」

「葉月もじゃんか!」

「来月は、葉月ちゃんの誕生日だね」

「うん」

「ピザとるか!」

「映画も見れるし、夜更かし出来るじゃん」

「お泊まり出来るよ!土曜日だから」

「じゃあ、修学旅行する?」

『いいねー』

子なし夫婦の行く末なんて、想像がつかなかった。

「フライドチキン食べる?」

「食べる」

学生時代みたいな友人関係が、築けるなんて思わなかった。

「美味しい」

「本当だな!」

俺には、正解はこの場所だった。

「ハッピバースデー、譲」

譲のケーキがやってきた。

「ありがとう」

ローソクを消して、プレゼントを渡した。

「めちゃくちゃ、嬉しいんだけど」

「よかった」

葉月と俺は、ホッとしていた。

里依紗ちゃんと葉月は、片付けをしていて。

俺は、譲とソファーでケーキを食べながらワインを飲んでいた。

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