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結末なら知っている

静馬の話③

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朝、目が覚めて僕は珈琲をいれていた。

「頭いてー」

「これ、飲む?」

簡易のしじみ汁を俊太に渡した。

「ありがとな!」

「あのさ、俊太」

「何?」

「昨日、僕が疲れてたった話を浅野にした?」

「えっ、ああ!何で?」

「覚えてないって言ったよね?」

「そんなん嘘に決まってんじゃん」

「何で、そんな酷い事言うんだよ」

僕は、涙を流していた。

「別に、酷くないだろ!冗談だって!何、剥きになってんだよ」

「俊太、それ飲んだら帰ってくれ」

僕は、珈琲を飲むのをやめた。

洗面所にやってきていた。

昨日の洗濯を回そう。

「なあー。静馬」

「何?飲んだなら、帰れよ」

「あの日、疲れてたって証明しろよ」

「どういう意味だよ」

「疲れてただけなら、今はならないよな?」

そう言って、いきなり腰を引寄せられてキスをされた。

やめろ、僕…。

何もなるな!

期待を裏切る身体…。

「疲れてなくてもたってんじゃん」

そう言って、膝でそれを触られる。

「やめろよ、俊太」

「見せてみろよ!静馬」

軽蔑と嫌悪を宿しながらも、興味を持っている眼差しを向けられる。

「出来ないなら、俺がやってやるよ」

そう言って、ズボンとパンツを引き下ろされた。

「やめ…」

「ほら、たってんじゃん。ないわー、マジでない」

涙が溢れてくる、怒りより悲しみが強い。

「ほら、触ってみ」

「何を?」

「俺のだよ」

俊太のそれは、何の反応も示してなかった。

「静馬、浅野になんか他に聞いた?奴隷とか言ってたとかって」

僕は、俊太を睨み付けていた。

「そっか、聞いたんだな!じゃあ、俺等、もう友達じゃなくていいよな」

「どういう意味だよ」

「こんな気持ち悪いもん見せられて、友達でいれないよな!あー、待って!性処理なら、利用価値あるか?」

「俊太、やめて」

肩を強く押されて、ひざまづかされた。

「ほら、口は女と変わんないだろ?静馬」

こんな風にされたくて、僕は俊太の傍にいたのだろうか?

「じゃあ、帰るわ!また、頼むわ」

俊太は、そう言って出て行った。

僕は、洗面所でそうなった自分の体を恥じていた。

何度もうがいをした。

これを、胃袋に流して…。

洗浄してやりたかった。

「慎吾」

悲しみと絶望の中で、その名を口にしていた。

会えないのは、わかっていた。

僕は、服を着替えて浅野に電話をしていた。

『もしもし』

「江島だけど」

『あー、どうした?』

さっきの事を話せなかった。

「登録してて」

『うん!あのさ、江島』

「何?」

『俊太と無理しているなよ!』

「ありがとう」

『うん、じゃあな』

浅野は、何かに気づいているような感じだった。


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