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俺と萩原さんの話。

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的井さんの話しに勇気をもらった俺は、起きた事を全て話した。

吉峯さんは、ダンって机を殴る。

的井さんは、俺を抱き締めてくれた。

的井「私達が、必ず解放しますから」そう言ってくれた。

洋「向島の事を調べていて、どこかで男だから大丈夫って思ってる自分がいたんだと思います。まさか、こんな人がいるなんて知らなかった。」

的井さんは、俺から離れた。

的井「私も淳一が、こんな事になるまで知りませんでしたよ。誰が誰を好きになろうが、構いません。でも、脅して襲って相手をコントロールして自分のものにするやり方は間違っていると思います。」

洋「そうです。そんなのおかしいです。」俺がそう言った瞬間、ノックの音がした。

俺は、もらったココアを口にする。


「失礼します。」

萩原さんが、入ってきた。

「ディスクを見せていただけますか?」

そう言われて、的井さんはパソコンを萩原さんに渡す。

萩原「やはりいましたか…。」

吉峯さんも、的井さんも不思議そうに萩原さんを見ている。

萩原「ありがとうございました。」

的井「お知り合いがいましたか?」  

萩原「はい、桧山広大。私の腹違いの弟です。」

的井「えっ?」

萩原「このディスクの最初に映ってる人物です。」

的井「知りませんでした。」

萩原「誰にも言ってませんから、広大を知っているのは鮫島昭二だけでした。彼は、広大を助けて脅されるようになりました。」

的井「弟さんは、生きているのですか?」

萩原「生きていますよ。精神を病んで入院していますが…。」

的井「長い期間だったのですね。」

萩原「一年です。鮫島が、監禁されてから気づいたので遅くなってしまったと泣いて連絡をしてきました。」

そう言って萩原さんは、パソコンを的井さんに返した。

萩原「生きているだけで、充分です。これを見るまでは、そう思っていました。見ると駄目ですね。連れ戻したあの日を思い出し、怒りが込み上げてきます。」ずっと纏ってた柔らかい雰囲気は消えた。

的井「当たり前ですよ。萩原さん」

的井さんは、パソコンを受け取り話す。

萩原「坊っちゃんの友達の沙織さんが、初めて薬を飲ませたのが広大です。その薬が何かわからなかったのですが、花房マキタが坊っちゃんに飲まそうとした件でわかりました。二人は、繋がっていたんです。」

俺は、顔をあげて萩原さんを見た。
萩原さんは、俺を見つめて言った。

萩原「君のお陰で、すべてのピースが繋がりましたよ。これで、全員に罪を償わせられますよ。」そう言って目からスーって涙を流した。その瞬間だった、コンコンと扉が叩かれた。

萩原「はい。」

「失礼します。」そう言って五人の人が入ってきた。

的井さんは、パソコンを持って立ち上がった。

萩原「やりましょうか。」

「はい。我々は、萩原さんの指示に従います。」

萩原「君は、どうやってきましたか?」

そう言われて俺は、タクシーで、来た道を思い出して話した。

萩原「わかりました。では、柏木、別所、岡部、鶴巻は、鮫島昭二を助けに行ってください。」

「はい、承知しました。」

萩原「彼の家族も、必ずですよ。」

「承知しました。」

そういうと四人は、すぐに部屋から出て行った。

洋「俺も何か役に立てませんか?」

萩原「私と的井と被害届を出しに行きましょうか?」

洋「はい。あの、もしかしたら俺の服。鮫島さんが捨ててくれるって言ったから渡したんで。まだ、あるかも」

そう言った俺の言葉に的井さんが電話をしていた。「よろしくお願いします。」そう言って切った。


萩原「的井、荒川、私と彼と一緒に警察に行きますよ。」

的井「承知しました。」

荒川「承知しました。」

萩原「終わらせましょう。」

「はい。」

萩原さんの纏う雰囲気が、怒りではなく正義感にかわるのを感じた。

鮫島さんが言った、萩原さんに渡せの意味がわかった。


俺達は、吉峯さんの病室をでた。

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