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灰谷さんと病院へ
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僕は、洋の香りに包まれて泣いてる。
ブーブー
「はい。」
「今から伺いますね。」
「わかりました。」灰谷さんからの電話を切った。
れん「離して。」僕が言ったら洋が離してくれた。
洋「着替えろよ。」
洋は、起き上がって僕に服を渡す。
れん「ありがとう。」
洋「俺も、今日用事あるからさ」
そう言って笑う。
れん「しばらくこっちにいようか?」
洋「そうだな。向こうは、リビング使えないしな。」
れん「うん。また、使えるようになってからでもいいね。もどるの」
洋「うん。」そう話して僕は洋の部屋をでた。
洗面所に行く。顔を洗う。10年ぶりだ。
僕は、洋の服を着る。
拜島さんからもらったネックレスが2つ光ってる。
大丈夫。拜島さんは、きっと僕を受け入れてくれる。
ピンポーン
インターホンが鳴る。
れん「はい。」僕が開けると灰谷さんは、ビックリした顔をした。
灰谷「ご飯どうぞ。」
灰谷さんは、おにぎりをいっぱい買ってきてくれてる。
れん「ありがとうございます。」
灰谷「車にいますので」お辞儀をして降りていった。
僕がリビングに行くと、洋が部屋から出てきた。
れん「灰谷さんからもらったよ。何食べる?」
洋「明日の朝までいけそうだな。」洋がおにぎりの袋を覗いて笑ってる。
れん「そうだよね。」
洋「れん、早く行けよ。」
れん「うん。じゃあ、僕は昆布と鮭もらってくね。」
洋「あぁ、気を付けてな。これ、スマホ。後、鞄これな」
れん「ありがとう。」洋に渡された鞄に中身をうつした。
洋「頑張れよ」
れん「うん。行ってきます」僕は玄関に向かって行く。
なんだろう?あの日の拜島さんみたいに洋が何かを決めた気がした。それを変えられない気がした。何かわからないけど…。
僕は、そんな事を考えながら家を出た。
下に降りた僕に気づいて、灰谷さんが後部座席を開けてくれた。
れん「ありがとうございます。」
灰谷「では、行きましょうか」
灰谷さんは、車を出した。
灰谷「また、今日も午前中は被害者の方に会ってきました。一日7人しか会いに行けませんが…。」
れん「どうでしたか?」
灰谷「2人だけ被害届を提出してくれると言ってもらえました。毎日春日井と怒鳴られてばかりですよ。」
れん「何も出来なくてすみません。」
灰谷「それは、全然大丈夫ですよ。」灰谷さんが笑ってる。
れん「拜島さんは?」
灰谷「先ほど、吉峯から連絡がきて病室をかわったそうです。」
れん「そうなんですね。」
灰谷「はい、吉峯が喜んでいました。隣にやってきたと」
れん「そうなんですね。では、前より会える時間が、増えたって事ですか?」
灰谷「そうなりますね。朝、吉峯が病室に訪れた時に灰谷さんはこないのか?とずっと言われたそうです。」
れん「拜島さんは、灰谷さんが大好きですね。」
灰谷「私は、拜島さんは今私と出会って過ごした日々にいるのではないかと思っています。」
れん「それは、向島の運転手になる前ですか?」
灰谷「はい。私と拜島さんは、特別な訓練やマナーを学ぶのを一緒に受けていました。拜島さんは、15歳、私は14歳でしたね。」
だから、子供みたいに笑っていたんだ。
灰谷「20歳からは、向島にお仕えする決まりです。その5、6年前から、私達は徹底的に教育を受けさせられました。いつも、拜島さんと一緒でした。私と拜島さんの家は特別でした。他の人達とは違いました。五年間、拜島さんと共に頑張ったのを覚えています。」そう言って灰谷さんは、笑ってる。
灰谷「会話なんて、マナーの話や訓練の話以外しなかったのに…。拜島さんは、あの日々が楽しかったのでしょうかね?」
れん「拜島さんは、灰谷さんといるのが楽しかったんですよ。その時も、最近だって。だから、灰谷さんと過ごしたいんだと思いますよ。」
病院の駐車場についた、灰谷さんは振り返って
灰谷「まだ、15歳なら。宮守君には、出会っていませんよね?」
れん「そうですね。」
灰谷「そうですよね。どうにかなればいいのですが…。あの、その格好は?」
ずっと気になっていたようだった。
れん「拜島さんに出会った時は、まだ男の子だったので」
灰谷「あぁ、そういう事でしたか」
そう言って灰谷さんは笑った。
灰谷「行きましょうか」
れん「はい。」
僕と灰谷さんは、車から降りた。
並んで歩き出す。
心臓がドキドキする
拜島さんに会いたい気持ちと怖い気持ちが、交互に襲ってくる。
ブーブー
「はい。」
「今から伺いますね。」
「わかりました。」灰谷さんからの電話を切った。
れん「離して。」僕が言ったら洋が離してくれた。
洋「着替えろよ。」
洋は、起き上がって僕に服を渡す。
れん「ありがとう。」
洋「俺も、今日用事あるからさ」
そう言って笑う。
れん「しばらくこっちにいようか?」
洋「そうだな。向こうは、リビング使えないしな。」
れん「うん。また、使えるようになってからでもいいね。もどるの」
洋「うん。」そう話して僕は洋の部屋をでた。
洗面所に行く。顔を洗う。10年ぶりだ。
僕は、洋の服を着る。
拜島さんからもらったネックレスが2つ光ってる。
大丈夫。拜島さんは、きっと僕を受け入れてくれる。
ピンポーン
インターホンが鳴る。
れん「はい。」僕が開けると灰谷さんは、ビックリした顔をした。
灰谷「ご飯どうぞ。」
灰谷さんは、おにぎりをいっぱい買ってきてくれてる。
れん「ありがとうございます。」
灰谷「車にいますので」お辞儀をして降りていった。
僕がリビングに行くと、洋が部屋から出てきた。
れん「灰谷さんからもらったよ。何食べる?」
洋「明日の朝までいけそうだな。」洋がおにぎりの袋を覗いて笑ってる。
れん「そうだよね。」
洋「れん、早く行けよ。」
れん「うん。じゃあ、僕は昆布と鮭もらってくね。」
洋「あぁ、気を付けてな。これ、スマホ。後、鞄これな」
れん「ありがとう。」洋に渡された鞄に中身をうつした。
洋「頑張れよ」
れん「うん。行ってきます」僕は玄関に向かって行く。
なんだろう?あの日の拜島さんみたいに洋が何かを決めた気がした。それを変えられない気がした。何かわからないけど…。
僕は、そんな事を考えながら家を出た。
下に降りた僕に気づいて、灰谷さんが後部座席を開けてくれた。
れん「ありがとうございます。」
灰谷「では、行きましょうか」
灰谷さんは、車を出した。
灰谷「また、今日も午前中は被害者の方に会ってきました。一日7人しか会いに行けませんが…。」
れん「どうでしたか?」
灰谷「2人だけ被害届を提出してくれると言ってもらえました。毎日春日井と怒鳴られてばかりですよ。」
れん「何も出来なくてすみません。」
灰谷「それは、全然大丈夫ですよ。」灰谷さんが笑ってる。
れん「拜島さんは?」
灰谷「先ほど、吉峯から連絡がきて病室をかわったそうです。」
れん「そうなんですね。」
灰谷「はい、吉峯が喜んでいました。隣にやってきたと」
れん「そうなんですね。では、前より会える時間が、増えたって事ですか?」
灰谷「そうなりますね。朝、吉峯が病室に訪れた時に灰谷さんはこないのか?とずっと言われたそうです。」
れん「拜島さんは、灰谷さんが大好きですね。」
灰谷「私は、拜島さんは今私と出会って過ごした日々にいるのではないかと思っています。」
れん「それは、向島の運転手になる前ですか?」
灰谷「はい。私と拜島さんは、特別な訓練やマナーを学ぶのを一緒に受けていました。拜島さんは、15歳、私は14歳でしたね。」
だから、子供みたいに笑っていたんだ。
灰谷「20歳からは、向島にお仕えする決まりです。その5、6年前から、私達は徹底的に教育を受けさせられました。いつも、拜島さんと一緒でした。私と拜島さんの家は特別でした。他の人達とは違いました。五年間、拜島さんと共に頑張ったのを覚えています。」そう言って灰谷さんは、笑ってる。
灰谷「会話なんて、マナーの話や訓練の話以外しなかったのに…。拜島さんは、あの日々が楽しかったのでしょうかね?」
れん「拜島さんは、灰谷さんといるのが楽しかったんですよ。その時も、最近だって。だから、灰谷さんと過ごしたいんだと思いますよ。」
病院の駐車場についた、灰谷さんは振り返って
灰谷「まだ、15歳なら。宮守君には、出会っていませんよね?」
れん「そうですね。」
灰谷「そうですよね。どうにかなればいいのですが…。あの、その格好は?」
ずっと気になっていたようだった。
れん「拜島さんに出会った時は、まだ男の子だったので」
灰谷「あぁ、そういう事でしたか」
そう言って灰谷さんは笑った。
灰谷「行きましょうか」
れん「はい。」
僕と灰谷さんは、車から降りた。
並んで歩き出す。
心臓がドキドキする
拜島さんに会いたい気持ちと怖い気持ちが、交互に襲ってくる。
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