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朝 [れんと洋]

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いつもの時間に目が覚めた。

飛行機は、9時半。

ここから、空港までタクシーで一時間半。

七時に出ればいいよな。

俺が、部屋をでるとれんが起きていた。

れん「おはよう。」

洋「タクシー7時に呼んでおくね。」

れん「わかった。」

俺は、タクシーに連絡して7時にお願いした。

洋「空港で何か食べようか」

れん「うん。」

洋「ネックレスはしないの?」

れん「持ってはいるよ。」

洋「しなよ。拜島さんの心だろ」そう言って俺は笑った。

洋「ちょっと待ってて」

俺は、昨日鞄にしまった指輪を持ってきた。

洋「はい、これ。」

れん「開けていい?」

洋「うん。」

れんは、蓋をあける。 

れん「綺麗。」

洋「つけてあげるよ。」

そう言って左手の薬指につけた。
初めに買ったバングルと一緒だ。キラキラ光る。

洋「似合うな。」

れん「僕も、つけるよ。」そう言ってれんがつけてくれた。

洋「ありがとう。じゃあ、箱にしまう」

れん「つけてくよ。」

洋「ごめんな、ばぁちゃんの為に」

れん「違うよ。僕がつけたいからつけてくの」

洋「ありがとう。」そう言ってれんの頭をポンポンってした。

洋「顔洗ってくる。」

俺は、顔を洗って用意する。

れん「コーヒーいれたよ。」

洋「ありがとう。」

れん「後、これ」

れんが持ってるのはなぜか饅頭だった。

洋「どうしたのこれ?」

れん「冷蔵庫に入ってた」

半分にして渡してくれた。

洋「ありがとう。いただきます。」

れん「普通に美味しいよ。」

洋「そうだな。」俺は、れんに笑う。

俺、ずっと笑えるかな?こんな風にずっと…。

そう思ったら、涙が流れた。

洋「目にゴミはいった」って言ったられんが

れん「見せて」って言ってきた。

俺は、仕方ないから見せた。

れんは、俺の頬っぺた触って涙を拭った。

れん「大丈夫だったよ。」ってまた饅頭食べてる。

洋「ありがとう。」
そう言って俺も饅頭食べた。

れん「用意しようか」

時計見たら、6時だった。

洋「着替えてくる。」

そう言って部屋にはいった。

俺は、ラフな服をとって着替えた。

左手見たら、れんと繋がってるみたいにバングルと指輪がキラキラ光る。

バングルなんてつけっぱなしだから存在忘れてたわ。

俺が、部屋をでたられんも立ってた。
ちゃんと拜島さんのネックレスつけてる。よかった。

れん「まだだよね。ソファー座ろう」

れんがいうからソファーに並んで座る。

れん「洋の田舎に行ったらさ。色々見せてよ。」

洋「海、綺麗だよ。」

れん「あっという間だよね。きっと」

洋「ボッーとしてたら終わってるな」   

れん「こっちであった事とか、少しだけでも忘れようね」 

洋「そうだな。」

れん「れん、僕としたいことある?」

そう覗き込まれて、顔が熱くなる。

キスしたいって言っていいのかな?

ダメだ、ダメだ。

洋「朝焼けみたい。ばぁちゃんちの」

れん「見よう。」

洋「うん。」  

ばぁちゃんちに行くのは、これが最後だと思う。

だから、俺。母さんが見た景色、全部焼き付けるよ。

れんが、俺の手を繋いできた。

れん「これは、ダメかな?」

洋「なんで、いつもしてたじゃん」

そう言って笑った。

洋「そろそろ、降りようか」

れん「うん。」  

俺とれんは、玄関をでた。まだ、貼り紙貼られてなかった。

手を繋いで、並んで歩く。

タクシーきてた。

空港まで連れていってもらった。

空港について、歩いてるとれんのおばさんが近づいてきた。

れん「母さん」

俺は、手を離して先行ってるって言ったられんが「大丈夫」って言った。

おばさん「れん、これ朝御飯二人分。後、これ」

そう言っておばさんは、ピンクの袋を渡す。

おばさん「帰ったら、お土産ぐらい持ってきなさいよ。」って笑った。

れん「うん。」

おばさん「洋くん、れんの事よろしくね。」 

洋「はい。」

おばさん「行ってらっしゃい、気をつけてね。」

れん「行ってきます。」

おばさんに手を振って、俺達は手続きをした。


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