黒の想いと白の想い

現れた人［洋、れん、拜島］

ボールみたいなロールキャベツを食べている時

ピンポーン。インターホンが鳴った。

拜島さんが、モニターを押す。

「はい。」

「こんばんは。灰谷です。」

「どうぞ」

そう言って拜島さんは、門をあけた。

拜島「灰谷さんをこちらに通しても構いませんか？」

れんと俺は、頷いた。

拜島「食べていてください。」

そう言って、拜島さんは玄関に行った。

洋「誰？」

れん「知らない。」

洋「美味しいよ、これ」

れん「でしょう。」

そんな話をしてると拜島さんが灰谷さんを連れて戻ってきた。

灰谷さんは、少し驚いた顔をしている。

拜島「お二人は、知っていますので」と言った。

俺とれんが、食べるのをやめると灰谷さんは「そのまま、食べていてください。」と言ってくれた。

拜島さんが、灰谷さんにコーヒーを入れて持ってきた。

拜島「どうぞ。」

灰谷「ありがとうございます。」

拜島「お話とは？」

灰谷さんは、胸ポケットから写真をだした。

灰谷「望月楓さんが、本日お亡くなりになりました。」

拜島さんは、少し驚いた顔をした後「やはり、心は治せませんでしたか…。間に合わしたかったのですが」とうつむいた。

俺とれんは、食べる手を止めた。

灰谷「限界なんです。」

そう言って灰谷さんの手が震えている。

拜島「揉み消しですか？」

そう言った拜島さんに灰谷さんは

灰谷「私は、お金を渡しに行くだけでした。望月さんにも何度も接触をしお金を渡しに行きました。一度も、受け取っていただけませんでしたが…。望月さんが自殺をはかるきっかけになったのではないかと思うものを昨日見つけました。」

そう言って灰谷さんは、スマホを拜島さんの前に置いた。

俺とれんも、その画面を覗き込む。

［望月楓ってどんな人？］

［ビッチだって話］

［金もらってやってたらしいよ］

［向島、かわいそう。嘘つかれて］

［気持ちいい事して金もらってたのにな］

拜島さんは、スマホをスーと灰谷さんに返した。

ひどい書き込みだな。

まるで、この人が悪いみたいだ。

灰谷「この書き込みを調べてもらった所、相澤翔太という人物に繋がりました。坊っちゃんのレイプ仲間だった一人です。」

一人じゃなかったのか…。

灰谷「どうやら、坊っちゃんを脅す側になったようです。」

拜島「そうですか」

そう言うと灰谷さんは、ポケットからまた何かを取り出した。

灰谷「こちらは、拜島さんで間違いないですか？」

そう言っておかれた写真には、れんと拜島さんが映っている。

れんが、驚いている。

拜島「間違いありません。私の好きな人です。」

灰谷「そうですか、好きになる事は素晴らしい事ですよ。」そう言うと灰谷さんは笑った。

そして、顔をあげて「もしかして？」とれんを見ていた。

拜島「お恥ずかしいですが、そうです。」というと
灰谷「好きな人と一緒に住めるのは幸せな事ですよ」と笑った。

最初来た時は、悪い人なのかと思ったけどこの人は何だか拜島さんに似ている。

拜島「灰谷さんとこんな風に話す事は、初めてでしたね。ご結婚されていますか？」

灰谷「向島の恥だと別れさせられました。」

拜島「そうですか」

灰谷「はい。」

灰谷さんは、拜島さんの落ち込んでる感じを見て10年以上前の話ですからと言った。

そして、話をもどす。
灰谷「坊っちゃんが、レイプサークルを作っていたのはご存じでしたか？」
拜島さんは、驚いている。
灰谷「やはり、ご存じなかったですか…。揉み消しは全てこちらがしました。…0人ですよ」と一瞬灰谷さんが言葉につまり聞き取れなかった。灰谷「すみません。合意の方も含めて150人ですよ。そのうち50人の方が」

そこまで言った時、玄関からガンとかゴンとか凄まじい音がしてる。拜島さんは、玄関に繋がる扉の前に俺達を守るように立った。

俺も、れんを自分の後ろに立たせた。