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シークレット作品②
【温度】⑮
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一輝は、スマホを見つめる。
凄い数の着信とメッセージだった。
もう、嫌だな。
家に帰ってきた。
ガチャ…。
離婚届書いて、指輪と置いて行くか。
「どこ行ってたの?」
「なんで、桜」
「どこ行ってたのか、聞いてるの」
「バイトじゃないのか?」
「休んだに決まってるじゃない。一輝が心配だったんだから」
「離婚届、書いてよ」
バシン…
一輝は、桜に頬を叩かれた。
「俺が、破っちゃったから…。もらってきたんだよ。」
「嫌よ」
桜は、一輝に抱きついてきた。
「何これ、何の匂い?」
「カラオケにいたからだろ?」
違う、彪伍の香水の匂いだ。
石鹸みたいな匂いだった。
「そしたら、こんな匂いつくの?」
「そうだろ?」
一輝は、家に上がる。
花香の優しい香りと彪伍の石鹸の香りと泉の少しだけ甘いシャンプーの香りが自分からしてる。
「浮気してきたんでしょ?」
「はあ?それは、桜だろ?」
イライラする。
桜と俺は、もう流れてる温度が違うのをハッキリと感じる。
身体の体温と同じだ。
もう、一秒も同じ空間にはいたくなかった。
「どういう意味よ!私が、何よ」
「三ツ村孝輔って人と不倫してるだろ?再婚したいのか、すればいいよ。ほら、先に書いてよ」
ビリビリと離婚届を破られた。
「何してんだよ。桜」
「いや」
桜は、一輝に抱きついてくる。
「やめて」
一輝は、無視して出て行く準備をする為に、自分の部屋に入る。
桜は、追いかけてくる。
「離婚しないから」
「何で?」
スーツケースを開く一輝
服をつめていく
つめたそばから、抜かれていく。
「やめてくれよ」
一輝は拾って、また入れる
「だから、やめてくれって」
「いや」
桜は、一輝の手首を掴んだ。
「離して」
「好きな人と出来たの?」
「出来てないから」
「じゃあ、何で?」
「何でってなに?」
「離婚したくないって言ったじゃん」
「気持ち変わったんだよ」
「ふざけないでよ」
「ふざけてないよ。桜は、好きな人いるだろ?三ツ村さんだろ?再婚したらいいだろ?桜は、子供が欲しいんだろ?俺は、無理だから」
「なに、その言い方。やらなきゃわかんないじゃん」
「もう、充分すぎるぐらいわかってるから」
イライラするから、一輝は立ち上がった。
「離婚届、もらってくるよ」
部屋を出ようとした腕を掴まれる。
「なに?」
「渡さない」
「はあ?」
「一輝を誰にも渡さないから」
あー。こうやって俺は、所有物(おもちゃ)になるんだな…
無理矢理、舌をねじ込んでくる。
「離婚なんてしない。一輝を自由になんかしない」
「何で?」
「愛してるから」
「何で?」
愛なんて都合のいい言葉で、俺を縛り付けるんだよ。桜……
まだ、残ってる愛を感じ取って俺を縛り付けてくる。
「愛してる、一輝」
「やめよう」
「いや、やめない。一輝だって、そうなってるじゃない」
当たり前だ。
七年間一緒にいた。
肌を重ねて、六年…。
桜を忘れるわけなんてないよ。
「これ、好きだよね」
全部、わかられてる。
知られてる身体…。
弱いとこも、好きなとこも…。
「一輝、愛してるよ」
愛してるって言えば、俺が桜の元を離れないってわかってるんだろう?
「一輝、愛してるよ」
そう言いながら、桜は俺の上にいる。
彪伍や花香や泉との時間が浮かぶ。
目を瞑ると、さっきの彪伍のキスが浮かんできた。
同じ温度だった。
彪伍は、欲がなかった。
あの時感じたのは、ただ、俺に触(ふ)れたいってだけだった。
桜みたいに、離さないとか子供が欲しいとかそんなんじゃなかった。
本当に、俺を心配してくれた。
ただ、俺が息してるだけでいいんだって気づかせてくれた。
ただ、俺を思ってくれてた。
「一輝、愛してる」
桜は、俺にキスをしてきた。
愛してるとキスを繰り返される度に、「お前は、自由になれない。幸せになれない。離さない。渡さない。」と言われてる気がした。
また、人形(おもちゃ)にされていく。
人間にすらしてくれない。
「愛してる」
その言葉は、もう言わないで欲しい。
凄い数の着信とメッセージだった。
もう、嫌だな。
家に帰ってきた。
ガチャ…。
離婚届書いて、指輪と置いて行くか。
「どこ行ってたの?」
「なんで、桜」
「どこ行ってたのか、聞いてるの」
「バイトじゃないのか?」
「休んだに決まってるじゃない。一輝が心配だったんだから」
「離婚届、書いてよ」
バシン…
一輝は、桜に頬を叩かれた。
「俺が、破っちゃったから…。もらってきたんだよ。」
「嫌よ」
桜は、一輝に抱きついてきた。
「何これ、何の匂い?」
「カラオケにいたからだろ?」
違う、彪伍の香水の匂いだ。
石鹸みたいな匂いだった。
「そしたら、こんな匂いつくの?」
「そうだろ?」
一輝は、家に上がる。
花香の優しい香りと彪伍の石鹸の香りと泉の少しだけ甘いシャンプーの香りが自分からしてる。
「浮気してきたんでしょ?」
「はあ?それは、桜だろ?」
イライラする。
桜と俺は、もう流れてる温度が違うのをハッキリと感じる。
身体の体温と同じだ。
もう、一秒も同じ空間にはいたくなかった。
「どういう意味よ!私が、何よ」
「三ツ村孝輔って人と不倫してるだろ?再婚したいのか、すればいいよ。ほら、先に書いてよ」
ビリビリと離婚届を破られた。
「何してんだよ。桜」
「いや」
桜は、一輝に抱きついてくる。
「やめて」
一輝は、無視して出て行く準備をする為に、自分の部屋に入る。
桜は、追いかけてくる。
「離婚しないから」
「何で?」
スーツケースを開く一輝
服をつめていく
つめたそばから、抜かれていく。
「やめてくれよ」
一輝は拾って、また入れる
「だから、やめてくれって」
「いや」
桜は、一輝の手首を掴んだ。
「離して」
「好きな人と出来たの?」
「出来てないから」
「じゃあ、何で?」
「何でってなに?」
「離婚したくないって言ったじゃん」
「気持ち変わったんだよ」
「ふざけないでよ」
「ふざけてないよ。桜は、好きな人いるだろ?三ツ村さんだろ?再婚したらいいだろ?桜は、子供が欲しいんだろ?俺は、無理だから」
「なに、その言い方。やらなきゃわかんないじゃん」
「もう、充分すぎるぐらいわかってるから」
イライラするから、一輝は立ち上がった。
「離婚届、もらってくるよ」
部屋を出ようとした腕を掴まれる。
「なに?」
「渡さない」
「はあ?」
「一輝を誰にも渡さないから」
あー。こうやって俺は、所有物(おもちゃ)になるんだな…
無理矢理、舌をねじ込んでくる。
「離婚なんてしない。一輝を自由になんかしない」
「何で?」
「愛してるから」
「何で?」
愛なんて都合のいい言葉で、俺を縛り付けるんだよ。桜……
まだ、残ってる愛を感じ取って俺を縛り付けてくる。
「愛してる、一輝」
「やめよう」
「いや、やめない。一輝だって、そうなってるじゃない」
当たり前だ。
七年間一緒にいた。
肌を重ねて、六年…。
桜を忘れるわけなんてないよ。
「これ、好きだよね」
全部、わかられてる。
知られてる身体…。
弱いとこも、好きなとこも…。
「一輝、愛してるよ」
愛してるって言えば、俺が桜の元を離れないってわかってるんだろう?
「一輝、愛してるよ」
そう言いながら、桜は俺の上にいる。
彪伍や花香や泉との時間が浮かぶ。
目を瞑ると、さっきの彪伍のキスが浮かんできた。
同じ温度だった。
彪伍は、欲がなかった。
あの時感じたのは、ただ、俺に触(ふ)れたいってだけだった。
桜みたいに、離さないとか子供が欲しいとかそんなんじゃなかった。
本当に、俺を心配してくれた。
ただ、俺が息してるだけでいいんだって気づかせてくれた。
ただ、俺を思ってくれてた。
「一輝、愛してる」
桜は、俺にキスをしてきた。
愛してるとキスを繰り返される度に、「お前は、自由になれない。幸せになれない。離さない。渡さない。」と言われてる気がした。
また、人形(おもちゃ)にされていく。
人間にすらしてくれない。
「愛してる」
その言葉は、もう言わないで欲しい。
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