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過ぎ去る日々
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あれから片付けをして、一週間後には、私と崎谷さんと美陸君は、あの映画のロケ地に移り住んだ。
あれから、一年が経っていた。
「りーちゃん、ただいま」
「おかえり」
美陸君は、すぐに仕事を見つけた。
崎谷さんは、スーパーでまた働いていた。
私はと言うと、掃除の仕事をしていた。
引っ越してきても、やる事は変わらなかった。
「ちょっと痩せたね!凄いよ!凄い」
たった、5キロしか痩せていないのに美陸君は私を褒めてくれた。
「そんなに、褒める程の事じゃないよ」
「褒める事だよ!」
「そうだな!」
「かずくん、おかえり」
「りーちゃんは、本当に頑張ったよ!100g痩せるだけでも大変だったんだから!よく、痩せれたよ」
「ありがとう」
美陸君は、沢山私の為に調べてくれた。
「鉄分が不足しても痩せないらしいよ」
鉄のサプリを飲んだ。
「ホルモンバランスが、悪いと痩せないらしい!まずは、月経を規則正しくしないとね」
「うん」
「ごめん。月経とか言っちゃって」
「全然、大丈夫だよ」
美陸君に、そう言われて何とかあれから月経はきちんと毎月やってきてくれた。
「頑張ったね!本当に、偉いよ」
美陸君に、抱き締められた。
「ありがとう」
「ううん、本当に偉いよ」
「ありがとう」
褒められ過ぎて、照れてくる。
「りーちゃん、よく頑張ったよ」
「かずさんまで」
「お腹すいたよ!僕」
「もう、出来るよ」
私は、肉じゃがを温める。
この時間が、大好き!
この二人が、大好き!
「いただきまーす」
そう言って、私の作った料理を美味しいと言って平らげてくれる。
ご飯を食べ終わると三人で、ソファーに並んで座る。
私は、最近チョコレートのお酒を飲むようになった。
二人は、ビールを飲む。
真ん中が、私の席!
「りーちゃん、大好きだよ」
「美陸君」
「俺もだよ」
「かずさん」
「りーちゃんは?」
「大好き」
性別や年齢や見た目なんか、関係ない。
二人は、私を人間として見てくれている。
あの日、私はかずさんに誰にも理解されないこの体を嘆いた。
かずさんは、私の言葉を理解してくれた。
「ありがとう、美陸君、かずさん」
「別に、何もしてないよ」
「そうだよ!」
「あの日、二人は私を救いだしてくれたから…。誰にも理解されないって思ってたから…。こっちに来たって、言われてるよ!相変わらず、おばさんが多いから」
「仕事辞めていいんだよ!僕、頑張って稼ぐから」
「そんなのいいよ!だって、今はね。あの日々みたいに苦しくも悲しくもないから」
「それなら、よかった。」
私は、二人に笑いかける。
「だってね、私の体を理解してくれる人がいるだけで!こんなにも、心が軽くなるんだよ」
「そうだよね!僕だってそうだよ
」
「俺も同じだよ」
「私ね、幸せだよ!こうしたら、痩せるとか、これ食べたら痩せるとか、そんな言葉を聞かされても…。心が動揺しない事が、こんなに幸せだって思わなかった。みんな、簡単に言うの!痩せられるって!私も、その一人だったから知ってる。でもね、この体になって気づいたのは、簡単じゃないって事。痩せられない人も、世の中にはいるって事。理解されなくても、いるの。」
「そうだね!僕は、知ってる。一緒に住んでるから、りーちゃんが僕達より少ないご飯を食べてるのも」
「甘いものは、このお酒しか飲まない事も」
「運動が出来ないけど、出来る事をしてる事を」
二人は、私の頭を撫でてくれる。
「お化粧も身なりも整えて、いい匂いがしてるのも知ってる」
「お洒落なの知ってる」
「寝ながら出来る、運動してるのも知ってるよ」
「一年に、一キロ痩せて、10年後10キロ痩せていたらいいじゃない!」
「かずさん、美陸君、大好きだよ」
二人は、私を抱き締めてくれる。
「無理はしなくていい」
「誰に何を言われても味方だから…。」
「ありがとう」
私は、目にいっぱい涙を溜めて泣いた。
自分を理解してくれる人がいる、ただ、それだけでこんなにも世界が明るくなるのを知った。
私は、自分のこの体が大嫌いだった。
何をしても、答えてくれないこの体が…。
でも、崎谷さんは私をわかってくれた。
私の努力を認めてくれた。
美陸君も、同じだった。
私は、こんなに優しい人に出会った事はなかった。
二人といると、私は周りの雑音に耳を貸さずにいれる。
向けられる眼差しに耐える事ができる。
それだけ、私を理解して愛してくれる人。
あれから、一年が経っていた。
「りーちゃん、ただいま」
「おかえり」
美陸君は、すぐに仕事を見つけた。
崎谷さんは、スーパーでまた働いていた。
私はと言うと、掃除の仕事をしていた。
引っ越してきても、やる事は変わらなかった。
「ちょっと痩せたね!凄いよ!凄い」
たった、5キロしか痩せていないのに美陸君は私を褒めてくれた。
「そんなに、褒める程の事じゃないよ」
「褒める事だよ!」
「そうだな!」
「かずくん、おかえり」
「りーちゃんは、本当に頑張ったよ!100g痩せるだけでも大変だったんだから!よく、痩せれたよ」
「ありがとう」
美陸君は、沢山私の為に調べてくれた。
「鉄分が不足しても痩せないらしいよ」
鉄のサプリを飲んだ。
「ホルモンバランスが、悪いと痩せないらしい!まずは、月経を規則正しくしないとね」
「うん」
「ごめん。月経とか言っちゃって」
「全然、大丈夫だよ」
美陸君に、そう言われて何とかあれから月経はきちんと毎月やってきてくれた。
「頑張ったね!本当に、偉いよ」
美陸君に、抱き締められた。
「ありがとう」
「ううん、本当に偉いよ」
「ありがとう」
褒められ過ぎて、照れてくる。
「りーちゃん、よく頑張ったよ」
「かずさんまで」
「お腹すいたよ!僕」
「もう、出来るよ」
私は、肉じゃがを温める。
この時間が、大好き!
この二人が、大好き!
「いただきまーす」
そう言って、私の作った料理を美味しいと言って平らげてくれる。
ご飯を食べ終わると三人で、ソファーに並んで座る。
私は、最近チョコレートのお酒を飲むようになった。
二人は、ビールを飲む。
真ん中が、私の席!
「りーちゃん、大好きだよ」
「美陸君」
「俺もだよ」
「かずさん」
「りーちゃんは?」
「大好き」
性別や年齢や見た目なんか、関係ない。
二人は、私を人間として見てくれている。
あの日、私はかずさんに誰にも理解されないこの体を嘆いた。
かずさんは、私の言葉を理解してくれた。
「ありがとう、美陸君、かずさん」
「別に、何もしてないよ」
「そうだよ!」
「あの日、二人は私を救いだしてくれたから…。誰にも理解されないって思ってたから…。こっちに来たって、言われてるよ!相変わらず、おばさんが多いから」
「仕事辞めていいんだよ!僕、頑張って稼ぐから」
「そんなのいいよ!だって、今はね。あの日々みたいに苦しくも悲しくもないから」
「それなら、よかった。」
私は、二人に笑いかける。
「だってね、私の体を理解してくれる人がいるだけで!こんなにも、心が軽くなるんだよ」
「そうだよね!僕だってそうだよ
」
「俺も同じだよ」
「私ね、幸せだよ!こうしたら、痩せるとか、これ食べたら痩せるとか、そんな言葉を聞かされても…。心が動揺しない事が、こんなに幸せだって思わなかった。みんな、簡単に言うの!痩せられるって!私も、その一人だったから知ってる。でもね、この体になって気づいたのは、簡単じゃないって事。痩せられない人も、世の中にはいるって事。理解されなくても、いるの。」
「そうだね!僕は、知ってる。一緒に住んでるから、りーちゃんが僕達より少ないご飯を食べてるのも」
「甘いものは、このお酒しか飲まない事も」
「運動が出来ないけど、出来る事をしてる事を」
二人は、私の頭を撫でてくれる。
「お化粧も身なりも整えて、いい匂いがしてるのも知ってる」
「お洒落なの知ってる」
「寝ながら出来る、運動してるのも知ってるよ」
「一年に、一キロ痩せて、10年後10キロ痩せていたらいいじゃない!」
「かずさん、美陸君、大好きだよ」
二人は、私を抱き締めてくれる。
「無理はしなくていい」
「誰に何を言われても味方だから…。」
「ありがとう」
私は、目にいっぱい涙を溜めて泣いた。
自分を理解してくれる人がいる、ただ、それだけでこんなにも世界が明るくなるのを知った。
私は、自分のこの体が大嫌いだった。
何をしても、答えてくれないこの体が…。
でも、崎谷さんは私をわかってくれた。
私の努力を認めてくれた。
美陸君も、同じだった。
私は、こんなに優しい人に出会った事はなかった。
二人といると、私は周りの雑音に耳を貸さずにいれる。
向けられる眼差しに耐える事ができる。
それだけ、私を理解して愛してくれる人。
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