19 / 24
泊まらせてあげて
しおりを挟む
何かあったのかをしつこく聞く勇気がでなかった。
「いただきます」
「めちゃくちゃ、美味しいね」
「うん、ビールとってくる」
「うん」
ビールをとって戻ると、美陸(みろく)が、膝掛けをかけていた。
「眠ったのか?」
「うん」
「寝顔、綺麗だな」
「僕ね、りーちゃんは、何か抱えてる気がするんだよ。だって、綺麗な人でしょ?」
「そうだな。痩せたら可愛いとか綺麗だとかって言う人がいるけど…。俺も、りーちゃんはこのままでも綺麗だと思うよ」
二人で、寝顔を見ながら話す。
「女性でいるのが、嫌なんじゃないかって感じるんだ。だからって、男になりたいとか、女の子が好きだとかじゃなくてね。性に対して、嫌悪感がある気がするんだよね。なんとなくだけど…。」
「何かわかるな。葉月さん、頑張ってるって感じするしな。何か、色々抱えてるんだろうな。」
「向こうで、飲もう」
「うん」
俺は、美陸(みろく)とダイニングに戻った。
ビールをグラスに注いだ。
「今日さ。りーちゃんが、おかしな事を言ってたんだよ」
「なに?」
「杖と防犯ブザーで助かったとかって…。それってさ」
「襲われたって事?」
「俺も、そう思ったんだけど…。言いたくない事を無理に言わせたくなくてさ」
「僕が、朝、お弁当もらいになんて行ったからかな」
美陸(みろく)は、泣いてしまった。
「俺も、職場で仲良くしすぎたんだよ。」
「もし、そうなら、どこまで、されちゃったのかな?僕とかずくんじゃ何もしてあげれないよね」
「そうだな…。」
「一緒に居たって、辛い思いさせるだけだよね」
美陸(みろく)は、泣いていた。
俺は、葉月さんを見つめる。
俺達が、葉月さんを傷つける。
俺達のせいで、葉月さんが何かされる。
それでも、葉月さんはここに来てくれた。
「美陸(みろく)、俺やっぱり、りーちゃんの為に何かしてあげたいよ。」
「僕も同じ気持ちだよ」
美陸(みろく)は、涙を拭って笑った。
「俺達が、出来ることをしてあげよう。」
「そうだよね。そうしてあげたい」
美陸(みろく)は、笑った。
葉月さんが作ってくれるご飯は美味しい。
俺は、葉月さんを見つめていた。
「今日は、ゆっくり休ませてあげよう」
「うん、そうしよう」
俺と美陸は、葉月さんを寝かせてあげた。
葉月さんの未来が、幸せで溢れていて欲しい。
俺達は、寝室にきて寝転がった。
美陸は、俺に話し出す。
「りーちゃんと一緒にさ!」
「うん」
「この街出ない?」
「でも、美陸。今の仕事好きじゃないのか?」
「好きだよ。でも、それよりもりーちゃんを守ってあげたいんだ。僕に出来る事をしてあげたい」
「それなら、俺も仕事やめるよ」
「かずくん、僕達で幸せにしてあげよう。」
「無理かもしれないよ」
「無理でも、してあげよう」
美陸は、俺の手を握りしめた。
俺も、葉月さんを幸せにしてあげたい。
無理かもしれない。
でも、無理じゃないかもしれないだろ?
俺は、目を閉じた。
朝、トントンと言う音が聞こえて目が覚めた。
「ふぁー。」
美陸は、まだ眠っていた。
「あっ、起こしましたか?」
キッチンで、葉月さんが料理を作っていた。
「ううん、大丈夫」
「朝御飯、もうすぐしたら出来ますから」
「うん、歯磨いてくる」
俺は、洗面所で顔を洗って歯を磨く。
戻ると、葉月さんはお味噌汁を作っていた。
卵焼きが、綺麗に作られている。
「りーちゃん」
「はい」
「仕事辞めて、俺達と逃げない?」
葉月さんは、驚いた顔を向けた。
「何でですか?」
「何でだろう。守ってあげたい、幸せにしてあげたい。そんな理由じゃ駄目かな?」
「でも、私。こんなんだし。」
「関係ないよ」
「おはよう」
美陸も、起きてきた。
「歯磨きしてきなよ!」
「うん」
「それで、話したい事あるから」
「うん」
美陸は、洗面所に向かった。
「いただきます」
「めちゃくちゃ、美味しいね」
「うん、ビールとってくる」
「うん」
ビールをとって戻ると、美陸(みろく)が、膝掛けをかけていた。
「眠ったのか?」
「うん」
「寝顔、綺麗だな」
「僕ね、りーちゃんは、何か抱えてる気がするんだよ。だって、綺麗な人でしょ?」
「そうだな。痩せたら可愛いとか綺麗だとかって言う人がいるけど…。俺も、りーちゃんはこのままでも綺麗だと思うよ」
二人で、寝顔を見ながら話す。
「女性でいるのが、嫌なんじゃないかって感じるんだ。だからって、男になりたいとか、女の子が好きだとかじゃなくてね。性に対して、嫌悪感がある気がするんだよね。なんとなくだけど…。」
「何かわかるな。葉月さん、頑張ってるって感じするしな。何か、色々抱えてるんだろうな。」
「向こうで、飲もう」
「うん」
俺は、美陸(みろく)とダイニングに戻った。
ビールをグラスに注いだ。
「今日さ。りーちゃんが、おかしな事を言ってたんだよ」
「なに?」
「杖と防犯ブザーで助かったとかって…。それってさ」
「襲われたって事?」
「俺も、そう思ったんだけど…。言いたくない事を無理に言わせたくなくてさ」
「僕が、朝、お弁当もらいになんて行ったからかな」
美陸(みろく)は、泣いてしまった。
「俺も、職場で仲良くしすぎたんだよ。」
「もし、そうなら、どこまで、されちゃったのかな?僕とかずくんじゃ何もしてあげれないよね」
「そうだな…。」
「一緒に居たって、辛い思いさせるだけだよね」
美陸(みろく)は、泣いていた。
俺は、葉月さんを見つめる。
俺達が、葉月さんを傷つける。
俺達のせいで、葉月さんが何かされる。
それでも、葉月さんはここに来てくれた。
「美陸(みろく)、俺やっぱり、りーちゃんの為に何かしてあげたいよ。」
「僕も同じ気持ちだよ」
美陸(みろく)は、涙を拭って笑った。
「俺達が、出来ることをしてあげよう。」
「そうだよね。そうしてあげたい」
美陸(みろく)は、笑った。
葉月さんが作ってくれるご飯は美味しい。
俺は、葉月さんを見つめていた。
「今日は、ゆっくり休ませてあげよう」
「うん、そうしよう」
俺と美陸は、葉月さんを寝かせてあげた。
葉月さんの未来が、幸せで溢れていて欲しい。
俺達は、寝室にきて寝転がった。
美陸は、俺に話し出す。
「りーちゃんと一緒にさ!」
「うん」
「この街出ない?」
「でも、美陸。今の仕事好きじゃないのか?」
「好きだよ。でも、それよりもりーちゃんを守ってあげたいんだ。僕に出来る事をしてあげたい」
「それなら、俺も仕事やめるよ」
「かずくん、僕達で幸せにしてあげよう。」
「無理かもしれないよ」
「無理でも、してあげよう」
美陸は、俺の手を握りしめた。
俺も、葉月さんを幸せにしてあげたい。
無理かもしれない。
でも、無理じゃないかもしれないだろ?
俺は、目を閉じた。
朝、トントンと言う音が聞こえて目が覚めた。
「ふぁー。」
美陸は、まだ眠っていた。
「あっ、起こしましたか?」
キッチンで、葉月さんが料理を作っていた。
「ううん、大丈夫」
「朝御飯、もうすぐしたら出来ますから」
「うん、歯磨いてくる」
俺は、洗面所で顔を洗って歯を磨く。
戻ると、葉月さんはお味噌汁を作っていた。
卵焼きが、綺麗に作られている。
「りーちゃん」
「はい」
「仕事辞めて、俺達と逃げない?」
葉月さんは、驚いた顔を向けた。
「何でですか?」
「何でだろう。守ってあげたい、幸せにしてあげたい。そんな理由じゃ駄目かな?」
「でも、私。こんなんだし。」
「関係ないよ」
「おはよう」
美陸も、起きてきた。
「歯磨きしてきなよ!」
「うん」
「それで、話したい事あるから」
「うん」
美陸は、洗面所に向かった。
0
お気に入りに追加
5
あなたにおすすめの小説
【短編】愛人の家から帰ってこない婚約者と婚約破棄したいのですが、、、。婚約者の家族に苛められ、家事を全て押し付けられています。
五月ふう
恋愛
愛人の家からほとんど帰ってこない婚約者は婚約破棄を望む私に言った。
「お前など、好きになるわけないだろう?お前には死ぬまでこの家のために働いてもらう。」
幼馴染であり婚約者のアストラ・ノックスは私にそう言った。
「嫌よ。」
「だがお前に帰る場所などないだろう?」
アストラは薄笑いを浮かべた。確かに私は、もう二度と帰ってくるなと、何度も念押しされて実家を出てきた。
「俺はお前の親から、お前を安値で買ったのさ。」
アストラの言葉は真実であった。私が何度、帰りたいと手紙を書いても、両親から連絡が返ってくることはなかった。
私の名前はリュカ。フラノ国没落貴族の娘。お金が無いことで、昔から苛められてきた。アストラは学生時代、私を虐めていた男達のリーダーだった。
「リュカ!!まだ晩御飯ができないの?!」
今日も義理の母は私を怒鳴りつける。
長靴をはいた婿~三女は農民に嫁いで幸せを満喫します、負け惜しみじゃなくて~
羊蹄
恋愛
ジェンセン子爵には三人の娘がおりました。
長女は、王族に嫁に行き。
次女は、豪商に嫁に行き。
最後は私の番。
三女のシャロンに告げられた嫁ぎ先は、極東の農民。6人兄弟の5男だった!?
寡黙な夫、だだっ広い土地に犬に牛。
これって、何だかとっても……自由かも!
ドレスを脱ぎ捨て、スローライフを満喫します!
……夫に受け入れてもらえますように……。
彩られる作品【仮】
三愛 紫月 (さんあい しづき)
恋愛
離婚した妻への贖罪の為に書いていたしんの作品を見つけてくれたのは、優依でした。
誰か一人に届くようにと書いたしんの描く脚本と、その脚本に惚れた男達としんの映像化された作品のお話。
吉宮凛と鴨池はやての親友の南沢雄大と早川実で演じて映像にした作品という小説です。
【鼓動の速さでわかる事】のような描き方をしています。
一つ、一つのお話は短編になります。
三日月宝珠が、お気に入りでよく見ていた。【蛹は、蝶の夢を見る…】を含む5作品を描きます。
1、【蛹は、蝶の夢を見る…】
子供が欲しい彼氏に裏切られ、悲しみの中、見つけたbarから始まる恋のお話。
2、【心だけが繋がらない。】
愛する人を目の前で失くした夏と冬。飛び越えられない季節と気持ち。身体だけの関係の先に見つけた答えとは?
3、【それが、運命(さだめ)ならば…】
三日月宝珠が、まだMOON先生だった頃に取材をして、真理亜との話を描いた作品。
4、【身体だけが繋がらない】
しんの作品の中で、初めて自分の夫婦生活を切り取った作品。不妊である夫婦が、決めた答えとは…。誰にも理解されないけれど、描きたかった作品。しんの作品で唯一の男女の作品。
5、【待てを言われた僕達は…】
母親の不倫のせいで、性に嫌悪感を抱いていた父親から身体を重ねれ死ぬウィルスを飲まされた海斗は、愛してる凛音に待てを繰り返す。二人が、見つける答えとは…。
シークレット作品、二作品を書きます。
テレビや映画で、上映しているのを流している感じの作品になっているので、若干台詞が多めになります。
一つの作品が、10~20話以内の短編になります。
気に入って、読んでいただけたら嬉しいです。
小説家になろう、カクヨムにも載せています。
皇子に婚約破棄されたので、悪役令嬢になりますね(今更感)
羊蹄
恋愛
「他に好きな人が出来た」
え……?
皇子たるもの、そんなありきたりなセリフで婚約破棄!?
勝手すぎる!
勝手すぎる!!
勝手すぎる!!!
婚約から10年。
耐え難きを耐え、忍び難きを忍んだ花嫁修業の日々。
私の10年を返して!
そうだ。
悪役令嬢になって、貴方がたを破滅……はアレだけど、
せめて、謝らせてみせますわ!
(志の低い悪役令嬢の復讐譚)
(不定期更新)
血を奪いし者の宿命
仁来
恋愛
生命を維持するために人間の血が必要な吸血鬼。
しかし、初めて人間の死を目にした吸血鬼の王イヴェリスは、血を摂ることにためらいを感じるようになった。
魔界の者によって狙われた人間は、泣き叫び、苦しみながらも、愛する人を思いながら命を絶っていく。
そして周囲の人々はその死者のことを覚えず、記憶を消されてしまう。
血を奪いし者の宿命として、イヴェリスが選んだ道とは……。
「おひとりさま女子だった私が吸血鬼と死ぬまで一緒に暮らすはめに」の番外編です。
秘密のdiary【恋と嘘】
三愛 紫月 (さんあい しづき)
BL
秘密のdiaryと兄と僕の嘘のお話の中の、ラブホテルを出ていかれた八(はち)の視点から続きが始まります。
八(はち)と九(きゅう)のその後。
そして…。
「なんで、切ない顔してるん?」
「二人で、あれから行けてないから行かへん?」
「俺ね、愛された事ないねん」
「なんで、意地悪するん?」
「あの頃は、スキと好きの境界線が曖昧だっただけにすぎなかったんや。」
「それは、恋やないで?わかるか?」
みんなが、抱えていた秘密があきらかになる。
それぞれの、恋も動き出す。
こちらも、三万文字以内の短編小説になります。
秘密のdiary【兄と僕の嘘】
↓
秘密のdiary【恋と嘘】
↓
秘密のdiary【傷と家族】
の順番になります。
小説家になろうでも載せています。
君の傷つけ方なら知っている
三愛 紫月 (さんあい しづき)
恋愛
1話 1200文字以内になります。人物一人の話は、5000文字以内の短編になります。
この物語のどれかにあなたがいるかも知れない?!
【結婚生活なら知っている】
結婚相手とずっと一緒にいれると思ってた里依紗と亮。
【抱き合い方なら知っている】体から始まる恋があると信じていた麗奈と拓実。
【友達でいる方法なら知っている】選ばれないのをわかっていながらも友達でいた美春と静馬。
【嫌われ方なら知っている】
この人の人生を壊してはいけないと思った和利と東子。
【求めてもらえる方法なら知っている】
いつかは、愛してもらえるって信じていいんだよね?譲と葉月と和人と杏美とくー子と慎吾
【結末なら知っている】
それぞれの出した答えとは?
ただ、優しくしたかっただけなのに…。
どうして、うまく出来ないのだろう?
君は、優しくしてくれてたのに
愛してくれていたのに…。
これは、周りの言葉や不器用な気持ちに翻弄された愛の物語。
それぞれが、最後に手にする未来とは?
小説家になろう、カクヨムでも載せています。
【完結】うちのブス知りませんか?~金目当ての貴族との縁談をブチ壊そうと、全力醜女メイクしてたら引っ込みがつかなくなった件~
羊蹄
恋愛
ゴドルフィン商会は、国内はおろか周辺の国まで見ても類を見ないほどの豪商。
巨額の資産を目掛けて、群がって来るのは没落貴族。
金目当てのこの縁談、申し出たことを全力で後悔させてやる。
おじいちゃんの財産、私が守る!
ドブスとの結婚、金目当ての貴方に我慢できるのかしら!?
ーー
「元公爵夫人の、死ぬまで続けたいお仕事について。」の赤ちゃん、クロエのお話です。
(スピンオフ)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる