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二人の思考
命と朝陽の考え②
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「桜賀さんも同じだよ。だから、朝陽を誰にも渡さないんだよ」
「渡すと…」
「夕陽(夕陽さん)を愛せなくなるから…」
二人で、また同じタイミングで朝陽と口に出していた。
「前にね」
「うん」
「京に聞いた事があるの」
「うん」
「女性は、出産で体力を使い、子育てに気力を使うから愛される方が幸せだって聞いたんだよ」
「そうか」
私の言葉に、朝陽は納得した顔をした。
「何?」
「これは、俺が導いた勝手な考えだけど聞く?」
「聞く」
朝陽は、顎を擦りながら、犯人でも言い当てるように話し出した。
「そもそも人間は、長期間、一人を思うようには出来ていないんだよ」
「と、言うと?」
「愛を与えてくれる存在と愛を与える存在、その二つが存在しなければならないんだよ」
「それって…」
「京子ちゃんが、話した事だろ?女性は、愛を与える存在である子供を育てるから、夫は愛してあげれないって事」
「じゃあ、構図としては、子供は母親から愛を与えられて、母親は父親から愛を与えられてって事?だったら、子供は?」
「両方に愛を与えてるような気がするだろ?その考えで言ったら、子供は父親に愛を与えなくちゃいけないんだよ」
「でも、基本的に子供は母親が好きだよ」
私の言葉に、朝陽は首を横に振った。
「それは、駄目だよ。だって、それだと父親の愛は枯れてしまうだろ?」
「だから、浮気」
「そういう事だね」
何故か妙に朝陽の考えに納得してしまった。
「って事は、それがペットだとしたら?」
「ペットは、完璧な存在だよ!愛したら、愛してくれる。本能できちんとわかってるだろ?」
「だったら、子供がいるならペットを飼うべきって話になるよね?」
「それは、違うよ」
朝陽は、そう言ってビールを飲んだ。
「じゃあ、どういう事?」
「さっきも話したように、妻は子供に全力で愛を注がなくちゃいけないから、夫は全力で妻を愛してあげる。その結果、子供が全力で父親を愛してくれる。そうやって、ループし続けるんだよ」
「それが、結婚における愛して愛される法則って話?」
「まあ、あくまで俺個人の考えだけどね。結局人は、愛する対象と愛される対象の二つがなければ無理だって事かな」
「じゃあ、子供を産んで夫を愛せないは正解って事だよね?」
「そうだろうね!だって、夫に使う愛は全て子供に注ぐのだから…」
「って事は、夫が子育てを手伝わないのも正解って事になるよね?」
「そうだろうね!夫は、妻に愛を全て注ぐのだからそうなるだろうね」
「何それ?」
「いやいや、動物の子育てと同じじゃないのか?だいたいは、母親が頑張ってるだろ?子育て」
朝陽の言葉に、私はハラミを食べてビールを飲んだ。
「結局、そこでも動物的本能が目覚めたってやつ?子孫繁栄が、本能に組み込まれてるみたいに…」
「人間は、思考を持ち合わせていながら、野性的本能は消えてないって事だろうね」
そう言いながら、朝陽はまたお肉を焼いてくれる。
「だから、二人はいるって話ね」
「一人もいらない人もいると思うよ」
朝陽は、焼けたカルビを皿に置いてくれる。
「自己完結って事?」
「いや、ペットじゃない?」
「ああ、そっか!愛し愛される構図が出来あがるもんね!動物は、本能でちゃんと理解してるから」
「そういう事だよ」
まるで、謎解きを褒められたような気持ちになった。
「あくまでも、これは俺の勝手な解釈だけどね」
「でも、私と朝陽には、その解釈はピッタリ当てはまるよ」
私は、カルビを食べる。
「確かにそうだね!日下部は、三輪を愛し、三輪は俺を愛してくれて、俺は桜賀さんを愛してる、桜賀さんは、夕陽を愛してる。だけど、夕陽が日下部を愛していないから変な構図だな…ループは出来ない。日下部が、愛されてないよな」
「それなら、私もそうだよね!京は私を愛してくれて、私は沙羅を愛して、沙羅が神を愛して、神は浮気相手を愛してる。京が愛されてないから、ループは出来ない」
「本当だな」
朝陽の言葉に、考えてしまう。
「渡すと…」
「夕陽(夕陽さん)を愛せなくなるから…」
二人で、また同じタイミングで朝陽と口に出していた。
「前にね」
「うん」
「京に聞いた事があるの」
「うん」
「女性は、出産で体力を使い、子育てに気力を使うから愛される方が幸せだって聞いたんだよ」
「そうか」
私の言葉に、朝陽は納得した顔をした。
「何?」
「これは、俺が導いた勝手な考えだけど聞く?」
「聞く」
朝陽は、顎を擦りながら、犯人でも言い当てるように話し出した。
「そもそも人間は、長期間、一人を思うようには出来ていないんだよ」
「と、言うと?」
「愛を与えてくれる存在と愛を与える存在、その二つが存在しなければならないんだよ」
「それって…」
「京子ちゃんが、話した事だろ?女性は、愛を与える存在である子供を育てるから、夫は愛してあげれないって事」
「じゃあ、構図としては、子供は母親から愛を与えられて、母親は父親から愛を与えられてって事?だったら、子供は?」
「両方に愛を与えてるような気がするだろ?その考えで言ったら、子供は父親に愛を与えなくちゃいけないんだよ」
「でも、基本的に子供は母親が好きだよ」
私の言葉に、朝陽は首を横に振った。
「それは、駄目だよ。だって、それだと父親の愛は枯れてしまうだろ?」
「だから、浮気」
「そういう事だね」
何故か妙に朝陽の考えに納得してしまった。
「って事は、それがペットだとしたら?」
「ペットは、完璧な存在だよ!愛したら、愛してくれる。本能できちんとわかってるだろ?」
「だったら、子供がいるならペットを飼うべきって話になるよね?」
「それは、違うよ」
朝陽は、そう言ってビールを飲んだ。
「じゃあ、どういう事?」
「さっきも話したように、妻は子供に全力で愛を注がなくちゃいけないから、夫は全力で妻を愛してあげる。その結果、子供が全力で父親を愛してくれる。そうやって、ループし続けるんだよ」
「それが、結婚における愛して愛される法則って話?」
「まあ、あくまで俺個人の考えだけどね。結局人は、愛する対象と愛される対象の二つがなければ無理だって事かな」
「じゃあ、子供を産んで夫を愛せないは正解って事だよね?」
「そうだろうね!だって、夫に使う愛は全て子供に注ぐのだから…」
「って事は、夫が子育てを手伝わないのも正解って事になるよね?」
「そうだろうね!夫は、妻に愛を全て注ぐのだからそうなるだろうね」
「何それ?」
「いやいや、動物の子育てと同じじゃないのか?だいたいは、母親が頑張ってるだろ?子育て」
朝陽の言葉に、私はハラミを食べてビールを飲んだ。
「結局、そこでも動物的本能が目覚めたってやつ?子孫繁栄が、本能に組み込まれてるみたいに…」
「人間は、思考を持ち合わせていながら、野性的本能は消えてないって事だろうね」
そう言いながら、朝陽はまたお肉を焼いてくれる。
「だから、二人はいるって話ね」
「一人もいらない人もいると思うよ」
朝陽は、焼けたカルビを皿に置いてくれる。
「自己完結って事?」
「いや、ペットじゃない?」
「ああ、そっか!愛し愛される構図が出来あがるもんね!動物は、本能でちゃんと理解してるから」
「そういう事だよ」
まるで、謎解きを褒められたような気持ちになった。
「あくまでも、これは俺の勝手な解釈だけどね」
「でも、私と朝陽には、その解釈はピッタリ当てはまるよ」
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「確かにそうだね!日下部は、三輪を愛し、三輪は俺を愛してくれて、俺は桜賀さんを愛してる、桜賀さんは、夕陽を愛してる。だけど、夕陽が日下部を愛していないから変な構図だな…ループは出来ない。日下部が、愛されてないよな」
「それなら、私もそうだよね!京は私を愛してくれて、私は沙羅を愛して、沙羅が神を愛して、神は浮気相手を愛してる。京が愛されてないから、ループは出来ない」
「本当だな」
朝陽の言葉に、考えてしまう。
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