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命と朝陽
愛されなくてもいいの?
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「もしもーし、聞いてる?」
三輪が、俺の足を靴の爪先でトントンしてる。
「あっ、ごめん。ボッーとしてた」
「なに、それ?」
「ごめん」
俺は、コーヒーを飲む。
「あー。初恋とやっちゃったんだ」
三輪は、ニコって笑った。
「だから、なに?関係ないだろ。三輪に」
「お兄さんのかわりになったんだね。朝陽に耐えれるの?」
「耐えれるよ」
三輪は、silverの眼鏡をあげる。
「愛されないのって、空しいよ。自分を少しでも愛してくれてる人と肌を重ねる方がいいよ」
「三輪、日下部の前でよく言えるな」
「瞬(しゅん)は、ちゃんとそれをわかったうえで18年間も俺といるんだよ。すごいよね?素面(しらふ)の時しか名前を呼ばれないのに」
そう言われて、日下部の顔は悲しそうな目をしたのがわかった。
「嫌なら、放(はな)れればいいんだよ。それなら、別の相手を見つけるだけだから…」
頭がよくて、眼鏡をしていても綺麗な顔立ちの三輪はすぐに相手など出来るのがわかる。
「僕は、放(はな)れないから。煌人(あきと)が、いらないって言うまでいるから」
利用されているのに、愛されないのに、誰かにとられたくない日下部はそう言って唇を噛み締めてる。
「だってさ。朝陽は、瞬(しゅん)みたいになれないよね。愛されたくなってるんじゃないの?今だって。愛されなくていいの?それでも、一緒にいれるの?」
三輪は、そう言いながらコーヒーを飲んだ。
「それでもいい。俺は、兄さんに声と目が似てるから…。暗闇だと兄さんに間違えてもらえるから」
「へぇー。続かないと思うよ」
三輪は、眼鏡をあげた。
「それでも、やりたいんだ。だって、兄さんはもう二度と帰ってこないから…」
「やれるだけやってみたら?どれだけ、辛くて悲しいかわかるよ」
三輪は、コーヒーを飲んだ。
そうだよな。
三輪は、あの日から俺のセフレになった。
卒業するまで、ずっと…。
俺は、一度も三輪を愛さなかった。
友達としか思えなかったんだ。
そんな三輪を俺は、利用した。
高校を卒業して終わらしたはずだったのに、二十歳の成人式で再び再会してから…。
5年前まで、俺は三輪を利用した。
付き合った相手がいない期間が出来て、やりたくなったら三輪を呼んだ。
「俺も、三輪に酷い事してたな。ごめん」
「謝らないでよ。謝られると、余計に空しいだけだよ」
三輪は、そう言って目を伏せた。
「五十嵐パイセン、やっと抱き合えるならよかったじゃないですか。楽しむだけですよ」
そう言って、日下部は寂しそうな顔して笑った。
「そうだな。楽しむよ」
日下部は、俺と三輪が会っていたのをどう思っていたのだろうか?
「朝陽、また辛くなったら…。俺が愛してあげるよ」
「5年前に、ちゃんと終わらしただろ?三輪の気持ちを、もう二度と俺は利用しないよ」
その言葉に、三輪は悲しそうな顔をしながら言うんだ。
「嘘でも抱かれてた時の方が、幸せだったって知らないでしょ」
って、言った。
「そんな事ないだろ?空しさが広がってくだろ?」
「空しいって思えるだけ幸せだよ。今はね、ただ辛いだけなんだよ。朝陽と友達ごっこして、気持ち押し殺して、ただ痛いだけ。抱かれてた時は、その痛さの中にも小さな喜びがあったんだよ」
「三輪…。もう、会わない方がいいかな」
「何でそうなるの?会わないのは、もっと辛くて痛いだけだよ。朝陽だって、それわかってるよね?」
「わかってる」
「だったら、そんな言葉で傷つけないでよ」
三輪を泣かせてしまった。
日下部は、ハンカチをとって三輪に渡してる。
「五十嵐パイセン、煌人(あきと)を傷つけないでよ。こうやって、モーニング食べてくれるだけでいいから。だから、会ってあげてよ」
日下部は、三輪の背中を擦ってる。
俺は、酷い人間だ。
三輪をどんどん傷つける。
三輪が、俺の足を靴の爪先でトントンしてる。
「あっ、ごめん。ボッーとしてた」
「なに、それ?」
「ごめん」
俺は、コーヒーを飲む。
「あー。初恋とやっちゃったんだ」
三輪は、ニコって笑った。
「だから、なに?関係ないだろ。三輪に」
「お兄さんのかわりになったんだね。朝陽に耐えれるの?」
「耐えれるよ」
三輪は、silverの眼鏡をあげる。
「愛されないのって、空しいよ。自分を少しでも愛してくれてる人と肌を重ねる方がいいよ」
「三輪、日下部の前でよく言えるな」
「瞬(しゅん)は、ちゃんとそれをわかったうえで18年間も俺といるんだよ。すごいよね?素面(しらふ)の時しか名前を呼ばれないのに」
そう言われて、日下部の顔は悲しそうな目をしたのがわかった。
「嫌なら、放(はな)れればいいんだよ。それなら、別の相手を見つけるだけだから…」
頭がよくて、眼鏡をしていても綺麗な顔立ちの三輪はすぐに相手など出来るのがわかる。
「僕は、放(はな)れないから。煌人(あきと)が、いらないって言うまでいるから」
利用されているのに、愛されないのに、誰かにとられたくない日下部はそう言って唇を噛み締めてる。
「だってさ。朝陽は、瞬(しゅん)みたいになれないよね。愛されたくなってるんじゃないの?今だって。愛されなくていいの?それでも、一緒にいれるの?」
三輪は、そう言いながらコーヒーを飲んだ。
「それでもいい。俺は、兄さんに声と目が似てるから…。暗闇だと兄さんに間違えてもらえるから」
「へぇー。続かないと思うよ」
三輪は、眼鏡をあげた。
「それでも、やりたいんだ。だって、兄さんはもう二度と帰ってこないから…」
「やれるだけやってみたら?どれだけ、辛くて悲しいかわかるよ」
三輪は、コーヒーを飲んだ。
そうだよな。
三輪は、あの日から俺のセフレになった。
卒業するまで、ずっと…。
俺は、一度も三輪を愛さなかった。
友達としか思えなかったんだ。
そんな三輪を俺は、利用した。
高校を卒業して終わらしたはずだったのに、二十歳の成人式で再び再会してから…。
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「俺も、三輪に酷い事してたな。ごめん」
「謝らないでよ。謝られると、余計に空しいだけだよ」
三輪は、そう言って目を伏せた。
「五十嵐パイセン、やっと抱き合えるならよかったじゃないですか。楽しむだけですよ」
そう言って、日下部は寂しそうな顔して笑った。
「そうだな。楽しむよ」
日下部は、俺と三輪が会っていたのをどう思っていたのだろうか?
「朝陽、また辛くなったら…。俺が愛してあげるよ」
「5年前に、ちゃんと終わらしただろ?三輪の気持ちを、もう二度と俺は利用しないよ」
その言葉に、三輪は悲しそうな顔をしながら言うんだ。
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って、言った。
「そんな事ないだろ?空しさが広がってくだろ?」
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「三輪…。もう、会わない方がいいかな」
「何でそうなるの?会わないのは、もっと辛くて痛いだけだよ。朝陽だって、それわかってるよね?」
「わかってる」
「だったら、そんな言葉で傷つけないでよ」
三輪を泣かせてしまった。
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「五十嵐パイセン、煌人(あきと)を傷つけないでよ。こうやって、モーニング食べてくれるだけでいいから。だから、会ってあげてよ」
日下部は、三輪の背中を擦ってる。
俺は、酷い人間だ。
三輪をどんどん傷つける。
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