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新しい未来へ~互いを救ってくれた愛と共に…。~【凛と拓夢の話3】

二年経ってないよ?【凛】

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「二年後って言ってなかった?」

「確かに……。あの時は、そう言ったけどね。結婚式おいでって誘ってくれてね」

「まっつんさん?」

「そう。だから、来たんだ。あっ、でも。凛さんに会えるって下心はなかったよ」

凛君は、やっぱりかっこいい。

「会えてよかった」

「僕も……。後、これ、よかったら使って」

「ありがとう」

凛君は、ハンカチを差し出してくれる。

「凛さんが泣いてるのって、祝福じゃないよね?」

「えっ……?」

「誤解しないでよ。これでも、僕だって凛さんを愛してたんだよ。だから、わかるんだよ。その涙は、喜んでるわけじゃないって……」

私は、凛君をズルい場所に連れて行こうとしたのに……。凛君は、相変わらず真っ直ぐのまま。

「何でもないよ」

「あーー。そういうのやめてよ。僕に気なんか使わなくていいから」

「凛君……。足は、もう大丈夫?」

「話しそらさないでよ」

凛君は、怒った顔で私を見つめてくる。

「ごめんね。本当に大丈夫だから」

「やっぱり、僕には教えてくれないんだね」

「凛君に迷惑かけれないよ」

「迷惑だなんて思わないよ。好きな人の役に立ちたいんだ」

「相変わらず、凛君は真っ直ぐだね」

その真っ直ぐさが羨ましい。

「凛さん。僕ね……あれから蓮見と向き合おうとしてるんだ」

凛君は、私の言葉を気にしないように話した。

「それって付き合うって事?」

「付き合うかどうかはわからないよ。だけど、向き合いたいっては思ったんだ」

「そっか……。それは、いい事だよ」

「蓮見の父親の事は知らないでしょ?」

凛君の言葉に、確かに蓮見君がどうなったか知らないと思った。

「あの人、懲役ついたんだよ。僕と凛さんの旦那さんを刺したからね。殺人未遂ってやつ」

「そうだったんだ……」

背中にゾクゾクと寒気が走るのを感じる。あの日、あの場所で……。
凛君や龍ちゃんを刺した蓮見君の目を思い出してしまった。

「反省してないよ」

「えっ……?」

「あの人に会いに行ったんだよ。蓮見についてきてくれって頼まれて」

「そうだったの」

「あの人は、凛さんの事を嬉しそうに僕に話してたよ。時間がまるで止まってるみたいだった」

凛君のオレンジジュースを持った手が震えているのがわかる。

「私の代わりに怒ってくれたの?」

「凛さんの事を傷つけてたから……。今もずっと。凛さんが侮辱されてると思った。だから、許せなかった」

あの日の蓮見君の言葉やあの日々が浮かんでくる。

「ごめんなさい。こんな日に、あの人の話しなんかして……」

「ううん。大丈夫だよ」

「知りたくなかったでしょ?」

「どうかな……。知れてよかったとは思うよ。だって、暫くは出てこれないわけだから」

「それは、間違いないよ。出てきたら、病院に入院させるって蓮見が言ってたから大丈夫だと思う。精神的におかしい部分があるからって……」

「そっか……」

蓮見君の娘は、強いと思う。

「もう、あの人の話しは終わりにしよう。それで、凛さん。落ち込んでるのは、星村さんと何かあったからだよね?」

「落ち込んでないよ。大丈夫だよ」

凛君は、私の顔を覗き込んでくる。

「嘘でしょ?星村さんに迷惑かかる事?例えば、週刊誌に載るとか……」

私は、凛君の言葉に目を見開いていた。

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