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新しい未来へ~互いを救ってくれた愛と共に…。~【凛と拓夢の話3】

龍ちゃんに聞いてみる【凛】

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「凛ちゃん、そしたら普通にたくむんにも会えるんだよ。世間なんて関係ないんだよ」

理沙ちゃんは、そう言って笑ってる。

「私は、不倫だけど…。理沙ちゃんは、普通に会えるんだよ?仕事じゃなくても…」

「駄目なの。それじゃ駄目なの…。世間は、許してくれない」

「理沙ちゃん……」

まっつんさんとの関係を凄く悩んだのがわかる。

「龍ちゃんに、聞いてはみるよ」

理沙ちゃんの為にどうにかしてあげたかった。

「うん。聞いて」

理沙ちゃんは、そう言ってケーキを食べてる。私は、そんな理沙ちゃんを見つめながら思っていた。世間と言う名の化け物が、理沙ちゃんの心をゴクリと飲み込んだ気がしていた。

「どうしたの?凛ちゃん」

「ううん。何もないよ」

「理沙ね、優太と結婚したかった」

理沙ちゃんは、そう言って紅茶を飲んだ。
私には、簡単に出来るよなんて言えなかった。

「優太のお母さん。理沙が嫌いなんだと思う」

「そんな事ないよ」

それが、精一杯、私が言える言葉だった。

「そうじゃなかったら、優太と理沙の話を週刊誌に売ったり何かしないよ」

「事情があったんじゃない?」

「優太のお母さんの事情は、いつもお金だよ!お金が欲しいから近づいてくるの…。たまにさ、無責任みたいにそんな人捨てたらとか言う人いるじゃない?」

「私も言っちゃうかも知れない」

理沙ちゃんは、私の言葉にクスッと笑った。

「その方がいいかもしれないけど…。優太にとっての母親は、あの人しかいないんだよ。それを捨てれば何て理沙は言えない。だって、優太を命懸けで産んでくれたのは事実でしょ?その後のやってる事は最低だけど…。それでも、お母さんを否定する事は優太を否定する事だから。優太もそれをわかってるから、無下に出来ないんだと思うんだ」

「そうだよね」

理沙ちゃんの言ってる事は、よくわかる。私だって、母親や父親を否定したくはない。例え、どんな親であっても…。二人がいなくちゃ私は、ここに生きていないわけだから…。

「だから、優太はお母さんに今までもお金渡してきてるの。今回も、優太がデビューしたのを誰かが話したんだと思うの。だから、週刊誌に売ったんだと思う」

「その人が言わなかったら、大丈夫だったんだよね…」

「そうだね。相沢さんが色々調べてくれるって優太は言ってたけど…。理沙が別れようって言ったんだ」

「理沙ちゃん、そんなの…」

「何で、凛ちゃんが泣くのよ」

ポロポロ泣いてる私を見つめながら、理沙ちゃんも泣いていた。

「ごめんね」

「いいんだけどねー」

「本当にごめんね。私、まっつんさんも理沙ちゃんも大好きだから…。二人には一緒になって欲しくて」

「凛ちゃん…」

理沙ちゃんも、ポロポロ泣きだした。

「来月、SNOWROSEのPVの撮影依頼が入ってるの」

「えっ?」

「優太に会いたいんだ」

理沙ちゃんの気持ちが痛い程、胸に刺さる。

「だって、こんな風にしかもう会えないから…。それでも、理沙。優太が好きなの」

私は、理沙ちゃんの言葉に泣いていた。

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