571 / 646
エピローグ~月と星の交わる場所へ~【凛と拓夢の話2】
相沢さんだからよかった【拓夢】
しおりを挟む
「嫌な事、やらされたりはしてない?」
凛の言葉に、俺は頷いていた。
「よかった。たまに、やりたくなかったって聞くから…」
凛は、そう言いながらビールを飲んでる。
「相沢さんだからよかったんだ」
「そうなの?」
「うん。相沢さんは、バンドの要望を叶えてくれる人なんだ!曲や歌詞も手直しさせずにそのままにしてくれる。俺達は、俺達らしくいれるんだ」
そう言うと凛は笑った。
「相沢さんって凄い人なんだね。よかったね。拓夢」
「うん。ありがとう」
俺は、凛に笑ってから餃子を食べる。相沢さんじゃなかったら、かなり手直しをされてると同じ事務所にいる別のバンドが怒っていたのを聞いた。売れるものと書きたいものその違いにそのバンドは苦しんでいた。
「売れるって難しいんだよなー」
俺は、頭の中で思っていた言葉が口をついて出た。
「売れるものを作らなくちゃいけないから?」
凛の言葉に、自分が言葉に出していたのに気づいた。
「うん。そうなんだよ。俺達は、相沢さんだからこのままでいけるんだけどさ…。別のバンドは、書きたいものと違うって怒ってた」
「それでも、有名になりたかったら従うしかないんだよね」
凛は、そう言いながら餃子を取っていた。
「有名になる事とそれで飯を食う事は、別物な気がするんだ。俺は…」
「確かにそうかもね」
凛は、そう言って頷いてくれてる。
「有名になりたいなら、会社のいう通りにしなきゃいけないよな!だって、俺達は商品だろ?俺達を売る為に、事務所(あっち)は莫大なお金をかけるんだよ」
「そうだね」
そう言って、凛は頷いてくれてる。
「このCDの売れない時代にCDを作るだけでも凄いお金だよ。それなのに、皆、ワガママだよな…。言ってる事が違うとかやりたくないとかさ。だったら、最初から有名になる事なんか諦めればいいんだよ。ごめん、辛口だったよな」
俺は、凛にそう言ってビールを飲み干して立ち上がって冷蔵庫から新しいビールを持ってきた。
「拓夢が言いたい事わかるよ。有名にするには、お金がかかってるんだよね。それにたくさんの人も関わってる。そのお金を回収出来ないと事務所は赤字だもんね」
凛の言葉に頷いてビールをグラスに注いだ。
「認めたくないけど、俺達商品だから…」
「そうだね」
「人間として扱われてるようで、商品だよな」
俺は、凛のグラスにもビールを注いだ。
「そうなるよね」
凛は、そう言いながら悲しそうな顔をしていた。
「あっ…別にそれが嫌だって、俺は思ってないんだよ。俺が嫌だなって思うのは、それをわかってない人達。デビュー出来たら、全部自分の思い通りになるって思いこんでる人達。デビューってゴールじゃなくて始まりだろ?って思うんだよ」
凛は、俺の言葉に「CDを出したいんだって聞いた事ある」と言った。
凛の言葉に、俺は頷いていた。
「よかった。たまに、やりたくなかったって聞くから…」
凛は、そう言いながらビールを飲んでる。
「相沢さんだからよかったんだ」
「そうなの?」
「うん。相沢さんは、バンドの要望を叶えてくれる人なんだ!曲や歌詞も手直しさせずにそのままにしてくれる。俺達は、俺達らしくいれるんだ」
そう言うと凛は笑った。
「相沢さんって凄い人なんだね。よかったね。拓夢」
「うん。ありがとう」
俺は、凛に笑ってから餃子を食べる。相沢さんじゃなかったら、かなり手直しをされてると同じ事務所にいる別のバンドが怒っていたのを聞いた。売れるものと書きたいものその違いにそのバンドは苦しんでいた。
「売れるって難しいんだよなー」
俺は、頭の中で思っていた言葉が口をついて出た。
「売れるものを作らなくちゃいけないから?」
凛の言葉に、自分が言葉に出していたのに気づいた。
「うん。そうなんだよ。俺達は、相沢さんだからこのままでいけるんだけどさ…。別のバンドは、書きたいものと違うって怒ってた」
「それでも、有名になりたかったら従うしかないんだよね」
凛は、そう言いながら餃子を取っていた。
「有名になる事とそれで飯を食う事は、別物な気がするんだ。俺は…」
「確かにそうかもね」
凛は、そう言って頷いてくれてる。
「有名になりたいなら、会社のいう通りにしなきゃいけないよな!だって、俺達は商品だろ?俺達を売る為に、事務所(あっち)は莫大なお金をかけるんだよ」
「そうだね」
そう言って、凛は頷いてくれてる。
「このCDの売れない時代にCDを作るだけでも凄いお金だよ。それなのに、皆、ワガママだよな…。言ってる事が違うとかやりたくないとかさ。だったら、最初から有名になる事なんか諦めればいいんだよ。ごめん、辛口だったよな」
俺は、凛にそう言ってビールを飲み干して立ち上がって冷蔵庫から新しいビールを持ってきた。
「拓夢が言いたい事わかるよ。有名にするには、お金がかかってるんだよね。それにたくさんの人も関わってる。そのお金を回収出来ないと事務所は赤字だもんね」
凛の言葉に頷いてビールをグラスに注いだ。
「認めたくないけど、俺達商品だから…」
「そうだね」
「人間として扱われてるようで、商品だよな」
俺は、凛のグラスにもビールを注いだ。
「そうなるよね」
凛は、そう言いながら悲しそうな顔をしていた。
「あっ…別にそれが嫌だって、俺は思ってないんだよ。俺が嫌だなって思うのは、それをわかってない人達。デビュー出来たら、全部自分の思い通りになるって思いこんでる人達。デビューってゴールじゃなくて始まりだろ?って思うんだよ」
凛は、俺の言葉に「CDを出したいんだって聞いた事ある」と言った。
0
お気に入りに追加
15
あなたにおすすめの小説
転生先がヒロインに恋する悪役令息のモブ婚約者だったので、推しの為に身を引こうと思います
結城芙由奈
恋愛
【だって、私はただのモブですから】
10歳になったある日のこと。「婚約者」として現れた少年を見て思い出した。彼はヒロインに恋するも報われない悪役令息で、私の推しだった。そして私は名も無いモブ婚約者。ゲームのストーリー通りに進めば、彼と共に私も破滅まっしぐら。それを防ぐにはヒロインと彼が結ばれるしか無い。そこで私はゲームの知識を利用して、彼とヒロインとの仲を取り持つことにした――
※他サイトでも投稿中
【完結】愛とは呼ばせない
野村にれ
恋愛
リール王太子殿下とサリー・ペルガメント侯爵令嬢は六歳の時からの婚約者である。
二人はお互いを励まし、未来に向かっていた。
しかし、王太子殿下は最近ある子爵令嬢に御執心で、サリーを蔑ろにしていた。
サリーは幾度となく、王太子殿下に問うも、答えは得られなかった。
二人は身分差はあるものの、子爵令嬢は男装をしても似合いそうな顔立ちで、長身で美しく、
まるで対の様だと言われるようになっていた。二人を見つめるファンもいるほどである。
サリーは婚約解消なのだろうと受け止め、承知するつもりであった。
しかし、そうはならなかった。
【完結】私、殺されちゃったの? 婚約者に懸想した王女に殺された侯爵令嬢は巻き戻った世界で殺されないように策を練る
金峯蓮華
恋愛
侯爵令嬢のベルティーユは婚約者に懸想した王女に嫌がらせをされたあげく殺された。
ちょっと待ってよ。なんで私が殺されなきゃならないの?
お父様、ジェフリー様、私は死にたくないから婚約を解消してって言ったよね。
ジェフリー様、必ず守るから少し待ってほしいって言ったよね。
少し待っている間に殺されちゃったじゃないの。
どうしてくれるのよ。
ちょっと神様! やり直させなさいよ! 何で私が殺されなきゃならないのよ!
腹立つわ〜。
舞台は独自の世界です。
ご都合主義です。
緩いお話なので気楽にお読みいただけると嬉しいです。
婚約者は聖女を愛している。……と、思っていたが何か違うようです。
棗
恋愛
セラティーナ=プラティーヌには婚約者がいる。灰色の髪と瞳の美しい青年シュヴァルツ=グリージョが。だが、彼が愛しているのは聖女様。幼少期から両想いの二人を引き裂く悪女と社交界では嘲笑われ、両親には魔法の才能があるだけで嫌われ、妹にも馬鹿にされる日々を送る。
そんなセラティーナには前世の記憶がある。そのお陰で悲惨な日々をあまり気にせず暮らしていたが嘗ての夫に会いたくなり、家を、王国を去る決意をするが意外にも近く王国に来るという情報を得る。
前世の夫に一目でも良いから会いたい。会ったら、王国を去ろうとセラティーナが嬉々と準備をしていると今まで聖女に夢中だったシュヴァルツがセラティーナを気にしだした。
愛せないと言われたから、私も愛することをやめました
天宮有
恋愛
「他の人を好きになったから、君のことは愛せない」
そんなことを言われて、私サフィラは婚約者のヴァン王子に愛人を紹介される。
その後はヴァンは、私が様々な悪事を働いているとパーティ会場で言い出す。
捏造した罪によって、ヴァンは私との婚約を破棄しようと目論んでいた。
贄の令嬢はループする
みん
恋愛
エヴェリーナ=ハウンゼントには、第二王子の婚約者が居たが、その第二王子と隣国の第一王女が恋仲になり、婚約破棄されてしまう。その上、黒色の竜の贄にされてしまい、命尽きた──と思ったら、第二王子と婚約を結ぶ前の時に戻っていた。
『正しい路に────』と言う言葉と共に、贄とならないように人生をやり直そうとするが───。
「そろそろ……キレて良いかなぁ?」
ループする人生に、プチッとキレたエヴェリーナは、ループから抜け出せるのか?
❋相変わらずのゆるふわ設定なので、軽い気持ちで読んでいただけると幸いです。
❋独自の設定があります。
❋誤字脱字は気を付けていますが、あると思います。すみません。
❋他視点のお話もあります。
❋更新時間は決めていませんが、基本は1日1話更新です。
❋なろう様にも投稿しています。
さよなら私の愛しい人
ペン子
恋愛
由緒正しき大店の一人娘ミラは、結婚して3年となる夫エドモンに毛嫌いされている。二人は親によって決められた政略結婚だったが、ミラは彼を愛してしまったのだ。邪険に扱われる事に慣れてしまったある日、エドモンの口にした一言によって、崩壊寸前の心はいとも簡単に砕け散った。「お前のような役立たずは、死んでしまえ」そしてミラは、自らの最期に向けて動き出していく。
※5月30日無事完結しました。応援ありがとうございます!
※小説家になろう様にも別名義で掲載してます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる