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エピローグ~月と星の交わる場所へ~【凛と拓夢の話2】

二人で食べるご飯【拓夢】

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「あっ、ご飯炊いてなかった」

「俺は、いらないよ。餃子だし」

凛の言葉に俺は、そう言った。

「だよね。炭水化物だもんね」

「そうだな。太るのは、プロとしてね」

俺の言葉に凛は、「そうだよね」って言いながら頷いていた。

「入れ替わったりしたりする映画あっただろ?」

俺の突然の言葉に凛は不思議そうな顔をしてる。パチパチと蓋を閉めたフライパンが音を立てている。

「入れ替わったり出来るなら、俺、そっちがよかったな」

意味わからない言葉を呟いた俺を凛は見ていた。

「ごめん、ごめん。ちょっと疲れてるわ」

そう言って、俺は笑った。

「結婚したっていい事なんかないよ。私は、拓夢と一緒になっても変わらないよ」

そう言って、凛はフライパンの方を見て蓋を開けた。

「赤ちゃんが欲しいから?」

「そうだね」

凛は、お皿を取って焼けた餃子をお皿にうつしている。

「サラダとかお味噌汁とか…」

「いいよ!餃子とビールで」

俺は、そう言って餃子を持って行く。

「怒ってる?」

凛は、そう言ってお箸とタレを作って持ってきてくれた。

「別に…」

俺は、キッチンに行って冷蔵庫からビールとグラスを取って戻ってきた。本当は、少しだけ怒っていた。嘘でも最後ぐらい。拓夢といたら違ったかもと言われたかったみたいだった。

「食べよう。冷めちゃうから…」

「うん」

俺は、二つのグラスにビールを注いだ。凛に一つ差し出した。

「ありがとう」

「うん」

「違うって言えたらよかったね」

そう言って、凛は乾杯しようと言うようにグラスを差し出してくる。

「拓夢となら、違う未来があるって思えたら幸せだったのにね」

カチンとグラスが重なる音が俺の代わりに返事をしていた。

「でもね、私が望む以上は、違う未来は選べないんだよね。だからって、私の体がかわるわけじゃないから…。私の体は、このままでしょ?だったら、変わらないんだと思うの。拓夢といても、私はまた別の誰かを見つけるよ」

「そんなのわかってるよ。俺と居たら、凛は平田さんを選ぶんだろ?」

俺の言葉に凛は、驚いた顔をする。

「そうだね。そうなのかもね…」

そう言った後、凛は「いただきます」と言って餃子を食べ始めた。

「いただきます」

俺も、そう言って餃子を食べた。

「うまい」

「よかった」

凛との時間が短くてもいいと思っていたのに…。また、こうやって会えると俺は欲しがってしまう。

「拓夢は、今、忙しいんだよね」

「うん」

凛が話を変えてくれた。

「楽しい?仕事」

「楽しくなかったら、絶対投げ出してるよ」

「ハハハ、それだけハードなんだね」

「そうそう」

そう言って、俺は凛に笑って答えていた。

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