513 / 646
エピローグ【凛と拓夢の話】
美沙との関係を…【拓夢】
しおりを挟む
凛に迷惑をかけたくなくて、美沙に付き合うと言ってしまった。昨日、美沙はその言葉を聞いて満足そうに帰っていった。
朝目覚めた時から、憂鬱だった。
ベッドから起きる気力も湧かなくて俺は、天井を見つめていた。
「こうやって、鬱とかになってったりするのかなー」
自分が言った言葉にそんなわけないだろうと突っ込んでいた。
「はぁー」
大きな溜め息をついてから、枕元にあるスマホを手探りで掴んだ。
凛から、連絡なんてあるはずがないのなんてわかってる。
俺は、凛の写真を出して見つめていた。つい数日前には、ここにいて愛し合った仲だった。なのに、もういない。
僅かに残る、凛の香りが漂ってきて俺は泣いていた。
「凛、会いたいよ」
凛の写真を指でなぞりながら泣いている。
無理なの何てわかってる。なのに、何で俺は、期待するんだろうか…。
ブー、ブー、ブー
着信画面を見つめて俺は、電話に出た。
『拓夢、元気か?』
「何とか息はしてる」
『何だそれ』
「ハハハ、ごめん」
まっつんからの電話だった。俺は、元気なフリをする。
『あのさ…』
「何?」
『嫌、何もない』
まっつんは、そう言って何かを誤魔化したようだった。でも、俺はそんな事、気にならなかった。
『拓夢、無理すんなよ』
「美沙と付き合う事になった」
誰かに言わなきゃ無理だった気持ちを俺はまっつんに吐き出していた。
『何だよ、それ!ドッキリか?』
「ドッキリならいいな…」
俺は、小さく呟いていた。
『弱みでも握られてんのか?』
「まーさか」
大袈裟な程、大きな声が出た。
『拓夢、それって凛さんの為か?』
「な、何言ってんの?まっつん、何か変だよ」
俺の言葉にまっつんは、黙り込んだ。
俺は、次の言葉をうまく言えなくて…。
『そう言うの、凛さんは喜ばないと思うよ。拓夢が犠牲になるのは、俺は違うと思うから…』
「犠牲に何かなってないから!凛の為じゃないから…。ほら、あれだよ。美沙の事ずっと引きずってたからさ」
まっつんが小さく溜め息をついたのがわかった。
「まっつん…。また」
俺の言葉に被せるようにまっつんが話す。
『あのさ…。拓夢は、もう美沙ちゃん好きじゃないよな?俺には、わかる。美沙ちゃんの事、何も思ってないって』
「あっ、ごめん。誰か来たみたいだわ!じゃあ、またかけるから」
『おい、拓夢』
プー、プー、プー
俺は、まっつんとの電話を慌てるように切っていた。
これ以上、まっつんと話すのは嫌だった。
「やべー。俺…」
ピンポーン
誰だろうか?
俺は、インターホンをとった。
「はい」
朝目覚めた時から、憂鬱だった。
ベッドから起きる気力も湧かなくて俺は、天井を見つめていた。
「こうやって、鬱とかになってったりするのかなー」
自分が言った言葉にそんなわけないだろうと突っ込んでいた。
「はぁー」
大きな溜め息をついてから、枕元にあるスマホを手探りで掴んだ。
凛から、連絡なんてあるはずがないのなんてわかってる。
俺は、凛の写真を出して見つめていた。つい数日前には、ここにいて愛し合った仲だった。なのに、もういない。
僅かに残る、凛の香りが漂ってきて俺は泣いていた。
「凛、会いたいよ」
凛の写真を指でなぞりながら泣いている。
無理なの何てわかってる。なのに、何で俺は、期待するんだろうか…。
ブー、ブー、ブー
着信画面を見つめて俺は、電話に出た。
『拓夢、元気か?』
「何とか息はしてる」
『何だそれ』
「ハハハ、ごめん」
まっつんからの電話だった。俺は、元気なフリをする。
『あのさ…』
「何?」
『嫌、何もない』
まっつんは、そう言って何かを誤魔化したようだった。でも、俺はそんな事、気にならなかった。
『拓夢、無理すんなよ』
「美沙と付き合う事になった」
誰かに言わなきゃ無理だった気持ちを俺はまっつんに吐き出していた。
『何だよ、それ!ドッキリか?』
「ドッキリならいいな…」
俺は、小さく呟いていた。
『弱みでも握られてんのか?』
「まーさか」
大袈裟な程、大きな声が出た。
『拓夢、それって凛さんの為か?』
「な、何言ってんの?まっつん、何か変だよ」
俺の言葉にまっつんは、黙り込んだ。
俺は、次の言葉をうまく言えなくて…。
『そう言うの、凛さんは喜ばないと思うよ。拓夢が犠牲になるのは、俺は違うと思うから…』
「犠牲に何かなってないから!凛の為じゃないから…。ほら、あれだよ。美沙の事ずっと引きずってたからさ」
まっつんが小さく溜め息をついたのがわかった。
「まっつん…。また」
俺の言葉に被せるようにまっつんが話す。
『あのさ…。拓夢は、もう美沙ちゃん好きじゃないよな?俺には、わかる。美沙ちゃんの事、何も思ってないって』
「あっ、ごめん。誰か来たみたいだわ!じゃあ、またかけるから」
『おい、拓夢』
プー、プー、プー
俺は、まっつんとの電話を慌てるように切っていた。
これ以上、まっつんと話すのは嫌だった。
「やべー。俺…」
ピンポーン
誰だろうか?
俺は、インターホンをとった。
「はい」
0
お気に入りに追加
15
あなたにおすすめの小説
寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい
白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。
私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。
「あの人、私が
先生、生徒に手を出した上にそんな淫らな姿を晒すなんて失格ですよ
ヘロディア
恋愛
早朝の教室に、艶やかな喘ぎ声がかすかに響く。
それは男子学生である主人公、光と若手美人女性教師のあってはならない関係が起こすものだった。
しかしある日、主人公の数少ない友達である一野はその真実に気づくことになる…
夫の不貞現場を目撃してしまいました
秋月乃衣
恋愛
伯爵夫人ミレーユは、夫との間に子供が授からないまま、閨を共にしなくなって一年。
何故か夫から閨を拒否されてしまっているが、理由が分からない。
そんな時に夜会中の庭園で、夫と未亡人のマデリーンが、情事に耽っている場面を目撃してしまう。
なろう様でも掲載しております。
懐妊を告げずに家を出ます。最愛のあなた、どうかお幸せに。
梅雨の人
恋愛
最愛の夫、ブラッド。
あなたと共に、人生が終わるその時まで互いに慈しみ、愛情に溢れる時を過ごしていけると信じていた。
その時までは。
どうか、幸せになってね。
愛しい人。
さようなら。
50歳前の離婚
家紋武範
恋愛
子なしの夫婦。夫は妻から離婚を切り出された。
子供が出来なかったのは妻に原因があった。彼女はそれを悔いていた。夫の遺伝子を残したいと常に思っていたのだ。
だから別れる。自分以外と結婚して欲しいと願って。
【完結】いてもいなくてもいい妻のようですので 妻の座を返上いたします!
ユユ
恋愛
夫とは卒業と同時に婚姻、
1年以内に妊娠そして出産。
跡継ぎを産んで女主人以上の
役割を果たしていたし、
円満だと思っていた。
夫の本音を聞くまでは。
そして息子が他人に思えた。
いてもいなくてもいい存在?萎んだ花?
分かりました。どうぞ若い妻をお迎えください。
* 作り話です
* 完結保証付き
* 暇つぶしにどうぞ
【完結】愛に裏切られた私と、愛を諦めなかった元夫
紫崎 藍華
恋愛
政略結婚だったにも関わらず、スティーヴンはイルマに浮気し、妻のミシェルを捨てた。
スティーヴンは政略結婚の重要性を理解できていなかった。
そのような男の愛が許されるはずないのだが、彼は愛を貫いた。
捨てられたミシェルも貴族という立場に翻弄されつつも、一つの答えを見出した。
初夜に「俺がお前を抱く事は無い!」と叫んだら長年の婚約者だった新妻に「気持ち悪い」と言われた上に父にも予想外の事を言われた男とその浮気女の話
ラララキヲ
恋愛
長年の婚約者を欺いて平民女と浮気していた侯爵家長男。3年後の白い結婚での離婚を浮気女に約束して、新妻の寝室へと向かう。
初夜に「俺がお前を抱く事は無い!」と愛する夫から宣言された無様な女を嘲笑う為だけに。
しかし寝室に居た妻は……
希望通りの白い結婚と愛人との未来輝く生活の筈が……全てを周りに知られていた上に自分の父親である侯爵家当主から言われた言葉は──
一人の女性を蹴落として掴んだ彼らの未来は……──
<【ざまぁ編】【イリーナ編】【コザック第二の人生編(ザマァ有)】となりました>
◇テンプレ浮気クソ男女。
◇軽い触れ合い表現があるのでR15に
◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。
◇ご都合展開。矛盾は察して下さい…
◇なろうにも上げてます。
※HOTランキング入り(1位)!?[恋愛::3位]ありがとうございます!恐縮です!期待に添えればよいのですがッ!!(;><)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる