なろう110000PV☆不純異性行為～月と星が交わる場所へ～あの時の二人を救ってくれたのは紛れもなくこの愛でした～【皆月凛、星村拓夢編】

エピローグ【凛と拓夢の話】

どう言った話ですか？【凛】

「あの…それは」

私の言葉に、相沢さんは重たい口を開いた。

「星村君とのお付き合いしていた時のお話を聞きたいんです」

私は、驚いた顔をしてから「どう言った話ですか？」と聞いた。

まさか、全てを話さなければいけないのかと思っていた。相沢さんは、助手席にある鞄からタブレットを取り出した。

「これなんです」

そう言われて、私はそれを見つめる。

「週刊誌の記事ですか？」

「はい」

そこには、龍ちゃんが拓夢に怒っている事や私と拓夢が暮らしているなどという内容が書かれていた。

「これは、主人に取材したのですか？」

「そう書かれています」

私は、驚いた顔を相沢さんに向けながら写真を指差した。

「これって、星村さんの家から出てくる私と彼ですよね」

「そうですね！SNOWROSEでの撮影をする前で、まだ星村君が一般人だった時の写真だと思います。こちらの写真も…」

そう言って、次のページにスライドさせると蓮見君があの日見せた写真がうつっていた。

「これ…」

「知っているんですか？」

私の反応に相沢さんは、そう言った。

「知り合いが見せてきた写真に似ています」

私の言葉に相沢さんは、「そうですか」と小さな声で呟いた。

「あの、これっていつ出るんですか？」

「これは、12月23日です」

私は、その言葉に目を見開いて相沢さんを見つめた。

「デビューの二日前ですか？」

「はい」

拓夢のSNOWROSEの夢が消えてしまう。また、あの日のように絶望してしまう。私は、もう隣にいないのに…。

「どうぞ」

相沢さんから、ポケットティッシュを差し出されて、私は初めて自分が泣いているのに気づいた。

「ありがとうございます」

「いえいえ」

私は、ティッシュを一枚取り出して涙を拭った。

「私と主人の話を聞いたら、星村さんは…。ううん。SNOWROSEは、12月25日にデビュー出来ますか？」

私の言葉に相沢さんは、にっこり微笑んだ。

「それを握ってるのが、智天使(ケルビム)のボーカルなんです」

「それなら、話します」

「彼は、皆月さんのご主人のお話を特に聞きたがっているんです。お会い出来る事が、可能な日はありますか？」

「えっと、今は…」

相沢さんは、私に名刺を差し出してくる。

「ご主人に聞いてから、連絡いただけますか？」

「はい」

「スケジュールの都合をつけてお話を伺いにきます」

「わかりました」

私は、そう言って相沢さんに笑った。

「掲示板も消しては立ち上がりを繰り返して、いたちごっこ何です。星村君の不倫話から、松田君の未成年との恋まで…。何度も何度も浮上するんです」

「はい」

「それを決定づけるのが、この記事でした」

相沢さんは、そう言ってため息を吐きながら首を横に振っていた。