553 / 646
エピローグ【凛と拓夢の話】
龍ちゃん……。【凛】
しおりを挟む
そんな日々を過ごす中で、突然拓夢から連絡がやってきた。
拓夢との電話が切れた。無理に決まってる。拓夢は、せっかくデビューが出来た。あんなに、世間に咎められたの…。
ガチャ……。
「おかえりなさい」
自分で何とかしなきゃ駄目なんだから…。いつまでも、塞ぎこんでるから理沙ちゃんがきっと心配して拓夢に伝えたのかも知れない。
「ただいま」
キッチンに向かおうとした私の腕を龍ちゃんが掴んだ。
「何?」
「行っておいで」
「何の話?」
「電話聞こえてたんだ。星村さんと話したんだろ?」
「龍ちゃん」
「行っておいで」
私は、龍ちゃんの手を離した。
「無理に決まってるでしょ」
「それは、俺を気にして言ってる?」
「違う、違う。そんなんじゃない」
龍ちゃんは、私を抱き締めてくる。
「俺じゃ拭えないんだろ?その痛みや悲しみを俺は拭えないんだろ?」
「大丈夫だから、龍ちゃん。私、行かないから」
「会ってくれって、俺が星村さんに手紙を書いたんだ」
その言葉に私は固まった。
「龍……ちゃんが…?どうして?」
「あの日の蓮見との事とか、美沙さんとの教えてくれなかった事とか、それ全部。俺が星村さんに言った。凛が殺して欲しいって言ってからどうするか考えて…。それが一番凛の為になるって俺思ったから」
龍ちゃんの言葉に私は、泣きながら話す。
「何で?もう何も言わないって、無理に俺の傍にいなくていいよって…。そう言ってたから、手紙出したって事?龍ちゃんは、私をいらないって…」
龍ちゃんは、「違うよ」と大きな声で言った。
「違うよ。凛がいなくならないって、俺わかってたから手紙を書いたんだよ。絶対に戻ってくるって思ってたから書けたんだよ。だって俺は、今でも凛の苦しみを拭ってやれないから…」
「龍ちゃん…私行かない」
その言葉に龍ちゃんは、優しい言葉で話す。
「あの日みたいに、凛には笑っていて欲しいんだ!何もかも吹っ切れたみたいな顔して帰ってきてくれたあの日みたいに…」
龍ちゃんは、そう言ってから私の顔を覗き込んだ。
「星村さんに抱かれて忘れられるなら、それでいいと思った。キスしたって、抱き締められたっていいから…」
「龍ちゃん、何言ってるの?」
龍ちゃんは、私の手を握りしめる。
「俺ね、星村さんには感謝しかしてないんだよ!凛、また殺して欲しくなるだろ?」
龍ちゃんは、私の危うさをちゃんとわかっていた。
「ならないよ…龍ちゃん」
龍ちゃんは、私の涙を拭って笑う。
「行っておいで!凛」
「駄目、駄目だから…」
龍ちゃんは、私に優しく笑ってくれる。
「これから、もっと忙しくなったら星村さんにはもう会えなくなるんだよ!だから、行ってきな」
「龍ちゃんをもう裏切らないって決めたの」
龍ちゃんは、私の頭を優しく撫でる。
「大丈夫だから…。これは、裏切りじゃないから俺が望んだ事だから」
私は、龍ちゃんの言葉に拓夢に会いに行くのを決める事しか出来なかった。
拓夢との電話が切れた。無理に決まってる。拓夢は、せっかくデビューが出来た。あんなに、世間に咎められたの…。
ガチャ……。
「おかえりなさい」
自分で何とかしなきゃ駄目なんだから…。いつまでも、塞ぎこんでるから理沙ちゃんがきっと心配して拓夢に伝えたのかも知れない。
「ただいま」
キッチンに向かおうとした私の腕を龍ちゃんが掴んだ。
「何?」
「行っておいで」
「何の話?」
「電話聞こえてたんだ。星村さんと話したんだろ?」
「龍ちゃん」
「行っておいで」
私は、龍ちゃんの手を離した。
「無理に決まってるでしょ」
「それは、俺を気にして言ってる?」
「違う、違う。そんなんじゃない」
龍ちゃんは、私を抱き締めてくる。
「俺じゃ拭えないんだろ?その痛みや悲しみを俺は拭えないんだろ?」
「大丈夫だから、龍ちゃん。私、行かないから」
「会ってくれって、俺が星村さんに手紙を書いたんだ」
その言葉に私は固まった。
「龍……ちゃんが…?どうして?」
「あの日の蓮見との事とか、美沙さんとの教えてくれなかった事とか、それ全部。俺が星村さんに言った。凛が殺して欲しいって言ってからどうするか考えて…。それが一番凛の為になるって俺思ったから」
龍ちゃんの言葉に私は、泣きながら話す。
「何で?もう何も言わないって、無理に俺の傍にいなくていいよって…。そう言ってたから、手紙出したって事?龍ちゃんは、私をいらないって…」
龍ちゃんは、「違うよ」と大きな声で言った。
「違うよ。凛がいなくならないって、俺わかってたから手紙を書いたんだよ。絶対に戻ってくるって思ってたから書けたんだよ。だって俺は、今でも凛の苦しみを拭ってやれないから…」
「龍ちゃん…私行かない」
その言葉に龍ちゃんは、優しい言葉で話す。
「あの日みたいに、凛には笑っていて欲しいんだ!何もかも吹っ切れたみたいな顔して帰ってきてくれたあの日みたいに…」
龍ちゃんは、そう言ってから私の顔を覗き込んだ。
「星村さんに抱かれて忘れられるなら、それでいいと思った。キスしたって、抱き締められたっていいから…」
「龍ちゃん、何言ってるの?」
龍ちゃんは、私の手を握りしめる。
「俺ね、星村さんには感謝しかしてないんだよ!凛、また殺して欲しくなるだろ?」
龍ちゃんは、私の危うさをちゃんとわかっていた。
「ならないよ…龍ちゃん」
龍ちゃんは、私の涙を拭って笑う。
「行っておいで!凛」
「駄目、駄目だから…」
龍ちゃんは、私に優しく笑ってくれる。
「これから、もっと忙しくなったら星村さんにはもう会えなくなるんだよ!だから、行ってきな」
「龍ちゃんをもう裏切らないって決めたの」
龍ちゃんは、私の頭を優しく撫でる。
「大丈夫だから…。これは、裏切りじゃないから俺が望んだ事だから」
私は、龍ちゃんの言葉に拓夢に会いに行くのを決める事しか出来なかった。
0
お気に入りに追加
15
あなたにおすすめの小説
寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい
白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。
私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。
「あの人、私が
先生、生徒に手を出した上にそんな淫らな姿を晒すなんて失格ですよ
ヘロディア
恋愛
早朝の教室に、艶やかな喘ぎ声がかすかに響く。
それは男子学生である主人公、光と若手美人女性教師のあってはならない関係が起こすものだった。
しかしある日、主人公の数少ない友達である一野はその真実に気づくことになる…
夫の不貞現場を目撃してしまいました
秋月乃衣
恋愛
伯爵夫人ミレーユは、夫との間に子供が授からないまま、閨を共にしなくなって一年。
何故か夫から閨を拒否されてしまっているが、理由が分からない。
そんな時に夜会中の庭園で、夫と未亡人のマデリーンが、情事に耽っている場面を目撃してしまう。
なろう様でも掲載しております。
懐妊を告げずに家を出ます。最愛のあなた、どうかお幸せに。
梅雨の人
恋愛
最愛の夫、ブラッド。
あなたと共に、人生が終わるその時まで互いに慈しみ、愛情に溢れる時を過ごしていけると信じていた。
その時までは。
どうか、幸せになってね。
愛しい人。
さようなら。
50歳前の離婚
家紋武範
恋愛
子なしの夫婦。夫は妻から離婚を切り出された。
子供が出来なかったのは妻に原因があった。彼女はそれを悔いていた。夫の遺伝子を残したいと常に思っていたのだ。
だから別れる。自分以外と結婚して欲しいと願って。
【完結】いてもいなくてもいい妻のようですので 妻の座を返上いたします!
ユユ
恋愛
夫とは卒業と同時に婚姻、
1年以内に妊娠そして出産。
跡継ぎを産んで女主人以上の
役割を果たしていたし、
円満だと思っていた。
夫の本音を聞くまでは。
そして息子が他人に思えた。
いてもいなくてもいい存在?萎んだ花?
分かりました。どうぞ若い妻をお迎えください。
* 作り話です
* 完結保証付き
* 暇つぶしにどうぞ
初夜に「俺がお前を抱く事は無い!」と叫んだら長年の婚約者だった新妻に「気持ち悪い」と言われた上に父にも予想外の事を言われた男とその浮気女の話
ラララキヲ
恋愛
長年の婚約者を欺いて平民女と浮気していた侯爵家長男。3年後の白い結婚での離婚を浮気女に約束して、新妻の寝室へと向かう。
初夜に「俺がお前を抱く事は無い!」と愛する夫から宣言された無様な女を嘲笑う為だけに。
しかし寝室に居た妻は……
希望通りの白い結婚と愛人との未来輝く生活の筈が……全てを周りに知られていた上に自分の父親である侯爵家当主から言われた言葉は──
一人の女性を蹴落として掴んだ彼らの未来は……──
<【ざまぁ編】【イリーナ編】【コザック第二の人生編(ザマァ有)】となりました>
◇テンプレ浮気クソ男女。
◇軽い触れ合い表現があるのでR15に
◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。
◇ご都合展開。矛盾は察して下さい…
◇なろうにも上げてます。
※HOTランキング入り(1位)!?[恋愛::3位]ありがとうございます!恐縮です!期待に添えればよいのですがッ!!(;><)
一宿一飯の恩義で竜伯爵様に抱かれたら、なぜか監禁されちゃいました!
当麻月菜
恋愛
宮坂 朱音(みやさか あかね)は、電車に跳ねられる寸前に異世界転移した。そして異世界人を保護する役目を担う竜伯爵の元でお世話になることになった。
しかしある日の晩、竜伯爵当主であり、朱音の保護者であり、ひそかに恋心を抱いているデュアロスが瀕死の状態で屋敷に戻ってきた。
彼は強い媚薬を盛られて苦しんでいたのだ。
このまま一晩ナニをしなければ、死んでしまうと知って、朱音は一宿一飯の恩義と、淡い恋心からデュアロスにその身を捧げた。
しかしそこから、なぜだかわからないけれど監禁生活が始まってしまい……。
好きだからこそ身を捧げた異世界女性と、強い覚悟を持って異世界女性を抱いた男が異世界婚をするまでの、しょーもないアレコレですれ違う二人の恋のおはなし。
※いつもコメントありがとうございます!現在、返信が遅れて申し訳ありません(o*。_。)oペコッ 甘口も辛口もどれもありがたく読ませていただいてます(*´ω`*)
※他のサイトにも重複投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる