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エピローグ【凛の話3】

駅前のカフェ

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駅前のカフェについた。

「ここ」

「素敵なカフェだね」

「だろ?大きなチェーン店ではないみたいなんだけど…。都会(あっち)にも店舗あるみたいで」

「離れてても、同じ味が食べれるって事?」

「そうなるね」

【アンジェロ】と書かれた看板がついている。

「天使って意味らしいよ!ここの食パンが天使のように真っ白だからだって」

「真っ白なの?」

「そう!ミミまで真っ白らしい」

そう言って、拓夢は私にスマホを見せてくれる。

「本当!真っ白だね」

「だろ?この食パンのついてるモーニングがめちゃくちゃ上手いんだって」

「食べた事ないの?」

「モーニングは、ないんだよ!パンは、買った事あるんだけど」

そう言って、拓夢はお店の扉を開いた。

「いらっしゃいませ」

私と拓夢は、店員さんに席に案内される。

「ご注文は、お決まりでしょうか?」

「同じのでいい?」

「うん」

「えっと、モーニング二つで」

「お飲み物は、どうなさいますか?」

「アイスコーヒー」

「私は、アイスミルクティーで」

「かしこまりました。ご注文、確認させていただきます。モーニングセットかお二つ、お飲み物がアイスコーヒーとアイスミルクティーでよろしいですか?」

「はい」

「少々お待ち下さい」

店員さんは、そう言ってお辞儀をしていなくなった。

「凛」

「何?」

「俺と会えなくなって辛くなったり悲しくなったら、ここに来てみてよ!俺も、辛くなったり悲しくなったら向こうのお店に行くから」

「わかった」

拓夢は、そう言って笑ってくれる。この先、拓夢に会わなくなったら…。

ここに来るのかな…私。

「凛……連絡してくれていいから」

「わかった」

「俺も、連絡するから!ちゃんと…」

「うん」

芸能人になる拓夢…。簡単に連絡なんか出来なくなるよね。

「今日は、そんなの忘れて楽しもう」

私の悲しみに気づいたのか、拓夢はそう言って笑った。

「うん」

今日が、こんな風に過ごせる最後なんだ。それなら、楽しまなくちゃ!気持ちを切り替えて、笑った。

「お待たせしました」

店員さんが、モーニングを持ってきた。

「アイスコーヒーの方?」

「はい」

「どうぞ」

そう言って、店員さんは拓夢に渡している。

「ごゆっくりどうぞ」

店員さんは、お辞儀をしていなくなった。

「本当に、真っ白だね」

「だろ!」

私は、お皿の上にあるパンを見つめながら言った。

「天使って、このパンの事なんだねー」

「このパンは、偶然出来たらしい。それから、試行錯誤をして常に作れるようにしたんだって!何かの雑誌に載ってた」

そう言いながら、拓夢は私を見つめる。

「凄いね」

「うん。凄いよな」

私は、拓夢とパンを交互に見つめながら、そう言った。

「食べようか」

「うん」

『いただきます』

私と拓夢は、そう言って食べ始める。
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