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凛の話7

さっきの想像…

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味噌を選びにやってきた。私は、お米入りのお味噌が大好きだから!玄米味噌を選択した。さっき、拓夢との結婚生活を想像したのを思い出していた。

【何でよ!何で、こんな思いしなきゃならないのよ!私が、無能だって言いたいんでしょ?】

【じゃあ、やめようよ】

【やめたら、出来ないって言われたじゃない!だったら、ちゃんとしなきゃ…。だけど、お医者さんに言われてもいいけど…。そっちに言われたくない。何で、私を無能みたいに言うのよ!何でよ】

よりにもよって、想像した結婚生活は、化学流産と言われた後の出来事だった。お互いに罵倒し合ったあの日々…。拓夢と結婚したらって思って、何故そこ?

「危な、セーフ」

私は、その声に隣を見つめた。

「味噌落としそうになった」

スーパーにいるのに、拓夢の腕にしがみついた。

「どうした?」

足に、買い物カゴがあたる。

「泣いてる?」

ポタポタと頬を濡らす涙を感じていた。結婚生活は、地獄の入り口。本当にそう思った。

「泣いてない」

「どうした?」

「泣いてるのわかってる」

暫くして、子連れの声が響く。

「ママー、こっち」

「はい、はい」

拓夢は、私をその人達から見えないように隠すように立ってくれる。

「拓夢」

「買ったら、帰ろうか!スーパーは、凛にとっていい場所(とこ)じゃないね」

そう言って、手を繋いでくれる。ごめんね、違うの。拓夢と結婚したらって思ったら、消えたくなるぐらいダークな日々を思い出しただけだよ。

「お肉取りに行く」

「そうだな!行こうか」

頭を撫でてくれる。長い指先…。ずっと、大切にして欲しい。私、拓夢がどんどん大切になってきてるよ。

「合挽き?贅沢に牛100%とかでもいいよ!逆に豚肉だけでたもいいかなー。いやー、餃子感でるか!餃子でもいいかな
ー!いやー、それは今度つくって貰おうかなー」

拓夢は、私を泣かせない為に饒舌に話す。

「駄目かな?」

「いいよ」

「やったー!」

拓夢の優しさが嬉しくて、胸の中に暖かさが広がっていく。

「何g食べる?ハンバーグ食ったーって感じがいいかなー」

「ご飯は、ある?」

「米ぐらいは、炊けるからあるよ!」

「それなら、明日の分も作っとく」

「ありがとう!」

私は、500gの合挽きミンチをカゴにいれる。拓夢には、この先の人生。私みたいな苦しくて悲しい思いをして欲しくない。だから、絶対。こんな関係、終わらせなくちゃいけない。

「凛、何も考えなくて馬鹿なままでいいんじゃない?」

「えっ?」

「難しく考えなくて!今は、寄り道してさ!あの時は、馬鹿だったって思うぐらいの生き方しようよ!」

拓夢に、考えを気づかれているみたいだった。

「じゃあ、帰ろうか」

二人で、レジに並ぶ。時刻は、19時半を回ってる。凛君から、連絡いつくるかな?
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