みんなの愛らぶyou(仮)

幸せになれよ［るかの視点］

「二人とも幸せになれよ。」

俺は、煙草を押し付けて立ち上がった。

「ありがとう」

「ああ、先にもどる」

俺は、二人をおいて中に戻った。

「詩音さん、ありがとう」

「うん」

詩音さんに、小皿を渡した。

「星(ひかる)」

「なに？るか」

「俺、星(ひかる)の為に月(るい)を戻してやるからな」

「どうしたの？急に」

「幸せになって欲しくなった。星(ひかる)に」

そう言って、俺は星(ひかる)の髪を撫でる。

「栞、俺、暫くこもるから」

「仕事は、気にしないで。麻美がいるから」

「次に会うときは、俺じゃないかもな。約束頼んだぞ」

「わかってる」

「伝えて欲しい事、メッセージに送るからよろしく」

「わかった」

栞は、そう言って頷いた。

「華君、誰かを好きになる事諦めるなよ」

「ありがとう」

「華君を好きになってくれる人ちゃんと見つかるから」

「ありがとう」

そう言って華君の肩を叩いた。

「詩音さん、椚さん、素敵な店が出来るのを祈ってる」

「いなくなるみたいに言うなよ」

「いなくなると思う。向き合えば、俺はいなくなる」

「寂しいですね」

「月(るい)の方がいいやつだよ。」

そう言って、笑った。

「星(ひかる)、帰るぞ」

「はい」

俺は、みんなにお辞儀をして手を振った。

外に出たら、安西と晴海君がもどる所だった。

「安西、幸せになれよ。晴海君、安西を頼んだ。」

「るか君、決意したのか？」

「ああ、星(ひかる)の王子様を呼び戻す時間だ。」

「ありがとう、色々」

「気にすんなよ。安西、晴海君、亡くなった人に縛られずに生きろよ。じゃあな」

そう言って、二人に手を振った。

手を繋いで、星(ひかる)と歩く。

「電車で行くか？」

「うん」

電車に乗って、月城病院に向かった。

ついてから、受付と話していたら

「るか、来たんだな」

宇宙(そら)君に声をかけられた。

「ああ」

俺は、爺さんと婆さんの所に向かった。

12歳じゃなくて、月(るい)を戻してやるから…必ず会わせてやるから

二人を見つめながら、そう心の中で呟いた。

病室を出る、歩きながら宇宙(そら)君に話す。

「宇宙(そら)君、次に会う時は月(るい)だと思う。俺は、宇宙(そら)君が、大好きだったよ」

「ありがとう」

「ちゃんと月(るい)の誤解を解くから…。もし、月(るい)がおかしくなったらよろしくね」

「わかった」

流星が、やってきた。

「ちょうどよかった。これからは、兄貴として月(るい)を支えてあげて欲しい」

「わかってる」

「月(るい)が、おかしくなったら支えてあげて欲しい。兄貴としてじゃなくても、月(るい)を支えてよ」

「わかった」

流星は、笑った。

「じゃあね、二人共、元気で幸せでな」

俺は、二人に手を振って歩きだした。

「本当に、るかはいなくなるの？」

俺は、星(ひかる)の手を強く握りしめる。

「手紙書いておくから、目覚めたら渡してよ。俺じゃなかったら」

「寂しいよ。あの、月(るい)は嫌だよ。」

「大丈夫、頑張って星(ひかる)が知ってる月(るい)を連れてきてやるから」

「怖いよ」

俺は、星(ひかる)の手を握りしめた。

「大丈夫。星(ひかる)と月(るい)には、支えてくれる人がいるから」

「どれくらいで、もどるの？」

「わからない。だけど、今から帰ってからはとりあえず籠るつもりだから…。」

最寄の駅で降りた。

「スケッチブック買って帰る？」

「うん、手紙とスケッチブックはいるな。」

星(ひかる)と買い物をして家に帰った。

大量の水や、おにぎりを部屋に置く。

安西からもらったスケッチブックと色鉛筆も置いた。

さっき買ったスケッチブックも部屋に置いた。

「先に手紙を書いてから、籠るよ」

「うん、わかった。」

そう言って、星(ひかる)はキッチンに行った。

俺は、月(るい)への手紙を書いた。

栞にメッセージを送った。

「コーヒー飲んでから、籠ってよ」

星(ひかる)は、コーヒーを持ってきて泣きそうな顔をしてる。

「キスしようか？」

「うん」

俺は、星(ひかる)にキスをした。

「泣くなよ」

涙を拭ってあげる。

怖いのは、俺も同じだ。

でも、安西と晴海君を見ていたらこのままじゃいけないんだよ。

星(ひかる)は、俺とじゃ幸せになれない。

わかっているから、月(るい)を呼び戻してあげたい。

また、俺は星(ひかる)にキスをする。