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職場変更に異議あり 4

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 見てるとわかるが、クロードは優秀だ。ただのボンボンとか家名で大使になったというのは彼の嘘か冗談なんだろう。謙遜するタイプには見えないし。
 クロードの部屋には俺とビアンカしかいないが、となりの部屋には何人もの文官達が働いている。ひっきりなしに訪れる人の顔を覚えるのが俺の仕事だ。
 大体三種類の人間だ。
 一、俺を上から下まで見て、鼻で笑うタイプ。
 二、俺を見ないでそのままクロードにツッコんでいこうとするタイプ。
 三、俺とおしゃべりしていこうとするタイプ。

「へぇ、財務から外務なんて畑違いもいいところだ。大変でしょ。今度一緒に飲みにいこう」
「今はまだ覚えないといけないことばかりですから……また機会があれば」
 
 そう答えているが、いつになったら行けるかわからない。

「仕事なんてやってるうちに覚えるよ」
「ケイ、書類を持ってきたならさっさと出せ」

 クロードに怒られて慌てて種類を置いていく。
 クロードが裁可したものをビアンカが俺に見せながら説明してくれる。この書類は隣国からきている商人からの嘆願書だった。隣国の大使の使者から預かったものをここの官吏が付加書類をつけて持ってきているのだそうだ。

「商人の泊まり先で貴族が大暴れして商品を壊した……って、そんなことまで」
「商人達にとっては、隣国大使が唯一すがれる相手だから。しかも貴族が相手じゃ隣国大使が勝手にどうこうするわけにいかないでしょ」
「そうですね。面倒なことになりますね」
「本当に面倒なことが多いわよ」
「調べてもらった後、貴族から金をぶんどって謝罪を込めた接待もしてうやむやにしてもらうわけだ」
「面倒ですね」
「そうよ。外務はそういう面倒なことが多くて……」
「ニコッと笑えばいいだけだから誰でもなれる――」
「「そんなのはあなただけです」」

 知らないくせに思わずツッコんだらビアンカと被ってしまった。

「仲がいいね」

 ニッコリ笑う顔は確かに金をいくら詰んでもいいと思える顔だ。

「「ありがとうございます」」

 はぁとクロードがため息を吐いた。

「今日は三人で歓迎会をしようか」
「部署全体ではなく?」
「ではなく、三人だ」
「私もいてもよろしいのですか?」
「いてください!」

 ビアンカだけが命綱だ。二人だと何をされるかわかったもんじゃない。

「絶対お邪魔虫よね」

 眉間に皺をよせ、ビアンカはそれでも了承してくれた。安心だ。彼女さえいれば……。

「あっ! あん!」

 甘い声だった。蕩けるような、下半身がズキンとくるようなそんな声。それが何故か俺の口から出てる? え、俺、こんな声だったっけ?

「腰が下がってるよ。もっと気持ちいいの奥でしょ?」
「ひっ! やっ! 奥はやだぁ――ああぁ!」

 嫌といっても進んでくるソレが、クロードのペニスだということに気づく。
 絡み合った手しか見えないけど、この体温を知っている。

「クッ! アンリ……」

 その手に噛みついてやった。突然の反撃に驚くどころかクロードは俺の奥にドクドクと精液を撒き散らかして……。

「んぅ――、ああっ!」

 その刺激と、反撃というには甘く耳を噛まれて俺も達った。

「アンリ?」
「どうして……」

 どうして、こんなことに! 二回目!

「アンリが誘ってくれて嬉しかったよ。嬉しくて思わず抜かずの三発なんてやっちゃった」

 嬉しそうな声に、ウッと声が詰まる。覚えてない。不覚にもビアンカとクロードと酒場にいって乾杯したあたりから記憶がない。

「ヒッ!」

 抜かれて、あふれ出たもののせいでゾクッとした。

「さすがにあんなに沢山飲み込んだら、お腹こわしちゃいそうだから……」

 抜いた後、寝台に転がった俺をひっくり返して、クロードは両脚を開いて持ち上げた。

「何っ」
「掻きだしてあげる――」
「やっ! 待って。それ……」

 ズグッと音を立てて、クロードの復活したペニスが内壁をなぞりながら奥へと進んだ。

「奥に飲み込んじゃ駄目だ――」
「あっ! そんな抜き差ししたら――」
 
 グチュパシャッと音をたてて中からあふれ出す。

「お腹に力入れて――」
「馬鹿! あ……っ」

 お腹をグイッと押されると中のペニスを否応なしに感じさせられる。ゾクゾクして、出すどころじゃない。

「ここ、大好きだよね」

 カリの部分でゴリゴリと押されて目の前が点滅した。

「ああっ! あああぁぁん!」

 俺は中だけで達ってしまい、どこもかしこも震えが止まらなかった。

「もって行かれるかと思ったよ、アンリ」

 汗をしたたらせて微笑むクロードはいつもと違って色気があふれ出ていた。俺の膝をペロッと舐め、中から自分のモノを引き出す。

「ヒィ……あ……っ」

 中が一緒に出るかと思った。怖い……。

「出したらまた挿れないといけないから……。アンリはもっとして欲しい?」

 フルフルと頭を振った。もう身体が重くてしかたがない。

「口で言って?」
「もうやだ――」
「可愛く言って?」
「お願いですから終わらせてください」

 ん~と首を傾げて、クロードが駄目出しをする。

「可愛く」
「もう……いやだ、わん」
「ププッ、可愛いよ。終わらせてあげるね」

 クロードはそう言って、自分の自慰を見せつけるように扱いた。目が怖い。まるで獲物を前に舌なめずりする肉食獣のような目だ。

「達くよ」

 そう言って、クロードは俺の腹の上にぶちまけた。

「なっ」

 何をするんだ、この男は。という言葉は口を物理的に塞がれて言えなかった。唇を舌でこじ開けられて、中を嫌というほど嬲られた。

「マーキング……」
「何?」

 息継ぎの合間にクロードがそう言った。

「私のものっていう印だよ。アンリがかけてくれても嬉しいけど」
「お前、ヤバいやつだろ」
「アンリがヤバいんだよ。こんなにいい身体、今まで知らない――」

 今までの経験の豊富さを自慢されたようで気分が悪くなった。

「気持ち悪い……」
「お風呂に入ろうか。綺麗にしてあげる」

 男はマメでないともてないというのは本当らしい。こんなイケメンがマメだったら世の男が勝てるわけがない。

「いらない。一人で入る」

 もちろん俺の願いは一笑されて、身体の隅々まで洗われた。二回目が終わった。






 
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