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出会い 2
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くすぐったい、クロ、頭匂うのはやめろって――。
「起きたのか?」
懐かしい夢を見た。犬のクロと一緒に眠っていると、いつもクロは頭をクンクンというかフンフンしてくるのだ。
「クロ?」
クロが喋るはずないと気づいた。そして、腹が、というか尻が痛い。全身が重くて怠い。
「アンリ」
名前を呼ばれて、キュッと尻に力が入った。まさか、まさか、まさか、挿ってる……。何か熱くて、太くて、長いものが――。
「ひゃっ!」
「可愛いな。アンリ、そんなに締め付けるな」
腹を押されて、中にあるものの形をまざまざと知らされた。
「ああっ! 抜け! 抜いて――……」
「アンリ、昨日は抜くなっていうからそのまま寝たのに……我が儘な子だ」
「ヒッ! あん!」
耳の横で囁かれて、身体が反応してしまう。
抜けていく感覚にゾワゾワと背中が震えた。
「昨日まで処女だったとは思えないな。絡みついてくる」
「処女じゃな……っ、あっあっ!」
そうだ、クロードだ。抜けきる瞬間、グイッと腰をグラインドしてまた挿ってくる。
「処、まさか初めてだったとはね――。驚いたよ」
「あっ! あっ……止めっ」
「胸もピンクで小さくて可愛い」
胸を指先に弄られて尻に力がはいると、ただでさえみっちりギッチリ一杯のクロードのペニスを締め付けてしまった。
「ああっ!」
「動けないよ。ほら、アンリ。力を抜いて――」
「いやっ、抜いて……」
気持ちがいい。けれど、そんな快感が欲しかったわけじゃない。どうして結婚式で飲んでいただけの男、しかも新婦ラブの男にいいようにされているのかわからない。いや、そうだ。新婦と逃避行をしないようにと飲ませて、今ここにいるのだから成功か!
「しかたない。こっちに集中して?」
俺の張りつめているペニスにクロの指が絡みつく。同じ男同士、いいところはわかっているのか段々と気持ちが良くて力が抜けていった。
「あっ、クロ、駄目っイッちゃう」
「達っていいよ。気持ちよくなって――」
声まで美形――。ただでさえ耳の横で囁かれて、我慢できずに達った。
「あっ、駄目、動かないでまだ――イッてるのに」
「私はまだ達ってないから。ごめんね、こっちのほうがいいかな」
クルッと身体を方向転換させられて、正面に美形の顔がきた。
「ああっん」
「キス、させて――」
「いやだ、キスはしないで――」
好きでもない男に身体を自由にされて、キスまでされた日には泣きたくなる。初めてのキスは……なんて思っていたわけじゃないけれど。
「駄目、昨日もしたよ。ほら、あなたの好きなのはここでしょ」
口の中、敏感になった顎の上の方を舐められてゾワゾワがやってくる。
「あ……どうして」
クロードは何度もキスをした。俺のファーストキス――!
「キス、好きでしょ? 身体が柔らかくなるんだよ。ほら、腰も揺れてる」
クロードはキスしかしてないのに、勝手に俺の身体が揺れて、まだ足りないとペニスがもたげていく。
「ふぁ……っ」
身体を揺さぶられて、気づく。俺の身体が見知らぬ身体になってしまっていることに。
「素直だね。そう、もっと善くしてあげるからね」
ゆっくり腰を回したかと思うと、奥の方まで突かれて身体が跳ねた。
「んっ、や、クロ――」
「あなたの身体は気持ちがいい」
身体だけの関係、どころか一夜だけの関係なのだ。なのに身体は勘違いしている。クロに似ていると思ったのが失敗だったのかもしれない。
「あああぁぁぁ!」
「アンリっ!」
ドクドクとお腹の中に熱いものが広がっていく。気持ちがいい、そう言うクロードの声を聞いてまた眠りに落ちた。
「起きたのか?」
懐かしい夢を見た。犬のクロと一緒に眠っていると、いつもクロは頭をクンクンというかフンフンしてくるのだ。
「クロ?」
クロが喋るはずないと気づいた。そして、腹が、というか尻が痛い。全身が重くて怠い。
「アンリ」
名前を呼ばれて、キュッと尻に力が入った。まさか、まさか、まさか、挿ってる……。何か熱くて、太くて、長いものが――。
「ひゃっ!」
「可愛いな。アンリ、そんなに締め付けるな」
腹を押されて、中にあるものの形をまざまざと知らされた。
「ああっ! 抜け! 抜いて――……」
「アンリ、昨日は抜くなっていうからそのまま寝たのに……我が儘な子だ」
「ヒッ! あん!」
耳の横で囁かれて、身体が反応してしまう。
抜けていく感覚にゾワゾワと背中が震えた。
「昨日まで処女だったとは思えないな。絡みついてくる」
「処女じゃな……っ、あっあっ!」
そうだ、クロードだ。抜けきる瞬間、グイッと腰をグラインドしてまた挿ってくる。
「処、まさか初めてだったとはね――。驚いたよ」
「あっ! あっ……止めっ」
「胸もピンクで小さくて可愛い」
胸を指先に弄られて尻に力がはいると、ただでさえみっちりギッチリ一杯のクロードのペニスを締め付けてしまった。
「ああっ!」
「動けないよ。ほら、アンリ。力を抜いて――」
「いやっ、抜いて……」
気持ちがいい。けれど、そんな快感が欲しかったわけじゃない。どうして結婚式で飲んでいただけの男、しかも新婦ラブの男にいいようにされているのかわからない。いや、そうだ。新婦と逃避行をしないようにと飲ませて、今ここにいるのだから成功か!
「しかたない。こっちに集中して?」
俺の張りつめているペニスにクロの指が絡みつく。同じ男同士、いいところはわかっているのか段々と気持ちが良くて力が抜けていった。
「あっ、クロ、駄目っイッちゃう」
「達っていいよ。気持ちよくなって――」
声まで美形――。ただでさえ耳の横で囁かれて、我慢できずに達った。
「あっ、駄目、動かないでまだ――イッてるのに」
「私はまだ達ってないから。ごめんね、こっちのほうがいいかな」
クルッと身体を方向転換させられて、正面に美形の顔がきた。
「ああっん」
「キス、させて――」
「いやだ、キスはしないで――」
好きでもない男に身体を自由にされて、キスまでされた日には泣きたくなる。初めてのキスは……なんて思っていたわけじゃないけれど。
「駄目、昨日もしたよ。ほら、あなたの好きなのはここでしょ」
口の中、敏感になった顎の上の方を舐められてゾワゾワがやってくる。
「あ……どうして」
クロードは何度もキスをした。俺のファーストキス――!
「キス、好きでしょ? 身体が柔らかくなるんだよ。ほら、腰も揺れてる」
クロードはキスしかしてないのに、勝手に俺の身体が揺れて、まだ足りないとペニスがもたげていく。
「ふぁ……っ」
身体を揺さぶられて、気づく。俺の身体が見知らぬ身体になってしまっていることに。
「素直だね。そう、もっと善くしてあげるからね」
ゆっくり腰を回したかと思うと、奥の方まで突かれて身体が跳ねた。
「んっ、や、クロ――」
「あなたの身体は気持ちがいい」
身体だけの関係、どころか一夜だけの関係なのだ。なのに身体は勘違いしている。クロに似ていると思ったのが失敗だったのかもしれない。
「あああぁぁぁ!」
「アンリっ!」
ドクドクとお腹の中に熱いものが広がっていく。気持ちがいい、そう言うクロードの声を聞いてまた眠りに落ちた。
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