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初等部編

これはもはやバッドエンド_2

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 いきなり民主主義の考え方を理解してもらおうとは思ってなかったし、そんな事を悠長にしゃべってる時間はないだろう。
 私が言いたいのは「私は王太子妃になりたくないし、ならなくてもいい方法あるんじゃね?」という事だから。


「たとえばなのですが、現在議会は貴族院のみですが、これに加えて平民からの代表者で構成する衆議院を作ってみてはどうでしょう。平民でも意欲があり有能な人材は、積極的に国政に関わってもらうべきです。そして王妃候補者についても同じです。一部の貴族のみではなく、広く求めればよいのです。そう例えば、王立アカデミーに通う生徒から選ぶ……など」

「なかなか、面白い演説だな、アリス。しかし、身分卑しい者の血が王家に混ざるなど許されない」

 玄関ホールに来た父が遮るようにそう言った。
 それを聞いた母の表情が沈み「やはりこの件に関しては、私とジョセフは相容れない」と呟いた。


 身分の卑しい者の血が王家に混ざることを許さないなら、
 身分の卑しい者の血が公爵家に混ざることも許さないだろうな。

 お父様は、きっと、私が身分の低い方との結婚の望んでも、許さない。
 考え方が根本的に違う。ただ、それは父のせいじゃない。慣習とか慣例が違うだけ。


「……アリス、子供はもう寝なさい」

 反論を許さない父の低い声。
 リラが迎えに来てくれたので、私は素直に従って私室に戻った。疲れ切っていたから、寝間着に着替えてベッドにもぐりこんで目を閉じたら、すぐに意識が遠のいていく。駆け落ちしかない、どこへ逃げようかしら……と妄想しながら私は眠った。





 翌朝、私は医師の診察をうけ、自分の部屋で軽い食事をしてから、まず両親と話した。
 人払いをしたから私の部屋には三人だけ。しばらく沈黙してから父が口を開いた。

「まずは、無事に帰ってきてくれてよかったよ、アリス」
「ご心配をおかけしました」

 それから昨日のことについて簡単に説明してくれた。私が気になっていた、私と一緒に行方不明になっていた、馬と御者の事も聞いた。私が拉致された東の森ではなく、西の城外に放置されていたそうで怪我もなく無事だという。よかった。それ以外のほとんどはアレックスが教えてくれていたことでもあった。

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